聖歌隊としてお宅を訪問するアメリカの『キャロリング』がステキ ~ワイズりか(アメリカ在住ライター、イラストレーター)


アメリカでのクリスマスの風物詩「キャロリング」をご存じだろうか?教会などに属する人の有志が集まって、隣近所や知人の玄関前に尋ねて、クリスマスソングを数曲歌う活動のことである。
 
12月15日、私は教会の子供たちと一緒に、キャロリング活動を行った。本記事では、その体験をシェアしよう。
 

有志が集まって、すぐに結成できる

「キャロリング」は、日本ではあまり馴染みがなかったかもしれないが、有川浩さんの同名の小説が昨年NHKでドラマ化されたことから、クリスマスのイメージくらいはわく人もいるだろう。
 
キャロリングは、その気さえあれば、誰でもすぐに結成できる。
 
クリスマスシーズンに、ノックされたドアを開けるとキャロリング聖歌隊がクリスマスソングを歌い始める。素敵な思い出となるものだ。
 

キャロリングの素敵なぬくもり

数年前のクリスマス、私もそのキャロリングの祝福に預かった一人である。
 
家族と友人でクリスマスディナーを囲んでいた時に突然ドアをたたく音がして、開けると大人や子供が10人ほどドアの前に立って美しい歌を歌いだした。
 
その時、この聖歌隊をリードしていたのが写真の女性、べディジョーだ。
キャロリング
 
彼女はご主人とともに、1973年から2012年、なんと40年もの間、この活動を続けていた。クリスマススピリット(参考記事:皆で少しずつ幸せになるアメリカ流『クリスマス・スピリット』のススメ)をとても重んじていて、私も常に尊敬しているすばらしい友人の一人である。クリスマス期間中に、一人でクリスマスを過ごしそうな人、病気の人、老年のカップルなどをキャロリングで訪ねたり、自宅のディナーに招待したりするクリスマスを長年過ごしてきた。
 
その彼女も、3年前ご主人が歩行に困難を来たしたことを機に、キャロリング活動をストップせざるをえなくなってしまった。しかし、キャロリングをやめた後も、自宅へのクリスマスディナー招待は今だに続けられている。
 

今年は私も子供たちと一緒に

今年、私もキャロリングの活動に加わる機会を得ることとなった。大人と子供をあわせて30人くらいの大きなグループが出来たので、なんと貸切バスで回ることに。バスでキャロリングに行くとはアメリカでも一般的とは言えないが、子供たちが一緒なので、このほうが便利である。バスの中は、まるで遠足にでも行くような興奮ぶりだ。
 
最初に訪問をしたのは、シニアセンター(高齢者介護施設)だ。こちらのセンターでは、夜7時くらいにはベッドタイムとなってしまうので、到着した7:30時分は、すでにほとんどお年寄りが食事を済ませて、カフェテリアから部屋に戻ってしまったところだった。それでも、私たちがキャロリングを歌い始めると、従業員たちも参加して、ちょっとしたミニコンサートのような感じとなった。
 
クリスマスソングを5曲、そして聖書からいくつか抜き出した言葉を子供たちが読み上げた。最後に、We wish a Merry Christmasを歌いながら、私たちは出口へと歩き始めた。お年寄りたちは皆、Thank you. Happy Holiday!と言いながら、拍手を送ってくれた。、目的を果たせた子供たちも満足気であった。
 
少々練習不足で途中音程がちょっとくずれたが、それもご愛嬌。十分気持ちは伝わったと思う。
 
↓練習の成果は出たかな・・・?
キャロリング・聖歌の練習
 
次に向かったのは、住宅街の一角に住むお年寄りご夫婦宅。皆で玄関の前にずらっと立ち並び、歌い始めた。
 
この家の奥様が大変喜び、歌い終わった時、私たちにおいしそうなクッキーをふるまってくれた。そして何度も感謝の言葉を述べていた。
 
こちらでもWe wish a Merry Christmasで締めくくり、無事に終了。バスに向かおうとしたその時、ちょっとしたハプニングが起きた。
 

素敵なハプニング

私たち、30人ほどの聖歌隊が大きな声で、ギターのバックに合わせてクリスマスソングを歌っていたので、確かに住宅街には、この声が響きわたっていた。
 
ひとりの女性が突然私たちの前に現れ、私たちのメンバーのひとりと何か真剣に話をしている。数件先に住む妹の誕生日のために、家族がお祝いに集まっているところだったと言う。そして、彼女のお願いは、妹の誕生日をもっと特別にしたいので、ぜひ、家の玄関先に来て、私たちにキャロリングソングを歌ってほしいと頼んできたのである。
 
もちろん、私たちは大喜びでこのお願いに応えることにした。その女性や妹、そして彼女の家族から喜んでもらえたばかりでない。私たちにとっても、忘れられない、すばらしい思い出をもらうことになった。
 
盛り上りながら、私たちは、また再びバスに乗り込み、教会へと戻った。戻った私たちには、キッチンにブラウニーとチョコレートチップクッキー、そしてホットチョコレートが、キャロリング後のSpecial Treatとして用意されていた。、子供たちは口々ににほおばり、それぞれの家路へと帰っていった。
 
キャロリング
 

人に与え、そして自分も自然と受け取る喜び

キャロリングをする意味とは何だろう?
 
それは、紛れもなく、クリスマスに人の触れ合いと愛を経験することだ。人の気持ちがハッピーになり、同時に歌っている自分たちでさえ、その気持ちを受け取り、喜びを実感する。
 
残念ながら、最近はキャロリングをやる人もそれほど見られなくなったようだが、今回、他の大人たちとも話して、ぜひ続けて行こうと言う事になった。なによりも、次代を担う子供たちと一緒に経験できるのだから、これは絶対続けてゆくしかないと感じる。
 
文:ワイズりか(ライター、イラストレーター)
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