映画好きなら必見。パラマウント・ピクチャーズのスタジオツアー in LA ~キャッチポール若菜(映像翻訳者・通訳)


今日は、映画好きの方なら一度は行ってみたい、アメリカ・パラマウントピクチャーズのスタジオ・ツアーの話をお届けしよう。
 
先月、出張でカリフォルニアはLAに行ってきた。私はアメリカにはしばらく住んでいたうえ、今でもときどき夫の家族を訪ねに渡米する身だが、実はLAは今回が初めて。仕事柄、海外テレビ番組や映画が好きな私は、自由な時間があった出張最後の日にスタジオ・ツアーに行ってみることにした。
 
本記事では、ハリウッド映画の魅力が存分に詰まっているツアーの魅力を交えながら、ツアーで感じた『質問力』のすばらしさについてもお話ししたい。
 

「あの映画の、あのシーンだ!」

ワーナー・ブラザーズかパラマウント・ピクチャーズかで迷ったが、私は運転をしないのでホテル付近からバスで行けそうなパラマウント・ピクチャーズを選んだ。(今ではすっかり浸透している車サービス、Uberも考えたが、バスは$1.75と現地で水を買うよりも安い。)
 
ツアー15分くらい前に受付けをし、ゲストタグをもらい、待合いホールで待つ。そこでは様々な映画に使用されたコスチュームや映画に使われた小道具の展示を見たり、パラマウント・スタジオの沿革を読んだり、その他プロモ映像などが楽しめる。
 
パラマウントピクチャーズ
▲両側が『ズーランダー』のデレク(左端)とムガトゥ(右端)の衣装。
真ん中は『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のミセス・ラベットの衣装、そしてムガトゥの衣装の間が『アダムス・ファミリー』のゴメスとモーティシアの衣装
 
時間になると外へ出てほかの観光客と一緒にカートに乗る。後ろにいてガイドの声が聞こえなかった…なんてならないよう、参加者1人ひとりにラジオが渡され、ガイドがマイクにしゃべった声がイヤホンからも聞こえるようになっている。これならガイドも始終大声で話さなくても済むし、参加者側もガイドの話を聞き漏らすことがない。
 
私が参加したツアーは2時間$55.00のもので、要所要所でカートを降りて映画が撮影された場所やスタジオ全般、トークショーの舞台などを見せてもらえる。その都度、色々な豆知識やエピソードを聞けるのが面白い 。
 
敷地内は、映画好きの記憶をくすぐる様々な仕掛けが満載だ。実際に何かの撮影をしていたり、ニューヨークやシカゴの街の一角がそのままあったり、『フォレスト・ガンプ』のベンチも置いてあった。。私の好きなコメディ『コミカレ!』のキャンパスとして撮影に使われた芝生のエリアもある。
 

『フォレスト・ガンプ』のベンチ

パラマウントピクチャーズ
▲『フォレスト・ガンプ』のベンチ。真ん中のプレートには彼のセリフ
“I’m Forrest. Forrest Gump. People call me Forrest Gump.”とある。
 
通常のベンチより直線が強調されていて、あまり座り心地は良くない。これによってフォレストの背筋がいつもピンと伸びているのがわかりやすいようになっているという。
 

駐車場が撮影現場に早変わり

パラマウントピクチャーズ
 
一見普通の駐車場。ここは何をするところかお分かりになるだろうか。
 
背面のスクリーンは空。そして駐車場には、海を使ったシーンを撮る際に車をどけて水を張るのだという。
 
1956年のチャールトン・ヘストン主演の『十戒』の紅海が割れるシーンはここで撮られたそうだ。両側から水を流し入れたのを逆に再生することで、あの海が割れるシーンが作り出された。
 
別の映画で人が空から落ちてくるシーンなどもそのプールを使って撮影されていて、俳優が水面の上方に立った形で上を向き、落ちている演技をし、カメラはそれを上から撮るので、実際には空は水面に映っている空を使っているのだそうだ。
 

『大道具・小道具倉庫』は宝の山

2時間たっぷり、色々なところを回った後、最後にプロップルーム(大道具・小道具倉庫)を回ってツアーは終了。
 
パラマウントピクチャーズ
▲プロップルーム。
トランスフォーマーは大きすぎてこの写真に納まっていない。
『グリース』の赤い車は実際に運転できる自動車らしい。
奥には、『ジャッカス』で使われたという、棺桶に入った異常にリアルなお婆さんの人形や、『チーム・アメリカ』のある町のミニチュア、そのほかたくさんの小道具・大道具を見たり、手に取ったりできる。
 

観光体験を何倍も豊かにする『質問力』

さて、アメリカではレストランやホテル、バレーパーキングなど、誰かしらにサービスを受ければ個人的にチップを払う。ツアーなら、ツアーガイドにも$10.00~20.00ほどチップを支払うことになっている。アメリカに住んでいないと、この習慣は忘れがちになるので要注意だ。
 
ところで、一緒に回っていたほかの観光客は皆フロリダ出身で大の映画やテレビ好き。そんな彼らからはガイドへの質問がたくさん飛び交っていた。ガイドの方も毎回ただ話すのではなく、「これは何だと思う?」「あれはどうしていると思う?」と会話になるようにガイドを進めていく。
 
そういえばアメリカの学校では学校の授業も先生と生徒との間でたくさんの会話をしながら進められていたことを思い出した。
 
日本に住んでいると、あまり色々聞くのは失礼な感じがするため、こういう感覚を忘れていたが、質問するということは本当に大事だ。質問をされた方も、そこから思い出したことやエピソードなどを話すことになる。そして質問者もより多くの知識を得ることができ、ひとつの話題も掘り下げて話してもらえる。
 
今回のツアーでは、彼らのおかげで、確実にガイドが用意していた以上の話を聞くことができたと思う。
 
パラマウント・スタジオツアーについては、ネットでは「電話でしか予約ができない」という書き込みも見たが、今ではウェブサイト から申し込み、決済までを、ツアーに空きがある限り直前までに済ませることができる。(空きがあれば予約なしで直接行ってもいいらしいが、満席になると、周りに観光できるような場所もないので、予約をおすすめする。)
 
パラマウント・スタジオツアーにはこのほか、食事つき4時間半のVIPツアー、あとは日が暮れてからスタートする2時間半のナイトツアー(After Dark Tourという)がある。Yelp!などの口コミサイトを見ると、中でもナイトツアーが面白いらしい。19:00と19:45スタートがあるので、機会があれば皆さまも体験してみてはいかがだろうか。
 
パラマウントピクチャーズ
▲パラマウント敷地内。
撮影に使えるある町の一角で左のダンプスター(ごみ捨て場)もプロップのひとつ。

 
文:キャッチポール若菜(映像翻訳者・通訳)
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