バンコク市民の身近な足「路線バス」。国が違えばルールも違う!~Sazu Iwai-Pawle(タイ バンコク在住ライター)


タイのバンコクは近年、スカイトレイン(BTS)、地下鉄(MRT)などが開通し、観光の足としてもとても便利になりました。一方で、なかなか使わないのが路線バス。でも、路線バスには乗ってみると生身のタイ文化と出会えます。
 

タイ路線バスの常識・その1『バス停はどこ?』

日本なら、バス停にはバス停の名前、利用できるバスの番号、どの方面に行くのか、時刻表、バス停によっては今バスがどこにいるのかの表示があります。そして、冷暖病完備、時間通りにバス停にバスがやって来ます。
 
バンコクでは、日本のバスを基準にすると乗れません。まず迷うのが「バス停はどこ?」という件。
 
バス停はあるのです。屋根とベンチが設置された見つけやすいものもあります。多くは、バスの看板時が設置されています。しかし、バスのマークが外れている時もあります。多くの人が、バス停の手前でバスを待っているので、どこがバス停なのか解らないこともあります。人が立っている、同じ方向を皆が向いているなどを観察して、バスが止まるのを見たらもうそこはバス停です。
 
▼もっとも解りやすいバス停。
バンコクのバス停
 

タイ路線バスの常識・その2『バスの乗り方』

バス停には、時刻表がありません。もちろん、どこにバスがいるのかも表示されません。最近インターネットで、バスの運行状況が解るサービスが始まりました。しかし。日本のようにバス停で一目瞭然ということはありません。
 
多くの日本人は、フリーペーパーの会社が出しているバンコク・バス路線図を活用しているようです。私もその一人で、どこに行くのにも持って行きます。
 
バスは、手前で客を乗せ本来のバス停には止まらないこともあります。置いて行かれないように、乗り込むときは他の乗客と一緒に行く方が無難です。
 
渋滞で中央の車線にバスがいるときは、バス停に寄せず、バスの位置で客を乗せることもあります。手前を走るバイクに注意しながら乗り込みます。タイでは、目的のバスが来たら腕を前に伸ばして合図します。この合図がないと止まってくれず通過して行ってしまいます。
 
▼渋滞すると車間距離はもっと狭くなります。
バンコクの渋滞
 

タイ路線バスの常識・その3『料金の支払い方』

バンコクのバスには、車掌がいます。シャカシャカとお金の筒を降る音が聞こえたら支払いの合図です。乗客の協力もあるとは思いますが、車掌は誰が払っていないのか解っているようでいつも感心します。日本のように料金箱があったり、SuicaやPASMO、一日乗車券などはバスにはありません。
 
バスにもいろいろ種類があり、エアコン付、エアコンなしで料金が違います。エアコン付では行先により値段が変わります。エアコン付バスでは行先を告げないと支払いができません。バス停に停留所名なんて書いてないのに、行先を告げなくてはならないので大変です。
 
そのため、エアコンなしバスは一律の値段なので、私はしばらくエアコンなしバスばかりに乗っていました。
 
なお、エアコンなしバスでシャカシャカお金の支払いの合図が聞こえない場合。は無料バスです。バス公社の直営バスで無料のバスがあります。
 

タイ路線バスの常識・その4『乗車中も安心できません。』

エアコンなしバスは、床がまだ木でできていたり、天井に扇風機が回っていたり懐かしさを誘います。しかし、座って一息ついたら背もたれがなく、姿勢正しく目的地まで乗ることになったり、座ろうと思ったらクッションがなくパイプだけだったこともあります。
 
車間距離をほとんど取らないし、割り込みは当然。信号は日本ほどありません。急ブレーキは当たり前、道が空いているときはスピードが上がります。空いている席がない場合は、しっかり持つところを確保し身の安全を自分で保障する必要があります。
 
雨期に入ると雨が急に激しく降ることもあります。窓を閉めなければずぶ濡れになります。車両が古いものもあり、窓を閉めるのも他の乗客との協力が必要です。
 
▼バスの色はカラフル。窓もドアも開いています。
バンコクのバス
 

タイ路線バスの常識・その5『バスの降り方』

バスを降りるときは、ブザーを鳴らします。人がたくさん待っている所では、どんどん乗ってくるので、素早く降りないともう一駅乗ってしまうことになります。バスは、入口、出口は別れていません。
 
バスのドアは、走行中いつも閉まっているわけではありません。渋滞しているときなどは、特に開けっ放しで走ります。道の中央にバスが止まっていても、乗客が降りて行きます。
 

バスの記事発見。こんな記事を読みました。

最近タイではこんな事件がありました。新聞の見出しは『バス飛び降りけんかふっかける、タイ運転手に業務停止7日』。
 
「バンコク首都圏で路線バスを運行するバンコク大量輸送公社は6月22日、民間会社に委託して運行しているバスの運転手に不適切な行為があったとして、この運転手に7日間の業務停止とバスの運行会社に5,000バーツ(約15,000円)の罰金を命じたと発表した。この運転手が運行中にバスを停車して車外に出て、道路の別のレーンにいた乗用車に近づいて怒鳴り散らし、喧嘩をふっかける様子を撮影した動画がインターネットの交流サイトに投稿され、テレビ、新聞などが報じた。バンコクの路線バスは危険な運転や乗客への乱暴な対応などが度々問題となっている。」(Newsclip vol.329 2016年7月10日発行)
 
タイのバスのサービスの在り方は、タイ社会問題の問題になって来ています。いずれは、日本のようにルールの中で運営され、サービスも行き届く日が来るのかもしれません。スカイトレイン、地下鉄の路線が延長するに伴い、問題はさらにクローズアップされ、バスは将来衰退していくことも考えられます。
 
そうなれば、今の路線バスが持つ魅力、たとえば人間同士の協力や何時来るか解らないバスを待つ心の余裕、渋滞の時は好きな場所で降りられる便利さはなくなります。
 
自分で行動しないとバンコクのバスには乗れません。自分の安全は何より自分で守らなければなりません。バンコクのバスには、自分でできる小さな可能性を発見する楽しみがあるのです。
 
文:Sazu Iwai-Pawle(タイ バンコク在住ライター)
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