イギリス小学校の英語学習にみる、日本の幼児英語教育へのヒント ~ディビス奈緒子(英国在住ライター/留学生生活サポートワーカー)


移民が多いイギリス。小学校には英語を母国語としない子供もいます。そんなイギリスの小学校の国語(英語)教育は『音』から習います。日本の義務教育の年齢より一年早い5歳の年から義務教育が始まるイギリスでは、最初の国語教育をとても重視しています。本記事では、日本での幼児英語教育へのヒントとすべく、イギリス小学校での国語教育の模様をお伝えします。
 
Malmesbury Primary School
Photo from Flickr Malmesbury Primary School(Tom Bastin)
 

本格的な小学校教育の前の1年間「就学準備クラス」

5歳の彼らが最初に入るのが「レセプション」と呼ばれる就学準備クラス。レセプションでは、6歳からの本格的な授業が始まる前の準備として、段階的に国語を習得していきます。
 
レセプションは9月から満5歳の子供が入ります。日本と同じで遅生まれの子はまだ4歳で早生まれの子供に比べらたらとても小さく感じます。彼らの中にはまだまだ言葉の遅い生徒もいます。しかし、この時期は子供たちにとって本格的に言葉を覚えるのにとても重要なため、各家庭で学習には力が入っています。
 

英語(国語)の基礎を徹底する

レセプションでは、まず一学期にABCのフォニックスを学習。二学期から音に基づいて単語を覚え、この時期から簡単な単語が並ぶ本読みの宿題が始まります。二学期後半から単語の筆記が始まり、こうして一年かけて英語基礎を勉強します。
 
一学期のフォニックス学習では、最初の1、2か月、アルファベットをフォニックスで一音ずつ覚えていきます。発音を何度も聞き、アルファベットのフラッシュカードを目で覚え、そして発音と共に体を使って覚えています。Aを「エー」ではなく「ア」と一緒に口を開けて手をあげて驚く動作と一緒に覚え、次にリンゴのカードを見てApple「ア」ップルと覚えます。とても単純で集中力の足りないこの時期の幼児達の興味を示す方法で学習していくことができます。
 
フォニックスについては一部に批判が無いわけではありませんが、発音と単語、文章の読み、綴りの大変な手助けになります。この時点では文章や単語の綴りがフォニックス寄りの表記になってもあまり問題視されず、次のYear1(小学校1年)時で訂正され、文章の書き方を勉強していきます。
 

子どもの適性に合わせた学習

フォニックス学習方法は、視覚で考える直観的な子、音で覚える子、体を使って覚える子と、違ったレベルの幼児の集団学習にとても向いていると言われています。日本でもフォニックスを取り入れる学校が増えてきていますが、単純に単語を繰り返し読み書きし、一つずつ覚えていく従来の日本の英語教育方法と違うところだと思われます。
 
英語は音の規則性ルールを覚えてしまえば、とても簡単な言語です。幼児たちはこの簡単明快なゲームのルールをすぐ覚え、そして自分で読み書き出来た瞬間、英語(言語)は楽しい、面白いと、思わぬ能力が開花するのです。教える時は思い切り楽しませ、できたら思い切り褒めてあげる事もお忘れなく。
 
文:ディビス奈緒子(英国在住ライター/留学生生活サポートワーカー)
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