オペラの本場イタリアで声楽を学ぼう~金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)


多くの日本人から愛されているイタリア・オペラ。本場で声楽を学びたいと思う未来の歌手の方々も多いことでしょう。この記事では留学を希望される学生さんや若手歌手のために、事前に知っておいたら役に立つイタリア音楽留学に関する情報をご紹介します。
 
イタリア 声楽留学
 

イタリアの国立音楽院

・入学試験合格のために
イタリア国立音楽院で勉強するには、年に1度、5月から7月に行われる入試に合格する必要があります。イタリアの音楽院ではセオリー上、26~28歳の年齢設定が設けられていますが、年齢相応の実力があれば多少年齢制限をオーバーしていても入学できます。
 
外国人受験者にはイタリア語の試験もあるので、できれば入試の数か月前に渡航して語学学校に通うとよいでしょう。
 
日本国内で何年もイタリア語の勉強を続けた人でも、いざ日常で使うとなると買い物さえままならないケースが多々見受けられます。渡航前に机上で文法を頭にしっかり詰め込んだら、現地で会話の経験を積んで入試に耐えうるコミュニケーション能力を身につけましょう。
 
・授業の履修
日本で芸術・音楽大学を卒業してから留学する場合、必ず出身大学から英文の成績証明書を発行してもらって、音楽院入学の際に提出しましょう。音楽史やソルフェージュなどの基礎科目が免除され、実技と語学の授業に集中できます。
 
副科ピアノの授業は履修をおすすめします。イタリア音楽院のピアノの教授はしばしば声楽の伴奏者としても活動している人が多いので、歌に関する有意義なアドバイスがもらえます。
 
・音楽院のコース
イタリアの音楽院声楽科には5年、3年、2年制の3種類のコースがあります。日本で学位を取得している人は、より実技の学習に重きを置く3年もしくは2年コースの受験が良いでしょう。
 

プライベート・レッスンで技術を磨く

音楽院に自分に合う先生がいるとは限りません。語学学校に通いながら個人レッスンに通うのもひとつの有効な手段です。
 
師事する先生によって劇的に変化するのが声楽を学ぶ上でのリスクでもあります。イタリアでは数々の先生の生徒さんによる発表会などが頻繁に催されているので、直接足を運んで自分の耳でどの先生の教え方がどのような傾向を生んでいるのか研究しましょう。
 
マスタークラスなどに参加するのもひとつの手段です。
 
何より大事になってくるのは聴く能力です。イタリアではとてもリーズナブルに当日券や天井桟敷の入場券などが購入できます。自分の住む町の歌劇場に留まらず、近隣の町での公演にも足を運ぶことをおすすめします。スター歌手たちのパフォーマンスと、ベテラン観客との意見交換などから知識と見聞を広め、自分の学習に応用する力を身につけましょう。
 
イタリア 声楽留学
 

奨学金制度

最期に、留学する際の経済的支えになる奨学金制度を、参考リンクと共にいくつか紹介します。
 
1.文化庁の奨学金
http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/shinshin/kenshu/
 
2.イタリア政府奨学金
http://studyinitaly.jp/scholarship/italia.html
 
3.明治安田生命奨学金
http://www.meijiyasuda-qol-bunka.or.jp/
 
4.ロームミュージックファンデーション
http://micro.rohm.com/jp/rmf/
 
他にも各地域のライオンズクラブもしくはロータリークラブが海外留学生のための奨学制度を実施しています。
 
応募資格が地域ごとに異なりますが、上記の奨学金よりも競争率が低い場合が多いので、比較的合格しやすい奨学金制度です。地元の情報誌やネットサイトで調べてみましょう。
 
イタリアに渡ってから現地の奨学金制度に応募することもできます。必要書類を日本で揃えていく必要があるので事前によく情報収集をしてください。
 
留学にはどうしてもお金がかかります。バックアップを受けることで、思う存分勉学に邁進できる環境を手に入れて、充実した留学生活を送ってください。
 

まとめ

オペラはイタリアで生まれ、イタリアで育った文化遺産です。本場での経験は一生の財産になります。世界レベルのパフォーマンスを身近に感じ、スター歌手たちと触れ合い、自分の目で見、耳で聞き、多くのことを吸収できる機会に恵まれます。
悔いの残らないようできることは全てチャレンジして、歌手として飛躍するための糧にしましょう。
 
文:金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)
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