イタリア音楽留学からプロの音楽家への道のりを近づける3つのヒント~金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)


クラシック音楽を学ぶ人にとって、ヨーロッパは憧れの地です。特にオペラに関心のある人にとってイタリアは聖地のような場所です。
 
日本国内ではクラシック音楽はどうしても遠い存在であり、本格的に勉強するには限界があります。プロの音楽家を目指すためにも一度は本場で技術を磨きたいと考える人も多いのではないでしょうか。
 
この記事ではイタリアでの音楽留学を充実させ、プロの音楽家への道を歩むための、いくつかのコツをご紹介します。
 
【目次】
■ コンサートやオペラ公演に通って耳を育てる
■ 音楽界の人脈を広げる
■ コンクールやオーディションに挑戦する
■ まとめ

 

コンサートやオペラ公演に通って耳を育てる

イタリアではどの都市にもメインの歌劇場が存在しており、その他にいくつものコンサートホールや小さな音楽サークルなどが頻繁にコンサートを催しています。
 
イタリアに入ったらまずは本場の演奏をたくさん聴きに出かけましょう。
 
日本とは傾向も趣向も異なります。演奏のクオリティーに対するお客さんの率直な反応からも学ぶところが多いはずです。
 
イタリアでのオペラやコンサートのチケットはリーズナブルです。大きな劇場の公演は、早くからソールドアウトになっている場合が多いので、当日券の入手にチャレンジしましょう。天井桟敷の席や立ち見席になってしまいますが、体力と気力のある若者には充分な席です。
 
当日券は10ユーロ程度で入手できるので、気に入った公演は複数回足を運んでも経済的負担は少なくて済みます。
 
当日券の購入方法は町によってしきたりが変わ ります。事前に劇場のインフォメーションなどで情報収集しましょう。午前中から当日券希望者の点呼を行う劇場もあります。
 
同じキャストでも日によってコンディションが違います。複数回鑑賞することはとても有意義です。一回目には気づかなかった発見もあります。
 
大きな劇場で歌うスター歌手だけではなく、学生レベルのコンサートを聞くのも勉強になります。良いも悪いも経験して耳を育てれば、自分はどんなタイプの演奏家になりたいのかがより明確に見えてきます。

 

音楽界の人脈を広げる

小さなコンサート にも通いつめれば、自然と顔見知りが出来ます。休憩時間などには近くの席の人たちと、演奏についての意見交換を積極的に行いましょう。イタリア人がどの演奏家をどのように評価するのか、たくさんの意見を聞いて参考にしましょう。
 
引退した音楽家からなる音楽サークルも数多く存在します。そのような集まりの小さなコンサートにも顔を出して人脈を広げましょう。
 
自分も音楽家だと知られれば出演の話が舞い込んでくることも少なくありません。最初は少額のギャラでも経験のために引き受けましょう。

小さなサークルでも大物の演奏家が出演するコンサートが多々あります。イタリア人同士の友人関係で、スターが気軽に出演してくれるのです。運が良ければ憧れの音楽家と共演もあり得ます。

 

コンクールやオーディションに挑戦する

ある程度イタリアの音楽に触れて傾向と対策が固まったら、コンクールやオーディションに挑戦しましょう。
 
大規模なものから小規模なものまで多数ありますが、最初のうちは選り好みせず、日程と場所で受けやすいものから受けて経験を積むのも良い手段です。
 
システムや雰囲気を味わって緊張にも慣れてきたら、直接デビューに結び付くものに絞って受けることをおすすめします。コンクールの賞が、お金ではなく具体的な公演の出演権であるものに焦点を絞って、イタリアでのデビューを目指しましょう。
 
舞台上で学ぶことは、レッスン室で学ぶことの数十倍の価値があります。経歴としてもデビュー歴が多ければ多いほどその後の応募に有利になります。積極的に本番を勝ち取りに行きましょう。
 
美しい馬の蹄型の伝統的な劇場で歌うことができるのもイタリアならではの魅力です。
 
イタリア音楽留学

 

まとめ

外国人である日本人が異国の文化であるクラシック音楽を学び、それを持って働いていくには並々ならぬ努力が必要となります。
 
イタリアをはじめ、欧州諸国ではベースとして「できる限り自国出身の音楽家を育てたい」という一般的な理念があります。その中で私たち外国人がキャリアへの道を開くには、人の何倍もの努力と情熱と、あきらめない強い気持ちが大切です。
 
抜きんでた演奏をすれば国籍や人種の壁を越えて、認めてくれる人が出てきます。自分の可能性を信じ、大好きな音楽への愛を糧に、よりよい演奏を目指して精進しましょう。
 
文:金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)
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