続『思い立ったので留学!』17日間のアメリカ・プチ親子留学を決行する~キャッチポール若菜(映像翻訳者・通訳)


去年の初め頃、日本の寒さがツライという理由が元で、娘と一緒にプチ親子留学の計画を立てた。 (『思い立ったので留学!』)
夏にそれを決行し、親子ともに新しい発見や学び、そして楽しい思い出を胸に無事帰国。特に私にとっては自分のための留学だった学生時代との違いをひしひしと感じる旅となった。
 
今日は、実際の計画から滞在、交通手段などを含めて17日間の短期アメリカ親子留学の記録を書いてみたいと思う。
 

どこに行こう?

国内外関わらず私が旅行計画を立てる時はいつも「そこに住めそうかどうか」を考えてしまう。ことに今回は気候を重視しての渡航。
アメリカ東海岸側は一度住んだことがあって住めるだろうことはわかっていても避けたかった。
 
冬寒くて夏は高温多湿では、私にとっては日本にいるのと変わらないのである。
 
春先に出張でロサンゼルスに行ったこともあり(『映画好きなら必見。パラマウント・ピクチャーズのスタジオツアー in LA』)、気候の良さはわかっていたので、今度は観光地ではなくて普通の人が住んでいるような場所に行ってみようと思った。
 
物価もバカみたいに高くなく、治安も悪くない所・・・でもそれってどこなんだろう?
 
現地の小学校のリストで口コミを見てみたが、いまいちピンとくるところはなかった。まぁ、普通の家庭があっちへ引っ越すなんて場合は、転勤なんかで会社が決めてくれるんだろうしな…とそう思ったところで、そうか、海外進出する会社なんかは治安やら物価やらの調査もしているはずだ、と気づいた。
 
私個人がいきなり一人で調べまくるよりもずっと効率がいい。
 
そこで、海外進出している日本の一般の会社がどこにあるのかを簡単に調べ、たまたま知っている会社が2社見つかったことから、空港やビーチにも程近いロス郊外の住宅街に決めた。
 

ホストファミリーと滞在先

今回、Air bnbを通して出会ったホストファミリーは、ご主人が日系アメリカ人の方で、彼のご両親がそれぞれ日本人の1世・2世だそうだ。
 
ホストファミリーには小さな子どもがいて、そんなに毎日顔を合わせることはなかったが、時間があった時には、色々な話を聞くことができた。
 
ご主人は小さい頃から日本人学校にも放課後通っていたので実は日本語も話せるし、読み書きもできるらしい。日本とアメリカを繋ぐコミュニティの活動の話や、ご家族の歴史まで色々と興味深いお話をたくさん聞かせていただいた。
 
とても開放的なお家はいつも自然光が射し、窓から風が抜ける気持ちのよい場所だった。日本ぽい庭が作ってあったり、飾りが施してあったりして、自分のルーツを大事にされている印象だった。
 

 

ミュージカルキャンプ

今回の旅の目的のひとつは娘にミュージカルを体験してもらうこと。
 
アメリカには本当に色んな種類のサマーキャンプがある。音楽系以外にも美術系、言葉関係、算数や数学関係、理科の実験、スポーツ系、動物学みたいなものまである。たぶんもっともっと色々なものがあるだろう。
 
ミュージカルキャンプは月~金9:00~13:00までの全10日間みっちり練習。その後の土曜日が本番で、朝から晩まで3回の公演を行うというスケジュールだった。
 
気になるキャンプ代は495ドル。普段はチケットノルマなどもあるらしいが、夏期のプログラムにはノルマはなく、台本や衣装なども全て込み。
 
あとは自分たちの分のチケット代。また、こちらは任意だが、公演終了後のファンド・レイジングディナー、公演DVD購入費などが別に発生する。
 
娘は英語を話すので言葉の心配はさほどしていなかったが、さすがに1日目は全く知らない子どもたちばかりの環境で固まっていた。しかもキャンプの対象年齢は4歳~14歳までなので、5歳の娘の周りは年上ばかり。
 
「泣いちゃうかな・・・?」と心配した私はキャンプのコーディネーターさんに自己紹介を兼ねて挨拶をし、娘がキャンプに参加するのも初めてなことなどを話してみた。
 
コーディネーターさんは、スタッフはみんな子どもの扱いには慣れていること、おそらく最初はみんな緊張するので、互いの名前を覚えるためのゲームなどをしてお互いを覚えることなどを説明してくれた。
 
だいたいどんな感じか想像がついた私はとりあえず「えいやっ」と娘を置いて、そこを離れることにした。娘の場合はかえって私が近くにいない方がしゃんとする傾向にあった。だから、たぶん大丈夫。
 
そして4時間後。
 
お迎え時間よりも若干早めに行っておそるおそる覗いてみると、普通にみんなの輪に入ってディレクターの質問に答えたり、手を挙げたりしている娘の姿があり、心底安心した。
 
2日目以降は役も割り当てられ、本格的に練習に入っていった。
 
今回の演目は「リトルマーメイド」。1日目に分厚いスクリプトとCDが渡された。

娘の役は場面場面で出てくる船乗りやお魚コーラス隊やプリンセスなど。もっと背景的な感じかと思っていたが、覚える歌や振り付けが意外と多くあり、しかも毎回舞台の中央に出てくるので、歌詞もしっかり覚えなくてはならない。
保護者あてにも歌詞の暗記のサポートをするよう指示があった。
 

 

1日の過ごし方

月~金は毎日キャンプがあるので7:00頃に起床し、朝食を食べ、水筒やスナック、ダンスシューズとスクリプトを娘のリュックに詰めるのが朝の習慣となった。
 
キャンプへは徒歩で30分ほど。現地の人なら車で行く距離だが、私は運転をしないので仕方ない。
 
私はその後、近くのカフェに行き、お迎えの時間までノートパソコンで仕事をした。このために契約しておいたポケットWifiは大いに役立った。
 
お迎えの後はたいてい一度家に帰り、ランチを取って、その後で出かけたい時は出かけていた。モールへ行ったり、公園に行ったり、普通の人が暮らすように暮らしてみた感じだ。
 
その地域では日が沈むのがなんと夜の8時頃。家の前には公園もあったので、夕飯を食べたあとでも公園に行けるという環境が、娘には面白かったようだ。それでも娘には遅くとも8時にはシャワー、できるだけ9時就寝となるように努めた。
 

Uber

さて今回、移動の際に素晴らしく便利だったのがUber
 
キャンプまで徒歩30分、ちょっとした買い物も徒歩20分で行けたのはラッキーな方で、そのほかは車無しではやっていけないのがアメリカだ。
 
Uberはスマートフォンで手軽に車を呼べる配車サービスで、利用者はUberにクレジットカードを登録しアカウントをつくる。車が必要になったら専用アプリからマップを開いて、配車を申し込む。すると近くにいるUberと契約している個人ドライバーが来てくれるというもの。
 
料金はアプリで自動的に決済でき、場所も申し込みの時点でドライバーはわかっているので、車内でお金のやりとりや行き方を説明する必要がない。
 
アプリ上で前もって車種とドライバーの顔がわかること、進行中のルートがわかること、また、出発時に任意の友人たちにスマホから「今出ました」「目的地につきました」のようなメッセージがマップとともに送られる仕組みになっていることなどから、安全面にも進化が見られる。
 
履歴も残るので、あとから旅費の計算もしやすいし、どこまでも便利だ。
 
子どもと一緒なので日が暮れてからの利用はなんとなく憚られたが、滞在中の移動はUberで全く問題はなかった。


▲週末に行ったカタリナ島。今回のプチ親子留学ではここが唯一観光らしい場所。
 

まとめ

初めての「プチ親子留学」としては上手くいったと思う。キャンプで言われた物を揃えたり、課題に付き合ったり、送り迎え(徒歩だが・・・)をしたりと、私も今回は母としてアメリカに滞在してみて、やはり学生時代に単身で生活していた時とは全然違うと感じた。
 
当時は授業のことや友人や恋人のことなんかで頭がいっぱいだったが、今回は娘のこと、仕事のこと、時間のやりくりの仕方などをほぼずっと考えていた。どこへどうやって行こうか、何時に何を食べようか、など、1人なら行き当たりばったりでも構わなかったようなことが、子どもを連れていると重要になってくる。
 
今回の渡米で一番お金がかかったのは飛行機代だったのだが、これもやはり子どものことを考えて、時間的に一番楽なフライトを選んだからだ。昔だったらそんな選択はしなかっただろう。
 
自分にとってこれがちょっと面白い経験だったのは、かつて自分が子どもの頃、現地の学校や教会などで見ていた大人同士のやりとりを今は自分がしているんだな、と客観的に見られたからかもしれない。
 
既に海外で生活していたことがあっても、また時を改めて行くだけで自分なりにこんなに感じ方が違うのであれば、幾つになってもどんな形でも思い切って外に出てみるものだな、と思えた。
 
娘はミュージカルの始めから公演終了までの一連を学び、私も海外で子供と生活することを現実的に考える経験ができた今回のプチ親子留学である。
 
文:キャッチポール若菜(映像翻訳者・通訳)
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