ニュージーランドで病院にかかるときの注意点は? NZの医療体制ガイド。~アイアバオ真理子(NZ在住ライター)


旅行、留学、ワーキングホリデー、就職、移住など、海外に居住するにはいろいろな目的・理由がありますが、海外滞在中の医療体制は日本と大きく異なる国も多いのではないでしょうか。
 
今回はニュージーランドに滞在するときに知っておくと便利なこの国の医療体制をお伝えします。在留資格者のための医療補助制度のほか、留学生や観光客のための医療補助制度、病院の種類についてガイドします。
 

 

1. ニュージーランドでの政府医療補助

ニュージーランドでは、一定の在留資格をクリアすると、公立病院などでの治療費や入院費などは無料になり、またその他の医療費(処方薬)を政府の医療補助を得ることが可能です。 必要とされる在留資格は永住権・市民権の保持者、また通算2年以上の就労ビザの保持者となります(2017年3月現在)。これらの在留資格があると、出産費用なども公費負担(エコー代など一部自己負担もあり)となりますので、大きな差になります。
 
ニュージーランドでは病院にかかる際にGP(General practitioner)と呼ばれる「一般医」にまずは診断を受けることになります。かかりつけ医として登録をした病院での診断料も、この医療費補助を受けることができます。「一般医」については記事後半で詳しくご紹介します。
 
例えば、オークランド中心部にあるQuay Medという病院での診察料金を見てみましょう。一般の患者の診察費がNZ$85のところ、かかりつけ医登録済みの患者さんの診察費ならNZ$18で済みます。)
 
この他、処方薬は在留資格があることで、1つの処方薬につきNZ$5という値段になります。(政府機関であるPharmaceutical Management Agency (PHARMAC)の認可のある薬に限る。)
 
また、2015年の法改正からはかかりつけ医登録のある13歳未満の子供の医療費・処方薬代はすべて無料となることになりました。子供は頻繁に病気にかかるもの。こういった制度があると、少しでも不安があれば、病院に連れていくことができますので、安心です。
 
ここまで在留資格保持者の医療費補助について言及してきましたが、実は在留資格保持者だけでなく、留学生や観光客でも一部の医療費(事故によるけがの場合など)の政府負担があるのです。これは、ACC(The Accident Compensation Corporation)という制度で、事故による怪我に関しての治療費負担が対象です。
 
まずは一般医で診察を受け、ACCに審査を仰ぎ、これが認められると治療費が公費負担となります。自動車事故などの大きな事故だけではなく、例えば家庭内で段差につまずいて転んだ、子供を抱っこしてぎっくり腰になった、などの事故でも一般的に認められます。
 
ちなみに留学生(ビザの種類にかかわらず)は必ず海外旅行傷害保険を保持していることが義務付けられていますし、ACCでは病気の治療は一切カバーされません。筆者の友人も留学生時代に救急車で搬送され、1泊病院に入院してNZ$3,000近い請求が上がってきたこともあるほどです。在留資格がない場合は、必ず海外旅行傷害保険への加入をするようにしましょう。
 

2. ニュージーランドの病院の種類

日本で病院にかかる場合、風邪をひいたり、お腹が痛ければまず『内科』、お子さんが病気になれば『小児科』、足をひねったら『整形外科』など、症状にあった病院にかかることになるのではないでしょうか。ニュージーランドでは前述の通り、どのような症状でもまずはGP(一般医)にかかることになります。一般医では手に負えないと判断されると専門医(Specialist)や公立総合病院(Hospital)に照会されるようになります。
 
「今日風邪気味だから病院にってくる」という会話をするとき、英語で“I think I caught a cold, I am going to hospital today.” というと、総合病院にかかるほどの重篤な症状ととられてしまいます。一般医にかかるときは、“ I am going to see a doctor today.”という表現を使うのが一般的です。
 
また、専門医や公立病院にかかる際、公費負担での診察や治療を希望する場合は一般的に待機時間が長くなりがちです。人によっては自己負担や個人で加入をしている医療保険を利用するなどして私立の病院にかかったり、専門医にかかるケースもあります。
 
在住者の間では、専門医にかかるまでに手間も時間もかかることから、日本のようなシステムが良いとする声も耳にします。しかしながら、日本のようにたくさんの専門医があるシステムは、自分で症状から判断して病院決めなくてはなりません。とりあえず一般医に行くというのは症状の判断ができないときには便利だとも言えるでしょう。
 
一般医での診察後、専門医や鍼灸、理学療法、オステオパシーなどを照会されるケースがあります。その場合、公費でそれらの治療費が一部ないし全額負担されることもあります。日本では病院から鍼灸やオステオパスへの紹介状をもらうケースはあまり一般的ではありませんが、、ニュージーランドではそれらも医療の一環として認められ、協力体制をとって治療にあたっています。
 

まとめ

日本とは全く異なるニュージーランドの医療システム。渡航後、現地に慣れないうちはもちろん、慣れたあとであっても病院にかかるのは不安の大きいものです。本記事を参考に心構えをしておくほか、在留資格のない場合はくれぐれも海外旅行保険加入の上、ご渡航ください。
 
文:アイアバオ真理子(NZ在住ライター)
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