デンマーク留学の費用は?~2018年最新版~田中亜季(北欧研究所シニアコンサルタント)


最近、北欧への関心が高まってきたためか、デンマーク留学についての質問をよく受けるようになりました。そのなかでも、よく聞かれるのが留学費用・滞在にかかるお金についてです。数年前まで北欧諸国の学費は無料だったのですが、近年その状況が変わってきています。その最新の情報についてシェアいたしましょう。


 

留学生が行ける教育機関と勉強ができる期間

デンマークへ日本人が留学で訪れる場合、所属できる教育機関は主に大学、大学院(修士課程、博士課程)、フォルケホイスコーレ、語学学校の4機関です。

学べる期間は各教育機関によって異なります。

日本の大学との交換留学の場合は、約半年から、長くても1年ほど。日本の教育機関を経由せずにデンマークへ留学する場合は、大学・大学院・フォルケホイスコーレなどの選択肢があります。

大学は通常3年、大学院(修士)は2年、博士課程はポジションにもよりますが3年、フォルケホイスコーレは最短で1週間から、最長でも6か月弱(24週間)です。

デンマークで語学学校へ通う場合は、最近制度が大幅に変わり(※1)学費も変わりました。各学校と選択するセメスターによって勉強できる期間が変わります。

※1 デンマークの語学学校は2018年8月以前は無料でした。突然の制度変更によって学費がかかるようになり、いくつかの語学学校が閉鎖され、生徒は学校を、先生は職を失いました。びっくりですよね。ちなみに語学学校へ通う場合は学生ビザではなく、ワーキングホリデービザで通う生徒が多いようです。
 

大学・大学院の学費

デンマークの大学へ学士入学する場合(free moverと呼ばれます)、残念ながら日本人は、EU/EEA圏の学生たちよりも高額になります。またコペンハーゲン大学の学士課程では、現在交換留学生以外には語の授業が開講されていないため、留学生にとって学士からの入学はデンマーク語習得が必須になります。CBS(コペンハーゲンビジネススクール)は学士課程でも英語での授業を開講していますが、1年間で約125万円とお高めですね。

では、修士課程ではどうでしょうか。

修士課程では、学士に比べて英語の授業が開講されている大学が多いです。EU/EEA圏外の日本人がデンマークの大学へ直接入学する場合、平均額として1年間に約78万円~210万円(DKK 45,000-120,000)の費用がかかります。(大学・学部により異なる)

さらに最近では、大学院の修士課程で英語の授業を減らしている傾向があります。もしデンマークへ修士留学したい人は要チェックです。奨学金制度もあるので※2  できる限り奨学金には応募しましょう。

※2
・The Long-Term Scholarships
対象は、デンマークに留学予定の5~10か月の期間のデンマーク語またはデンマーク文学を学ぶ学士(Bachelor)、5~10か月の期間の修士(Master)、5~12か月の期間の博士(Ph.D.)
https://ufm.dk/en/education/programmes-supporting-cooperation-and-mobility/the-cultural-agreements-programme/the-long-term-scholarships/japan

・Danish government scholarships for highly qualified non-EU/EEA students
各大学で奨学金制度を設けているため、各大学への問い合わせが必要です。
http://studyindenmark.dk/study-options/tuition-fees-scholarships/-higher-education-institutions
 

フォルケホイスコーレの学費

フォルケホイスコーレの場合、学費は平均的に1週間約8万円(4,500DKK)からといわれていますが、期間や学ぶ内容、学校によって大幅にその金額が異なります。

奨学金が支給されるところもあります。私が以前滞在したフォルケホイスコーレは、秋セメスターで18週間約60万円(DKK 34.300)で、食費、居住費、修学旅行代金込みでした。
 

語学学校の学費

デンマークの語学学校は2018年7月から有料になりました。初級(Beginner)、中級(Intermediate)、上級者(Pre-advanced)のコース等があります。学費の平均額は、例えば一番安価のコース6週間21レッスン(週に1回)だと、平均額は約1万8千円(998DKK)になります。
 

博士課程のお給料

デンマークの博士課程(PhD)の学生は、学費を支払うのではなく、大学から一研究員として雇われている形になるので、約45万円前後の賃金が支払われます。ただ常時PhDを募集しているわけではなく、研究室で空きがある場合に募集が出るので、情報と人脈は、いち早くゲットしたほうが勿論、確率は高くなります。

下記、PhD月収参考一覧(税控除前)になります。(ポジションと学科によります)

コペンハーゲン大学:約44万円~(25,000DKK~)
オーフス大学:約45万円(26,000DKK~)
デンマーク工科大学(DTU):約47万円(DKK 26,755~)

個々人の状況にもよりますが、税金は約38%ほどです。このような給与が支払われる博士課程制度はデンマークだけではなく、欧州各国の大学でも多いので、日本の博士課程へ進む前に海外へ目を向けるのもよいかもしれません。
 

学費以外の生活費について

これは交換留学生にもお伝えしたいことですが、学費以外に教科書、食費、住居費がかさむので、チャンスがあるならば迷わず寮に申し込みましょう。寮であれは通常の家賃の半額程度ですみます。

特にコペンハーゲンに大学がある場合、コペンハーゲン市内での住居の平均家賃は約4,000DKK以上です。もちろんルームシェアなど個別の物件にもよるものの、平均的に寮の立地は便利ですので、お金を節約したい人には寮を勧めます。(フォルケホイスコーレは学校内に滞在します)。

デンマークでの生活費は家賃を含めて、平均1か月10万円~15万円ほどです。コペンハーゲン中心部だともう少し高いかもしれません。食費は毎月おおよそ2万5千円ほどで、学生はたいていディスカウントスーパーマーケットで買い物をします。

医療保険は必要ありません。医療費は移民であっても無料なので、万が一けがや病気になっても、保険なしで治療を受けることができます。しかし無料なので、デンマーク人は滅多なことでは病院にかかりません。風邪をひいたら病院へは行かずに温かいお茶を飲んで休みます。日本のような医療サービスとは異なります。

個人的な生活をいうと、私は食費を切り詰め、ほぼ毎日自炊をして、なんとか生活しています。

にんじんとじゃがいもは安いです。ビールやほかのアルコールが安いのはうれしいですね。果物も、日本より安いような気がします。

税率25%の国は、私のような海外からの移住者には少々厳しい環境ですが、暮らしていると国が決めた税金の使われ方について気づきや学びが多くあります。

デンマーク留学をしたい方は、ぜひ本記事を参考にして、より良いデンマーク留学を実現してください。

■参考URL
コペンハーゲン大学(学士入学について)
https://studies.ku.dk/bachelor/

コペンハーゲンビジネススクール(学費について)
https://www.cbs.dk/en/study/bachelor/admission/undergraduate-admission-step-3

Study in Denmark
http://studyindenmark.dk/study-options/tuition-fees-scholarships

フォルケホイスコーレ
https://www.danishfolkhighschools.com/prices-and-practical-information/prices/

デンマーク語学学校
https://www.kbh-sprogcenter.dk/en/new-danish-courses-prices/

文:田中亜季(北欧研究所シニアコンサルタント)
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