アメリカの四年制大学へは直接入学ではなくコミュニティカレッジ経由での編入を目指すべし ~山本生人(アメリカ留学生)


アメリカの四年制大学への入学を目指す際、取る方法は大きく分けて二つあります。一つは目指している四年制大学へ直接入学する方法、そしてもう一つは二年制のコミュニティカレッジ、いわゆるコミカレを経由して四年制大学への編入を目指す方法です。

日本の大学に進学する感覚だと、直接入学が最良の選択肢で、コミカレを経由するのは遠回りに感じるかもしれません。しかし、編入を目指してコミカレに入学することには入学のしやすさや費用の安さ、留学生が勉強についていきやすい環境など、多くのメリットがあります。

この記事では実際にコミカレ経由で四年制の大学に編入した筆者の経験をもとに、コミカレ経由で編入を狙ったほうが良いと言える具体的な5つのメリットを紹介していきます。
 

メリット1:入学への難易度が低い

コミカレを選ぶ大きなメリットの一つは入学のしやすさです。

一般的に、海外からアメリカの大学を受ける生徒は自らの英語力を大学側に証明する必要があります。様々なテストの点数が証明として利用できますが、コミカレが求める点数は四年制の大学が求める点数に比べると低めに設定されています。

例えば、現在筆者の通っているカリフォルニア大学系列の四年制大学であれば、英語力証明としてTOEFL iBTで80点以上が求められます。一方、筆者が通っていたコミカレ、ディアンザカレッジ(De Anza College)は同じテストで求められるのは61点以上で済みます。

さらに、四年制大学の入学希望者は上記の英語力証明のスコアに加えて、大学進学適正試験(SAT)やACTといったほかのテストの点数や英語でのエッセイが合否の基準として見られます。これらの課題で英語力が段違いのネイティブスピーカーと比較されるため、入学への難易度はコミカレに比べて圧倒的に高くなるのです。

コミカレは入学への敷居が低く、アメリカ大学留学を狙う上で格好の入り口であるといえます。
 

メリット2:留学生により適した環境

留学生がアメリカに来てから直面する大きな壁の一つに、環境の変化があります。知らない国で生活をし、授業がすべて英語になり、頼れる友達もほぼいない状況に突然置かれるのが留学生活最初の数か月です。

そんな留学生にとって、コミカレはこれらの壁を乗り越えるのに最適な場です。

まず四年制大学に比べ、コミカレの授業内容は易しいです。四年制大学ほどの専門性が無い代わりに、入門的な授業が数多く用意されているのがコミカレの特徴。そのため、留学生でも理解しやすい授業が受けられます。

さらに、相対評価よりも絶対評価のクラスが多く、クラス内競争も少なめです。他のクラスメイトとの比較が少なくないというのは、言語の壁がある留学生にとって大きなメリットといえます。

クラスのサイズもメリットの一つです。

四年制大学では100人以上の生徒が一つの授業を受けることも珍しくありません。そうなれば、教授が生徒一人一人に時間を割いたり、生徒が教授に質問したりすることが難しくなります。

一方コミカレでは20人から40人ほどのクラスが一般的で、生徒と教授の距離感が近くなります。生徒はわからないことがあればすぐに質問できるし、教授が生徒一人一人に時間を割くことも可能になります。この環境であれば、英語に少し苦労してもそのたび尋ねればいいので授業内容に遅れずについていけます。

また、たくさんの留学生が編入を狙ってコミカレに来ています。同じ目標を持つ者同士が集まって、ディスカッションやグループワークをするので、友達作りがしやすいのもコミカレの環境下ならではといえます。

▼コミカレ時代、English Writingのクラス

 

メリット3:自分のしたいことを見つけるチャンス

専攻が決まっていない人、将来何をしたいかがはっきりしていない人にとって、コミカレに行くことは大きなメリットになります。

コミカレでは専攻の変更が簡単にできるので、自分の興味のある分野のクラスを取りながらゆっくりと自分のしたいことを見つけることができます。

筆者自身もビジネス専攻として入学しましたが、様々なクラスをとった結果、1年目の冬に人類学専攻に変更しました。変更自体は変更届を提出するだけ。2週間ほど待てば正式な変更となるという、いたって簡単な手続きです。

また、コミカレに在籍する教授は四年制大学の教授に比べて学校外の活動が少なく、多くの時間を大学内で過ごしていることが多いです。

つまり、教授のオフィスを訪れて、進路や学問の話を聞く機会を多く作ることができます。教授たちは授業内容についてだけでなく、おすすめの専攻や卒業後の選択肢を提案してくれたりと、親身になって相談に乗ってくれます。

メリット4:大学情報が集まり、選択肢が広がる

コミカレに通う多くの生徒は編入を目標としているので、四年制大学が編入目的の学生に向けての説明会など、情報提供をしてくれる機会がたびたび設けられます。

そういった機会を通して様々な大学の特徴などの情報が集められ、進路の選択肢が増えていきます。日本にいながら四年制大学の情報を集めるよりも多くの情報をより深く集めることができるのもコミカレのメリットの一つです。

同じ編入を目指す学生同士で情報が共有できるので、自分のしたい勉強に本当に適した大学の情報を、より効率的に多くの選択肢の中から選ぶことができます。
 

メリット5:学費が安く抑えられる

コミカレは経済的にも大きなメリットがあります。

留学生である以上、大学の学費は日本の大学に通うよりも高くなりがちです。さらに学生ビザで留学する場合は現地でのアルバイトは原則禁止のため、日本のように生活費を稼ぎながら大学に通うというのは難しくなります。

コミカレの学費は四年制大学の学費に比べて安いため、初めの二年間の金銭的負担を大幅に減らすことが可能です。

筆者が通っていたコミカレの一年分の学費は約8600ドルに対して、今筆者の通う四年制大学は一年の学費が約63000ドルかかります。四年制大学に直接入学するのと初めの二年間をコミカレに通うのとでは最終的に100000ドルの差が出ることになります。

金銭的に余裕がない留学生の方にとっては、コミカレ経由での留学が圧倒的におすすめです。

以上、コミュニティカレッジ経由で四年制大学を目指すメリットを5つご紹介してきました。留学先の環境に慣れられるかが不安な人、自分のしたいことがはっきりと決まっていない人、なるべく節約をしたい人などにはぴったりの留学方法といえます。

しかし、一部の私立大学や専攻によっては編入というシステム自体がなかったり、制度的には可能でもかえって狭き門になるところもあり、それらの大学を目指す方は直接入学を狙う必要があるので、注意が必要です。

どちらの方法が自分に向いているかをしっかり見極めることが何よりも大切です。選択するときの参考としてぜひ上記のメリットも参考にしてみてください。

文:山本生人(アメリカ留学生)
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