自分の荷物が見当たらない!~ロストバゲージ体験談と出発前にできること~梶原茉結(スウェーデン留学ライター)


飛行機を降り、バゲージクレームで荷物をピックアップすればあとは滞在先に向かうだけ。自分のバッグが出てくるのを心待ちにしているのに、待てど暮らせど一向に出てこない。次第に乗客はいなくなり、荷物が出てくるはずの扉が閉まる・・・

そんな経験はありませんか?

海外へ渡航する人なら誰にでも起きうるこのトラブル。特に、初めての留学でたった一人で知らない空港に降り立ち、ただでさえ緊張しているときのロストバゲージは、とてもショッキングなものです。

「荷物がこのままなくなってしまったらどうしよう・・・」
「税関の外には出迎えの人が待っているに違いない、どう伝えよう・・・」
「誰になんて言えばいいんだろう・・・」

そんな不安でいっぱいになってしまうことでしょう。

今回は、直面したら誰もが困惑するであろう『ロストバゲージ』について、実体験をもとにその対処方法と対策をレポートしていきます。

デンマークのコペンハーゲン空港で荷物が出てこなかった私が、「誰に」「どう」伝えたのか、どのように待機したのか、保険はどうしたのか、荷物は手元にどう届いたのか。

あくまでも私個人のケースではありますが、ぜひ、ロストバゲージに直面した際の対応の一つとして参考にしてみてください。


 

自分の荷物がない!人生初のロストバゲージ。

日本から香港を経由してコペンハーゲン空港に到着し。その日、飛行機を降りた私は、いつまで経っても出てこない自分のスーツケースをじりじりと待っていました。

だんだんと嫌な予感が深まるなか、次第に荷物の数が少なくなりは、最後のひとつになっても私のスーツケースは出てきませんでした。

スーツケースがなくて困ることはいくらでもあるのに、不思議と最初に頭に浮かんだのは「人に渡すプレゼントも入っているのに!」ということ。そのときはまだ、スーツケースがないという事の重大さを、まともに考えられていなかったのかもしれません。
 

荷物受取所内にあるカウンターにいたスタッフに事情を説明。

何はともあれ、私のスーツケースがないということを誰かに報告しなくてはなりません。そこで悩むのが「誰に言えばいいんだろう・・・」ということ。

荷物を失くしたのは航空会社なのか、だったら航空会社に言えばいいのか。
それとも空港の職員に言えばいいのか。

とりあえず私の目に入ったのが、手荷物受取所のカウンター。きっとこの人たちなら、何度もロストバゲージの報告を受けているに違いない。一直線にカウンタースタッフに話しに行きました。

「香港から到着した〇〇〇便にあるはずの、私の荷物が出てきません。」
「もしかしたら遅れているだけかもしれないから、あと10分待ってそれでも出てこなかったらまたおいで。」

なんだかのんびりした回答だなと思いつつも、ひとまず素直に待ってみることに。ですが案の定、やはり荷物は来ません。

もう一度カウンタースタッフのところに行きました。

「やっぱり出てこないです。」

すると、慣れた様子でこんな風に説明をしてくれました。

「荷物がなくなってしまったのには3 つケースが考えられます。

1つ目は、ここコペンハーゲン空港の中で迷子になっている場合。
2つ目は乗換をした香港で止まってしまっている場合。
3つ目は、あなたが来る前に誰かが取って行ってしまった場合。

もし3つ目の盗まれてしまったケースなら残念だけど荷物は帰って来ないよ。」

こう話したスタッフはまず、預け手荷物の控え券と色・メーカーをもとにコペンハーゲン空港内で迷子になっていないか、機械を使って探し始めました。

見つかりませんでした。
結局荷物の所在は分からず、連絡先を伝えて一旦空港を出ることに。

荷物がなくなってしまった時用の記入用紙に 現地の宿泊場所の住所と連絡先を書いて提出。
荷物が見つかったら連絡してくれるということなので、ここで空港を後に。
 

空港を出て、まずはとり急ぎの洋服を購入。

スーツケース紛失がわかった時点では「人に渡すプレゼント」が真っ先に頭に浮かんだ私でしたが、ようやく頭のなかが落ち着いてきたのか、洋服もスキンケア用品もスーツケースの中だ、ということに考えが及びました。

宿泊先の近くのショッピングモールに行き、荷物がないとり急ぎの期間をやり過ごすための洋服を2日分、あとはボディクリームを1つ購入することに。

金額は全部合わせて2万円ほど。

「荷物さえあれば必要のない出費なのに・・・」と思いつつしぶしぶクレジットカードを切りました。
 

日用品の購入後、保険が下りないかをチェック。

当面必要なものもそろえ、滞在先に到着すると、どっと疲れが襲ってきました。それもそのはず。12時間のロングフライトに加え、日本との7時間の時差、そのうえにスーツケースがなくなるという大事件に見舞われたのですから、疲れないわけがありません。

しかしここで頭をよぎったのが保険のこと。

「ロストバゲージで余計にかかったお金は保険でおりるんじゃないだろうか?」

そう思った私は重たい頭を奮い立たせて、自分の保険内容を確認することにしました。

加入した海外旅行傷害保険に「航空機寄託手荷物遅延費用」が含まれていれば補償適用対象になる場合がある模様。私の海外旅行保険はクレジットカードに付帯する保険 でしたが、残念ながら「航空機寄託手荷物遅延費用」は含まれていませんでした。

一般的に、航空機寄託手荷物遅延費用では、荷物が6時間以上遅れて到着した場合に生活必需品を購入する費用を手当てしてくれるようです。何か買った時には証拠としてレシートや領収書を忘れずにもらいましょう。
 

荷物が見つかったと連絡が。

3日経ち、空港で提出した書類に記入した電話番号宛てに「荷物が見つかった」と連絡が来ました 。

ありがたいことに、その翌日に荷物を送ってくれるとのこと。希望の配達時間を伝えました。

そして電話をもらった翌日に無事、荷物を受け取りました。

ロストバゲージ扱い荷物用につけたであろうシールが増えていたのが、このスーツケースの独りぼっちの旅路を思わせて生々しさを感じました。念のため中身を確認しましたが特に破損も盗難もなく、ようやくひと段落。発生から丸4日で、私の初めてのロストバゲージ事件は無事解決しました。
 

万が一の場合に備えて、出発前にできること。

幸い、私のスーツケースは五体満足で見つかりましたし、私の手元にもスムーズに戻ってきました。しかし、経由地や航空会社の対応次第ではもっと長期間かかるケースもあるでしょう。盗まれていれば二度と戻ってこないこともあります。

初めてのロストバゲージは、私にいくつかの教訓をくれました。

まず、人に渡すものや大事なものを、預け手荷物の中に入れるのはやめておくべき。スーツケースに入れるのは最悪なくなっても何とかなるものだけ。

例えば、洋服やスキンケア用品はどこにいても何かしら手に入ります。私も到着地ですぐに調達することができました。

一方で、代えがきかないものについては、要注意。常用している薬や現金、高価なもの、自分が大切にしているものは常に身に付けておくようにしておくと安心です。

また、今回私は宿泊先住所・連絡先の控えを書面で持ってはいませんでした。ラッキーなことにコペンハーゲン空港ではWi-Fiが繋がることを知っており、インターネットに繋いで確認することが出来ました。

しかしながら、初めて行く空港でWi-Fiの使い方が分からない、もしくはそもそもWi-Fiが使えないといった場合も考えられます(私は使えない空港に出くわしたことがあります)。

ネット環境がなく宿泊先住所が分からない、荷物が見つかっても連絡を入れてもらう電話番号も分からない・・・
なんてことがあったら大変です。

インターネットが使えない場合を想定して、宿泊先の住所や電話番号は書面で控えておくと安心です。


Photo from Flickr
Delayed Baggage Report – Canada Border Services Agency by Tony Webster

なかなか遭遇することはない。でも誰にでも起こる可能性はあるロストバゲージ。

一度経験した私は、それ以来毎回荷物を受け取る時にドキドキしますし、「荷物、今回は出てくるといいなあ」と出てこないのが前提のような気分にもなります。

今回のケースはあくまでも私の経験で、たったの1例。全てのケースでこのような流れになるとは限りません。それでも、おおよその流れはきっとどの空港でも同じなのではないでしょうか。

万が一荷物がなくなってしまったら・・・。伝える際の簡単な会話例、控えておくべき住所、機内持ち込みしておきたいものなど、あらかじめ準備し、ぜひ安心して旅を始めてみてください。

文:梶原茉結(スウェーデン留学ライター)
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