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クリスマスに国民の半分近くがドナルドダックを見るスウェーデン。その理由は?~梶原茉結(スウェーデン留学ライター)

クリスマスや年末になると、恒例のテレビ番組があるものです。明石家さんまさんがサンタに扮する番組や小田和正さんのクリスマスコンサート、年末年始には紅白歌合戦やレコード大賞、お笑い番組など、「今年もそんな時期になったんだな。」と感慨にふけったり、一年を振り返ったり、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

スウェーデンでもクリスマスの恒例番組があるのですが、それがなんと「ドナルドダック」。

そう。あのディズニーの老舗キャラクターのドナルドです。

「え?なんで??」と思った方。
私も初めてのスウェーデンのクリスマスで家族総出でドナルドダックを見る光景を目にしたときは、驚きました。

今日は、なぜスウェーデンのクリスマスにドナルドダックが登場するのか、そんなスウェーデンの家庭のクリスマス風景ってどんなものなのか、私のパートナー家族の模様からお届けいたします。
 

国民の40~50%がドナルドダックを見ます。

年末のお馴染み、NHK紅白歌合戦の視聴率は40%前後。ですから、それを上回るドナルドダックはとても多くの人々に見られているということが分かっていただけると思います。

この歴史が始まったのは1959年。その当時、テレビでディズニーアニメを見る機会がこのタイミングしかなかったことから始まったそうです。

毎年、ほぼ同じ展開のディズニーアニメが放送されます。番組のタイトルは「ドナルドダックとその仲間からのメリークリスマス(Donald Duck and His Friends Wish You a Merry Christmas)」

ドナルドダックが登場するストーリーは2つああります。ひとつはドナルドダックが主人公となる「ジャングルのおどけ者(Clown of the Jungle)」。そしてミッキーの脇役で登場する「ミッキーの移動住宅(Mickey’s Trailer)」です。

「ジャングルのおどけ者」では、ジャングルで写真を撮ろうとするドナルドダックが、アラクワンバードという鳥に邪魔されてしまいなかなかうまくいかない…というドタバタ劇。一生懸命なドナルドとアラクワンバードの面白おかしいバトルが繰り広げられます。
 

ドナルドダックを見るクリスマスの一日とは?

ドナルドダック番組が始まるのは、毎年決まって12月24日の15時からです。

クリスマスは12月25日ですが、イブの12月24日に祝うのが一般的なスウェーデンのクリスマス。ドナルドダックを見る15時以外、何をして過ごすのでしょうか。

私が2018年にスウェーデンのパートナーの家庭で経験したクリスマスの1日をレポートいたします。
 

12:00。まずは親戚の家にみんなで集合。

スウェーデンでは、クリスマスは家族と過ごします。 クリスマス休暇は日本のお正月のような存在です。この日は私のパートナーのおじいちゃん・おばあちゃんの家に、親戚がみんな大集合しました。

みんなと挨拶のハグを交わし(スウェーデンではハグは挨拶です)。スウェーデン語でのメリークリスマス「グッジュール(Godjul)」と言い合います。
  

13:00。待ちに待った昼ごはんの時間。

スウェーデンのクリスマスのごはんは“ユールボード”(JulBord)と呼ばれているバイキング形式のごちそうです。集まった人が食べ物を持ち寄り、たくさんの料理を味わうことができます。

食べるのは、スモークサーモンや手作りのハム、ミートボール、じゃがいものグラタン、チーズなど。シンプルでありながら、手作りのハムやスモークサーモンはとても手が込んでいておいしいものばかりです。

特にハムは“ユールフィンカ”(JulSkinka)と言われ、クリスマスには家庭で手作りするのが一般的です。


 

15:00。ユールボードを楽しんだ後は、ドナルドダック鑑賞の時間。

ここで、ドナルドダックの時間です。お菓子とお茶かコーヒーを片手に、鑑賞を始めます。

たまにしか会えない家族みんなと、肩を並べて毎年同じ番組を見る、1年に1度の時間。スウェーデンの人にとって思い入れのある大切な時間なのですね。
 

17:00。お楽しみのプレゼントタイム。

プレゼントは事前にまとめて一か所に置かれています。

サンタさん役を一人決め、その人がプレゼントに書かれた名前を呼んでいき、渡していきます。

渡された人はその場で開けて、中身をみんなに見せます。小さい子供がいるクリスマスでは、お父さんかおじいちゃんが「新聞を買ってくるよ」と言って席を外し、サンタの格好をして戻ってきてプレゼントを配ったりもするそうですが、この年は大人のクリスマス。私はもこもこの靴下やスキンケアセットなど、たくさんのものをいただきました。

この年のプレゼントタイムは“グロッグ”(Glögg)と呼ばれるスパイス入りホットワインを飲みました。スウェーデンではアーモンドやレーズンを中に入れて飲みます。とても体が温まります。

夜には「また来年のクリスマスもみんなで過ごそうね」と言い合いながらたくさんのプレゼントとともにほっこりした気持ちで家に帰ります。

今回紹介したのはあくまでも一家庭の例ですが、スウェーデン家庭のクリスマスは、どこもこのように温かで愛情あふれる一日となります。

ドナルドダックは2019年のクリスマスにもきっと放送され、たくさんの人が見るのでしょう。

わいわいとパーティースタイルで過ごすクリスマスもいいけれど、もし今年は家族や大事な人たちとのんびりした1日を過ごしたいと思っていたら、スウェーデンスタイルではいかがですか?

どんな形であれ、皆さま素敵なクリスマスをお過ごしください。
GodJul!メリークリスマス!

文:梶原茉結(スウェーデン留学ライター)
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