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私がアメリカ留学を通じてヴィーガンに興味を持った理由~松村莉子(アメリカ大学交換留学生)

日本でもここ数年で徐々に認知度が上がってきているヴィーガン(vegan)。言葉は聞いたことがあっても、ベジタリアンとの違いや人々がヴィーガンになる背景などはまだあまり浸透していないように思われます。

一方、欧米、オーストラリア、インド、台湾などを中心とした海外ではここ数年でヴィーガン人口の増加が勢いを増しています。

私自身も留学に行くまで言葉しか知りませんでしたが、アメリカではどのお店でもヴィーガンのオプションがあるのが当たり前で驚きました。

また同時に、日本はヴィーガンにとって非常に生活しにくい国であることを実感しました。

私はアメリカ留学をきっかけにヴィーガンに興味を持ったものの、お肉も乳製品も大好きでヴィーガンになりきれてはいません。しかしお店でヴィーガンのオプションがあれば積極的に選んだり、週に1日はヴィーガンデー(vegan day)を取り入れるといった生活をしています。

本記事では、ベジタリアンとの違いや日米での対応の違いなどにも触れつつ、ヴィーガンライフスタイルによりもたらされる環境への影響も紹介します。

そもそもヴィーガンとは?

よく、肉などの動物性食品をとらない「ベジタリアン」と混合されがちの「ヴィーガン」。ヴィーガンとは、ベジタリアンの一種で、卵・乳製品・はちみつを含む動物食品を一切口にしない完全菜食主義者を指します。

ヴィーガンになる背景は、健康のため、環境保全のため、動物愛護のためなど人それぞれです。

私のルームメイトはお父さんの影響と彼女自身の健康のために、留学に来てからヴィーガンにシフトしていました。

アメリカでは過去15年でヴィーガン人口が30倍以上も増加したり、イギリスでは肉を一切使っていない商品(meat-free food)の需要が1年で約10倍増加したりと、ヴィーガンライフスタイルは世界的なトレンドになっているといえます。

ヴィーガン文化が当たり前のアメリカ

私が留学していたアメリカのレストランでは必ずと言っていいほどヴィーガンのオプションが選べました。商品に乳製品などが含まれている場合は記載されていることが多いです。

私が最も感動したのは、「不可能なバーガー(インポッシブルバーガー=Impossible Burger)」。

植物由来の肉を使い、牛肉を再現したヴィーガンファストフードのハンバーガーです。見た目も味も、言われなかったら、むしろ言われても牛肉だと思い込んでしまうほどの再現度でした。

スーパーではヴィーガンチーズや大豆ミートを見かけないことはありません。

大学の食堂はヴィーガン対応のメニューが豊富でした。大学で食べ物が関わるイベントが行われるときには、事前にウィーガン/ベジタリアンであるかを必ず聞かれます。

アメリカにはルームメイトを含め、多くのヴィーガンの友達がいました。ある日ルームメイトとお互いの文化について話していた時、「日本の文化も雰囲気も大好きだけど、行けるお店がほとんどなくて困っちゃうんだよね」と言われ、非常に考えさせられました。

日本におけるヴィーガン事情

日本は、欧米やその他アジア諸国に比べるとヴィーガン人口も認知度もまだあまり高くありません。日本を代表する和食には肉や魚といった素材はもちろん、味付けも動物性のものが多いです。

日本でヴィーガンというと「変わっている」や「意識高い系」といった印象を抱かれることが多く、ヴィーガン対応のレストランもまだ非常に少ないため、外食が難しいといった印象を受けます。

日本発祥の「マクロビオティック(マクロビ)」は存在していますが、健康を目的とした考え方で小魚などは対象外なので、ヴィーガンとは少し異なります。

しかし精進料理のように主に動物性食品を使わない文化も日本にはあります。ヴィーガンは日本文化とも馴染みがないものではないと思います。

ヴィーガン文化で環境保全にも

宗教や健康をきっかけにヴィーガンになるという認識が広まっている中、ヴィーガンという習慣が広まることで環境保全にも繋がるとも言われています。

畜産業による温室効果ガスの排出量は、車・電車・船・飛行機など全ての輸送部門よりも多いです。また水資源の1/3が畜産業に使われている、アマゾン森林破壊の91%は畜産業によるものだというデータもあります。

日本でもプラスチックストローやレジ袋無料配布が廃止されつつあるなど、環境保全のためのエコ意識は高まっていて、素晴らしいトレンドだと思います。プラスチックストローは使わない、エコバッグを持ち歩くといった習慣と同様に、ヴィーガンライフスタイルを意識してみることも環境保全に少なからず貢献できます。

週に一日だけのヴィーガンデー

ポール・マッカートニーは2017年に、地球・人・動物を救うことを目的として「週に1回、月曜日だけでもお肉を食べない日を取り入れよう」(Meat Free Monday)という活動を提唱しました。

一日ヴィーガンになると:

– 穀物20キロ分

– 動物1匹の命

– 土地3平方メートル

– 水4164リットル

このくらい節約し、地球を守れます。

「完全にヴィーガンになるのは難しいなあ」という人は、週に1度ヴィーガンを意識した食生活をしたりしています。

もし「ヴィーガンには興味あるけど、まだ未経験」という方がいたら、初めの一歩として、週に1日、難しければ月に1日でもVegan Dayなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。私も先述したとおりアメリカ留学でヴィーガンを身近に感じるようになってからは、週1ヴィーガンのライフスタイルを取り入れるようになりました。

▲ある「週1 vegan day」の日の、私の手作りごはん。

元ニューヨークタイムズのコラムニストで食品ジャーナリストのマーク・ビットマンはこんな発言をしています。

「誰でもできるが、大きな犠牲を伴うものではない」

“Anyone can do it, and it doesn’t require major sacrifice”

できる範囲で取り入れていくことで、世界がより持続可能な場所になっていくかもしれません。あわせて、アメリカを含めヴィーガン人口が増加している現状を考えると、日本を訪れる外国人にヴィーガンの外食の選択肢が増えたり、メニューへの表記が広がっていくことも検討されていくかもしれませんね。
 


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