外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社が発表した2016年7月~9月の採用動向レポートによると、多国籍企業が日本国内での事業効率強化を加速させており、バイリンガルの人材に対する需要が一段と高まると予想されている。また、採用ニーズが特に高まると予想される職種を発表した。
- 1 経理・財務(Accountancy & Finance)
- 2 金融サービス(Banking and Financials)
- 3 ファイナンステクノロジー(Finance Technology)
- 4 人事(Human Resources)
- 5 インフォメーションテクノロジー(Information Technology)
- 6 保険(Insurance)
- 7 法務(Legal)
- 8 ライフサイエンス(Life Science)
- 9 マニュファクチャリング(Manufacturing & Operations)
- 10 オフィスプロフェッショナル(Office Professionals)
- 11 不動産(Property)
- 12 セールス&マーケティング(Sales & Marketing)
- 13 サプライチェーン(Supply Chain)
経理・財務(Accountancy & Finance)
・FP&A(財務計画&分析)
多国籍企業の多くが国内事業の拡大を支えるためにはこの分野でのテコ入れが重要だと考えている。
ジュニアレベルからシニアレベルまでの幅広い人材の需要が見込まれる。
・財務コントローラー
多数の多国籍企業が国内の財務部門の強化を図っており、リーダーシップが取れる新たな人材を求めている。
このため、バイリンガルの財務コントローラーには一貫して高い需要あり。
金融サービス(Banking and Financials)
・コンプライアンスマネージャー
規制強化に伴う新たな要件に対応するため、銀行・証券各社はコンプライアンス部門を増強。
・アセットマネジメント担当者
専門分野の経験を持ち、高いコミュニケーションスキルと優れた英語力を持つアセットマネージャーが求められている。
ファイナンステクノロジー(Finance Technology)
・プロジェクトマネージャー
アプリケーションサイドの確かな経験を持つ人材の需要高。
・ITセキュリティマネージャー
機密データのセキュリティに神経を尖らす金融各社で、システムの円滑な運用のために、セキュリティを専門とするプロフェッショナルの求人が増加。
人事(Human Resources)
・リクルーティングマネージャー
コスト削減のために、 人材紹介会社に依頼せず自社の直接採用を増やそうとする企業が増加。
・HRビジネスパートナー
HRビジネスパートナーとして2年以上の経験があり、キャリアアップへの意欲の高いジュニアレベルの人事担当者が強く求められている。
インフォメーションテクノロジー(Information Technology)
・ソフトウェアアプリケーション開発者
ビッグデータ等の新規テクノロジーの知識があるプログラマーに対する求人が増加。
・サポートエンジニア
Active DirectoryおよびUnix/Linuxでのスクリプトの経験のあるサポートエンジニアの需要が高まると見られる。
保険(Insurance)
・セールスマネージャー
金融機関で最低2~3年の営業経験がある中堅レベルの人材が求められている。
・プロジェクトマネージャー
外資系の大手保険会社が組織変革プロジェクトを担当するプロジェクトマネージャーを求めている。
法務(Legal)
・契約管理担当者
欠員補充が中心であるものの、経験豊富なバイリンガルの契約管理スペシャリストは優遇され、積極的に採用される。
・パラリーガル
法律や各種規制に絡んだ複雑な問題の増加に対応するため、業務拡張を図る企業が増え、パラリーガルの需要が高まっている。
ライフサイエンス(Life Science)
・医薬品安全性業務担当者
日本市場に参入するCRO(医薬品開発業務受託機関)が増え、 この分野は急速に拡大。
・臨床研究管理担当者
製薬各社のプロジェクトの増加に伴って、 多数の求人が生じると予想。
マニュファクチャリング(Manufacturing & Operations)
・アプリケーションエンジニア
自動車部品メーカーで電気系のアプリケーションエンジニアの需要が高くなっている。
・プロジェクトマネージャー
生産工程全体の知識を持った人材が求められています。
オフィスプロフェッショナル(Office Professionals)
・カスタマーサービスマネージャー
カスタマーサービスの強化を図るため、 チームを率いるカスタマーサービスマネージャーの需要が高くなっている。
・通訳者
日本で新規オフィスを立ち上げる外国企業が増加し、国内に駐在する外国人社員を支援するために通訳者の需要が高まっている。
不動産(Property)
・プロジェクトマネージャー
オフィス移転やスペースプランニング、 オフィス統合等のプロジェクトの経験を持つ人材に強い需要がある。
・ジュニアレベルのファシリティコーディネーター
ファシリティマネージメントの外部委託が増加し、 クライアントに対して低コストを維持するため、 需要が高まっている。
セールス&マーケティング(Sales & Marketing)
・デジタルマーケティング・マネージャー
日本国内のデジタルマーケティングを世界水準まで引き上げるため、デジタルマーケティング経験者には大きなチャンスが。
・チャネルセールスマネージャー
熟練したチャネルセールスマネージャーの採用を急務とする企業が増加。
サプライチェーン(Supply Chain)
・戦略ソーシングマネージャー
戦略的な調達計画を策定できる人材が求められている。
・ウェアハウススーパーバイザー
物流の効率化を図るため、ウェアハウス担当者の増員が図られている。
ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、 マーク・ブラジは次のように述べた。「財務管理やライフサイエンスといった分野でバイリンガル人材が極端に不足しており、海外からの帰国者の多くが大手の多国籍企業数社からオファーを受けると考えられます。こうした限られた人材を確保するために、 採用企業の中には契約金を用意しているケースも見られます。
各社ともこれまで以上に多彩なスキルセットを持つ人材を得て効果的に事業成長を図ろうとしており、条件に合致した有望な人材を確実に採用しようとしています。このため、経済状況が必ずしも採用活動を左右するとは考えられません。事実、デジタル技術を通じた顧客の取り込みを図る企業が増加し、組織変革の推進に伴って新たな職種が生み出されています。」
(留学プレス編集部)