マレーシアのアジアパシフィック大学(Asia Pacific Univertsity:APU)について留学生が伝えます!【海外大学留学レポート】

マレーシアにあるアジア太平洋大学(Asia Pacific University)は通称エーピーユー(APU)と呼ばれる私立大学です。

アジアパシフィック大学が目指すのは「学生がより良い方法で学習し、個性を生かせる場所であること」。さらに「テクノロジーやイノベーション、創造性や異なる考え方の融合から学生の能力や未来の可能性を高め、将来性のあるプロフェッショナルな人材を育成すること」という目的を掲げています

アジアパシフィック大学の大きな特徴はその国際色豊かな環境です。数々のランキングでも国際性が高く評価されています。

本記事ではアジアパシフィック大学の基本情報やランキング、学部やコース、入学方法について紹介します。

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アジアパシフィック大学の基本情報

アジアパシフィック大学の成り立ち

1993年にアジア太平洋情報技術研究所(Asia Pacific Institution of Information Technology、略称APIIT)がアジアパシフィック大学の前身です。

その後2004年にアジア太平洋大学 技術&イノベーション(Asia Pacific University College of Technology & Innovation, 略称UCTI)としてIT経済特区「ブキジャリル(Bukit Jalil)」のテクノロジーパークマレーシア(Technology Park Malaysia、略称TPM)になりました。

英国式の教育システムを導入

APUを含め、多くのマレーシアの大学は英国式の教育システムを取り入れているため、通常の学士課程(ディグリー)は3年制になり、3年という期間(工学部、エンジニアリング学部は4年)で日本の4年制大学の学士課程を修了したことと同じ扱いになります。

授業は英語

APUはマレーシアにある大学ですが、授業はマレー語ではなく全て英語で行われます。したがって、大学の本科やプログラムなどへの入学時には、各学部やコースで求められる一定基準のTOEFL(トーフル)やILETS(アイエルツ)といった英語スコアが「入学条件」の一つとして必要になります。

アジアパシフィック大学の注目学部

APU自体は技術や工学、IT系に強い大学として有名ですが、近年は経営やビジネス学部、デザイン学部、国際関係学部などの様々な学部でも注目度や評価が高まっています。

マレーシアとイギリスの2つの大学学位を取得できる

APUには、デュアルディグリープログラム(Dual Degree Programme)と言われる制度があります。このプログラムを修了すると、卒業時にマレーシアの大学(APU)とイギリスの大学(デモントフォート大学、De Montfort University)の2つの学位を同時に取得することが出来ます。

入学時期は年2~4回

アジアパシフィック大学は日本の大学と異なり1年に入学時期(インテイク)が2~4回ほどあります。自分の留学したい時期や進路によって留学時期を選択することが出来ます。

新設のキャンパス

2017年、新しいメインキャンパスが完成しました。

アジアパシフィック大学

キャンパス内はモダンかつハイテクなデザインで構成されており、教室やカフェテリア(食堂)、図書館、スポーツ施設、クリニック(病院)はじめ、非常に設備の整った環境です。

▼キャンパス中心地のカフェテリア、周り一面にはAPUが受け入れている留学生の国旗

アジアパシフィック大学

▼キャンパス内コンビニエンスストアとワッフル屋

アジアパシフィック大学

▼カフェテリア内

アジアパシフィック大学
アジアパシフィック大学

▼図書館の様子

アジアパシフィック大学

ニューキャンパスには学生寮が新設され、ベッドや学習机などの家具、バスルーム、キッチン、ランドリー、WI‐FI含めた基本的な設備から、ジムや屋外バスケットコートなどの運動施設まで完備されています。

アジアパシフィック大学

2016年までメインのキャンパスとして使用されていた旧キャンパス(オールドキャンパス)は学部学科によって使用頻度が異なりますが、現在も学科試験や期末試験(ファイナルエグザム)時の試験会場、英語学習プログラムの教室、デザイン学部学生達のメインの学習場所として使用されています。

▼旧キャンパスでの英語語学コース時の教室内

アジアパシフィック大学

ニューキャンパスとオールドキャンパ間は車で3分、徒歩15分程度の距離がありますが、どちらの施設からも決まったタイムスケジュールでスクールバスが出るので簡単に行き来が可能です。

アジアパシフィック大学のランキングと国際性

国際性ランキング

アジアパシフィック大学は130か国以上から12000人以上の学生が集い、総学生数の60%は海外留学生で占めている国際色豊かな大学です。QS世界大学ランキングでは「交換留学受け入れランキング」や「留学生評価ランキング」においてアジアで堂々トップの評価を受けています。

就職率ランキングやマレーシア国内の評価

アジアパシフィック大学はマレーシア高等教育省SETARAからのレーティングで2011年、2013年、2017年、2020年の4回に渡り5つ星(準最高格付け)を獲得しています。

また、2021年QSアジア大学ランキングにおいては、マレーシア私立大学トップ10にランクイン。

マレーシア高等教育省による年次大学院トレーサーによる調査では、卒業者の就職率100%を達成しています。

アジアパシフィック大学への入学条件

学部課程に入学するには?

アジアパシフィック大学を含め、ほとんどのマレーシアの大学へ入学する際には入学試験などはありません。しかし、入学条件(書類審査の合否判定)として、英文での高校卒業証明書と成績証明書、学部学科ごとに定められた一定基準の英語スコアが求められます。

アジアパシフィック大学では、五段階評価での評定平均が3.0以上をとれていれば問題なく学部課程(大学本科)へ入学出来るとされています。

上記の書類以外に、パスポートのコピーや証明写真(3か月以内に撮られたもの)、マレーシア学生ビザ申請用書類(学生ビザの発行はマレーシア到着後のため)、シングルエントリービザ(学生ビザとは異なりマレーシア入国のために必要なビザ)、健康診断書など、入学時やそれ以外の手続きの際に必要な書類があります。

大学進学準備(ファウンデーション)コースとは?

マレーシアの大学にはファウンデーションコースと呼ばれる、大学進学準備コースのようなプログラムがあります。ファウンデーションコースは、日本の大学での「一般教養課程」相当を学ぶコースです。

日本の高校卒業資格を持つ方(卒業見込みの方)は、学部課程への入学条件の「12年間教育」を満たし、大学入学に十分な科目を履修しているため、このコースを取る必要はありません。

ではどんな人がファウンデーションコースを受講するのでしょうか?主に、次のような人がファウンデーションコースの受講対象者です。

1.高校の成績が不十分な人はファウンデーションコースを経由して、学部に入学出来るケースがあります。

2.入学する段階でまだ希望の学部が決まっておらず、自分に合った分野を検討したい人も受講しています。

3.課題の取り組み方など、大学本科で学ぶための準備をするために受講している人もいます。

ファウンデーションコースの学費や日程、入学条件については記事後半で後述します。

大学院課程に入学するには?

APUで大学院課程(マスターコース:修士課程)に入学する場合は、学部ごとに指定されている英語スコア、自身の修得したい修士号の学部と同じ分野、もしくは規定されている分野の学士号取得、学士課程でのCGPAが2.5以上であることが必要となります。

APUの博士課程(ドクターコース)では、専攻ごとに指定されている英語スコアと、規定分野の修士号取得が必要となります。

アジアパシフィック大学の学部やコース

※2021年度

英語コース(English Language Study)

コース、プログラム名期間入学時期
英語集中プログラム
(Intensive English Program)
1クラス4週間×学びたい期間毎月
英語サマーキャンプ4週間(1か月)年1

大学準備コース (Pre-University Studies)

コース、プログラム名専攻可能な学部入学基準英語スコア
ファウンデーション (Foundation)

▼期間
1年

▼入学時期
6月
7月
9月
11月
ビジネス(Business)
デジタルマーケティング&観光学(Digital Marketing & Tourism)
メディア&国際関係学(Media and International Relations)
工業デザイン(Industrial Design)
アニメーション&視覚効果(Animation & Visual Effects)
心理学(psychology)
会計(Accounting)
コンピューティング(Computing)
工学、エンジニアリング(Engineering)
IELTS : 4.0
TOEFL IBT : 30-31
Pearson (PTE) : 30
MUET : Band 2
ディプロマ (Diploma)

▼期間
2年

▼入学時期
6月
7月
9月
11月
会計(Accounting)
経営管理学(Business Administrative )
インフォメーションテクノロジー(Information Technology)
国際学(International Study)
情報&コミュニケーションテクノロジー(Information & Communication Technology)
電気&電気工学(Electrical & Electronic Engineering)
IELTS : 4.0‐5.5
TOEFL IBT : 30-31、35-45、46-59
Pearson (PTE) : 30、36、42
MUET : Band 2‐4
サティフィケイト (Certificate)

▼期間
16か月

▼入学時期
7月
9月
11月
管理経営スキル(Administrative Skill)
情報&コミュニケーションテクノロジー
(Information & Communication Technology)
なし

学部課程(Undergraduate Studies)

学部、学科期間入学基準英語スコア
入学時期:9/11月
※デザイン学部のみ11月限定
ビジネス系学部
メディア
アカウンティング
国際関係学部
心理学部  
3年IELTS : 5.5
TOEFL IBT : 46-59
Pearson (PTE) : 42
MUET : Band 4
IT、コンピューター系学部
デザイン系学部  
3年IELTS : 5.0
TOEFL IBT : 35-45
Pearson (PTE) : 36
MUET : Band 3
エンジニアリング
工学部
4年IELTS : 5.0
TOEFL IBT : 35-45
Pearson (PTE) : 36
MUET : Band 3

大学院課程(Postgraduate Studies)

マスターコース(修士課程)

学部、学科期間入学基準英語スコアー
ビジネス系学部
メディア
アカウンティング
国際関係学部
心理学部
フルタイム 1年
(入学時期:8月、12月 )  

パートタイム 2~3年
(入学時期:7月、9月、11月)
IELTS 6.0
IT、コンピューター系学部
デザイン系学部
フルタイム 1年
(入学時期:8月、12月 )

パートタイム 2~3年
(入学時期:7月 9月 11月)
IELTS 5.0
エンジニアリング
工学部
フルタイム 2年

パートタイム 3~4年
(入学時期:毎月)
IELTS 5.0

ドクターコース(博士課程)

学部、学科期間
ビジネス系学部
アカウンティング
ファイナンス
心理学部
IT・コンピューター系学部
デザイン系学部
エンジニアリング
工学部
3~5年(フルタイム)
4~6年(パートタイム)  
※入学時期:毎月

アジアパシフィック大学の学費

マレーシアの大学留学の魅力の一つに、学費や生活費を含めた留学費用が抑えられるという点があります。

マレーシアの大学の年間授業料は、日本やアメリカの大学と比べるととても安価で、私立の大学でも年間授業料は75万円程度となっています。また、割安な学費にもかかわらず質が高く、設備の整った環境で留学生一人一人がしっかりと学習にのぞむことが出来ます。

マレーシアの物価は日本の物価の3分の1程度(RM1=日本円でおよそ26.76円)です。そのため、学費以外にも衣食住にかかる費用が一般的な欧米諸国への留学費用の半分以下まで抑えることが出来ます

英語コース(English Language Study)

コース、プログラム名費用
英語集中プログラム
(Intensive English Program)
1か月パッケージ料金
USD1,400

最大6か月のパッケージ料金
USD5,600
英語サマーキャンプパッケージ料金
USD1,400

大学準備コース (Pre-University Studies)

コース、プログラム名費用
ファンデーション
(Foundation)
工学部でない学部(Non-Engineering Pathways)  
RM25,600

工学部、エンジニアリング学部(Engineering Pathway)
RM26,20
ディプロマ
(Diploma)
RM46,800
サティフィケイト
(Certificate)
RM18,400

学部課程(Undergraduate Studies)

学部、学科費用
ビジネス系学部
メディア
アカウンティング
国際関係学部
心理学部
1年次 (Year 1)
RM 28,600

2年次 (Year 2)
RM 29,700

3年次 (Year 3)
RM 29,900
IT・コンピューター系学部
デザイン系学部
1年次 (Year 1) RM 28,600
2年次 (Year 2) RM 29,700
3年次 (Year 3) RM 29,900
エンジニアリング
工学部
1年次 (Year 1) RM 28,600
2年次 (Year 2) RM 29,700
3年次 (Year 3) RM 29,700
4年次 (Year 4) RM 29,900

大学院課程(Postgraduate Studies)

マスターコース(修士課程)

学部、学科費用
ビジネス系学部
アカウンティング
ファイナンス
心理学部  
RM 36,800(年間)
IT・コンピューター系学部
デザイン系学部
RM 36,800(年間)
エンジニアリング
工学部
RM 27,800(年間)

ドクターコース(博士課程)

学部、学科費用
ビジネス系学部
メディア
アカウンティング
国際関係学部
心理学部
IT・コンピューター系学部
デザイン系学部
エンジニアリング
工学部
RM 45,000(年間)

現時点(2021年7月)ではコロナの影響もあり、大学の授業や活動は全てオンラインで行われています。APUのオンライン学習システムはQS星評価システムによるレーティングで5つ星を獲得するなど、オンライン学習システムにおいての学生サポートやケアは徹底されています。

アジアパシフィック大学はマレーシアの注目大学

アジアパシフィック大学

マレーシア留学では主に、治安が良いこと、英語が使用できる環境であること、他民族国家でありながら日本人の住みやすい国でもあること、物価が安く学費や生活費を含めた留学費用が抑えられること、などといった長所がよく挙げられます。

これらはアメリカやイギリス、オーストラリアなど一般的によく知られている英語圏の留学とはまた違った、マレーシア留学ならではの魅力の一つであり、留学や移住に関わらずマレーシアへの注目度や関心が年々高まっている理由の一つです。

APUへの留学では、「英語」という一言語で色々な国の人々と意志疎通を図れる、世界中130か国以上の国々の留学生と同じフィールドに立って、一緒にレポートやプレゼンテーションなどの課題やアクティビティをこなす、学内外のサークルやボランティア活動、インターンシップで学生だけでなくローカル(現地)の人達との交流を深めるといった機会が得られます。

「世界中、様々な国から訪れた人達と英語を使って交流してみたい」、「色々な人々の暮らしや文化、宗教、その歴史や風景に触れたい」、「世界中に自分の活躍の場を広げたい」といった熱い思いやパッションを持っている方は是非、マレーシア、そしてAPUへの留学を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

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