レンヌスクールオブビジネス(Rennes School of Business、通称RSB)は、ビジネス・経営学に特化した教育を行うフランスの大学/大学院です。RSBの大きな特徴は100%英語教育であることや、95%が国際教員で占められていること、枠にとらわれない思考を重んじることなどがあります。学士から博士まで多様なカリキュラムがあります。
フランス留学に興味がある方や、世界中から学生・教員が集まるビジネススクールへ進学したい方にとってRSBは魅力的です。
今回は、レンヌキャンパスで正規留学生としてマーケティングを専攻している筆者から、RSBの教育制度や学生のライフスタイルについて詳しくご紹介します。
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レンヌスクールオブビジネスの特徴
場所
RSBには2つのキャンパスがあります。レンヌキャンパスと2021年に開校したパリキャンパスです。
メインのレンヌキャンパスはフランス西部のレンヌに位置しており、モダンなデザインのキャンパスです。2021年に設立30年目を迎えました。
レンヌは「学生の街」と言われています。6万人以上の学生が住んでおり、文字通り、学生生活が豊かになる環境が整っています。
世界遺産のモン・サン・ミシェルや、サッカークラブチーム、絶品クレープの街として有名です。生活における利便性が高く、自然が豊かで可愛らしい旧市街が特徴的です。
ショッピングモールや、オペラ座、美術館、レンヌで有名なクレープやガレットのレストランなど、フランス文化がギュッと詰まっており、いつも買い物客で賑わっています。
▼センター街の中心であるレピュブリック広場 (République)。メトロやバスが頻繁に走っています。
▼センター街近くの、タボール公園(Parc du Thabor)。美しく造園された大きな庭園があり、ウォーキングやピクニックに最適なスポットです。
木曜日は、「学生の日」と言われています。夜になるとセンター街の周辺にあるバーやレストランには多くの学生が集まり賑わっています。また、マルシェやクリスマスマーケットも開かれており、一年中活気あふれる場所です。
▼2021年のクリスマスマーケット。ホットワインやワッフルの屋台、アクセサリーのショップが多くあり、特設の遊園地も設置されています。
センター街の近くにあるレンヌ駅からは、フランス高速鉄道(TGV)を利用して約1時間半でパリ市内に行くことができます。片道およそ2000円前後でチケットを購入できるため、土日に小旅行することも可能です。
モン・サン・ミシェルはレンヌ駅からバス・車で約1時間の距離です。観光名所や、郊外の港町にも気軽に足を運べることで、より充実した留学生活になります。
100%英語教育
RSBでは、多くのカリキュラムが100%英語教育で行われています。そのため、フランス語が母国語ではない国から多くの留学生が集まっています。
筆者の留学前の語学力は挨拶程度だったため、この教育制度は非常に魅力的でした。留学生はフランス語、又はフランス文化の2択から1つ選択するのが必須です。語学や歴史もしっかり学ぶことができます。
留学生数と割合
学生数は約5000人で55%が留学生です。海外提携大学は350に及びます。そのため、留学生なら「どこの提携校から来たの?」フランス人学生なら「今後どこの提携校に行くの?」という会話が初対面の定番トピックです。
▼カフェテリアやコミュニティールームがあり、学生が集うビルディング1
教員も多様
教員の95%が国際教員です。幅広い視野を持ったユニークな価値観や、豊富なビジネス経験を持った教授から学ぶことができます。
授業の特徴
授業中は異なる文化が混ざり合い、議論が活発になります。自分が持っていた常識や日本のビジネス、働き方に対してハッとすることが多々あります。
加えて、グループ体制で課題のレポートやプレゼンテーションに取り組むことも多くあります。必然的に異文化間のコミュニケーション能力やリーダーシップスキルなど、社会で本質的に役立つ力を身に着けるチャンスが豊富です。
グループで取り組むことで、人間関係の幅が広がりやすくなります。個人のプロジェクトや、プライベートでハプニングがあった時には気軽に相談できます。刺激溢れるグローバルな環境で、有意義な留学生活が過ごせます。
▼授業が行われるビルディング2
大学のモットー
「枠にとらわれない思考」とは?
前述のとおり、RSBは豊かな国際色が大きな特徴の1つです。教育の面では、「枠にとらわれない思考 (Unframed Thinking)」 がモットーとなっています。
クラスで議論が行き詰まってインターネットで検索したり、課題プロジェクトのテンプレートや過去の例について教授に尋ねたりすると「枠にとらわれない思考 (Unframed Thinking)」に反すると喝を入れられる場面があります。
体系的にビジネスを学ぶだけではなく、実際に世の中に存在しているビジネスと結びつけて考えるのが常です。リアリティーのある状況で考え抜く力を鍛えることができます。
モットーが息づく校内
RSBでは学生一人一人が異なるバックグラウンドを持ちます。興味のある業界や、活かしたい力も違います。その環境では「枠にとらわれない思考 (Unframed Thinking)」はコミュニティーの中で一丸となってモチベーションを高めるために大切な言葉です。
▼教室やカフェなど至る所に掲げられています。
レンヌスクールオブビジネスのカリキュラム
学部課程
学部課程は3年間あります。英語の資格や過去の学部課程での経験、既に取得している単位数によって留学時のカリキュラムが異なります。
3年次にはマーケティング、ファイナンス、ロジスティクスから専門分野を1つ選択します。選んだ分野に特化した授業を受講した上で、インターンシップ、卒論研究 (Bachelor Dissertation) を行います。交換留学やダブルディグリーの留学生に向けたプログラムもレベルに応じて用意されています。
修士課程
RSBで学士号を取得した人が修士課程に進む割合は70%以上です。フランスでは日本以上に学歴に対する意識が高い社会です。個人の実力を伸ばし、キャリアを形成していくうえで学歴は切っても切り離せないものです。
筆者の3人のフランス人の友人も、3人とも迷いなく学士課程から修士課程に進んでいました。修士課程にはマスターインマネジメント(MiM)とマスターオブサイエンス(MSc)があり、合計16個のプログラムがあります。
社会人向けエグゼクティブプログラムや博士課程
学部課程と修士課程の他に、マネジメントに特化した博士課程(PhD program in Management)や3年以上の職務経験を必須とする経営学修士課程(iMBA)、短期間のサマープログラム、マネジメント層を対象としたプログラム(Executive Education)があります。
これまでの経験や今後のキャリアプランを軸に、自分に合ったプログラムを見つけることができます。
クラブなどの課外活動
学内での活動「アソシエーション」
RSBには学内での活動を軸とした26個のアソシエーション(association)があり、アートやビジネス、スポーツ、人道支援、メディア、音楽など幅広い分野で活動しています。
その中の一つにある「ウェルカム (Well’come)」では、留学生の引越しサポートや週末のスケートイベント、ダンスパーティーなど、留学生がレンヌで楽しく交流を深める機会を提供しています。
中見出し:クラブ活動
15個あるクラブ活動では、環境、ジェンダー、健康、ファッションなど、社会に強く訴えかける熱意を持ったクラブが多くあります。「ナレッジクラブの女の子 (Les elles du savoir Club)」というクラブでは、男性が多いイメージを持つ工学やIT分野を女子中学生にプロモーションする活動をしています。
レンヌスクールオブビジネスの学費
※学費は2022年度(1ユーロ=130円)
学部課程(1年間)
学年・コースによる学費の違いはありません。
留学費用目安 (9月〜5月) | |
授業料(入学金、ヘルス、教材費含) | 9,090€(約118万円) |
滞在費(食費含) | 5,700€(約74万円) |
合計 | 14,790€(約192万円) |
修士課程
修士課程ではコースにより学費が異なります。ここでは2つのコースの例をご紹介します。志望のコース別授業料は大学ホームページを参照してください。
マスター・イン・マネジメント(MiM) | 1年目:13,250€(約172万円) 2年目:14,250€(約185万円) |
グローバルビジネス・マネジメント(Msc) | 18,200€(約236万円) |
社会人向けエグゼクティブコース
RSBでは短期からできる社会人のためのビジネス系プログラムも充実しています。3日間からとれるコースからエグゼクティブMBAまで幅広く展開しています。詳しくは大学公式ページを参照してください。
英語を使ってフランスでビジネスパーソンに成長したい人はレンヌスクールオブビジネスへ!
RSBは学生・教員の国際色が強く、文化や興味、キャリアの垣根を超えてビジネスパーソンとして羽ばたく土台があります。レンヌは生活における利便性が高く自然もあるため、ゆったりとした学生生活を過ごすことができます。
ビジネスを学んでいる方、フランスの文化が好きだけどフランス語に自信がない方、世界中から留学生・教授が集まる環境で切磋琢磨してビジネスを学びたいと考えている方は、選択肢の一つとしてRSBを検討してみてはいかがでしょうか。