海外大学・大学院留学に興味がある方のために、留学生記者が自分の学校をレポートする『世界の大学レポート』。今日は台湾の台湾東海大学に留学している金谷優里奈さんがレポートしてくれます!
台湾東海大学は台湾で初めて建てられた私立の総合大学です。自然溢れる133ヘクタールもの壮大な敷地で伸び伸びと過ごせる環境や、観光シンボルとなっている教会があります。
キリスト系の大学であるため、クリスマスのイベント行事は盛大に行われます。また、語学留学や正規留学など、東海大学で留学できる形は様々です。そんな魅力あふれる東海大学の留学制度と特徴をお伝えします。
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台湾東海大学の特徴と基本情報
台湾東海大学は、1995年創立の台湾初の私立大学です。中国大陸にあったキリスト系大学の関係者が、台湾での大学復興を計画し、設立した大学の一つです。
校内が約133ヘクタールの壮大な敷地を所有しており、第一校舎と第二校舎で分けられています。生活・学習空間の広さは台湾一です。
場所
東海大学は台中市西屯区に位置しています。台中は台湾で二番目に大きい都市であり、大型ショッピングモールや観光地に行きやすいです。すぐ目の前に「台湾大道」と呼ばれる大通りがあり、バスが一時間に何本も通っています。交通至便な立地です。
ランキング・難易度
台湾全土にある大学は約160校。私立大学のランキングでは、東海大学は8位です。また、US ニューズ&ワールドレポート、QSによる「国際評価・知名度ランキング」では26位と知名度も高い大学です。
理系・文系学部の他、芸術系の学部も充実!
台湾東海大学は設立当時は文学部と理学部しかありませんでしたが、現在は9学部・34学科として構成された規模の大きい総合大学です。
特に人気の高い学部は国際貿易学科と政治学科です。
芸術・クリエイティブデザイン学部
- 建築学科
- 工業デザイン学科
- 景観学科
- 美術学科
- 音楽学科
国際学部
- 国際経営管理士課程
- 持続可能性科学と工学学士課程
文学部
- 中国文学学科
- 英語文学学科
- 日本語学科
- 歴史学科
- 哲学学科
- 英語センター
社会学部
- 経済学科
- 政治学科
- 社会学科
- ソーシャルワーク学科
- 公共行政学科
- 教育研究所
法学部
- 法律学科
理学部
- 応用物理学科
- 科学学科
- 生命科学科
- 応用数学科
工学部
- 化学工学・材料工学科
- 工業工学・経営情報学科
- 環境科学・工学学科
- 情報工学科
- 電気工学科
農学部
- 畜産バイオテクノロジー学科
- 食品科学科
- ホスピタリティーマネジメント学科
管理学部
- 企業管理学科
- 国際貿易学科
- 会計学科
- 統計学科
- 財務金融学科・情報管理科
記者の専攻
記者は英語文化学科で英語を専攻しています。
交換留学生は、学部学科を自由に選択することができます。私は交換留学生であり、選考は英語ですが、せっかくなら日本の私の大学に無いような授業を受けたいと考え、様々な授業を受けさせてもらいました。
英語文化学科の授業の他、日本語学科で日台間の文化や社会問題などを取り上げ紹介する「日台バイリンガル雑誌」の作成に携わったり、台湾の原住民の所へ訪れ、社会問題や歴史について考える授業などを受けました。
英語文化学科については、やはりキリスト系の学校なこともあり、英語教育に力を入れています。大学一年時にはクラス分けされ、授業は全て英語で行われます。
留学生に優しいサポート
正規留学生としていきなり四年間生活することになったら不安ですよね。台湾東海大学では正規留学生に対しては次のようなサポートが行われています。
国際事務所
国際事務所とは、留学生に対しサポートを行う事務局のことです。正規留学生ならビザや推薦など、合格証を受け取るまでは全て国際事務所がサポートしてくれます。英語が話せるスタッフがいるため、初めの内は中国語が話せなくても大丈夫です。また、一年に一回留学の状況などの確認をしてくれます。
先輩から手厚く教えてもらえる
台湾の大学の制度として、毎年新入生一人に先輩が一人ずつ付き、ペアになって学校の事を手厚く教えてくれる制度があります。この制度を通して学校生活のことや学科で分からない事、時間割の登録の仕方などを直接教わることがき、先輩と仲良くなれるチャンスです。
観光地としても有名なキャンパス
壮大なキャンパス内には教会や牧場、大きな池などがあります。景観が素晴らしいためキャンパス内で過ごす留学生活も心穏やかなものになります。
台湾中部のシンボル、大きな教会
東海大学の教会は台湾中部の観光スポットとしてとても有名です。世界的に有名な建築家・貝聿銘(leoh Ming Pei)によって建てられました。その美しい教会の魅力から、多くの人が訪れます。
クリスマスや卒業式になると教会の中へ入ることも可能です。
クリスマスは東海大学の中で最も盛り上がる行事です。毎年12/24~12/25にかけて校内で盛大なイベントが行われ、屋台やカウントダウン、ショー等を楽しめます。学生以外の一般客もイベントに参加することができます。教会の前には鐘があり、12/24~12/25に変わる直前の晩に100回鐘を鳴らし、クリスマスを迎えるカウントダウンをします。
牧場
校内に牧場があり、農学部の学生が牛や鹿などの動物を養っています。牧場の牛から採れた乳製品を利用したアイスやパンなどが売られている施設は多くの人が利用しています。
台湾東海大学の語学学校
大学の中に語学学校があるのも魅力の一つ。ここでは華語中心について解説します。
華語中心って何?
華語中心とは校内にある大学付属の語学学校のことです。多くの外国人がここで中国語を学びます。仕事のため、家庭のため、大学進学のため等、華語中心で中国語を学びたい理由は様々。世界の多くの友人を作ることができます。一日3時間の授業で、午前・午後かを選択できます。
語学学校の充実したプログラム
最初のプレイスメントテストでクラス分けが行われます。AクラスからCクラスまであり、Cクラスが一番上のレベルとなっています。授業が開校されてから始めの1週間は調整期間なので自分のレベルに合わないと思ったら変更も可能です。授業の形態は、一対一の個別指導か団体で受けるものかを選べます。団体授業については、先生一人につき10名以下の学生で構成されています。少人数クラスであるため発言や質問がしやすいアットホームな雰囲気です。クラスによりますが、ほとんどのクラスは一週間に三人の先生がローテンションで教えてくれます。先生によってスピーチ力重視、書く能力重視など様々であり、総合的に中国語能力を向上させることができます。
また、中国語の勉強だけでなく、文化体験が出来るのも華語中心の魅力です。フィールドトリップで台湾の観光地へ行き伝統的な染物体験をしたり、台湾の伝統的なご飯を作るなどのイベントも年に何回か開催されます。
学校に隣接する夜市
大学のすぐ隣には東海別墅(ドンハイビエシュー)と呼ばれる夜市があり、おいしいグルメが並んでいます。
小吃と呼ばれる美食以外にも、弁当屋さんやベジタリアン専門店などもあります。飲み物やご飯類以外に生活用品や薬局などもあるためわざわざ遠くへ買い物に行く必要はありません。「Watson」や「seasons」という生活用品が売られているお店には日本製品も売られています。
留学生にとってありがたい交通事情
東海大学のすぐ目の前は台湾大通りで、一時間に何本もバスが通っています。台中市民(留学生も台中市民に含まれます)は 10キロ内であれば無料であり、学生証に游泳卡というICカードのシステムが含まれているめ、学生証を持っていれば便利です。300番系列のバスに乗れば台湾大道に接する大型スーパーや観光地へ行くことができます。
一年次に求められること
東海大学に入学してからの一年間は必ず行わなければならないことがあります。一つずつ解説していきます。
一年間は皆で乗り越えよう!掃除の実態
大学の決まりにより、入学してから一年間は掃除と寮住まいは必ず行わなければなりません。掃除は朝8時からか午後12時のもので選べますが、掃除を怠った場合単位を落としてしまうため要注意。万が一単位を落としてしまった場合、引き続き二年次になっても掃除に参加しなければならなくなります。
寮暮らしってどんな感じなの?
例外を除き、一年間は必ず寮に住まなければならないという決まりがあります。寮の場所は学部が第一校舎か第二校舎で異なりますが、共通して言えることは4人部屋だという事です。女子寮と呼ばれる寮であれば、寮内に学食があります。交換留学生は30棟という寮に住むことになります。
浄水器と洗濯機が各階に設置されていて、洗濯機は一回につき10元かかります。
豊富な種類のサークル
大学生活の醍醐味、サークル。東海大学は人数が多い総合大学という事もあり、サークルの数はおよそ90もあります。ここでは、珍しいサークルから学科ごとに構成されるクラブ等を紹介していきます。
学科ごとの試合
台湾の大学には系隊(シードゥェイ)というものがあります。学科ごとに構成されたチームで、バスケやバレーなどの種類があります。夜になると練習が始まるため夜でも学校が賑わいます。頻繁に外で学科ごとに試合をしており、自分の学科のチームを応援しに行くこともできます。
珍しい種類も!サークル活動
台湾東海大学のサークルには、ダンスサークルやスポーツ系のサークルの他、サバイバルの練習やお酒造り、太極拳など珍しいサークルが多くあります。ダンスや歌のサークルでは学校でコンサートを開くことが頻繁にあり観賞することもできます。
台湾東海大学への入学方法
最後に、東海大学の入学方法や手順、費用などについて説明していきます。必要書類は語学留学と正規留学で異なります。
正規留学の出願書類
必要書類は以下の通りです。
- 申請書類明細表(オンライン申請後に自動出力)
- 申請表(大学HPでダウンロード可)
- パスポートのコピー
- 高校以上の成績証明書の原本(英語及び中国語表記)
- 財力証明書(学費、生活費等の余裕を持った預金があることを証明するもの)
- 自己紹介文 1通(300~500文字)
- 学習計画書 1通
- 推薦証 2通
- 誓約書(オンライン申請後に自動的に出力)
- 学歴誓約書(オンライン申請後に自動的に出力)
- 卒業証明の原本(英語及び中国語表記)
- 各学部が指定する書類
正規留学の出願の流れ
春期
出願期間:10~11(WEB申請・郵送)
合格者発表:12月
秋期
出願期間:1~5月(WEB申請・郵送)
合格者発表:6月
正規留学の学費
学費
- 文学部:50,510元/学期
- 理学部、農学部:55,820元/学期
- 工学部、相違設計芸術学部:56,289元/学期
- マネジメント部:48,951元/学期
- 社会学部、法学部:48,217元/学期
保険
9,000元/年
教材費
5,000~8,000元/学期
学生会会費
1,000~5,000元/4年間
語学留学の出願書類
(今年はコロナの影響でオンライン授業に変更になりました。)
必要書類は以下の通りです。
- 申請表
- 証明写真1枚
- 最終学歴の卒業証明書もしくは在学証明書のコピー(英語及び中国語表記)
- パスポートのコピー
- 財力証明(本人名義の銀行通帳に3,000米ドル以上の預金があることを証明するもの)
語学留学の出願の流れ
特に試験などありません。費用と必要書類を準備すれば誰でも入学できます。
- 春期(2021/3/1~6/18) 申込期限:1月末
- 夏期(2021/7/5~8/27) 申込期限:6月末
- 秋期(2021/9/20~20221/7) 申込期限:8月末
語学留学の学費
個人クラスについては、50分につき換算されます。連続で何時間か受けることも可能です。
〈団体の場合〉
- 夏期:7,200元
- 春期/秋期:4,800元
〈1対1の場合〉
夏期/春期/秋期:600元(50分につき)
〈1対2の場合〉
夏期/春期/秋期:450元(50分につき)
〈1対3の場合〉
夏期/春期/秋期:330元(50分につき)
※国外から支払うときは「Pay Pal」を使用してください。
台湾東海大学で充実した留学生活を送ろう!
台中の観光シンボルになっている台湾東海大学の教会は、台湾のお土産品にデザインされているほどです。そんな名の知られている東海大学は、台湾で二番目の首都に位置しているため便利な立地であることや、学部学科が多く自分の学びたい分野の視野を広げることもできます。
また、大学付属語学学校の授業形態や正規生に対しての留学サポートが手厚いことも魅力の一つです。
語学留学や正規留学など、留学制度は様々なので自分に合った留学制度を検討してみてくださいね。