綺麗な英語なんてない。英語にもダイバーシティを認める国連平和大学(University for Peace)~外村 晃(国連平和大学留学生)

海外で学ぶ日本人留学生なら誰しも一度は、英語がネイティブのように話せないと悩んだことがあるかと思います。英語について、よく“綺麗な発音”、“綺麗なアクセント”という言葉を耳にしますが、「英語を綺麗に話したい!」と思っている人が多数派だと思います。

でも、“ネイティブのように”とは、アメリカ、イギリス、あるいはオーストラリアなど、どこの国の“英語”でしょうか?コスタリカにある国連平和大学(University for Peace、以下UPeace)では「英語を綺麗に話したい!」といった考えは一変させられることになります。

ここ国連平和大学に来ている学生の出身国は世界50カ国以上。英語が構内の公用語と言っても、いろんな発音、アクセントが至る所から聞こえてきます。

もちろん英語は1つの言語である以上、正しい発音、アクセントはあります。でもそれは“綺麗”である必要はない。今回はそんなUPeaceの英語に対する考え方についてご紹介します。

国連平和大学の「公用語」としての英語

コスタリカの公用語はスペイン語ですが、UPeaceに足を踏み入れると英語が公用語となります。

(ただし、教員をはじめスタッフの多くはスペイン語も話すバイリンガル、あるいは3つ以上の言語を話せます。UPeaceにはスペイン語で行われるプログラムもあるため、大学からの連絡は全て英語とスペイン語の2ヶ国語で行われます。)

英語に対する国連平和大学の考え方

英語を公用語とするUPeaceですが、英語に対する考え方を象徴する出来事が入学後最初の講義「国連平和大学基礎コース(UPEACE Foundation Course)」でありました。担当の教授が授業の冒頭、「授業を始める前に君たちに2つ聞きたいことがある。」と述べた時のことです。

質問とは、「1つ目、僕のアクセントは大丈夫かい?2つ目、僕の話すスピードは大丈夫かい?」というものでした。

教授はエジプト出身ですが、アメリカで博士号を取得し、世界各国で平和構築に携わった経験のある方で、非常に流暢に英語を話します。それでも「私は英語のネイティブスピーカーではない。」と前置きされた上で、「君たちはここUPeaceで色々な英語のアクセントに触れることができる。これは非常に重要なことだ。」と話し、授業を始めました。

1つの言語でも多様な英語。キャンパスが1つの小さな世界

この教授の言葉に触れたことで、少しずつではありますが、自分の発音やアクセントを気にせず、コミュニケーションを取ることに集中できるようになりました。

UPeaceでは毎日違った国籍の学生と英語でグループワーク、ディスカッションをする時間が設けられます。そこで色々なアクセントに触れ、わからなければ聞き返します。

一方で自分の発展途上の英語にも慣れてもらい、毎日がトレーニングの場となっています。

「綺麗な英語である必要はない」

この考え方は、国連平和大学の目標とする「理解、寛容、そして平和共存の精神(spirit of understanding, tolerance, and peaceful coexistence)」に基づいています。 いろんな英語に触れる重要性を知ることによって、英語を躊躇なく発信でき、より多彩な交流が実現します。

もし、自分の発音や流暢さに自信が持てないでいるのなら、ダイバーシティに富んだ国連平和大学の考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

文:外村 晃(国連平和大学留学生)
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