ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)はペンシルバニア州ピッツバーグ市にある州立大学です。ピット(Pitt)の愛称で親しまれています。
1787年にピッツバーグ・アカデミーという私立大学として設立され1908年にピッツバーグ大学へと改名、1966年に州立大学として名だたる難関大学のひとつに加わりました。
ピッツバーグ大学では100以上のプログラムを開講しています。なかでも医学部は高い評価を受けています。世界初のポリオワクチンの開発や、臓器移植の実績が有名です。
ここではピッツバーグ大学に興味がある人に向けて、大学の特徴や偏差値、世界ランキング、合格率、学費、入学方法などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
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ピッツバーグ大学の基本情報
設立年 | 1787年 |
形態 | 州立 |
難易度 | ★★★★☆ |
合格率 | 64% |
学生数 | 約19,980人 |
留学生数 | 約4,500人(約22%) |
人気の学部 | 心理学 生物学 看護学 一般教養・人文学 マーケティング ファイナンス コンピューターサイエンス 神経科学・神経生物学 政治学・行政学 経済学 |
学費例(年間) 費用検索はこちら Tuition & Fees – Financial Aid | University of Pittsburgh | $40,560(学部課程) $42,324 (修士課程) |
場所
ピッツバーグ大学のメインキャンパスは、ペンシルベニア州ピッツバーグ市にあります。市内にはピッツバーグキャンパスの他に4つのキャンパスがあります。
<キャンパス一覧>
- ブラッドフォード(Bradford)
- グリーンズバーグ(Greensburg)
- ジョンズタウン(Johnstown)
- タイタスビル(Titusville)
ピッツバーグ市は「アメリカで最も住みやすい都市」第2位に選ばれたこともあります。
ショッピングや食事、散策を楽しむだけでなく、市を囲む3つの川でカヤックやセーリング、釣りなどのアウトドアも豊富です。
市内にはGoogleやApple、Disney、Uberなどの大企業の研究センターやオフィスがあります。
大学の近くにはアンディ・ウォーホル美術館や、フィップス温室植物園といった文化施設が点在しています。ピッツバーグ大学の学生は、これらの施設を年間を通して無料で利用できます。
メインキャンパスのには、42階建ての大聖堂「カテドラル・オブ・ラーニング(Cathedral of Learning)」が美しくそびえ立っています。教育機関の建造物としては、世界で2番目の高さです。
キャンパス内には10〜15分おきに市バスが停車し、学生証があれば無料で市内まで公共交通機関を利用することができます。
卒業生
ピッツバーグ大学の著名な卒業生を紹介します!
- ジーン・ケリー(俳優)
- マイク・ディトカ(プロフットボール殿堂入り選手、スーパーボウル優勝監督)
- トニー・ドーセット(カレッジフットボールの全米選手権とスーパーボウルを連覇した初の選手)
- キャサリン・デアンジェリス(米国医師会雑誌編集長)
- ワンガリ・マータイ(ノーベル平和賞受賞者)
- ラルフ・J・キャッピー(ペンシルベニア州最高裁判所長官)
- ハーバート・ボイヤー(DNA研究のパイオニア)
- フィリップ・ヘンチ(ノーベル生理学・医学賞受賞)
- ジェームズ・セオドア(心肺移植のパイオニア)
日本人では経済学者の入山 章栄(いりやま あきえ)さんや、日本公衆衛生学会の大平昌彦(おおひら まさひこ)さんがいます。
ピッツバーグ大学の卒業後6年の平均年収は、$53,900(約700万円/1ドル=130円)です。
History and Achievements | University of Pittsburgh
奨学金
ピッツバーグ大学では、留学生に対しても奨学金支援を行っています。申請には条件があるため、詳しくは大学公式サイトをご確認ください。
日本からの学生は日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度もあるので、適宜活用してください。
▼奨学金制度の一例
- 独立行政法人 日本学生支援機構
- フルブライト奨学金
- 経団連
- 柳井正財団
- 中島記念国際交流財団
- 笹川平和財団スカラシップ
- 船井情報科学振興財団
- その他民間団体が実施しているもの
- 地方自治体が実施しているもの
医学部の評価が高い
ピッツバーグ大学の医学部は、同大学のプログラムの中でも特に高い評価を受けています。
2023年のUS newsでは、全米で最も評価の高い医学部(Best Medical Schools)としてランキング14位に選ばれました。
ピッツバーグ大学医療センターと連携した研究が高く評価されており、国立衛生研究所からの助成金もトップクラスです。
University of Pittsburgh | US News Best Colleges
ポリオワクチンの開発に成功
18世紀頃から流行し人々を苦しませていた感染症、ポリオのワクチンを開発したのがピッツバーグ大学です。
1955年にジョナス・ソーク教授とその研究チームが開発し実用化されたことで、アメリカ国内の多くのポリオ患者を救いました。
Pitt 225th Anniversary Timeline
臓器移植の世界的リーダー
ピッツバーグ大学は世界で初めて、異なる臓器を同時に移植する二重移植手術を成功させたことでも知られています。
1984年にピッツバーグ大学の外科医トーマス・スターツルとヘンリー・バーンソンは、テキサス州の6歳の少女に世界初の二重移植手術(心臓と肝臓)を実施しました。
この研究によりピッツバーグ大学は、臓器移植の世界的リーダーとしての地位を確立しました。
ピッツバーグ大学の学部
Cathedral of Learning, University of Pittsburgh
学部課程
人文科学部(Dietrich School of Arts and Sciences) | 人類学 バイオサイエンス 化学 文学 コミュニケーション 経済学 語学 映画研究 ジェンダー・セクシュアリティ 地質・環境科学 ビジネス 科学史・科学哲学 美術・建築 ユダヤ研究 数学 中世・ルネサンス研究 音楽 神経科学 哲学 物理学・天文学 心理学 宗教学 社会学 統計学 スタジオアーツ 都市研究 |
経営学部(College of Business Administration) | 会計 情報システム ファイナンス グローバルマネジメント 人事マネジメント マーケティング サプライチェーンマネジメント |
工学部(Swanson School of Engineering) | バイオエンジニアリング 化学工学 土木工学 電気・コンピューター工学 エンジニアリング・サイエンス 環境工学 経営工学 機械工学・材料科学 |
情報学部(School of Computing and Information ) | コンピュテーショナルバイオロジー コンピューターサイエンス データサイエンス デジタルナラティブ&インタラクティブデザイン 情報科学 物理学と量子コンピューティング |
看護学部(School of Nursing) | 看護学 |
公衆衛生学部(School of Public Health ) | 公衆衛生学 |
教育学部(School of Education) | 教師教育学 応用発達心理学 運動科学 |
教養学部(College of General Studies) | 司法行政学 ヘルスサービス 人文科学 法学・刑事司法 リベラルスタディーズ メディア&プロフェッショナル・コミュニケーション 自然科学 公共サービス 社会科学 |
健康・リハビリテーション学部(School of Health and Rehabilitation Sciences) | コミュニケーション科学 救急医学 健康情報学 栄養学 リハビリテーション科学 |
社会福祉学部(School of Social Work ) | 社会福祉学 |
大学院課程
ピッツバーグ大学の大学院課程には以下の学部があります。
それぞれの学部で開講しているプログラムについては、各学部のリンク、または「Graduate & Professional | Academics」からチェックしてみてください!
- 人文科学部(Dietrich School of Arts and Sciences)
- ビジネス学部(Katz Graduate School of Business)
- 情報学部(School of Computing and Information)
- 歯科学部(School of Dental Medicine)
- 教育学部(School of Education)
- 工学部(Swanson School of Engineering)
- 健康・リハビリテーション学部(School of Health and Rehabilitation Sciences)
- 法学部(School of Law)
- 医学部(School of Medicine)
- 看護学部(School of Nursing)
- 薬学部(School of Pharmacy)
- 公共・国際問題学部(Graduate School of Public and International Affairs)
- 公衆衛生大学院(School of Public Health)
- 社会福祉学部(School of Social Work)
ピッツバーグ大学の難易度
University of Pittsburgh, Inside the Cathedral of Learning
合格率
ピッツバーグ大学の合格率は64%です。
ランキング
ピッツバーグ大学のランキングは以下の通りです。
偏差値は?日本の大学だとどれくらい?
難易度がテストの点数によって決まる日本の大学入試と違い、アメリカの大学入試は書類選考で決まります。そのため偏差値という制度がなく、日本の大学との比較は簡単ではありません。
「日本でいうとこの大学くらい」とは言い切れないものの目安としてピッツバーグ大学に近いランキングにある、日本の大学を紹介します。
- 141位:北海道大学
- 181位:ピッツバーグ大学
- 197位:慶應義塾大学
(参考:2023年QS大学ランキング)
入試制度が異なることや言語の違いなどを考慮すると、難易度は簡単には表せません。世界的な評価という点で参考にしてみてくださいね。
ピッツバーグ大学に留学するには?
University of Pittsburgh Mascot
大学(学部課程)
ピッツバーグ大学の学部課程で求められる入学要件は以下の通りです。
- 最終学歴の成績
- 課外活動
- 自己アピールまたはコモンアプリケーションのエッセイ
- ショートアンサー(2023年の質問例:「異なる文化や状況、考え方などの新しい環境に適応しなければならなかった経験を教えてください」)
- 英語能力スコア(推奨スコアは以下の通り)
TOEFL iBT:100点以上
IELTS7.0点以上
Duolingo:125点以上
ピッツバーグ大学では入学希望者が自分をアピールできるものであれば、どのようなものでも提出して良いと公表しています。
International First-Year Students – Admissions | University of Pittsburgh、Test-Optional – Admissions | University of Pittsburgh
条件付き入学(Path to Pitt)
ピッツバーグ大学の学部課程に入学するための学力はあるものの英語力に不安がある留学生を対象に、パス・トゥ・ピットプログラム(Path to Pitt)があります。ピッツバーグ大学の英語コース(ELI)を修了することで、ピッツバーグ大学の4つのキャンパスのいずれかへの入学が保証されるチャンスを得られます。
Path to Pittプログラムで次の成果を達成すれば、ピッツバーグ大学の学部課程への入学申請の際、TOEFLなどの英語力証明が免除されます。(Conditional Admission and TOEFL/IELTS/Duolingo Waivers | English Language Institute)
- 集中プログラムでレベル6を修了し、コースの半分以上を85%以上で修了すること
- 集中プログラム5つのコースすべてにおいて、総合平均80%を獲得すること
- 集中プログラムの学生アドバイザーから推薦状を得ること
編入情報
ピッツバーグ大学に直接出願する手段以外にも、コミュニティカレッジ(2年制大学)からの編入という方法があります。高校の成績や英語力に自信がない人は、コミュニティカレッジからの編入も検討してみてください。
ペンシルバニア州内のコミュニティカレッジへ2年間通い、そこからピッツバーグ大学の3年次へ編入するというルートです。
コミュニティカレッジは四年制大学よりも入学難易度が低いうえ、このルートなら高校の成績だけでなくコミュニティカレッジ2年間の成績が考慮されます。コミュニティカレッジは学費も安いため、留学生だけでなく米国学生も積極的に活用しています。ぜひ検討してみてください!
コミュニティカレッジへの入学や四年制大学への編入については「コミュニティカレッジに入るには?難易度や入学条件、留学までの流れや費用まで徹底解説!」も参考にしてくださいね。
大学院課程
ピッツバーグ大学の大学院課程は、応募するプログラムによって異なります。ここでは参考として医学部の大学院課程で必要な出願要項について紹介します。
- 最終学歴の成績
- MCATスコア
- 研究内容
- 課外活動やボランティア活動、社会奉仕活動など
- エッセイ
- 推薦状(最低3通)
- 面接
希望するプログラムによって必要書類が異なりますので、公式ホームページを確認してください。
ピッツバーグ大学の英語コース(ELI)
ピッツバーグ大学では留学生のための英語コース「English Language Institute」を開講しています。集中英語プログラムや、コミュニケーション重視のコースなどさまざまなコースが開講されています。特定の条件を満たす学生は、ピッツバーグ大学へ条件付きで入学できるオプションが利用できます。
ピッツバーグ大学進学を目指す人をはじめ、語学留学をして英語力をあげたい人、夏休みに留学したい人など、ピッツバーグ大学のキャンパスで英語を学びたい人はチェックしてみてくださいね!
ピッツバーグ大学への留学は実現できる!
私立大学として設立され、現在は州立大学としてアメリカの難関大学の中に名を連ねているピッツバーグ大学。合格率64%と難易度はやや高めなものの、成績だけでなく入学希望者の個性を見ようとする姿勢が伝わります。
英語に不安のある学生向けに条件付き入学が用意されていることも、留学生にとっては魅力的なポイントです。
学業成績に自信のない人も諦めずに州内のコミュニティ・カレッジからの編入を検討し、良い成績を残すことでチャンスをつかみましょう。
なぜあなたがピッツバーグ大学に入学したいのか、どんなことを学んで将来に活かしたいのかしっかり考えることも重要です。
ぜひご自身が学びたい分野や達成したいゴールを明確にして、ピッツバーグ大学への留学にチャレンジしてみてください!
(留学プレス編集部)