ボストン大学(Boston University、通称BU)はマサチューセッツ州ボストンにある私立大学です。3万3000人以上の学生が在籍する大規模な大学です。
キング牧師の母校としても有名で、ノーベル賞受賞者やピューリッツァー賞受賞者なども輩出しています。
世界ランキング上位常連校でもあり、難関大学のひとつです。「最も就職に有利な大学ランキング」では全米5位に入っており、卒業後のキャリアにもつながる大学です。
ここではボストン大学に興味がある人のために、大学の特徴や学部、学費、入学条件などをご紹介します。ぜひ参考にして、ボストン大学にチャレンジしてみてください。
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ボストン大学の基本情報
場所
米国有数の学生都市として名高いボストンに、チャールズリバーキャンパス、メディカルキャンパス、フェンウェイキャンパスの3つのキャンパスを構えています。
学生の安全を第一に考え、ボストン大学警察(BUPD)が24時間365日体制で巡回しています。
また、BUブリッジと呼ばれる「ボストン大学橋」が有名で、アメリカで唯一、飛行機が車の上を走り、列車がボートの上を通過することができる名所となっています。
ボストンの気候や特徴は「ボストン留学!都市の基本情報とメリット・費用について解説」も参考にしてください。
新入生は寮に
学部生の約75%がチャールズ川沿いにあるメインキャンパスの学生寮に住んでいます。
学生数/留学生数
総学生数は33,000人以上(学部生:1万6千人、大学院生:1万6千人、ほか生涯学習や短期学生など)です。そのうち留学生が11,000人を占め、130以上の国から集まってきています。
卒業生
ボストン大学は金融、政治、法律、学術、科学、ビジネス、テクノロジーなどあらゆる分野で著名な卒業生を輩出しています。ノーベル賞受賞者、ピューリッツァー賞受賞者、アカデミー賞受賞者、多数のエミー賞受賞者などがいるほか、影響力のある思想家やリーダーも生んでいます。
有名な卒業生は、公民権運動の指導者であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのほか、女優のジュリアン・ムーア、米国上院議員、知事、アカデミー賞受賞者のジーナ・デイビス、フォックスニュースの司会者ビル・オライリー、国家安全保障局元局長キース・B・アレクサンダーなどがいます。
同窓会ネットワークも活発です。世界180カ国に30万人以上の卒業生がおり、グローバルなネットワークでつながっています。
卒業生のほぼ96%が卒業後6ヶ月以内に就職(またはさらに高い教育への進学)を果たしています。卒業後6年目の平均年収は65,300ドル(約800万円)です。89%の学生が在学中に少なくとも1回のインターンシップを経験していることも高い就職率につながっている要因です。
スポーツやクラブ活動
スポーツクラブや文化クラブなどの活動が活発なのもボストン大学の特徴です。スキー部からジャグリング協会まで、約500の学生クラブがあるほか、年間500以上のコンサートやパフォーマンス、50以上の展覧会などの文化活動も盛んです。
ボストン大学のスポーツチームは「テリアーズ(Terriers)」と呼ばれています。男子アイスホッケーの名門でNCAA全米選手権で何度も優勝、毎年多くのNHL選手を輩出しています。
学生新聞「デイリー・フリー・プレス」
デイリー・フリー・プレスは、ボストン大学の学生が運営する1970年に設立された歴史ある新聞です。
専門家からは米国でも有数の大学日刊紙として認められています。ボストン大学で起きるニュースやインタビューなどをデジタル版でも読めるので、ボストン大学を志望している人はぜひ読んでみてください。
ボストン大学のミッション
ボストン大学では創立以来「高等教育はすべての人が利用できるものでなければならず、研究、学術、芸術の創造、専門的実践は地域社会および国際社会に貢献するものでなければならない」という原則を守ると述べています。
ダイバーシティを反映
ボストン大学は多様性を重視する大学です。米国の大学で初めて女性に博士号を授与し、米国初の黒人精神科医を輩出、米国の医学部に初めて女子学生を入学させるなどしてきました。
学生だけでなく、教員やスタッフを含めて世界140カ国以上の人がボストン大学に関わっています。さまざまな世界観や人生経験を反映した環境です。
一般教養を重視
ボストン大学は2018年から「BUハブ」と呼ばれる全学共通の一般教養プログラムを導入しています。
この一般教養プログラムは、さまざまな学部・学科が連携した全学共通教育カリキュラム。専攻に関係なくすべての学部生が6つの必須能力を身につけられるように作成されています。
6つの能力とは次のスキルを指します。
- 哲学的・美学的・歴史的解釈
- 科学的・社会的探究
- 数量的推論
- 多様性・市民活動・グローバルな市民性
- コミュニケーション
- 知的ツールキット(クリティカルシンキング、チームワーク・コラボレーション、リサーチと情報リテラシーなど)
ボストン大学のレベル
Photo by Aubrey Odom-Mabey on Unsplash
世界ランキング
ボストン大学はTHE世界大学ランキングで78位、QS世界大学ランキングでは93位にランクインしています。また、US Newsの全米大学ランキングでは43位に入っています。
偏差値は?日本の大学だとどれくらい?
アメリカの大学入試では試験による足切りがないため「偏差値」という制度はありません。
日本の大学とは教育システムが違うため単純な比較は難しいのですが、目安として世界ランキングで近い大学を見てみると、ランキング62位のボストン大学に対して京都大学61位(THE)があります。
このことから、ボストン大学は日本屈指の高難易度大学とほぼ同じランキングであることがわかります。
合格率
ボストン大学の合格率は約20%です。
ボストン大学の学部
Boston University Terriers at Northeastern University Huskies on November 12, 2010 by Eric T
ボストン大学には145の学部プログラムと297の大学院プログラムがあります。
人気の専攻には、ジャーナリズム、ラジオ/テレビ、生物・医科学、心理学、法学、工学、教育、機械工学、コンピュータサイエンス、経済学、国際関係学、コミュニケーション、ビジネスなどがあります。
ビジネススクールである「クエストロム・スクール・オブ・ビジネス」や全米初のがん研究と教育が一体となった研究所を持つ医学部も世界的に高い評価を得ています。
各分野(スクール/カレッジ)は次のとおりです。各分野で専攻できるプログラムについては、リンクから公式ホームページをご覧ください。(→学部全リスト)
アーヴィンド・チャンダン・ナンドラル・キラチャンド・オナーズ・カレッジ Arvind & Chandan Nandlal Kilachand Honors College | アート&サイエンス、ビジネス、ファインアーツ、エンジニアリングなどの専攻があります。 |
人文&自然科学 College of Arts & Sciences | ボストン大学最大のカレッジです。 20以上の学科があり、人文科学、自然科学、計算科学、社会科学などの学部プログラムがあります。 |
コミュニケーション College of Communication | マス・コミュニケーション、広告・広報、ジャーナリズム、映画・テレビなどの大学院・学部プログラムがあります |
エンジニアリング College of Engineering | 生物医学工学、電気・コンピュータ工学、機械工学、システム工学、材料科学・工学などのプログラムがあります。 |
芸術 College of Fine Arts | 音楽、演劇、ビジュアルアーツの大学院・学部プログラムがあります。 |
教養学部 College of General Studies | この学部は2年制で、リベラルアーツの横断的なカリキュラムがあります。学生たちはここから大学の特定の専攻に進みます。 |
健康、リハビリテーション科学 College of Health & Rehabilitation Sciences: Sargent College | 健康科学、作業療法、理学療法・アスレチックトレーニング、言語聴覚科学のプログラムがあります。 |
コンピュータ&データサイエンス Faculty of Computing & Data Sciences | 計算、コンピュータ、データサイエンスに関する学部・大学院プログラムがあります。 |
フレデリック.S.パーディースクール(国際関係学) Frederick S. Pardee School of Global Studies | 国際関係学と地域研究の分野で、5つの専攻、8つの副専攻、9つの大学院学位、2つの大学院サティフィケイトプログラムがあります。 |
医学 Graduate Medical Sciences | 生物医学の修士号、博士号、医学博士号、修了証の取得を目指す33の研究分野があります。 |
人文&自然科学(大学院) Graduate School of Arts & Sciences | 人文科学、自然科学、計算科学、社会科学の約40の分野があります。 |
歯学 Henry M. Goldman School of Dental Medicine | 歯科医学に関する学位プログラムがあります。 |
生涯教育 Metropolitan College & Extended Education | 80以上のフルタイム、パートタイムの学位・資格取得プログラム、ノンクレジットコース、学士号プログラムがあります。 文学、コンピュータサイエンス、経営、刑事司法、食など、さまざまな分野のオンキャンパス、オンライン、オン/オフのミックスプログラムがあります。 |
クエストロム・スクール・オブ・ビジネス Questrom School of Business | デジタル技術、健康・生命科学、エネルギー・環境などに重点を置いたビジネス・経営学の学部と大学院プログラムがあります。 |
ホスピタリティ School of Hospitality Administration | 学部・大学院におけるホスピタリティ学位プログラムがあります。不動産、収益管理、デジタルマーケティング、シニアリビング、イノベーションと起業家精神を含むホスピタリティ経営修士号(MMH)の学位もあります。 |
ロースクール School of Law | JDとLLMプログラムがあります。アメリカ法、知的財産法、銀行・金融法、税法など、様々なプログラムや専門分野で、他の学部やカレッジと連携したデュアルディグリープログラムもあります。 |
薬学部 School of Medicine | メディカル・キャンパスに、22の学科があります。 |
公衆衛生学 School of Public Health | 公衆衛生学に関する修士号・博士号プログラムがあります。他の学部との連携でとれるサーティフィケートプログラムやデュアルディグリープログラムもあります。 |
社会福祉 School of Social Work | ソーシャルワークに関する修士・博士課程、ダブルディグリー、専門教育プログラムがあります。 |
神学部 School of Theology | 修士・博士課程を通じて宣教や神学に関わる職業に就く学生を養成しています。 |
ウィーロック・カレッジ(教育・人材育成) Wheelock College of Education & Human Development | 幼児教育、高等教育、カウンセリング、政策など、20以上の分野の専攻プログラムがあります。 |
ミリタリー Division of Military Education |
ボストン大学に留学するには?
Boston University: Engineering by Praful Mathur
学部課程
学部課程への入学にはGPA3.71以上の最終学歴の成績や、教師やカウンセラーからの評価レポートのほか、英語力スコアを提出します。(参考:Admissions for International Students)
大学が公表している合格者の英語スコア傾向は次のとおりです。
TOEFL iBT(r) | 総合90-100以上 各セクション20以上 |
IELTS | 総合7以上 各カテゴリーのスコアに一貫性があるかどうかも審査します。 |
Duolingo | 120-130以上 サブスコアは、各教科で一貫性があるかどうかも審査します。 |
SATやACTテストの提出は任意です。もしSATやACTの点数を審査の考慮に入れてもらう場合には、その旨を申し出る必要があります。(申し出た後で取り下げることはできません。)
大学院課程
英語力
願書提出には次の英語力スコア以上を証明する必要があります。
TOEFL iBT(r) | 100 |
IELTSIELTS | 7.0 |
Duolingo | 125 |
英語力以外の要件
専攻によって詳細は異なりますが、次の要件の提出が必要となります。(参考:Graduate application instructions)
- 最終学歴の成績
- 推薦状(3通以上)
- CV(履歴書)
- オンライン質問(記述+ビデオ)
※GREは必須ではありませんが提出したければ任意提出が可能です。
パーソナルステイトメント(小論文)や実技、作品提出などが別途定められている専攻には次のようなものがあります。
- 広告(advertising)
- メディア(emerging media studies)
- フィルム&TV(film and television studies)
- ジャーナリズム(journalism)
- マーケティング・コミュニケーション(media science:marketing communication)
- メディア・サイエンス(media science)
- メディア・ベンチャー(media ventures)
- 広報(public relations)
- シナリオライティング(screen writing)
- TV(television)
詳細は志望専攻ごとに大学院ホームページで確認してください。
大学付属英語コース(CELOP)
ボストン大学には付属の英語コース「Boston University, Center for English Language & Orientation Programs (CELOP)」があります。入学時に英語力の要件が達していない場合、ここで英語力を伸ばしてから進学を目指すことができます。
ボストン大学を目指している人に限らず、誰でも短期~長期の語学留学ができます。また、MBA準備、ロースクール準備、大学の単位を取りながらの英語クラス、英語教師向けクラス、起業を目指す人対象のクラスなどさまざまなコースがあります。
ボストン大学の学生が会話パートナーになるプログラムもあります。「正規留学はできないけれどボストン大学で学びたい」という人や、視察を含めた短期留学にも活用できるコースです。
ボストン大学の学費
近年、アメリカの大学の学費は上昇傾向にあります。ボストン大学は私立大学でもあり、決して安い学費ではありません。
しかし、同じようなランキングの他大学とくらべて特段に高いというわけではなく、トップランクの州立大学などと比較してもさほど大きな差がない金額です。
奨学金制度もありますので、うまく活用しながら資金計画を立てていきましょう!
学部課程
授業料 | 63,798ドル |
滞在費 | 11,600ドル |
食費 | 6,510ドル |
学生費 | 1,370ドル |
他 | 3,085ドル |
合計 | 86,363ドル |
大学院
大学院課程の授業料は専攻によって異なります。公式ホームページから志望学部ごとに学費を検索してください。
奨学金
留学生についてはいくつかの奨学金制度が設けられています。米国学生へのサポート制度と比べると狭き門になりますが、興味のある人は検索してみてください。
日本からの留学生は日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度も検討してみてください。
▼奨学金制度の一例
- 独立行政法人 日本学生支援機構
- フルブライト奨学金
- 経団連
- 柳井正財団
- 中島記念国際交流財団
- 笹川平和財団スカラシップ
- 船井情報科学振興財団
- その他民間団体が実施しているもの
- 地方自治体が実施しているもの
米国有数の学生都市ボストンで大学生活をおくろう!
ボストン大学は全米屈指の名門大学です。「最も就職に有利な大学ランキング」上位校であり、ジャーナリズムやメディア、生物・医科学、心理学、国際関係学、ビジネスなどさまざまな専攻が世界ランクのトップレベルに入ります。
多様性と一般教養を重視するほか、スポーツも盛んです。競技会や大会があるたびに、アメリカの大学生活らしい盛り上がりを経験できるでしょう。
英語力が足りなくても付属の英語学校から進学する道があります。ぜひボストン大学への留学にトライしてみてください!
(留学プレス編集部)