「留学適齢期」はいつ?~星野達彦(国際教育事業コンサルタント)

留学適齢期
 
内閣府は2月13日(2016年)、「教育・生涯学習に関する世論調査」の結果を公表した。2015年12月10~20日に全国の成人男女3000人(回収率55.1%)を対象に面接方式で実施したこの調査なかで「子供や若者に海外留学をさせた方がよいと思うか」との問いの回答で「させた方がよい」は43.9%、「どちらかといえばさせた方がよい」は40.3%だったのに対し、「必要ない」は「どちらかといえば」を含めて10.8%だけであった。
 
政府が面接方式で行った信頼のおける調査で出たこの「子供や若者に海外留学が必要との回答が84%」という結果は同日の日本経済新聞にも掲載されるほどのインパクトがあった。留学業界にいる私にとっても驚きの高い数字であった。
 

「海外留学必要」84%、なら留学すべき時期は?

このようにとても多くの人たちが留学を考える時代になった。そこで気になるのが、自分はいつ留学すべきかということではないだろうか?
先日、EF総合教育研究所が行った意識調査の結果を見る機会があった。これは3月3日にTwitterのアンケート機能を利用して行ったもので、回答件数は1,195件であった。
 
その結果によると「あなたが思う、留学すべき最適時期(年代)とは?」の問いに半数を少し超える53%の回答者が「大学生」と答えてあった。そして「高校生」が34%、「中学生」が7%、「社会人」が6%であった。
 

留学のプロが考える留学適齢期

私が留学の仕事を始めてから30年近くで1万人以上の留学生のビフォー・アフターを見てきたが、当然、留学適齢期というのは人によって異なると思っている。その人の人生観、ライフプラン、取り巻く環境(家庭、進路、キャリアステージ、経済力、結婚観など)によって留学適齢期が変わるのは当たり前だといってよい。
 
その考えの上で留学のプロとしていくつかアドバイスしてみたい。
 

ライフステージ別留学のインパクト

この留学の仕事に携わる留学カウンセラーや留学受け入れ先スタッフ、そして留学経験者誰でも留学は「ライフチェンジングエクルペリアンス(人生を変えるほどの経験)」だという。実際私も大学卒業後の留学経験がなければこの仕事をしていない。
 
このように留学経験というのは、その人の人生に大きなインパクトを与えるものである。
実際はいつの時期にどんな留学をしたのかにもよって変わってくる。大まかに説明すると以下のようなことが言える。
 
留学適齢期
 
・高校や中学時代の留学
精神的にも最も多感なこの時期の留学経験はその後の人生を大きく変えてしまうぐらいのインパクトがある。自分の進路、生活基盤、伴侶まで日本の枠を飛び出して考えるマインドセットが培われる中学・高校留学生も多い。
 
・大学時代の留学
ある程度の人生観や価値観が固まっていて、国内に自分の所属する(帰ってくる)大学があるという大学生の留学におけるインパクトは、中高生の留学よりは大変限定的だと言っていい。それでもこの時期の留学は島国でほぼモノカルチャー(単一文化)の日本で育った大学生にとっては、自分自身や自分の人生、そして世界の中の日本を考える良いきっかけになる。
 
・社会人になってからの留学
社会人になってからの留学は会社を辞めずに行く短期留学やMBAなどの長期の社費留学があると思うが、この場合は留学希望者がしっかりとした生活基盤を持ち、学びの目的もはっきりしているので、その後の人生に与えるインパクトということから見ると大学での留学より、限定的になる。一方、会社を辞めてする留学に関しては、参加者のその後の人生に与える影響は極めて大きなものになる。
 

今の時代の留学適齢期

留学適齢期
 
ここで述べてきたように、留学の適齢期は人によって異なる、また一方でライフステージによって留学の人生に与えるインパクトの大きさも異なる。では、自分はいつ留学すべきなのか?私の答えは「行きたいと思った時があなたの留学適齢期」ということである。
 
なぜそのように思うのかを説明しよう。私が留学をした1980年代前半は、まだまだ留学は一生に一度のものであった。その時代は終身雇用制度が生きていたし、1ドルが200円以上の時代だった。実際、文部科学省の統計を見てみると、私が留学をした1984年の日本人留学生数は、たったの1万5千人 ほどである。
 
では今の時代はどうなのか?留学を人生一度のものと考える必要は全くないと思う。経済的にも、情報的にも、企業の採用姿勢を考えても、留学のハードルは私の時代と比べ物にならないぐらい低くなっている。そんな時代に留学の適齢期で悩むことはナンセンスかもしれない。留学をしたい気持ちがあって、行ける環境があるなら、その時が留学し時だし、帰国後また行きたいときに何度も留学すればいいと思う。その意味では現在はマルチプル留学時代だと言えるかもしれない。
 
文:星野達彦(国際教育事業コンサルタント)
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