ラガーディアコミュニティカレッジ(アメリカ)【世界の大学レポート】

海外大学留学に興味がある方のために、留学生記者が自分の大学をレポートする『世界の大学レポート』。今日はアメリカのラガーディアコミュニティカレッジ (LaGuardia Community College)から留学生・雨宮早紀さんのレポートをお届けします。

ラガーディアコミュニティカレッジはアメリカのニューヨーク市クイーンズ区にある2年制の市立カレッジです。ニューヨーク市民だけではなく、市外の人たちにも門戸を開いています。また留学生向けの英語クラスも開講しており、世界中から学生が集まります。

高校卒業者(および見込み者)であれば出願可能で、専攻は60以上の多岐に渡ります。

中でもアメリカの中でも珍しい専攻が “ろう者学”。筆者が勉強しているのもこの分野です。2年間の課程を修了すると準学士の学位が授与され卒業します。卒業後の進路は一部の就職をする学生をのぞき、4年制大学への編入が多く見られます。

この記事ではろう者学専攻の筆者の視点から学校を紹介していきます。ニューヨークを留学先として検討している方、ろう者学に興味がある方、そして障害を持つ学生への支援制度について知りたい方へ、役に立つ情報をお伝えしていきます。

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ニューヨーク市立大学群の中にあるカレッジ

まず最初に、ラガーディアコミュニティカレッジが属する『ニューヨーク市立大学群(City University of New York 通称CUNY))について簡単にご紹介しましょう。

CUNYとは、7のコミュニティカレッジ、11のシニアカレッジ、そして7の大学院から構成されるニューヨーク市の教育機関群。いずれの教育機関も、ニューヨーク市内のいたるところにキャンパスを持ちます。

CUNY内では単位移行が簡単にでき、CUNY内で編入、進学をする際に事務的な手間を省くことができます。

国際性と多様性を受け入れるキャンパス

ラガーディアコミュニティカレッジは150以上の国から学生を受け入れており、学生たちは約160の言語を母語としています。

学内には国際学生支援課(Office for International Student Services)があり、留学生が学校生活を送る上での支援業務を担っています。学生ビザの取得・維持のために必要な書類の発行、学習支援、また卒業後の米国内でのOPT就労支援など、業務は多岐に渡り、留学生であれば必ずお世話になるオフィスです。

ラガーディアコミュニティカレッジは障害を持つ学生への支援制度も充実しています。支援を提供するのは障害学生課(Office for Students with Disabilities)。障害は身体障害に限らず、学習障害、慢性疾患、さらには怪我などによる一時的な機能低下状態の学生なども含まれます。

全ての学生が学内のプログラム、サービスを受けられるように、個々のニーズに合わせて支援を提供しています。下記は提供されている支援の例です。

・試験時における配慮の適用支援
・ノートテイキング
・音訳教科書の提供(通常の教科書を購入後に適用されます)
・教室の配置支援
・各ソフトウェア支援ツール使用のための補助
・手話通訳手配

ラガーディアコミュニティーカレッジで提供されているプログラム

2019年現在、ラガーディアコミュニティーカレッジで開講されている学部と選択をご紹介しましょう。

・ビジネスアンドテクノロジー学部(Business and Technology Department)
会計学(Accounting)
経営学(Business Administration)
パラリーガル (Paraleagal Studies)
観光サービス学 (Travel, Tourism & Hospitality Management)

・教育言語習得学部 (Education and Language Acquisition Department)
児童教育(Childhood Education)
幼児教育 (Early Childhood Education Option)
スペイン語・英語バイリンガル児のための教育(Education Associate: Bilingual Child)
中等教育選択(Secondary Education (Teacher Transfer) Option)
ろう者学(Deaf Studies)
国際学選択(International Studies Option)
日本語選択(Japanese Option)
ラテンアメリカ学選択(Latin American Studies Option)
スペイン語・英語翻訳(Spanish-English Translation)

・英語学部(The English Department)
ライティングおよび文学専攻(Writing and Literature Major)
クリエイティブライティング(Creative Writing)
ジャーナリズム選択(Journalism Option)

・医療科学学部(The Health Sciences Department )
救急救命士プログラム(EMT/Paramedic Program)
食品管理プログラム (Food Service Management Program)
栄養士プログラム(Dietetic Technician Program)
精神衛生学(Human Services: Mental Health )
栄養および調理学(Nutrition and Culinary Management)
作業療法士アシスタントプログラムOccupational (Therapy Assistant Program)
理学療法士アシスタントプログラム– (Physical Therapist Assistant Program)
公衆衛生学 (Public and Community Health)
放射線技術プログラム (Radiologic Technology Program)
看護プログラム(Nursing Program)
レクリエーションセラピー– (Therapeutic Recreation)
看護学実践(Certificate – Licensed Practical Nursing)
獣医学技術プログラム(Veterinary Technology Program)

・人文学部(The Humanities Department)
コミュニケーション学( Communication Studies)
美術(Fine Arts)
デザイン (Design Arts)
商用デザインテクノロジー(Industrial Design Technology)
音楽 (Music)
音楽レコーディングテクノロジー (Music Recording Technology)
映画とテレビ(Film and TV)
現代メディアテクノロジー(New Media Technology)
演劇 (Theatre)
哲学 (Philosophy)
商用フォトグラフィー (Commercial Photography)
美術 フォトグラフィー選択(Fine Arts Photography Option)

・数学、工学および計算機科学部(The Department of Mathematics,Engineering and Computer Science )
工学科学プログラム(Engineering Science Program)
計算機科学専攻(Computer Science major)

・自然科学学部 (Natural Sciences Department)
生物学専攻(Biology Major)
環境科学専攻(Environmental Science Major)

・社会科学部The Social Science Department
人類学(Anthropology)
刑事司法(Criminal Justice)
経済学(Economics)
史学(History)
政治学(Political Science)
心理学(Psychology)
社会学(Sociology)
都市研究(Urban Study)

ラガーディアコミュニティカレッジの『ろう者学』

冒頭で述べた通り、筆者は教育言語習得学部のろう者学選択を専攻しています。ここで少し『ろう者学』についてご紹介しましょう。

『ろう者学』を英語ではデフスタディーズ(Deaf Studies) と言います。

ろう者、というのは手話を第一言語とし、独自の文化を持つマイノリティグループの人々を指します。この専攻では彼らの言葉である手話を学ぶだけではなく、ろう者の歴史や社会も学びます。

手話は日本語や英語など音声言語に手の動きをくっ付けたものではなく、顔の表情なども文法要素の一つとする独立した言語です。

意外と知らない方が多いのですが、手話は世界共通ではありません。地域によって全く異なります。日本で主に使用されている日本手話と北米地域で使用されているアメリカ手話も当然違う言語なのです。

カレッジはろう者学を扱う全米でも珍しい教育機関です。他の教育機関と連携して手話通訳養成を行うコースもあります。

自然と文化が豊かなキャンパスで学ぶ

カレッジはニューヨークのクイーンズ区にあり、観光エリアで有名なマンハッタン区までは電車で10分ほどです。都会で賑やかなイメージが強いニューヨークには、セントラルパークをはじめ公園がたくさんあり、自然と触れ合える一面もあります。

メトロポリタン美術館やアメリカ自然史博物館などの文化施設も充実しています。多くの施設ではニューヨーク在住者および在学者の入場料は任意となっており、自分が申告した値段で施設を楽しむことができます。なお、ニューヨーク公立図書館の利用は無料です。

ニューヨークだからできること、この学校だからできることがたくさんあります。多様な人たちが集まり、刺激を受けながら意志を持って勉強したい人にはいい環境と言えるでしょう。

ラガーディアコミュニティカレッジ・ホームページ

(留学生記者)

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