「留学するならレベルの高い大学を選びたい」「英語に自信があるので公立大学を目指したい」そんな人の留学先候補のひとつとして挙がるのが「ミシガン大学」です。
求められる英語力は高くなりますが、その分ハイレベルかつ専門的な教育を受けられます。
これからミシガン大学への留学を目指したい人のために、大学の特徴や学部、周辺環境、治安、求められる学力や学費について解説します。留学するからにはミシガン大学の卒業を目指したい人や、社会人でキャリアアップのために海外の大学でのレベルの高い教育を受けたい人は、ぜひ参考にしてください。
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パブリック・アイビーと称されるミシガン大学の特徴

ミシガン大学は、アメリカ合衆国ミシガン州の州立大学です。アメリカ全土の州立大学のなかでも難易度や教育水準が高く、アメリカの公立大学のなかの優秀校(パブリック・アイビー)と称されています。ミシガン大学の歴史や特徴について解説します。
アナーバー市内にある歴史深い大学
ミシガン大学は1817年デトロイトで創設されました。アメリカの公立学校のなかでもっとも歴史が古い大学です。1837年に現在の立地であるアナーバー市に移設します。
ミシガン大学は、アナーバー校のほかに、ディアボーン校とフリント校の分校(Regional Campuses)があります。一般的に「ミシガン大学」と呼ばれるのは、アナーバー校です。
ミシガン大学は、一般的に「U-M」の愛称で呼ばれています。なお、同じミシガン州にある「ミシガン州立大学(Michigan State University)」は、イーストランシング市にある別組織です。
ミシガン大学の偏差値や難易度は?
アメリカの大学入試は一発試験ではないため、日本のように偏差値で難易度を測ることはできません。しかし、合格率で見るとわずか23%という高倍率となっており、最終学歴の成績や英語力にも高いレベルが求められます。
なかでもスポーツ・マネジメントやキネシオロジーなどのコースは人気が高く、狭き門となっています。
アメリカでもトップクラスの名門
ミシガン大学は、パブリック・アイビーと称されるアメリカの名門公立大学のひとつです。偏差値の代わりの指標となるのが大学ランキングです。2021年のQS世界大学ランキングでは21位、THE世界大学ランキングでは22位という高い評価を受けています。
ミシガン大学の専門分野は200以上と、豊富な教育プログラムが提供されています。第38代アメリカ合衆国大統領のフォード大統領をはじめとした、若いリーダーを多く輩出しているのも特徴です。ほかにもノーベル賞受賞者、宇宙飛行士などミシガン大学の卒業生は各分野でリーダーやプロフェッショナルとして活躍しています。
日本との交流も盛ん
ミシガン大学の構内には、1947年に設立された日本研究所(Center for Japanese Studies)があります。設立された当初の目的は、戦時戦争下での日本の村落調査でした。1950年には岡山大学にミシガン大学日本研究所岡山分室が設置されます。
その後ミシガン大学の日本研究所による日本の調査を通じて、日米の交流にも貢献しました。現在でもミシガン大学は日本人留学生の受け入れも多く行っていて、卒業生も多いです。
幅広い分野の学部で学べる
ミシガン大学は施設、設備、教授陣とともにトップレベルの公立大学です。学部は専攻で200以上あります。おもな学部は、環境学、建築学、地域学、民俗学、ジェンダー研究、教育学、工学、コミュニケーション、言語学、文学、行政学、リベラルアーツ、生命科学、数学などです。
興味のある分野や、将来的に学びたい分野に関連した学部を選べます。
スポーツ、音楽、芸術の組織が豊富
ミシガン大学は、教育以外の分野でも学生たちが幅広い活動を行っています。とくに、アメリカンフットボールやアイスホッケー、大学マーチングバンドでは、名門校としても知られています。
ほかにもミシガン大学の学生たちによる音楽バンド、オーケストラ、市民芸術、美術などの豊富な組織200以上があります。これらの組織による催しやプロジェクトもさかんに開催されているのも、ミシガン大学の特徴です。
学園都市で学ぶ!ミシガン大学の周辺環境について

University of Michigan in Autumn by VasenkaPhotography
ミシガン大学の構内や大学周辺の環境について解説します。
壮大な敷地内は無料バスも運行
ミシガン大学の総面積は約13km2。セントラル、ノース、サウスの3つのキャンパスがあります。学部ごとのキャンパスのほか、図書館、博物館、植物園、アイスアリーナ、スタジアムなどの施設が併設されています。
3つのキャンパス間は、無料バスで移動できるので便利です。
アナーバー市は自然豊かな学園都市
ミシガン大学のあるアナーバー市は、ミシガン大学が移転してきたときから学園都市として発展してきました。ミシガン大学とアナーバー市との関係は深く、現在もミシガン大学の一部敷地とアナーバーのダウンタウンの境界が混在しています。
アナーバー市の住民の割合は白人が約70%、アジア系約15%、黒人が約7%ほどです。全体の20%の住民が英語以外の言語も話し、移民も多くなっています。多くの異文化に触れられる環境でもあります。なお、アナーバー市は滋賀県彦根市と姉妹都市協定を結んでいます。
市内のメインストリートをはじめ、レストランやバーなどのグルメスポットも豊富にあります。ニコルズ樹木園とヒューロン川などの自然環境も豊かなため、大学以外でも充実した日常生活を送れるでしょう。
ミシガン州のなかでは治安はよいが注意
アナーバー市はミシガン州のなかでは、デトロイトなどのほかの都市よりも比較的治安がよい都市です。ミシガン大学を中心にした学園都市、という環境も治安の良さの背景にあります。
ただし、ダウンタウンやミッドタウン以外の場所や、人通りの少なくなる時間帯の通行は控えるなど自衛は必要です。窃盗や車上荒らしなども発生しているので、貴重品はつねに身に付けるなどの対策を忘れないようにしましょう。
ミシガン大学への留学に必要な学力、費用について

ミシガン大学への留学に必要な学力と学費を解説します。
高い学力と英語力が求められる
ミシガン大学はパブリック・アイビーの一角のため入学には高い学力、英語力が求められます。英語が母語ではない留学生は入学の際、成績の提示が必要です。
ミシガン大学への留学に必要な学力や英語力は以下の通りです。(ミシガン大学公式HP)
GPA | 3.88 |
ACT ※SATでも可 | 32(推奨34~) |
IELTS ※TOEFL(r)でも可 | 7.0(各セクション6.5以上) |
TOEFL(r)/iBT ※IELTSでも可 | 100 23+ (listening & reading) 21+ (speaking and writing) |
SAT ※ACTでも可 | 合格者平均1435 (Math 735、Reading/Writing 700) |
大学受験における合格率は23%ほどです。ミシガン大学入学後も、授業の専門的な内容を理解するための高い英語力が求められています。
ミシガン州内のコミュニティカレッジからの編入
ミシガン大学に直接入学するのが難しい場合は、ほかの大学またはコミュニティカレッジに入学後ミシガン大学に編入する方法もあります。
すでに留学先の目標がミシガン大学、と決まっているならミシガン州内のコミュニティカレッジを経由してミシガン大学への編入を目指す選択肢が有利になります。コミュニティカレッジ自体にミシガン大学へのトランスファープログラム(編入プログラム)を持っていることもあるからです。
何の単位が必要か、どのくらいの成績で修了すべきなどの情報も豊富にあります。高校の成績(GPA)が足りなかった人も、コミュニティカレッジでしっかりGPAを取得すればミシガン大学のような難関校でも入学チャンスが広がります。
留学費用は高いため余裕をもっておこう
ミシガン大学1年間あたりの学費(教育学部の例)は以下の通りです。
授業料 | Lower Division:$27,750 Upper Division:$29,278 (約294~310万円) |
登録費 | $80.00 (約8,500円) |
Central Student Government (CSG) | $9.19 (約1,000円) |
COVID-19 Fee | $50.00 (約5,300円) |
法律相談サービス | $8.50 (約920円) |
School & College Government | $1.50 (約150円) |
University Unions & Recreational Sports | $65.00 (約6,900円) |
合計 | $27964.19~$29492.19 (約296~313万円) |
学費に加えて、寮費や食費が年間$12000(約127万円)ほどかかります。年間で450~500万円ほどが必要なため、余裕を持って留学費用を用意しておきましょう。
奨学金
ミシガン大学から学生に提供する奨学金プログラムはごくわずかですが、学部によっては用意されています。教育ローンの利用は可能です。研究の助手などをすることで援助を受けられる場合もあります。
日本からの留学生は日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度も検討してみてください。
▼奨学金制度の一例
ミシガン大学の留学は難関だが大きな糧になる
アメリカの公立大学のなかでも優秀校であるミシガン大学へ留学すれば、世界レベルでの高い教育が受けられます。街全体が学園都市として発展してきた背景や、学生組織の豊富さなど周辺環境も魅力的です。
一方、入学のために求められる英語力や学力は高くなっています。州内のコミュニティカレッジからの編入も選択肢に入れ、必要な学費や生活費は余裕を持って計画しておくなどして、ミシガン大学への留学を実現させましょう。