イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(The University of Illinois at Urbana Champaign、通称UIUC)はアメリカ・イリノイ州のアーバナとシャンペーンという都市の間にある州立大学です。
発光ダイオード(LED)やMRIなど世界初の発明をいくつも発表している、イノベーションに溢れる大学のひとつです。
イリノイ大学にはシカゴ校とスプリングフィールド校もありますが、一般的にイリノイ大学といえばアーバナ・シャンペーン校を指します。
1950年代に学習障がいのある児童を対象とした研究から「すべての人に学習の機会を与える」という大学の方針が確立します。キャンパスはバリアフリーが充実しており、米国で最も「障がい者に優しいキャンパス」としても評価されています。
イリノイ大学では日本のいくつかの大学と協定を結んでおり、アーバナ・シャンペーン校は東大の全学交換留学協定校のひとつにもなっています。
ここではイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に興味がある人に向けて、大学の特徴や偏差値、ランキング、難易度、学費、入学条件などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
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イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の基本情報
設立年 | 1867年 |
形態 | 州立 |
難易度 | ★★★★★ |
合格率 | 63% |
学生数 | 約46,183人 |
留学生数 | 約8,969人(約19%) |
人気の学部 | 研究・実験心理学 経済学 会計学 コンピュータ・ハードウェア工学 細胞生物学 統計学 コミュニケーション コンピュータサイエンス 政治学・行政学 ファイナンス |
学費例(年間) 費用検索はこちら COST OF ATTENDANCE | $36,018~$45,774(学部) $29,034~$49,500(修士課程) |
場所
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は、イリノイ州の中東部にあるシャンペーンとアーバナの間にあります。
イリノイ州と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐアメリカ第3の都市シカゴがあります。
アーバナ・シャンペーン校からシカゴまでは北へ約140マイル(約225km)、インディアナポリスまで西へ125マイル(約201km)、セントルイスまで北東へ180マイル(約289km)と車で数時間で行ける距離です。
キャンパス面積は1,783エーカー(約7.21平方km)で、東京ドーム約150個分もの広さです。
大学の施設ではバリアフリーが充実しており、障がいのある学生や教員も過ごしやすい環境が整っています。
23の学生寮があり、8,500人以上の学生がキャンパス内で生活することができます。1年生はキャンパス内の寮に住むことが義務付けられています。
卒業生
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の著名な卒業生にはこんな人たちがいます。
日本人にも馴染みのある厚切りジェイソンさんは、イリノイ大学大学院を卒業しています。
卒業後6年の平均年収は、$61,500(約800万円/1ドル=130円)です。
奨学金
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校では、基本的に留学生に対しての奨学金支援は行っていません。出願時の書類審査で学部単位での奨学金やフェローシップの対象となる場合がありますので、関心がある人は公式ページを参考にしてみてください。
日本からの学生は日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度も活用してください。
▼奨学金制度の一例
- 独立行政法人 日本学生支援機構
- フルブライト奨学金
- 経団連
- 柳井正財団
- 中島記念国際交流財団
- 笹川平和財団スカラシップ
- 船井情報科学振興財団
- その他民間団体が実施しているもの
- 地方自治体が実施しているもの
LED、MRIなど世界初の発明
LED(発光ダイオード)やMRIを世界で初めて発明したのは、イリノイ大学です。LEDを発明したニック・ホロニアックは、全米科学メダルと全米技術メダルの両方を受賞している数少ない人物の1人でもあります。
MRIを発明したポール・C・ラウターバーは、2003年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。彼の功績は医療の発展に繋がり、現在でもガンの発見に役立っています。
Research Milestones | About | University of Illinois Urbana-Champaign
米国で3番目に大きな大学図書館
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の図書館は、全米の公共図書館の中でも最大級の蔵書数を誇ります。(University of Illinois Library)
約40カ所の図書館には約1300万冊もの図書が置かれており、その膨大さがうかがえます。
24時間オープンしている図書館もあります。現在でも図書のデジタルデータ保存のため、日々保存活動が行われています。
障がいを持つ学生に優しいキャンパス
イリノイ大学は米国で「最も障がい者に優しいキャンパス」としても評価されています。障がいを持つ学生がすべてのサービス、カリキュラム、施設を利用できるように配慮されています。
障がい者向けプログラムやサービスが充実しており、サポートを必要とする学生のための特別なプログラムも用意されています。
サポートを必要とする障がいをもつ学生の卒業率は87%、約60%が卒業後1年以内に就職し、さらに32%が大学院や専門学校に進学しています。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学部
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学部・大学院課程は以下の通りです。
- 農業・消費者・環境科学部(College of Agricultural, Consumer & Environmental Sciences)
- 応用健康科学部(College of Applied Health Sciences)
- 教育学部(College of Education)
- 美術・応用芸術学部(College of Fine & Applied Arts)
- リベラルアーツ&科学部(College of Liberal Arts & Sciences)
- メディア学部(College of Media)
- 一般教養学部(Division of General Studies)
- 商学部(Gies College of Business)
- 工学部(Grainger College of Engineering)
- 情報科学部(School of Information Sciences)
- 社会福祉学部(School of Social Work)
▼専攻
農業・消費者・環境科学部 (College of Agricultural, Consumer & Environmental Sciences) | 農業会計 農業ビジネス、マーケット&マネジメント 農業・生物工学 農業・消費者経済学 農業コミュニケーション 農学教育 農業指導、教育およびコミュニケーション 農学 動物科学 コンピュータサイエンスと動物科学 コンピュータ科学と作物科学 消費者経済・金融 作物科学 栄養学 農業システム工学・管理学 環境経済・政策 農場経営 農業ビジネスにおけるファイナンス ファイナンシャルプランニング 食品科学 食品科学と人間栄養学 ホスピタリティマネジメント 人間発達と家族学 人間栄養学 都市食料環境システム 天然資源と環境科学 組織・コミュニティリーダーシップ 植物バイオテクノロジー 政策・国際貿易・開発 公共政策・法学 |
応用健康科学部 (College of Applied Health Sciences) | 学際的健康科学 運動学 レクリエーション、スポーツ、観光 言語聴覚科学 地域保健 教師教育 運動学 – 体育学 |
教育学部 (College of Education) | コンピュータ科学と教育、学習科学/中等教育 幼児教育 初等教育 学習・教育学 中等教育 特別支援教育 |
美術・応用芸術学部 (College of Fine & Applied Arts) | 演技 建築学 美術・芸術史 美術教育学 アート&エンターテイメント・テクノロジー コンピュータサイエンスと音楽 コスチュームデザイン&テクノロジー ダンス ダンス・運動研究 グラフィック・デザイン 工業デザイン ジャズ・パフォーマンス 景観建築 照明デザイン・技術 ミュージカル 音楽 作曲 音楽教育 楽器演奏 声楽 音楽学 舞台美術 音響デザイン・技術 ステージ・マネージメント スタジオアート サステナブルデザイン 演劇研究 都市研究・計画 |
リベラルアーツ&科学部 (College of Liberal Arts & Sciences) | 数理科学 アフリカ系アメリカ人研究 人類学 アジア系アメリカ人研究 天文学 天文学+データサイエンス 天体物理学 大気科学 生物学 脳科学・認知科学 化学 古典 コミュニケーション 比較文学・世界文学 コンピュータサイエンス+人類学 コンピュータサイエンス+天文学 コンピュータサイエンス+ 化学 コンピュータサイエンス + 経済学 コンピュータサイエンス + 地理学・地理情報科学 コンピュータサイエンス + 言語学 コンピュータサイエンス + 哲学 クリエイティブ・ライティング 地球・社会・環境の持続可能性 東アジアの言語と文化 計量経済学と定量経済学 経済学 英語 フランス語 ジェンダー・女性学 地理学および地理情報科学 地質学 ゲルマン語 グローバル研究 歴史学 美術史 統合生物学 イタリア語 ユダヤ学 ラテンアメリカ研究 ラティーナ/ラティーノ研究 言語学 言語学と外国語としての英語教育 数学 数学・コンピュータサイエンス 中世学 分子生物学・細胞生物学 神経科学 哲学 政治学 ポルトガル語 心理学 宗教学 ロシア・東欧・ユーラシア研究 スラブ研究 社会学 スペイン語 統計学 統計学とコンピュータサイエンス 個別プログラム 教職課程 |
メディア学部 (College of Media) | 広告 コンピュータサイエンスと広告 ジャーナリズム メディアと映画 |
教養学部 (Division of General Studies) | 一般教養 |
商学部 (Gies College of Business) | 会計 会計学+データサイエンス ビジネス ファイナンス ファイナンス+データサイエンス 情報システム マネジメント マーケティング オペレーション・マネジメント 戦略・イノベーション・起業家精神 サプライチェーンマネジメント |
工学部 (Grainger College of Engineering) | 航空宇宙工学 農業・生物工学 バイオエンジニアリング 土木工学 コンピュータ工学 コンピュータサイエンス 電気工学 工学部機械工学 経営工学 物質科学・工学 機械工学 神経工学 原子力・プラズマ・放射線工学 物理学 システム工学・設計 |
情報科学部 (School of Information Sciences) | 情報科学 情報科学+データサイエンス |
社会福祉学部 (School of Social Work) | 社会貢献 |
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の難易度
Champaign – University of Illinois Football
合格率
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の合格率は63%です。
ランキング
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のランキングは以下の通りです。
偏差値は?日本の大学だとどれくらい?
難易度がテストの点数によって決まる日本の大学入試と違い、アメリカの大学入試は書類選考で決まります。そのため偏差値という制度がなく、日本の大学との比較は簡単ではありません。
目安としてQS大学ランキングでイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に近いランキングにある、日本の大学を紹介します。
- 79位:東北大学
- 85位:イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
- 112位:名古屋大学
入試制度が異なることや言語の違いなどを考慮すると、難易度は簡単には表せません。世界的な評価という点で参考にしてください。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に留学するには?
Foellinger Great Hall, Krannert Center at University of Illinois, Urbana
大学(学部課程)
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学部課程で求められる入学要件は以下の通りです。
- 最終学歴の成績表
- 課外活動や受賞歴などの記録
- 英語力スコア(TOEFL iBT、IELTS、Duolingo English Test)※最低スコアは未公表
- エッセイ(7つある課題から1つ選んで提出。2022-2023年のエッセイ課題の例「あなた自身や他者に対する新たな理解や成長のきっかけとなった出来事・気づきについて教えてください」)
イリノイ大学アーバナシャンペーン校では多様な学生がほしいこと、そのために入学審査では総合的な判断で審査を実施すると述べています。
How We Review First-Year Applicants
成績、英語テストスコア、志望学部、志望理由、学外での活動、学校での成績以外の評価、育ってきた背景などが審査されます。トップランクの難関校ではありますが、単に成績が優秀なだけでなく様々な要因で合否が決まります。
また、希望する学部によって必要となる要項が異なりますので、最新の情報を確認してください。
最新入試情報は→First-Year Application Process, Undergraduate Admissions, University of Illinois Urbana-Champaign、International Applicants
編入情報
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に直接出願する手段以外にも、コミュニティカレッジ(2年制大学)からの編入という方法があります。高校の成績や英語力に自信がない人は、コミュニティカレッジからの編入も検討してみてください。
イリノイ州内のコミュニティカレッジへ2年間通い、そこからイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の3年次へ編入するというルートです。
コミュニティカレッジは四年制大学よりも入学難易度が低いうえ、このルートなら高校の成績だけでなくコミュニティカレッジ2年間の成績が考慮されます。コミュニティカレッジは学費も安いため、留学生だけでなく米国学生も積極的に活用しています。ぜひ検討してみてください。
コミュニティカレッジへの入学や四年制大学への編入については「コミュニティカレッジに入るには?難易度や入学条件、留学までの流れや費用まで徹底解説!」も参考にしてみてください。
大学院課程
大学院課程の入学要件を紹介します。
- 学位証明書
- 英語力スコア
(最低スコア:TOEFL iBT 103、IELTS Academic Exam 7.5、Duolingo 135)
- 最低GPAスコア 70%(4/5)
要件は応募するプログラムによって異なります。公式ホームページも合わせて確認してください。
参考:Japan | The Graduate College at the University of Illinois at Urbana-Champaign、International Applicants | The Graduate College at the University of Illinois at Urbana-Champaign
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校付属英語コース
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校には留学生を対象にした集中英語コース「The Intensive English Institute」があります。週20時間のフルタイムカリキュラムで英語を学ぶことができます。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校への入学を保証するものではありませんが、アメリカの名門大学で英語を勉強したい人にとっては嬉しいプログラムです。
大学での授業についていくための英語力を身に付けたい人にとっては魅力のあるプログラムですので、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学生たちと同じキャンパスで学んでみましょう!
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校への留学は実現できる!
Memorial Stadium, University of Illinois, Champaign, Illinois
数多くの発明を世に出してきた歴史のあるイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校では、学生に対しても新しい発見やイノベーションを起こしてくれることを期待しています。
合格率は63%とやや高い傾向にありますが、成績や高い英語力を求められることから難易度は高めです。
さまざまな事情の学生にもオープンな学風が特徴のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で、あなたの個性を存分に発揮してください。なぜイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に入学したいのか、達成したいことは何かしっかり考えることも重要です。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校への留学にチャレンジして、素晴らしい学生生活を実現してください!
(留学プレス編集部)