オペアとは、ホストファミリーの家事を手伝ったり、育児の手伝いをすることで滞在費が減額(あるいは免除)になるプログラムです。北米やヨーロッパ、オセアニアなどで実施されています。
滞在にかかる費用を大幅に削ることができるため、留学費用総額を節約することができます。
実施団体や地域によって参加条件が異なります。本記事では、私が児童福祉の仕事を退職後、アメリカでオペアを約2年間体験した事例を交えながらオペア留学についてお伝えします。
オペアで任された仕事、英語力や年齢、育児経験などの参加条件、全体の費用、通学についてもご紹介します。
\やりたいのはどんな留学?/
オペア留学とは? アメリカでのオペア留学例
留学費用は1年で25万円
「アメリカ留学をしたいけど高そう・・・」と断念する方も多いのではないでしょうか。私も初めはそうで「アメリカ 留学 安い」とよく検索をしていました。
私の参加したオペア留学プログラムでは1年間の留学費用が「30万円」でした。時期によってキャンペーンをやっていたり、資格の有無によって優遇される場合もありました。私は春のキャンペーンをしていた時に登録をしたので5万円オフが適用され「25万円」で渡米することができました。
ホームステイしながらお給料がもらえる
ホームステイの魅力は生活費がかからない事ですが、私が参加したオペア留学ではさらに最低でも週給$195(日本円でおよそ2万円ほど)がもらえました。
週45時間以内、週休1日半又は2日が約束された条件の下の給与です。1年間で約100万円にもなります。
水道光熱費はかからない為、お休みで使う私費はお給料の中で楽しむ事ができます。
私はついついアメリカにしかない洋服のブランド購入や日本ではなかなか味わえないアメリカンフードやアジアンレストランの食事に使いすぎてしまいました。
子育て経験、英語力ゼロでも日本人であることが武器になる
ホストファミリーの中には日系ファミリーや日本人ファミリーがいます。彼らの子供に日本語で接してほしい、同じ日本人の方が安心するなどといった理由でオペアを迎え入れたいファミリーが多くいました。
アメリカンファミリーや他の国からきたファミリーにとっても、「日本食が好き」「子供に日本語を教えてほしい」「日本の文化を知りたい」などと言った理由でもオファーが来る場合があります。
私も実際に15組ほどのファミリーとお話をしましたが「日本の文化が好きでぜひ教えてほしい」「日本語で会話をしてほしい」との依頼が多くありました。
また勤勉な日本人の姿を高く評価してくれている人たちもおり、そのような信頼が日本人オペアを迎え入れたい理由でもありました。
これらの条件と合致すれば、英語力がゼロでも心配はありません。日本語での会話が求められれば家の中での生活は日本語で溢れます。子育て経験がゼロでも文化交流の一環として体験する事ができます。
私は英語力が高くなかった為に日本語が話せるファミリーにしようか悩みましたが、面談を行っていく度にとても相性が良いと感じる日系アメリカンファミリーに決めました。彼らは日本語は話せないため英語だけの環境ではありましたが、日本に興味を持ち様々な国の文化や食事を愛する素敵なファミリーの下でオペアになる事を決めました。
オペアの役割と参加条件
オペアは子供の安心安全を守り愛情を持って接する事が主な仕事となっています。親の代わりに学校の送り迎えや習い事の送迎、食事の用意や就寝の対応まで子供の生活の流れを側で見守りお手伝いをします。その為人の子供の命を預かっているという責任のもとの仕事になっています。
私の参加したプログラムでは、参加条件は高校卒業以上、年齢は18歳から26歳、300時間以上の保育経験が必要になります。そして300時間の内の200時間以上は2歳児未満の子供の保育経験が必須になります。同居していない親類や友人の子供のお世話ボランティアも経験時間としてカウントされます。
保育経験については、出発までの間に規定時間を満たす予定があればOKです。
私の場合は保育時間についての参加条件は児童福祉の仕事をしていた時の分でカバーできました。2歳児未満の保育経験をより高める為に姪の世話や友人の子供の世話などもしました。
オペア留学を始める簡単3ステップ
エージェントを決めて申し込みしよう!
数あるエージェントの中から自分の条件にあったエージェントを見つけましょう。資格の有無でお給料の最低賃金が変わるエージェントや、オペア同士のイベントを月に1度開催してくれるエージェントもあります。
また保険のカバー適用範囲についてもどのエージェントが自分に合っているのかをよく選ぶ必要があります。
プロフィール作成
エージェントの登録が済んだらホストファミリーに見てもらう自身のプロフィール作成に入っていきます。私の場合は自己紹介や経歴、オペアをするにあたっての意気込みなどビデオ作成を行いました。
プロフィールには対応できる年齢や子供の人数、持っているアレルギーなど細かな情報が掲載され、ファミリーが依頼をする前の書類審査の役割を果たしています。
私は作成を開始してから完成まですごくゆっくりやって1ヶ月ほどかかりました。
全て英語表記であったため、友人のサポートを借りて添削をしてもらいながら行いました。
このプロフィール作成と同時進行でビザに必要な書類や健康診断などの書類集めも行いました。これらにかかる費用は自費になります。
ホストファミリーと面談・決定
いよいよ最後のステップになります。ここではたくさん時間をかけていきました。
面談を通してお互いに雰囲気や人柄がわかる瞬間でもあるのでとても大事なステップです。自身が希望する条件であったり、もし不安に思っている事があれば正直に話をする事で、ファミリーがどのような対応ができるか検討もしてくれます。ここでの話し合いを密にすることで、実際にマッチした際に相違が少なく快適に過ごせることにつながります。
プロフィールが掲載されると早速面談のオファーがきます。時差がある為日本時間の早朝や夜中、仕事の休憩時間にスカイプで面談を行いました。
オファーが来た時点で、家族の自己紹介と住んでいる地域の情報をみる事ができます。実際にファミリーとの面談では、お互いの自己紹介を始め主な仕事の内容、子供の特徴やハウスルールなどの確認を行いました。
その他オフの日の過ごし方や私用での車の利用になどについて私が知りたい事を聞きました。
面談は同じファミリーと何回もしていく事によって、決定に近づいていきます。面談をしながらも近況の報告などをメールしながらこまめにコミュニケーションを図っていく事をオススメします。
いくつかのファミリーと平行しながら面談していると、早速「ぜひマッチしたい」と言われるケースもありました。その時は正直にまだ決めかねていることや他のファミリーとの面談もしてみて決めたいということを正直に伝えました。
もちろん興味のあるファミリーには「興味がある」ということも伝えましたが、ファミリーも他のオペアとの面談を平行して行っていたり、すぐに来てほしいなどの事情を持っています。あやふやにすると迷惑もかかるのでしっかり意向を伝えるのが大切です。
決定したあとは日取りを決め出発の準備に取り掛かります。決定したファミリーとコミュニケーションを取りながら、渡米に向けて自身の家族や友人にお別れの準備をしていきましょう。
休暇や航空券サポートなどの特典
往復の航空券がタダ
私の場合、航空券はエージェントが手配してくれました。
変更や指定などはできませんが、私はラッキーな事に行きは直行便で渡航できました。
2年目は無料で延長ステイが可能
1年の満期を終えると帰国するのか、延長をするのかの契約の更新があります。1年半、1年9ヶ月、2年と延長日数を決めて契約の更新をする事ができました。その際の2年目の費用はどの日数になっても無料で延長することができます。
2年目の延長をするにあたり、ファミリーを変える事もできます。私は初めから2年滞在するつもりだったのですが、違う環境でもやってみたい思いから、同じファミリーで契約を更新するか迷っていました。しかし、住んでいた地域が好きで友人もでき、なんといってもファミリーが好きだったことから、同じファミリーで9ヶ月延長することにしました。
年に10日間の有給休暇あり
私のオペア留学では年に10日間の有給休暇をもらえました。
オペアが有給休暇を取るという事は子供のお世話をする人がいなくなってしまうことになります。ファミリーは仕事を調整したり、祖父母に育児を代わってもらうなどの準備があるので、日程が決まっていたら早めに伝えるほうがいいでしょう。
なかにはファミリーの旅行に合わせて有休を取る人もいました。
この有休を使ってロードトリップをしたりアメリカ旅行や日本に一時帰国をする人もいます。私は何日かまとめて有休を取らせてもらい、一時帰国をしたり、カナダへ行ったり、ロードトリップをして過ごしました。
アメリカ内でオペアをしている人たちと旅行をしたり、ハワイやメキシコへ旅行に行っている人たちもいてそれぞれ楽しく過ごしていました。
学費補助付き!地域の学校に通えちゃう。
オペア留学では地域の学校に通いエージェントが規定する単位数を取得する必要がありました。ESLクラスなど充実したクラスを受講できるので英語の勉強にもなり、とても助かりました。
私はファミリーから最大$500(6万円ほど)の補助がつき、住まいの地域の学校に通いました。コロナが蔓延していた時は通うことができなかったので後半はオンラインで授業を受けていました。
超リアルなアメリカンライフを送れます!
「誰も私の事を知らない所へ行きたい」「私が知らない世界にいってみたい」そんな思いから始まった留学。子供が好きで海外に興味があるという理由が全てつながったのがオペア留学でした。
また、女性として仕事をしながら子育てをするホストペアレンツのもとでの生活は、「私自身もいずれこうなるのかな」と練習をする気持ちも持ちながら献身的に関わっていました。
ホストファミリーの下で生活をするといういう事はアメリカでのリアルな生活を体験することにつながります。アメリカならではの子供に対する教育の方針も直に経験できます。
国やプログラムによって異なる条件があるオペア留学。ここでは私の実例をもとにアメリカでのオペア留学をご紹介しました。オペア留学に関心がある人は、ひとつの例としてぜひ参考にしてみてください。