留学先が決まって留学準備が進んでくると、留学保険が気になってくるのではないでしょうか。
留学保険は年間平均20万円〜25万円程度かかるため「本当に加入する必要があるの?」と疑問に思う方も多いかと思います。この記事では、海外留学保険の選び方サイト「保険Times」が、留学保険をできるだけわかりやすく解説しますので、保険選びの参考にしていただければと思います。
なお、保険Timesでは、海外留学保険の選び方をプロのアドバイザーに相談できるサービスを提供しています。留学保険選びに悩んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談してみていただければと思います。
留学保険ってそもそもどんな仕組みなの?
保険とは、保険に入っている人がお金を支払い、加入している人みんなが出したお金から、入院したり事故に遭遇した時にお金が払われるという助け合いの仕組みです。
海外の病院に行ったら10割負担
海外に留学していると、まず驚くのが現地で入院したり治療を受けたりしたときの金額の高さです。日本ではそもそも健康保険に加入しているため、実際にかかったお金の3割負担が原則です。(6歳から70歳未満の方)
海外へ渡航する際は、その3割負担という概念がなくなり10割分を請求されるため、日本と治療費の額が同じでも3倍の負担額になります。その結果、「高い」と感じるのです。
海外での医療費はどのくらい?
また、同じ治療をするにしてもアメリカやカナダ、オーストラリアだと日本の治療費用より高い傾向にあります。結果として日本で治療を受ける際の費用より圧倒的に高くなる傾向があります。
例えば盲腸の手術を受ける場合、日本での手術が60万円程度、オーストラリアやカナダは80万円、アメリカは300万円と言われています。これを見るだけでも、欧米圏の方が日本より治療費用が高いという点がお分かりいただけるのではないでしょうか。
留学保険に加入していれば、現地でかかる治療費用など補償の範囲内で保険で支払うことができるため、高額な治療費を請求されたとしても自己負担額を少なくできるということが特徴です。
留学するときの保険の内容
実際に留学する時に加入する留学保険は、どのような内容になっているのでしょうか。実際の補償内容を元に確認していきましょう。
まず、留学保険の補償の内容は4つの種類に分けられます。
- 怪我や病気によって健康に関するトラブルを補償するもの
- 持っている物を盗まれた、壊れた場合や現地で物を壊した場合に補償するもの
- 航空機の到着が遅れたことに関わる支払い、ロストバゲージをしてしまった場合の補償
- その他の補償
これらの中で、特に注意しておきたい補償内容について解説させていただきます。
怪我や病気など健康に関するトラブルの補償
治療救援費用
留学保険の代表的な補償内容と言えば、治療救援費用です。海外へ渡航する際に特に高額の支払いにつながるケースは主に
- 病院に通院や入院した際の治療費用
- 病状が悪かったり現地で治療ができない病気の場合に日本へ搬送しないといけなくなるケース
の2つです。
アメリカなどでは3,000万円を超えるような請求金額が発生している事案もあるため、万が一の高額支払いに耐えるよう補償金額を設定しておくのが良いでしょう。
歯科治療補償
「歯科治療は補償の対象ですか?」という質問は聞かれることの多い項目です。通常の治療救援費用の補償内容に歯科治療は含まれていないため、歯科治療をカバーしたい場合は「歯科治療補償」を別途つけておく必要があります。
各保険会社ともに、日本でかかっていた虫歯などは歯科治療補償の対象外としているケースが多くみられます。渡航後「●」日後から補償が開始できるといった条件がついているケースが多いため、契約する保険会社の補償開始の条件を確認しておきましょう。
持っている物を「盗まれた」「壊れた」「壊した」場合の補償
生活用動産補償/携行品損害補償
留学する際に現地に持っていったものなどが「盗まれた、壊れた」などの場合の補償となります。携行品損害は、実際の手荷物が補償となり、生活用動産は家に置いてあるものも補償対象になる点がポイントです。
現地に何を持っていくか、現地でどんな生活をする予定かという点から補償をどうするかを考えると良いでしょう。
個人賠償責任補償
留学中に他人にけがをさせたり、他人のものを壊したりして損害を与え損害賠償責任を負ったときの補償です。ケースとしては多くありませんが、いざ賠償しなくてはいけなくなった場合に「5,000万円」「1億円」といった賠償ケースも実際にありますので、つけておいた方が良い補償です。
航空機の到着が遅れたことに関わる支払い、ロストバゲージをしてしまった場合の補償
航空機遅延費用補償
航空機遅延補償は、航空機が遅延したことでホテルに滞在しなければいけなくなった場合の宿泊費や交通費の補償です。実際に実費でかかる費用が少ないため、いざという時に自己負担でいいかどうかを軸に検討する補償となります。
航空機寄託手荷物遅延費用補償
航空機手荷物遅延補償は、いわゆるロストバゲージの補償となります。飛行機が到着した際に手荷物が届かなかった際にかかった交通費や物品購入費用が補償されます。こちらも実際に実費でかかる費用が少ないため、いざという時に自己負担でいいかどうかを軸に検討する補償となります。
その他の補償
現地での怪我や病気、物の盗難や破損、航空機関連のトラブル以外にも留学保険でカバーされるものはあります。
例えば現地で死亡してしまった場合の補償、事故に遭ってしまい損害賠償請求を行う場合の弁護士費用の補償などです。海外で実際に発生した事故事例から補償内容を設計されているため、補償内容を選ぶ際は注意して検討するようにしましょう。
留学保険についているサービスの内容
留学保険には、海外で便利な付帯サービスがついています。ここでは特に重要なサービス内容について解説させていただきます。
キャッシュレス治療サービス
現地で受けた治療費用を、保険会社が病院に直接支払ってくれるサービスです。海外の現地の保険会社を使った場合、一部自己負担額が設定されていたり、立て替え払いが必要なケースもありますが、日本の保険会社の留学保険は実費負担がなく立て替え払いが不要な点が特徴です。
「海外の治療費用は高額」と冒頭で触れましたが、その費用を立て替えるとなると一時的ではあれ大きな費用負担となってしまいますので、キャッシュレス治療サービスが重宝されています。
留学保険で病院の治療を受ける場合は、事前にキャッシュレス対応な病院を保険会社のコールセンターに電話して確認したのちに治療を受けるようにしましょう。
医療通訳サービス
現地の言語が英語であればまだしも、ローカル言語であればより医療言語を話す難易度が上がります。医療通訳サービスは、電話などで病状を医師に代わりに伝えてくれ、病院の治療を受けやすくするサービスです。
実際の留学生の事故事例
保険に加入して渡航した方の例で、オーストラリア滞在中に事故で手術を受けることになり支払金額が50万円、1年の留学期間中に4度の怪我や病気に見舞われ総額治療費85万円、現地で1週間入院して100万円など、日本では考えられない水準での保険金請求が実際発生しています。
事故や病気や予測できないですし、実際に治療費用が支払えないという場合は周囲の知人や学校の担当者の方に迷惑をかけてしまうことになるため、必ず保険に加入して渡航することをお勧めします。
保険の選び方のコツ
費用で選ぶ
留学には大きなお金がかかるため、保険はできるだけ安く済ませたいという方も多いと思います。とはいえ、いざという時に役に立たない保険では本末転倒。
多くの保険商品は初めて留学保険を選ぶであろう方々にもわかりやすいようにパッケージ化されています。自分にとって必要だと思う補償は手厚くし、それ以外を抑えめにするなどして自分用にカスタマイズすることで費用を抑えられる場合もあります。
補償内容で選ぶ
国や学校形態によっては現地の健康保険に強制加入しなければならないことがあります。そんなときは健康補償は抑えめにするなどの工夫もできます。
ただし、現地保険だと診療できる病院が限られるなど不都合な面も多々あります。自分の行く国や教育機関の健康保険がどのような条件となっているのか、確認することも大切です。
会社で選ぶ
保険会社で選びたいという方もいるでしょう。安さや手軽さだけでなく、補償の実績やサポート体制なども比較してみてはいかがでしょうか。
そもそも、保険を必要とする状況というのは、自分もなかなか冷静ではいられないものです。言葉が通じない国での事件や事故、けがや病気に際して、日本語で丁寧にサポートしてもらえたり、的確な指示がもらえたりすることも重要です。
自分に合う留学保険を選ぼう
いかがでしたでしょうか。留学保険を検討する上で重要な補償内容やサービス内容について解説させていただきました。日本と海外の医療費の水準がそもそも異なりますし、本当に高額な請求ってあるの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、自分の体調の悪化や事故や不意にやってくるものです。
海外での滞在期間を満喫するためにも、守りの部分である保険の加入をして渡航するようにしましょう。
保険Timesでは、海外留学保険の選び方をプロのアドバイザーに相談できるサービスを提供しています。留学保険選びに悩んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談してみていただければと思います。