多種多様な芸術家が集まる街ベルリンには、数多くの劇場が存在します。クラシック音楽の有名なスポットも多く、たくさんの演目が連日のように公演されています。
日本のオペラ公演やコンサートとは違い、チケットもリーズナブルに購入することができるため、少ない出費で極上の音楽を堪能することができます。
ドイツで音楽を学ぶ学生にとっては、ハイ・クオリティーの演奏に日々親しみ、自身の技術向上につなげるチャンスです。
ベルリン近郊在住ではない人でも、ヨーロッパ内ならばLCCなどで格安移動が可能ですし、ベルリンは宿泊施設の相場もとても安い町なので、是非一度はクラシック音楽三昧の旅に出てみてください。
本記事では各劇場の特色と魅力をご紹介します。
1. ドイチェ・オーパー・ベルリン
オペラを観るなら一番に足を運びたいのが、ドイチェ・オーパー・ベルリン(Deutsche Oper Berlin)です。その名前を「国立オペラ座」と謳うだけのことはある、レベルの高い演奏を堪能することができます。
ドイチェ・オーパー専属のオーケストラの演奏クオリティは高い評価を得ており、大編成にも関わらずまるで一つの巨大な楽器が鳴っているかのような一体感と躍動感が魅力です。
Photo from Flickr Deutsche Oper(locken_rock)
2. シュターツ・オーパー・ベルリン
ドイチェ・オーパー同様、頻繁にオペラ公演が催されている州立オペラ座がシュターツ・オーパーです。オーケストラのレベルはドイチェ・オーパーに比べるとワンランク落ちますが、こちらのオペラ座にも世界の有名歌手が歌いに来るので、お目当ての歌手が出演する日を狙って足を運ぶと良いでしょう。
▲キャストやスタッフの名前が公演ごとにフロアに張り出されます。
3. コミシェ・オーパー・ベルリン
コミシェ・オーパーは、喜歌劇の上演に長けたオペラ座です。シリアスな作品ももちろん扱っていますが、このオペラ座では笑えるオペラの観賞をおすすめします。
演奏のクオリティは上記2つのオペラ座と比べると高くはありませんが、コミシェ・オーパーの魅力は美しく斬新な演出にあります。観客を飽きさせない工夫が随所に見られ、客席が大爆笑の連続になることもしばしば。
歌手のレベルは高くはなく、学生のような若手が起用されていることも多いのですが、それでも主役には実力のある歌手を据えているので、部分的ではありますが音楽としての聴きごたえも補償されています。
▲コミシェ・オーパー内部
4. ベルリン・フィルハーモニー
言わずと知れた世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニーの拠点となっている劇場です。その建築物としての美しさも観客を魅了しています。
楽器を勉強している学生さんにおすすめしたいのは、オーケストラの後ろ側に設置された小さな観客用スペースです。このスペースの席は格安で購入できるうえ、まるで演奏に参加しているかのような臨場感を味わうことができます。指揮者の指示も全部見えますよ。
Photo from Flickr Berliner Philharmonie(Jorge Franganillo)
それぞれの劇場が独立した年間スケジュールで動いているため、同日に3つ観たい公演が重なっている、なんてケースも珍しくはありません。日程を上手に組み合わせてそれぞれの魅力や違いを味わってみましょう。