カリフォルニア工科大学はカリフォルニア州パサデナにある私立大学です。THE世界大学ランキングでは世界第2位にランクインしている屈指の名門校です。
学部生数は900名程、大学院生は1200人程とコンパクトで少数精鋭の大学です。
カリフォルニア工科大学の合格率はわずか6-7%と、入試の競争は非常に厳しいです。人気の専攻はコンピュータサイエンス、機械工学、電気工学です。
卒業生の年収は極めて高く、全米のみならず世界の様々な場所での活躍が期待されています。
ここでは、カリフォルニア工科大学についての基本情報や魅力や卒業生、レベル、入学条件、学費などをまとめました。
カリフォルニア工科大学への留学や、理系での留学を検討している人はぜひ参考にしてください。
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カリフォルニア工科大学の基本情報
カリフォルニア工科大学があるのはどんなところ?
カリフォルニア工科大学、通称「Caltech(カルテック、キャルテック)」のキャンパスがあるのはアメリカ西海岸、カリフォルニア州のロサンゼルス・カウンティです。
カリフォルニア州は58のカウンティ(郡)に分かれており、ロサンゼルス・カウンティはそのなかでも華やかで活気あふれる地域です。中心都市は言わずと知れたロサンゼルスで、それ以外にロングビーチやトーランスなどの人気エリアがあります。
パサデナはロサンゼルス市内から車で20分程の距離にあります。CEOや企業幹部などが多く暮らす高級住宅地です。年間を通して温暖で、冬でも20℃くらいの気温の日が珍しくありません。
パサデナは、大学アメリカンフットボールの四大大会のひとつ「ローズ・ボウル」が開催される町としても有名です。ローズ・ボウルは毎年1月1日に行われ、全米のお正月はこのローズ・ボウルで沸き立つのが恒例となっています。
カリフォルニア工科大学の卒業生は?
カリフォルニア工科大学の在学生や卒業生をテッカー(Techer)と呼びます。
テッカーのなかには44人ものノーベル賞受賞者のほか、宇宙飛行士、国防長官、インテルやコンパックなど巨大企業の創設者など錚々たる顔ぶれが並びます。
卒業後の初任給平均は、他の大学の卒業生と比べても最も高い層に入ります。卒業生の初任給平均は67,400米ドル(約760万円)で、卒業後6年の平均年収は85,900米ドル(980万円)まで上昇しており、全米トップクラスの報酬を得ていることがわかります。
マスコットはビーバー
カリフォルニア工科大学の公式マスコットはビーバーです。スポーツやお土産物など、さまざまな場面で登場します。
学内にはバスケットボール、バレーボール、サッカー、テニス、水泳、フェンシングなど、男女ともに複数のスポーツチームが活動しています。
ライバルはMIT
「西のカルテック、東のMIT」といった具合に、同じ理工系大学としてMITとは良いライバル関係にあります。お互いの大学を茶目っ気たっぷりにいじり合ったり、理系の頭脳をふんだんに発揮したイタズラをしかける伝統があります。
留学生比率
カリフォルニア工科大学の留学生比率は学部課程では約10%です。大学院課程になると大きく跳ね上がり、約45%が留学生です。
留学生だけでなく、現地からの志願者も多様なルーツを持った学生が多いのも特徴です。カリフォルニアという土地柄もあり、アジア系学生は48%、ラテン系学生も18%在籍しています。
カリフォルニア工科大学の学部

カリフォルニア工科大学にはビジネスや政治学といった社会学系の専攻もありますが、やはり理系学部がその多くを占めます。
人気の分野はコンピュータサイエンス、機械工学、電気工学、物理学、化学工学、化学、数学、応用数学、バイオエンジニアリング・医学工学、生物学などです。(参考:大学公式ホームページ)
メジャー(主専攻) | マイナー(副専攻) |
応用・計算数学 応用物理学 天体物理学 バイオエンジニアリング 生物学 ビジネス・経済・経営 化学工学 化学 計算機・神経システム コンピュータサイエンス 経済学 電気工学 工学と応用科学 英語 地球生物学 地球化学 地質学 地球物理学 歴史学 科学の歴史と哲学 情報・データ科学 材料科学 数学 機械工学 哲学 物理学 惑星科学 政治学 | 航空・宇宙 化学 コンピュータサイエンス 制御・動的システム 英語 環境科学・工学 地質学および惑星システム 歴史学 科学の歴史と哲学 情報・データ科学 哲学 構造力学 |
カリフォルニア工科大学の難易度

カリフォルニア工科大学の偏差値は?
アメリカの入試は日本のように一発勝負の試験ではないため偏差値のシステムはありません。
カリフォルニア工科大学の入学審査ではこれまでの学業成績、STEM分野への関心、数学と科学の深い理解、志望分野における課外活動などを総合的に判断して出願者を評価します。
大学院プログラムでは研究に重点を置いているため、学歴、研究への興味、学業成績、指導者からの推薦状など、多くの要素が考慮されます。
カリフォルニア工科大学の世界ランキング
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の世界ランキングはTHE(Times Higher Education)ランキングで2位(2022年度)、QSランキングで6位(2022年度)とかなり高いランキングです。
米国に限ってみるとTHEではハーバードと並んでトップ、QSでは4位、US News Best Collegesでは9位にランクインしています。
カリフォルニア工科大学の合格率
カリフォルニア工科大学の合格率は約6-7%で大変厳しい競争です。留学志望者は高校時代からトップクラスの成績を維持していることが求められるほか、高い英語力が必要です。
カリフォルニア工科大学の学費

▲ファインマン博士(ノーベル物理学賞受賞者)への敬意を表したオブジェ
Feynman icon by Keenan Pepper
カリフォルニア工科大学への留学費用目安をご紹介します。
※年間費用
※1ドル=113円計算
学部課程
USドル | 日本円 | |
授業料 | 56,364 | 6,370,000 |
雑費(オリエンテーション代など) | 2,316 | 260,000 |
学生寮 | 10,398 | 1,170,000 |
食費 | 7,350 | 830,000 |
教材費 | 1,428 | 160,000 |
お小遣い | 2,091 | 240,000 |
合計 | 79,947 | 9,030,000 |
(参考:大学公式ホームページ Cost of Attendance)
大学院課程
USドル | 日本円(113円で計算) | |
授業料 | 56,364 | 6,370,000 |
雑費 | 2,079 | 230,000 |
学生寮※4人部屋 | 7,920 | 890,000 |
食費 | 9,125 | 1,030,000 |
公共料金 | 1,200 | 140,000 |
教材費 | 1,400 | 160,000 |
お小遣い | 4,674 | 530,000 |
交通費 | 2,400 | 270,000 |
合計 | 85,162 | 9,620,000 |
(参考:大学公式ホームページ Estimated Cost of Attendance)
奨学金や援助
博士課程の学生の約99%であればフェローシップ、研究補助員、教務補助員(またはフェローシップと補助員を組み合わせた形)などでほぼ全額の学資援助を受けていますが修士課程や学部課程にとっては高額な学費出費となります。
そのため、カリフォルニア工科大学には留学生でも出願できる奨学金や学費ローンのほか、ある一定の金額が割り当てられて学生がキャンパス内で働いて稼ぐ「ワークスタディー」という制度などがあります。興味がある人は大学ホームページで詳細を確認し、ぜひチャレンジしてみてください。
また、日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度も検討してみてください。
▼奨学金制度の一例
カリフォルニア工科大学への留学を実現するために

Beckman Institute @ Caltech by smerikal
学部課程への入学条件と出願書類
カリフォルニア工科大学の学部課程の出願には下記の提出が必要です。英語力要件には最低スコアは定められていませんが、極めて高いスコアを提出することが推奨されます。
- 大学からの質問を含む願書
- SATまたはACT
- 在学校または卒業校の教師の評価書
- 在学校または卒業校からのレポート
- 最終学歴の成績証明書
- TOEFL ibt またはDuolingo Test
カリフォルニア工科大学が求めている人材像とは?
カリフォルニア工科大学では、出願希望者にたいして次のようなユニークな問いかけをしています。大学がどんな学生を求めているのか、どんな準備をして出願に備えたらよいのかがわかる問いかけですので、ぜひ見てみてください。
あなたはカリフォルニア工科大学に合格し、大学生活をここで送ることを決めました。最初の課題のために数学1aベクトル微積分の教科書を開くと、こんなことが書かれていました。
このシナリオを思い浮かべたとき、あなたはどんな反応をしますか?私たちが尋ねる理由はここにあります。
数学は、カリフォルニア工科大学のすべてのコースワークの基礎となるものです。新入生にとっての数学の基礎、出発点は、厳密な証明に基づく抽象的な数学です。
さて、ここで少しだけ待ってください。これは、純粋で抽象的な数学の問題の解き方を求められているわけではありません。私たちは、ほとんどの学生が中学・高校レベルで証明ベースの数学に接していないことを認識しています。
むしろ、入学審査委員会は、上の写真のような問題集を解く方法を学ぶ準備ができているかどうかを重視しています。私たちが知りたいのは、これらの練習問題を解くために、キャルテックで何を学ぶかについて、あなたが意欲を持っているかどうかです。学生がカリフォルニア工科大学を選ぶ理由は、仲間や教授陣、研究者仲間から厳しい課題を与えられることが期待できるからです。このようなシナリオに遭遇することを想像して興味を持った方は、このセクション(出願要件のページ)の残りの部分を読んで、応募に関する詳細を確認してください。
大学院課程への入学条件と出願書類
カリフォルニア工科大学の大学院課程の出願には下記の提出が必要です。英語力要件には最低スコアは定められていません。新入生はオリエンテーション時にESL講師との1対1の英語力評価が必須となっており、その結果次第でESL(英語)コースの受講を求められることがあります。
- 学位(学士号)取得証明書
- GREスコア
- 推薦状3通
- 履歴書
- 志望動機書
- 英語力スコア(TOEFL(r)、PTE、IELTSのいずれか)
※研究論文、出版物などを審査材料として考慮する場合があります。
カリフォルニア工科大学で将来の姿を見つけよう
カリフォルニア工科大学は世界トップランクの私立大学です。入学難易度は極めて高く学費も高額ですが、卒業生の平均年収もまた全米トップクラスで、卒業後数年以内に学費コストを大幅に上回る活躍が期待できます。
何よりも世界中から集まる優秀な留学生、そして米国内の優秀な学生たちとともに過ごす学生生活は魅力あふれるものになるに違いありません。
カリフォルニア工科大学で、ぜひ充実した留学を手に入れてください!
(留学プレス編集部)