世界80か国の受験データをもとに英語能力動向を分析した2017年EF EPI英語能力指数報告書により、日本は80か国中37位(昨年は72か国中35位)であることがわかった。発表したのは留学・語学教育事業のイー・エフ・エデュケーション・ファーストで、語学能力評価基準CEFR(セファール)に準拠したEF EPI英語能力指数(EF English Proficiency Index、以下EF EPI) の2017年版報告書に基づき、非英語圏各国の英語力レベルの世界ランキングと分析結果を発表した。
同報告書は世界80か国、100万人以上の18歳以上の英語学習者の無料英語能力測定テストEF SET[2] のデータを用いて作成。世界ランキングでは、前年に続いてオランダが1位となった。ヨーロッパ各国がランキング上位を占めるなか、5位にはシンガポールがランクイン。フィンランドは調査開始以来初めてTOP5からランクダウンした。
日本の順位は昨年に引き続き、能力レベルの分布では“低い英語能力”に位置し、7年連続で日本人の英語能力レベルは低い水準と位置づけられた。都市別の動向では、東京、横浜、川崎など首都圏が上位にランクイン。最下位は福岡となった。
アジア諸国で最もランキングの高い国はシンガポール(80か国中5位)。タイがスコアを大きく伸ばす一方、インドやカザフスタンが下落。カンボジア、ラオスについては能力レベルが最も低い下位10%に位置する結果となった。
ランキング上位国が高い英語能力を保持する要因としては、次のような共通の傾向があると分析した。
■公共教育システムが、高い英語能力獲得に寄与している
■読解力や文法より、コミュニケーションに注力している
■日常的に継続して英語に触れる生活環境がある
EF研究所所長兼EF SETアカデミック・シニア・ディレクターの Minh N. Tran氏は、収入やQOL(生活の質)イノベーション、経済競争力と英語力との相関関係に触れ、今後、日本において英語力の底上げがより高い収入や経済競争力などにつながっていく可能性を示唆した。
▼Minh N. Tran氏
(留学プレス)