ベルリン自由大学（Freie Universität Berlin 略称FU）はドイツの東側に位置する首都、ベルリンにある国立大学です。約3万3000 人が在籍するこの大学はベルリンでも有名な大学の一つです。
ベルリンは、ベルリンの壁崩壊といった歴史的な出来事で有名です。それだけではなく、ベルリンには移民に加えて様々な国から人々が集まり、言語や文化が混在する世界でも国際的な都市の一つと言われています。
本記事では、歴史と文化にあふれるベルリンにあるベルリン自由大学についてご紹介します。
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『真実、正義、自由』を理念に掲げるベルリン自由大学の歴史とは？
この大学は旧ソ連領に位置していたUniversität Unter den Linden、現在のフンボルト大学に通っていた学生が大学に対して批判的な目を向けたことから分裂し、1948年12月4日、学生だけでなく教授や科学者がアメリカからの支援を受けて設立されました。
当時の学生や知識人はこの大学で、名前の通り、政治や他の権力に影響されずに自由に学問や研究、授業を行いたいという目的や意思があったそうです。そのため、大学は今でも『真実、正義、自由』に重点をおいています。
設立過程でも様々な犠牲を払わなければいけないことも多々ありました。そのため、この大学はベルリンというむずかしい歴史的背景を持った地で歴史に揉まれながらできた大学と言えるでしょう。
日本の大学と違う『学費』と『成績評価』
日本の国立大学は一般的に私立大学に比べて学費が安いと言われています。それはドイツの大学でも同じなのですが、学費に非常に大きな差があります。
ベルリン自由大学の場合、 一学期260ユーロで在学することができます（注：学生の在学形態にもより異なる）。ベルリン自由大学は二学期制のため、年間520ユーロ、日本円にしておよそ7万円以下で大学に通うことができます。（※2019年時点。最新の学費情報は公式サイトを参照してください）
学費を払うと学生証がもらえ、その裏に在籍期間が印字されます。これがあることによって、ベルリン市内に加えて少し郊外にあるポツダムまでの電車、バス、トラウが乗り放題になります。また、学内の食堂も割引になります。
学業においての大きな違いは、成績評価の違いです。GPAを利用している大学が多い日本では、数字が4.0に近ければ近いほど高成績になります。
しかし、ドイツでは逆なのです。数字が1.0に近ければ近いほど成績がいいということになります。日本と真逆なので少し困惑するかもしれません。
ベルリン自由大学にはユニークな学生がたくさん
ベルリン自由大学には様々な学部があります。
・生物学部
・地球科学学部
・教育、心理学部
・歴史、カルチュラルスタディーズ学部
・法学部
・数学、コンピューターサイエンス学部
・物理学部
・哲学、人類学部
・政治、社会科学学部
・獣医学部
・経営、経済学部
・医学部
この各学部の中にまた様々な学科が存在します。日本語学科や、演劇学科など日本では馴染みの少ない学科もあります。
また、高校卒業後の1、2年間を大学に行かずに自分の好きなことをしたり、海外でワーキングホリデーを経験する人も少なくありません。そのため、学年内で年齢の違いがごく普通にあるのが特徴的です。
自由に組める時間割
ベルリン自由大学に通う学生は自由に時間割を組むことができます。極端にいうと、一学期に全く授業を取らないという選択肢もあれば、授業を無限に取ることもできます。
そのため、自分でスケジュールと相談してしっかりと時間割を組むことが大切になります。
授業形態は、レクチャーと呼ばれる大人数の大型授業と少人数のセミナーに分かれています。レクチャーは先生が前に立って話をするという形式。一方、セミナーは学生完全参加型で、学生たちがプレゼンテーションを行って授業を進めることもあれば、ディスカッションで一人一人の意見をクラスでシェアすることもあります。
ほとんどの生徒が積極的に意見を言い、授業を進めていく光景は日本の大学ではあまり見られないかもしれません。
ベルリン自由大学には芝生も多く、静かでのどかな場所です。世界中から様々な学生が集まり、とても国際的な空間が広がっています。学生一人一人が自由に、そして真剣に学問に取り組む姿勢はとてもこの大学らしいと言えます。
興味のある方は是非ご覧になってください。
