何歳になっても大学生でいられるドイツ。長く学生でいられる理由とは?

ドイツの大学では実に幅広い年齢の人が学んでいます。ギムナジウム(日本でいう高校)を卒業したばかりの若い学生が多い点は日本と変わりませんが、修士・博士課程になれば30代の学生も珍しくありません。さらには一度働いてから再び大学に入り直したという人も珍しくありません。

ドイツの大学に様々な人が学んでいる背景には、それだけ学生にとって優しいシステムが整っているから。今回はなぜドイツの学生が長く学べるのか、筆者が通っているゲーテ大学の例も参考にしながらその理由をひも解いていきます。

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ドイツの大学は学費が無料

日本では学費だけでもかなり高額ですが、ドイツでは私立大学を除き学費は基本的に無料。 以前は州ごとに定められた学費が導入されていましたが、現在では廃止されています。

無料といっても、学生は半年ごとに管理費や定期券代といった諸々を大学に納める義務があります。これを行う事によって「来学期も学生を続ける」という意志表示をするとともに、学生証に記されている定期券の期間も更新されます。

収める金額は、筆者が通っているゲーテ大学の場合362,75ユーロ(=約4万8,000円)。これは比較的高い部類にはいり、200ユーロ~300ユーロという大学がほとんどです。

一方でバーデン・ヴュルテンブルクでは、今年10月から非EU圏からの留学生に対し1学期1,500ユーロの学費徴収が始まりました。外国人 学生の増加や州の財政再建が背景にあります。

学生証でバス、電車に乗り放題

さきほども少し触れ たように、学生証は定期券にもなっており、これを携帯していれば公共交通機関が乗り放題になります。

どの範囲までが有効かは大学によって異なります。ゲーテ大学の学生証ではヘッセン州全域のバス、電車(IC、ICEといった特急は除く)、トラムが乗り放題。フランクフルト内のみで有効な1ヶ月定期が90ユーロ弱ということを考えると、363ユーロで半年間有効な学生証はかなりお得感があります。

ゲーテ大学の学生証でさらに嬉しい点は、提携している美術館や博物館が無料で見学できること。マイン川沿いに並ぶ博物館をはじめとする多くの施設で利用でき、学生が多様な文化や芸術に触れる機会を作っています。

学生寮が安い

一人暮らしをしている一部の人を除いて、学生は学生寮に入るかWGと呼ばれるルームシェアをすることがほとんど。町によっても異なるものの、なかでも学生寮は家賃が1ヶ月250~400ユーロと安価なのが特徴です。フランクフルトやミュンヘンなどではアパートの家賃がとても高く、その結果として学生は寮に流れます。

学生寮は1人部屋タイプのものやWGタイプのものがあり、WGタイプの方が比較的安いです。人気の寮は入居まで1年待ちになる場合もあります。

豊富な奨学金制度

ドイツの大学は学費が無料である一方、奨学金の種類も豊富です。代表的なBAföGと呼ばれる奨学金は、学生や両親の経済状況に応じて給付額が決まるというもの。卒業後に給付額の半分を返済しますが、利子がつきません。

他の奨学金も、給付型のものがほとんど。卒業後に返済が出来なくて困るという事態も発生しません。

興味のあることを遠慮せず学べるドイツ

実際にドイツで大学へ通う場合、日本と比べて驚くほど経済的負担が少ない事に驚きます。金銭面での不安から進学をあきらめる必要がないほか、在学中の費用も最小限に抑える事ができるため、長く学生をしていても困らないのです。

自分の興味ある事をとことん突きとめて勉強ができる。ドイツにはそんな環境が整っています。

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