カリフォルニア大学デービス校は1905年に設立された州立大学です。様々な分野で100以上の大学・大学院プログラムを開講しています。10校あるカリフォルニア大学のうちの1校です。
もともとカリフォルニア大学バークレー校の農学校として設立された経緯があり、今でも農業や食物、医学など人間の生活に密接に関わる分野に強みを持っています。全米1位の獣医学や米国トップクラスのメディカルセンターを擁する医学部、ワインの聖地カリフォルニアを支えるワイン醸造学部や農業工学などはとりわけ注目度の高い専攻です。
ここではカリフォルニア大学デービス校に興味がある人のために、大学の特徴や学部、学費、入学条件などをご紹介します。ぜひ参考にしてチャレンジしてみてください。
カリフォルニア大学デービス校の基本情報
場所
メインキャンパスはカリフォルニア州デービス市にあります。デービスは活気のある大学都市で、サンフランシスコ・ベイエリアやレイクタホ、ナパバレーといった世界的に有名な観光地から車で2時間以内の距離にあります。
メインキャンパスのほか、カリフォルニアの州都サクラメントにはカリフォルニア大学デービス校メディカルセンターがあります。このメディカルセンターは心臓病から癌まで10の専門分野で全米トップ50に入る病院です。
そのほかに、レイクタホの環境研究センター、ボデガ湾の海洋研究所、サンフランシスコのベイエリアでのMBAプログラムも開講しています。
学生数/留学生数
学生数は約39,000人です。そのうち留学生は約8,500人で110か国以上から集まっています。
UCデービスは「多様性、包括性、国際性」の分野で全米1位にランクインしており、多様性を重視した環境が整っています。学生対教員の比率は20:1で、総合四年制大学でありながら学生ひとりひとりに目が行き届く教育体制が整っています。
卒業生
カリフォルニア大学デービス校の卒業生や教授陣はこれまでに2度のノーベル賞、3度のピューリッツァー賞、3度のマッカーサーフェローのほか、大統領自由勲章や国家科学メダルなど、数々の栄誉を手にしてきました。
卒業生の卒業6年後の平均年収は58,200ドル(約750万円)で全米平均を上回る活躍を見せています。
幅広い卒業生ネットワークもカリフォルニア大学デービス校の財産です。宇宙飛行士、人気フードライター、カリフォルニア州最高裁長官、作家、コメディアン、政治評論家、俳優、プロデューサー、テレビ司会者、有名弁護士、ニュースパーソナリティなど、多くの才能が生まれてきました。
専攻を決めなくてもいい
カリフォルニア大学デービス校では「未申請(Undeclared)」というコースを設け、特定の専攻を決めていない学生への門戸を広くしています。美術、人文科学、社会科学、物理科学、生物科学、農業環境科学の分野で、この未申請オプションを選択することができます。
専攻後は専門スタッフが、学生それぞれに合う目標を見つける手助けをしてくれます。多くの選択肢を模索しながら4年間で学位を取得できるよう1年目のスケジュールを組むことができます。
ワイン学
ワインの名産地でもあるカリフォルニアで、ワイン産業に関わる人材をたくさん生み出してきました。
ブドウ栽培者、醸造学者、ブドウ栽培者、ワイン産業の専門家、家庭用・商業用ワインメーカー、セラーワーカーなどがワイン醸造学部で学んでいます。
ワイン業者のための短期エグゼクティブプログラムもあります。
ワイン産業で利益を上げるために必要なワイン醸造の基礎と経営スキルを学ぶために、独自に設計されたプログラムです。財務、マーケティング、ブランド戦略拡大などを学ぶことができ、過去20年間に1,000人以上のワイン業界人が参加してきました。参加者同士がワイン業界のリーダーとして関係を築き、プログラム終了後も長期にわたって交流を続けています。
カリフォルニア大学デービス校の難易度
UC DAVIS, by Thank You (22 Millions+) views
獣医学や農業で全米1位のランキング
カリフォルニア大学デービス校はTHE世界大学ランキングでは67位、QS世界大学ランキングでは108位に評価されています。US Newsの全米大学ランキングではアメリカで38位の大学となっています。
学部別では次のような分野で全米トップクラスに選ばれています。
- 農業(全米1位)
- 生物・農業工学(全米3位)
- 獣医学(全米1位、世界2位)
- 生態系と進化生物学(全米2位)
偏差値は?日本の大学だとどれくらい?
アメリカの大学入試では試験による足切りがないため「偏差値」という制度はありません。
日本の大学とは教育システムが違うため単純な比較は難しいのですが、目安としてTHE世界ランキングで近い大学としては京都大学が61位にあります。
合格率
入学率は46%で、かなり競争率の高い大学です。
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カリフォルニア大学デービス校の学部
UC Davis campus buildings and scenes, by David Phillips
4つの学部(カレッジ)と6つの専門職大学院があり、そのなかで107の学部専攻と101の大学院および専門職学位(経営、法、教育、看護、医学、獣医学)を提供しています。
人気のある専攻は、研究・実験心理学、経済学、経営・IT、神経科学・神経生物学、生物学、動物科学・畜産学、獣医学、コミュニケーション、人間開発学、医学、看護、コンピュータサイエンス、社会学などです。
▼4つの学部(カレッジ)
- 農学・環境科学部(College of Agricultural and Environmental Sciences)
- 生物科学部(College of Biological Sciences)
- 工学部(College of Engineering)
- 文理学部(College of Letters and Science)
▼各学部内の専攻プログラム
農学・環境科学部 | 農学・環境教育 農業環境工学 動物生物学 動物科学 動物科学及び管理学 大気科学 生物工学 臨床栄養学 コミュニティ及び地域開発 生態系管理及び修復 昆虫学 環境園芸と都市林業 環境政策分析及び計画 環境科学と環境管理 環境毒物学 食品科学 国際疾患生物学 人間開発学 水文学 国際農業開発学 造園学 経営経済学 海洋環境化学・沿岸科学 栄養科学 植物科学 持続可能な農業と食品システム 持続可能な環境デザイン 未修了/探索プログラム ブドウ栽培と醸造学 野生生物・魚類・保全生物学 |
生物科学部 | 生化学・分子生物学 生物科学 細胞生物学 進化・生態・生物多様性 遺伝学・ゲノミクス 人間生物学 海洋生態学・生物学 分子医学微生物学 神経生物学・生理学・行動学 植物生物学 システム・合成生物学生命科学(未申請) |
工学部 | 航空宇宙科学・工学 生物化学工学 生物システム工学 生物医学工学 化学工学 土木工学 コンピュータ工学 コンピュータ科学と工学 電気工学 環境工学 材料科学と工学 機械工学 |
文理学部 | アフリカ系アメリカ人・アフリカ研究 アメリカ研究 人類学 応用化学 応用数学 応用物理学 美術史 アート アジア系アメリカ人研究 化学物理学 化学 チカナ/チカノ研究 中国語 映画とデジタルメディア 古典文明 認知科学 コミュニケーション 比較文学 コンピュータサイエンス データサイエンス デザイン 東アジア研究 経済学 英語 フランス語 ジェンダー・セクシュアリティ・女性学 地質学 ドイツ語 歴史学 国際関係論 イタリア語 日本語 言語学 海洋と地球システム 数理解析・オペレーションズリサーチ 数学的・科学的計算 数学 中世・近世研究 中近東・南アジア研究 音楽 ネイティブアメリカン研究 薬学 哲学 物理学 政治学 公共サービス 心理学 宗教学 ロシア語 科学技術研究 社会学 社会学・組織論 スペイン語 統計学演劇・舞踊 美術(未申請)人文科学(未申請)物理科学(未申請)社会科学(未申請) |
参考:Colleges and Schools | UC Davis
カリフォルニア大学デービス校に留学するには?
学部課程に入学するには主に1年次から直接入学する方法と、2年制大学(コミュニティカレッジ)から編入する方法の2ルートが一般的です。日本の大学や海外の四年制大学・専門機関などからの編入も可能ですが、ここではもっともポピュラーな1年次直接入学とコミュニティカレッジからの編入についてご紹介します。
学部課程に直接入学
カリフォルニア大学デービス校に1年生から通いたい人は、カリフォルニア大学の共通出願窓口であるUCアプリケーションを通して出願します。
学業成績は重要な審査基準ですが、それ以外に課外活動や目標など幅広い要素が考慮されます。
留学生は英語力の証明(IELTS 6.5以上、またはTOEFL iBT 80以上)の提出も必要です。
参考:International Admission | UC Davis、English language proficiency | UC Admissions
出願書類のなかにはカリフォルニア大学共通の「あなた自身への質問(personal insight questions)」があります。8つの設問があり、そのなかから好きなものを選びます。
カリフォルニア大学デービス校の審査担当者は回答方法について次のようにアドバイスしています。
ここではあなたが得た洞察や、あなたの展望、活動、取り組み、目標にどのような影響を与えたかを詳しく説明する必要があります。正解や不正解はありません。あなたの個性、経歴、興味、実績などを、あなた自身の声で知ってもらうことです。
応募書類に書かれていない、高校時代または高校卒業後の経験や成果など、具体的な例を挙げてください。自分の長所やポジティブな資質を伝えることに重点を置いて回答しましょう。
これは将来のリーダーとしての応募書類になっているだろうか?最終的な決断を下すつもりで、自分の回答を見直してください。教師、カウンセラー、その他のアドバイザーに、回答が明確かどうかチェックしてもらいましょう。
よくある落とし穴には次のようなものがあります。
・ずっと前の出来事について書く
・応募書類の他の場所に記載されている情報を繰り返し記載する
・説明や詳細のない業績を列挙する
・とりとめのない、焦点の定まらない思考
・過度にユーモラスで自虐的、または美化している
コミュニティカレッジからの編入
カリフォルニア大学デービス校の1年次に入学するのはかなりの難関です。英語力や成績に不安がある人は、編入ルートを上手に活用することで合格の確率が各段に高くなります。
まずコミュニティカレッジへ入学し1~2年次の授業を受けます。そこで英語力やカリフォルニア大学デービス校に進学できるだけの成績を獲得し、3年次から大学に編入します。
カリフォルニア州にはたくさんのコミュニティカレッジがあり、基本的にはどのコミュニティカレッジからも四年制大学への編入は可能です。しかし、カリフォルニア大学デービス校のように難易度の高いカリフォルニア大学各校を狙うのであれば、編入に高い実績を持つコミュニティカレッジを選ぶのがおすすめです。
編入率の高いコミュニティカレッジには、カリフォルニア大学デービス校をはじめUC系列の大学を目指す学生がたくさんいます。編入のためのコースもあり、最新情報を得られます。
ここでしっかり良い成績を修めることでカリフォルニア大学デービス校への入学は各段に近いものになります。多くの日本人留学生がこの方法で名門のUC各校に合格しています。
大学院
最終学歴のGPAが4.0スケールで3.0以上(または同等)であること、留学生はTOEFLまたはIELTSのスコア(TOEFL iBT 80以上、 IELTS 7.0以上)を提出する必要があります。
参考:Admissions Requirements and Eligibility | UC Davis Graduate Studies
その他、専攻ごとの要件があります。下記からチェックしてください。
- 大学院課程 Graduate Programs
- 専門大学院(経営、法、教育、看護、医学、獣医学)Professional School Admissions | UC Davis
カリフォルニア大学デービス校の学費
Stanford vs. UC Davis, by Daniel Hartwig
学部課程
ドル(2022-3) | 円(130円で換算) | |
基本授業料 | $13,104 | 1,700,000 |
州外加算 | $31,026 | 4,030,000 |
キャンパス費 | $2,170 | 280,000 |
教材費 | $1,221 | 160,000 |
滞在費/食費(寮) | $17,880 | 2,320,000 |
交際費 | $1,410 | 180,000 |
交通費 | $615 | 80,000 |
保険 | $2,841 | 370,000 |
合計 | $70,267 | 9,130,000 |
参考:Cost
大学院課程
ドル(2022-3) | 円(130円で換算) | |
授業料 | $13,915 | 1,810,000 |
州外加算 | $15,102 | 1,960,000 |
保険 | $5,610 | 730,000 |
教材費 | $404 | 50,000 |
滞在費/食費 | $16,130 | 2,100,000 |
交際費 | $1,923 | 250,000 |
交通費 | $2,327 | 300,000 |
合計 | $55,411 | 7,200,000 |
参考:Financial Aid and Scholarships – Cost of Attendance for Graduate Studies Programs
※専門大学院やコースによって授業料が異なる場合があります。志望の学位と専攻ごとにチェックしてください。
学部ごとにチェック:Graduate and Professional: Estimated Tuition & Fees | Finance & Business
カリフォルニア大学デービス校で大学生活をおくろう
カリフォルニア大学デービス校は農学部や獣医学部、医学部、ワイン学部などで人気の高い州立大学です。世界ランキングでも高いランクにあります。
1年次への入学はとりわけ難関です。コミュニティカレッジからの編入ルートをうまく活用することも視野に入れて、入試対策するといいでしょう。
ぜひカリフォルニア大学デービス校への留学を実現して、すばらしい大学生活を送ってください!
(留学プレス編集部)