ビザ(査証)とは渡航先の大使館や領事館が発行する入国許可証のことです。目的別に就労ビザ、観光ビザ、学生ビザなどがあります。
アメリカ留学や語学研修に行くときは、基本的にビザの取得が必要です。さらに学生ビザにはいくつかの種類があり、取得の際には必要書類の提出や面接があります。
当記事では、ビザの取得方法やかかる費用について詳しく解説します。流れが分かれば簡単に取得できるので、アメリカ留学や語学研修を予定している人はぜひ参考にしてください。
なお、条件を満たせばビザ免除プログラムを活用し、ビザなしでも渡米できます。ビザ免除プログラムについてもあわせてご紹介します。
アメリカ留学における学生ビザの取得
まずはアメリカ留学や語学研修における学生ビザの概要について見ていきましょう。
ビザの種類はF-1ビザ・M-1ビザ・J-1ビザ
アメリカ留学や語学研修時に取得するビザには、F-1ビザ、M-1ビザ、J-1ビザがあります。このうち、F-1ビザとM-1ビザは学生ビザです。
F-1ビザは一般的な学生ビザで、アメリカの大学、私立高校、英語プログラムで教育を受ける場合に取得します。渡航期間が短くても、週18時間以上の授業を受ける人はF-1ビザが必要です。
M-1ビザは非学術的・職業的な教育や研修を受ける人が取得します。
J-1ビザは交流訪問者ビザと呼ばれており、実務研修や研究などを目的としたビザです。インターンシップや交換留学の際に取得します。
ビザを取得するためには面接が必要
学生ビザ・交流訪問者ビザを取得するためには面接を受けなくてはいけません。必要書類を用意したうえで面接予約をし、大使館や領事館で面接を受けてください。
面接場所は申請者の居住地によって異なります。書類を揃えたらできるだけ早めに面接予約をしましょう。
SEVIS(留学生情報管理システム)の支払い
学生ビザ・交流訪問者ビザの取得にはSEVIS費用を払う必要があります。SEVISは、申請者が学校を卒業またはプログラムを終了するまでを管理するインターネットベースシステムのことです。
F-1ビザ・M-1ビザ取得申請者は350ドル、J-1ビザ取得申請者は220ドルを支払います。
なお、現状のアメリカ留学についてはこちらの記事を参考にしてください。
→ 留学再開&入国制限【随時更新】
ビザの申請時に必要となる書類について
学生ビザ(F-1ビザ・M-1ビザ)の申請には次の書類が必要です。(日本国籍の人の場合)
- オンライン申請書DS-160フォーム:オンラインで入力、送信した内容の確認ページを印刷したもの
- パスポート:アメリカ滞在期間に加えて6ヶ月以上の残存有効期間があること
- 過去10年間に発行された古いパスポート
- 証明写真1枚
- 面接予約確認書
- I-20:米国の学校やプログラムが発行する書類
- SEVIS費用の領収書
なお、交流訪問者ビザ(J-1ビザ)申請時の必要書類は以下の通りです。
- オンライン申請書DS-160フォーム:オンラインで入力、送信した内容の確認ページを印刷したもの
- パスポート:アメリカ滞在期間に加えて6ヶ月以上の残存有効期間があること
- 過去10年間に発行された古いパスポート
- 証明写真1枚
- 面接予約確認書
- DS-2019:プログラムの主催者が発行する書類
- 貯蓄の証明書類:銀行の残高証明や預金通帳の原本など
- DS-7002の写し:インターン・研修生の場合のみ。受入先機関が発行する
- SEVIS費用の領収書
ビザ取得までの流れと取得方法について
ビザ取得までの大まかな流れは次の通りです。
- 入学願書を学校やプログラム主催者へ提出しI-20を受け取る(J-1ビザ申請者はDS-2019を受け取る)
- ビザの申請書類を準備する
- ビザ申請費用とSEVIS費用を支払う
- 面接予約をする
- 大使館や領事館で面接を受ける
- ビザを取得
まずは学校やプログラム主催者に入学願書、申込書を提出しI-20またはDS-2019を受け取りましょう。開始1ヶ月前になっても手元に届かない場合は書類なしで面接を受けることができます。
申請書類を準備したら、面接予約をする前にビザ申請費用とSEVIS費用を払いましょう。費用や支払い方法は次の項目で詳しくお伝えします。
面接予約ができたら東京、大阪、福岡、沖縄、札幌にある米国大使館や領事館で面接を受けてください。面接通過後、ビザが発行されます。
申請は米国政府の公式ビザ情報サイトを通じて自分で申請するほか、留学エージェントや仲介業者などで手続きを代行してもらうことも可能です。
ビザの取得にかかる費用と支払い方法
ビザを取得するには、費用がかかります。ここでは、かかる費用と支払い方法についてご紹介します。
ビザの申請・取得にかかる費用について
F-1ビザ、M-1ビザ、J-1ビザのビザ申請手数料はいずれも160ドルです。J-1ビザのうち特定のプログラム(DS-2019記載のプログラム番号がG-1、G-2、G-3、あるいはG-7から始まるプログラム)に参加する場合は、ビザ手数料とSEVIS費用の支払いが免除されます。
これにSEVIS費用(F-1ビザ・M-1ビザ取得申請者は350ドル、J-1ビザ取得申請者は220ドル)が加わります。
さらに面接を受ける際は大使館、領事館まで行くことになるため往復の交通費もかかります。
ビザ申請料の支払い方法について
ビザ申請料はPay-easy対応のATM、インターネットバンキング、クレジットカードの3つの支払い方法があります。オンライン申請システムで支払い方法を選択し、支払いを済ませましょう。
SEVIS費用はクレジットカード払いで、インターネット上で手続き可能です。
ビザ免除プログラムならビザなしで入国可能
ビザ免除プログラムを活用するとビザなしで渡航できます。ただし、利用できる条件があるので注意してください。
ビザ免除プログラムの概要と利用できる条件
ビザ免除プログラムは短期の商用や観光目的で90日以下の滞在になる場合、ビザなしで渡航できる制度です。基本的に勉強や就労目的では利用できませんが、商用目的の短期研修であれば対象になります。
週18時間未満の授業かつ90日以下の商用目的の研修を受ける人であれば、検討してみましょう。
ビザ免除プログラムを利用するには
ビザ免除プログラムを利用するにはESTA認証が必要です。ESTAは、米国国土安全保障省(DHS)により認証を義務化された電子システムです。申請には14ドルの申請料金がかかります。
事前にESTA申請手続きをして、認証を受けている人のみビザ免除プログラムを利用できます。
さらに、Eパスポート(IC旅券)の所持も必要です。パスポートの有効期限はビザ申請と同じく滞在期間+6ヶ月間が必要となります。
アメリカ留学するなら学生ビザを準備しよう
アメリカ留学や語学研修に行くときは、原則ビザの取得が必要です。一般的な学生ビザのF-1ビザまたはM-1ビザを取得しましょう。インターンシップや交換留学などでは交流訪問者ビザのJ-1ビザを取得します。条件を満たせばビザ免除プログラムも利用可能です。
ビザの申請には面接を受ける必要があり、ビザ申請料やSEVIS費用、面接場所までの交通費がかかります。申請の流れを把握できていれば、比較的スムーズに手続きができるでしょう。
ビザ取得時には書類のやり取りや申請に時間がかかることもあります。ギリギリになって慌てないために、ぜひゆとりをもって申請手続きをしてください。
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