ブラウン大学（Brown University）は、アメリカの私立大学です。ハーバード大学やコロンビア大学など、米国のトップ私立大学グループであるアイビーリーグのうちの一校です。
合格率8%と非常に難易度が高く、毎年世界中から優秀な学生が集まります。
ブラウン大学独自の「オープンカリキュラム」を採用しており、分野に縛られず興味のあるコースを学んでから専攻を決める学習スタイルが特徴です。
著名人を多く卒業生に持つブラウン大学ですが、俳優のエマ・ワトソンはその中でも最も有名な卒業生のひとりです。
学生と講師の比率は6:1で、学生と講師がコミュニケーションを取りやすい環境となっています。
ここではブラウン大学に興味がある人に向けて、大学の特徴や偏差値、世界ランキング、合格率、学費、入学方法などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
ブラウン大学の基本情報
| 設立年 | 1764年 |
| 形態 | 私立 |
| 難易度 | ★★★★★ |
| 合格率 | 8% |
| 学生数 | 約10,435人 |
| 留学生数 | 約1,674人（約16%） |
| 人気の学部 | コンピュータサイエンス 経済学 計算/応用数学 生物学 歴史学 国際関係論 政治学・行政学 英語 工学部 神経科学・神経生物学 |
| 学費例（年間） 費用検索はこちら Estimators & Calculators | $62,680（学部課程） $63,866（修士課程） |
場所
ブラウン大学はアメリカのロードアイランド州プロビデンス（Providence, Rhode Island）にあります。
プロビデンスはニューイングランド地方（ロードアイランド州を含むアメリカ北東部の6つの州）の中で、2番目に大きい都市です。ニューヨークへもアクセスしやすく、アメリカの有名都市へ比較的簡単に行くことができます。
プロビデンスにブラウン大学が設立されてから250年以上、その歴史と共に大学と地元住民は密接に関わってきました。ボランティア活動や各教育機関、医療などさまざまな場面で地域との繋がりを深めています。
メインキャンパスはプロビデンスのダウンタウンから徒歩圏内にあります。学生や地元住民がショッピングや食事、エンターテイメントを楽しめるエリアです。
大学の最寄り駅であるプロビデンス駅には、アムトラックとマサチューセッツ湾交通局（MBTA）が乗り入れており、交通の便も良いのが特徴です。プロビデンス駅から大学のキャンパスまでは徒歩10分ほどです。
1年生はキャンパス内での生活が義務付けられており、70%以上の学部生が大学の寮で生活しています。教職員の多くもブラウン大学が提携している住宅プログラムを利用して、大学の近くに住んでいます。
卒業生
ブラウン大学の卒業生には、学者や俳優、映画製作者、作家などさまざまな著名人がいます。特に映画「ハリー・ポッター」でハーマイオニー・グレンジャー役を演じた俳優のエマ・ワトソンが有名です。
日本人では俳優の平岳大（ひら たけひろ）さんやニュースキャスターの国谷裕子（くにや ひろこ）さんが有名です。
ブラウン大学ではキャリア教育も盛んで、キャリアラボ（CareerLAB）では年間を通して学生のキャリア目標について相談に乗っています。留学生に対してもアメリカでの就労や規制について役立つ情報を提供しています。アメリカで将来働くことを考えている人は、ぜひ利用してみましょう。
ブラウン大学の卒業後6年の平均年収は、$67,500（約877万円/1ドル=130円）です。
奨学金
ブラウン大学では、留学生に対しても奨学金支援を行っています。優秀な学生が経済的な理由でブラウン大学を選択できないことがないよう、手厚い学資援助を行っています。申請には条件があるため、詳しくは公式サイトをご確認ください。
日本からの学生は日本政府や企業、財団などが実施している奨学金制度もあるので、適宜活用してください。
▼奨学金制度の一例
- 独立行政法人 日本学生支援機構
- フルブライト奨学金
- 経団連
- 柳井正財団
- 中島記念国際交流財団
- 笹川平和財団スカラシップ
- 船井情報科学振興財団
- その他民間団体が実施しているもの
- 地方自治体が実施しているもの
専攻に縛られないオープンカリキュラム
ブラウン大学では、大学独自の「オープンカリキュラム（The Open Curriculum）」が採用されています。
1970年から開始された「オープンカリキュラム」では、学部生がさまざまな科目のコースを受講してから興味のあるものに絞って勉強することができます。
ブラウン大学では学生は自分の好きなことを学ぶ自由があり、自分の好きなことを見つけることを重要視しています。このカリキュラムによってさまざまな視点から問題をとらえ、革新的なアイデアを生み出せるようになるのが狙いです。
留学生向けのインターナショナル・メンタリング・プログラム
ブラウン大学では留学生がキャンパスやアメリカでの生活にスムーズに適応できるよう支援する、インターナショナル・メンタリング・プログラム（International Mentoring Program – IMP）があります。
留学生は一般オリエンテーションの開始より数日早く到着し4日間のIMPプログラムを受けるという流れで留学を開始します。
慣れない環境下でも大学からしっかりサポートしてもらえることは、留学生にとって安心できるプログラムですね。
地元の公立中学・高校を応援
ブラウン大学は数十年にわたり教育、研修、指導、研究、ボランティア活動などを通じて、地元の幼稚園から高校までの教育支援に力を入れています。学生だけでなく卒業生や教授陣、職員が何世代にもわたって子どもたちの支援に関わっています。（Brown & Providence Schools）
ブラウン大学の取り組みは、地域の子どもたちの学習を豊かにし、教育政策の向上にも役立っています。
ブラウン大学の学部
ブラウン大学では80以上の専攻から、学生が興味のある分野を学ぶことができます。
▼学部一覧（Schools and Colleges）
- 学部教育
- 大学院
- 工学部
- 公衆衛生学部
- ウォーレン・アルパート・医学部
- 専門大学院
学部課程
| 人文科学 （Arts and Humanities） | アメリカ研究 考古学と古代世界 建築学 古典学 比較文学 観照学 近現代史 東アジア研究 エジプト学・アッシリア学 英語学 民族学 フランス・フランス語圏研究 ドイツ研究 ヒスパニック文学と文化 美術・建築史 イタリア研究 ユダヤ研究 文芸学 中世文化研究 現代文化・メディア研究 音楽 哲学 物理学 ポルトガル語・ブラジル学 宗教学 スラブ研究 シアターアーツ＆パフォーマンス研究 ビジュアルアーツ |
| 生命科学 （Life Sciences） | 応用数学-生物学 行動決定科学 生化学・分子生物学 生物学 生物物理学 認知神経科学 認知科学 計算生物学 地質学-生物学 言語学 神経科学 心理学 公衆衛生学 科学技術社会論 |
| 物理科学 （Physical Sciences） | 応用数学 応用数学-経済学 天文学 医用工学 ビジネス・起業・組織論 化学物理学 化学 コンピュータサイエンス コンピュータサイエンス-経済学 工学 工学・物理学 地質科学 地質・化学 地質学-物理学/数学 数学 数学-コンピュータサイエンス 数学-経済学 物理学 |
| 社会科学（Social Sciences） | アフリカ研究 人類学 開発学 経済学 教育学研究 環境学 ジェンダー・セクシュアリティ研究 歴史学 国際・公共政策 国際関係論 ラテンアメリカ・カリブ研究 中東研究 政治学 公共政策学 社会分析・調査学 社会学 南アジア研究 統計学 都市研究 |
大学院課程
大学院課程ではMBAや医学、公衆衛生などの専門大学院課程や多様な修士課程を含む82以上のコースを開講しています。「Graduate Programs | Brown University」からコース検索してみてください。
ブラウン大学の難易度
合格率
ブラウン大学の合格率は8%です。難易度は非常に高いです。
ランキング
ブラウン大学のランキングは以下の通りです。
- QS世界大学ランキング2023：63位
- THE世界大学ランキング2023：61位
- US Newsによる米国内の大学ランキング：13位
世界ランキングも上位でありながら、米国内では13位と難易度トップレベルです。
偏差値は？日本の大学だとどれくらい？
難易度がテストの点数によって決まる日本の大学入試と違い、アメリカの大学入試は書類選考で決まります。そのため偏差値という制度がなく、日本の大学との比較は簡単ではありません。
日本でいうとこの大学くらい、とは言い切れないものの目安としてブラウン大学に近いランキングにある、日本の大学を紹介します。
55位：東京工業大学
63位：ブラウン大学
68位：大阪大学
（参考：2023年QS大学ランキング）
入試制度が異なることや言語の違いなどを考慮すると、難易度は簡単には表せません。世界的な評価という点で参考にしてください。
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ブラウン大学に留学するには？
大学（学部課程）
ブラウン大学の学部課程で求められる入学要件は以下の通りです。
- 最終学歴の成績証明書
- スクールカウンセラーまたは学校関係者によるレポート
- スクールカウンセラーの推薦状
- 主要教科（科学、社会、数学、外国語、英語）の教師による評価・推薦状2通
- 英語能力スコア（TOEFL:100点以上、IELTS:8.0点以上、Duolingo:130点以上）
- エッセイ
【2022-2023年出題エッセイの一例】
ブラウン大学のオープンカリキュラムは学生が学問を深く追求しながらも、幅広く学習することができます。興味のある学問について、それを追求するためにオープンカリキュラムをどのように利用しますか？また、馴染みのないテーマにはどのように取り込みますか？(200〜250ワード以内）
参考：How to Apply | Undergraduate Admission | Brown University
また、必須ではありませんが、自己紹介ビデオ（2分間）提出が推奨されています。自己紹介ビデオでは、自分の声で自分自身をより詳しくアピールすることが求められます。あなたがどんな人なのか、なぜブラウン大学に入りたいのかをビデオに収めます。
Application Checklist for First-Year Applicants | Undergraduate Admission | Brown University
大学院課程
ブラウン大学の大学院課程は、応募するプログラムによって異なります。ここでは参考として公衆衛生学部の大学院課程で必要な出願要項について紹介します。
- 成績証明書
- 履歴書または職務経歴書
- 自己紹介文
- 推薦状（3通）
- 英語能力スコア（TOEFL:90点以上、IELTS:7.0点以上）
希望するプログラムによって必要書類が異なりますので、公式ホームページを確認してください。
Graduate School | Brown University
Language Proficiency: TOEFL or IELTS | Graduate School
ブラウン大学への留学を実現しよう！
学生の興味や好奇心を大切にし、専攻を絞らずにさまざまなコースを選択できるブラウン大学。250年以上の長い歴史の中で確立した教育方針と、地域住民との連携にも強みを持っています。
大学独自のカリキュラムをもとに、多角的な見方から生まれるイノベーションが期待されてます。
合格率8%と狹き門ですが、留学生へのサポートが充実していることや講師との距離が近いことなど魅力の多い大学です。なぜあなたがブラウン大学に興味を持ち、ブラウン大学の学生として何を追求したいかを伝えることが重要です。
ぜひブラウン大学への留学にチャレンジして、最高の学生生活を実現してください！
（留学プレス編集部）
