アメリカの大学院に行くには?出願までのスケジュール例を時系列で解説!

・準備はいつから始める?
・テスト準備や留学費用の工面は?
・合格するためには?

このページではそういった疑問にお答えし、アメリカの大学院留学について時系列でわかりやすくガイドしていきます。

ぜひこのページを参考にして、アメリカの大学院に合格するまでの手順について、より具体的なイメージをつかんでいただければと思います。

なお、博士課程についてはケース/個人ごとに異なることも多いため、ここでは修士課程への留学を中心に解説していきます。

ぜひ参考にしてくださいね!

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1.5~2年前:大学院や学部についての情報収集

留学の2年前くらいを目安に情報収集を開始する人が多いようです。

高い英語力や大学成績を持っている人なら留学1年前から急ピッチで出願準備を始めることも可能なのですが、少なくとも2年前くらいには英語や数学の勉強を始めるのが望ましいです。

志望校をざっくりと洗い出す

この時点では、はっきりとした出願校まで決めなくても構いません。志望学部が設置されている大学をざっくりと洗い出して、表や自分なりのデータベースにまとめておくといいでしょう。

▼まとめておくと役立つこと

・英語テストの種類と基準スコア
・推薦状の有無
・GREやGMATスコア
・出願開始と締切
・GPA(最終学歴の成績)の基準
・何を学べるか、力を入れているか
・年間の学費
・留学生を対象とした奨学金の有無

この資料が、のちのち本格的な出願校選びの際にとても役立ちます。「どんな大学なのかなあ~?」みたいな感じで、調べること自体も楽しみながらザクザクと洗い出していきましょう!

なお、この時点では出願1年前の情報しか収集できないので、実際に出願する用に最新年度の情報にアップデートしていくこともお忘れなく!

大学院探しをしたい!

留学フェアやカウンセリングなどに行く

大学院のリアルな情報を収集するのに、留学フェアや留学カウンセリングはとても有効な手段です。大学の公式サイトやSNSでは得られない新鮮な情報をはじめ、具体的な実績や経験を見聞きするチャンスです。

ここで得た情報も志望校リストに加えて、さらに大学選びのイメージを高めていきましょう!

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英語テスト対策を始める

アメリカの大学院出願には、英語能力テストのスコアが必ず必要です。上述の志望校リストを作る過程で、行きたい大学院の必要スコアはどのくらいなのか、だいたい把握できてきたのではないでしょうか。

▼アメリカの大学院で受け付けている英語能力テストの例

・TOEFL iBT(ほぼ全大学で可)
・IELTS(ほぼ全大学で可)
・Pearson Test(大学による)
・Duolingo(大学による)

「総合で〇点、うちライティングで〇点以上、リーディングで〇点以上」のようにカテゴリごとの基準点を求めている大学院も多くあります。

大学院合格のためにもスコア獲得は欠かせませんが、奨学金に応募しようと思っている人はそこでもスコアを求められる場合があります。

テストにはそれぞれ傾向やキャラクターがあり、自分の得意とする特性を持ったテストを選ぶこともスコア獲得の秘訣です。

各テスト運営元では無料/安価で受けられる模擬テストも実施していますので、それらも参考にしてみましょう。

ほとんどの人が、ひとつだけの勉強法に絞るのではなく、いくつかの方法を試しながら自分に合うやり方を見つけていきます。

▼一般的な勉強法の例

・受験予備校
・短期留学
・オンライン/オフライン教材
・動画やネットニュース
・個人レッスン

なお、すでに語学力がある人でも、試験対策は必要です。複数回受験することでスコアが上がっていくのが一般的で、そのためにも早めに英語スコア対策をスタートしましょう!

GRE/GMAT対策を始める

アメリカの大学院留学で多くの人が厄介に感じるのが、GREやGMATでしょう。

留学生だけでなくアメリカ人学生も受けなければならないテストで、数学や文章力、論理的思考力などが測られます。

▼GRE/GMATの試験科目

GRE(General Test)

※理系専攻の一部で、General TestではなくSubject Testと呼ばれる専門科目テストが必要となるケースがあります。
・Verbal(英語)
・Quantitative(数学:中学レベルが中心、一部高校数I)
・Analytical Writing(ライティング)
GMAT・Verbal(英語)
・Quantitative(数学:中学~高校数Iレベル)
・Analytical Writing Assessment(ライティング)
・Integrated Reasoning(総合)

特に、長く数学科目から遠ざかっていた文系学生は中学数学あたりからおさらいすることになります。また、理系学生であっても、数学を英語で受験することには慣れることが必要です。

一般的に、GMATはビジネススクールへの留学、GREはそれ以外の留学で必要とされています。ただし、GREを受け付けているビジネススクールもありますし、近年はGRE/GMAT自体を不要としている大学院も出てきました。

とはいえ、GRE/GMATスコアは自分の能力をアピールできるポイントのひとつでもあります。スコアだけで合否が決まるわけではありませんが、たとえば大学の成績がややギリギリだったり、トップランクの大学院を目指すのであれば、GRE/GMAT対策はしっかりやるべきです。

GRE/GMATの専門予備校やGRE/GMAT集中の短期留学コースなどもあります。教材やオンライン講座などでも勉強できますので、上手に組み合わせて基準スコアを目指していきましょう!

英語能力テストも、GRE/GMATも、スコアが取れなければそこで大学院留学への道は終わりです。しかし、いずれのテストも勉強さえすればどんな人でも必ずクリアできるテストです。

もちろん得手/不得手はあるでしょう。でも、得意カテゴリで苦手をカバーしたり、逆に今まで手を付けてこなかったカテゴリ強化で大幅スコアアップを狙うなど、戦略はたくさんあります。自分の創意工夫と根気強さを試されていると思って、頑張っていきましょう!

奨学金を調べる

大学院留学は奨学金の種類が豊富です。アメリカ政府が実施しているフルブライト奨学金をはじめ、日本の財団や自治体が実施しているもの、出願先の大学が独自に実施している奨学金制度など、たくさんチャンスがあります。

もちろん、どの奨学金も支給対象者は若干名で狭き門ではありますが、応募する権利は誰にでもあります。応募に必要な成績や経済事情などをリストアップしておき、応募できそうな奨学金には積極的にチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか!

留学中の資金計画を立てる

アメリカの学費は決して安くはありません。州立大学であっても留学生は地元学生よりも高い学費が設定されています。

奨学金は応募してみなければわからないため、それ以外の方法で資金計画を立てておく必要があります。

主な検討のポイントは次のような点です。

・家族からの支援はあるか?
・JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)などの返済型奨学金(学費ローン)を利用するか?
・現地での生活費を含めてトータル年間いくらまでなら捻出できるか?

特に、返済型奨学金を利用する人は、返済計画を含めてしっかり考えてみてください。

アメリカでは「お金を借りて高いレベルの大学に行き、卒業後はその何倍もの報酬を手にして返済する」といった『投資』型の考え方が一般的です。

多くの卒業生たちがそれで成功してきた歴史もある一方、卒業後の返済負担が重いことが社会課題となっている側面もあります。

アメリカでは、ティーチングアシスタントをはじめ、学内で認められている仕事に限り大学院留学生のアルバイトが許可されていますが、さほど大きな収入にはなりませんしポストがあるとは限りません。

家族ともしっかり話し合って、柔軟な資金計画を立てておくのがおすすめです。

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1~1.5年前:出願校を決定する

ハーバードビジネススクール(アメリカの大学院に行くには記事より)

さあ、とうとう出願校を選ぶ時期になりました!

学校や学部によって異なりますが、アメリカの大学院の多くは12月~1月頃が出願のデッドライン時期となります。そのため、遅くとも入学1年前の9月くらいには出願する大学を選び、提出物の準備をスタートしなければいけません。

何校に出願する?

人によってまちまちではありますが、5~8校くらいに出願する人が多い傾向にあります。手を加えながら使いまわせる出願書類もあるものの、やみくもにたくさん出願するとそのぶんそろえる分量が増えて、時として大きな負担になります。

出願大学はどう選ぶ?

第一志望校や第二志望校は決まっている人が多いかと思います。

この時点で英語テストやGRE/GMATスコアがクリアできているのが望ましいですが、もしまだ基準スコアに達していなくても、出願ギリギリまでチャンスはあります。あきらめずにあと1~2回受験して、第一志望校に挑戦しましょう!

それ以外に、いわゆる「滑り止め」校も検討したいところです。

確実な滑り止めと言えるような大学院を選ぶのはアメリカの入試の性格上難しい面があるものの、既にこの時点で基準スコアに達している大学院、世界ランキングなどで志望校よりも次点にランクされている大学院も1~2校ほど出願校に含めておくと安心です。

また、大学院によっては「条件付き合格」制度を持っているところもあります。

*条件付き合格とは?
英語力以外はすべて合格基準に達している出願者に対して与えられる「仮合格」制度のこと。
大学側が指定する語学学校で授業を受け、英語力が基準に達した時点で正式入学ができる。

こういった制度もうまく活用し、合格がもらえる確率を高めていきましょう。

10か月~1年前:出願準備をする

イェール大学(アメリカの大学院に行くには記事より)

すべての提出物をそろえるのに、急いでも2~3か月はかかります。計画的に準備していきましょう!

願書

ほとんどの大学院はオンライン上での出願となります。大学の公式サイトなどで出願者アカウントを作り、そこから必要な情報を送信します。

志望動機書(Statement of Purpose)

Statement of Purposeと言われる志望動機書は、合否に関わる大切な提出物です。

大学ごとに設問やワード数が決められています。そのため、いったんひな形を作っておき、手を加えながら併願校にも流用することは可能ですが、やはり大学の理念や内容に応じたカスタマイズは欠かせません。

Statement of Purposeは必ず、専門家の添削を受けることをおすすめします

・数字や実績などが具体的であること
・論理的であること
・熱意が伝わること
・適切な英語表現であること
・自己分析ができていること

これらはStatement of Purpose作成に必ず必要となる要素の一部ですが、これ以外にも留意する点はあります。大学ごとに求める学生像も教育理念も異なり、それらと合わせた分析が必要です。さらに第三者の目で見てもらえば新たな指摘があるものです。

添削は「ネイティブなら誰でもよい」わけではなく、出願や留学の専門家や専門の添削サービスに依頼するのがベストです。海外大学院留学の経験者にも機会があったら見てもらってもいいですね。

出願者はほぼ全員が、基準のテストスコアやGPAをクリアした状態で入試に臨んできます。

つまり、差がつく大きなカギが、Statement of Purposeなのです。

妥協なく、ギリギリまで推敲を重ねて、自分史上最高の文章を作りましょう!

推薦状

ほとんどの大学院で、2-4通ほどの推薦状が必要となります。

在籍大学または出身大学の教授、社会人であれば上司や信頼のおける人脈も含めて、推薦状を依頼しましょう。

可能な限り、過去に推薦状作成の経験がある人や自身も海外の大学/大学院に出願経験がある人などにお願いするのがおすすめです。

また、推薦状の土台となるレポートを自ら作成して依頼したり、推薦人としっかり話し合いをすることも大切です。

ほとんどの人が自分の日頃の仕事や業務以外の時間で推薦状を作成してくれます。この文章ひとつであなたの合否を左右すると考えたら、真摯な方ほど責任を感じながら書いてくれるはずです。

感謝を持って、かつ時間の余裕がある依頼を心掛けましょう!

英語力とGRE/GMATスコア

TOEFLやIELTSなどの英語力テスト、GRE/GMATテストのスコアは、テストの運営本部から直に大学に送ってもらいます。

採点を経て留学先への通知までには数週間がかかります。タイムラグを念頭に置いて最終受験日も早めに決めておきましょう!

面接

数は多くありませんが、面接を実施する大学院もあります。

現地とのオンライン面接というケース以外に、卒業生で構成されている日本の同窓会組織が大学から面接を依頼されているケースもあります。

面接のタイミングは大学によってまちまちです。出願と同じタイミングであったり、書類がすべてクリアになってからのタイミングということもあります。

面接が英語であれ日本語であれ、その大学院で学びたい目的、達成したいゴール、自分がその大学に在籍することで貢献できることをしっかり話せるよう、準備をしておきたいですね!

経歴書

日本の履歴書のように、所定のフォーマットがあるわけではありません。自分で自由に作成できますが、インターネットでたくさんテンプレートが出てきますので書式として活用してみましょう。

ここでも、やはりこれまでの実績や成績をアピールしたいところです。

高校や大学、職場であなたはどんな経験をしてきたでしょうか?実はそのほとんどを忘れているものです。

外の人から見ると大きな魅力であることが、自分では気づいていないということもあります。

部活動、課外活動、業績、リーダーシップやチームビルディング、アルバイト、逆境の乗り越え方…自分の歴史を時間をかけて振り返りつつ、身近な人たちとも話し合ってみてください。

\出願サポートや大学選定など/

合否決定後

スタンフォード大学(アメリカの大学院に行くには記事より)

合格通知はメールで届くことがほとんどです。入学する意志を伝え、学費の支払期日やオリエンテーション日程など、合格通知をしっかり読み込んでいきましょう。

入学前の語学留学や英語レッスン

入学前に大学付属の語学学校や地域の民間語学学校などに通う人もいます。また、語学留学しない人であっても、オンラインでレッスンを受講したり、国内で英語学校や大学院準備学校に行く人もおり、ここからが本番と考えることが大切です。

すでに一定の英語力要件を満たしているとはいえ、大学院での勉強についていくのはまた別の英語力が必要です。

現地学生に交じって授業を受けるだけでなく、レポート提出、発言、プレゼンテーション、議論、グループワークなど授業に参加するためのコツのようなものを身につけておくだけで、かなり入学直後が楽になるものです。

語学留学するのであればすぐに語学学校への出願をし、ビザ申請も前倒しで急いで準備していきましょう!

滞在先選定

寮やアパートなど、現地で生活する家を確保します。大学からも、家探しに役立つサイトや窓口を案内してくれることが多いので活用してみてください。

現地に事前の語学留学をしている人であれば、実際に見に行って立地や環境、ハウスシェアをするなら同居人を確認したり、大学に足を運んで相談したりするのもおすすめです。

ビザ申請・渡航準備

アメリカで大学院に行く人は、F-1ビザという種類の学生ビザが必要です。大学からI-20という入学許可証が届いたら、オンラインで申請し、その後面接へと進みます。

大学院留学生の場合、特に問題がなければ最大5年間のビザが発給されるケースがほとんどです。ビザを持っている=滞在許可ではなく、有効なI-20を合わせて保持していることで正式な滞在許可とみなされます。

アメリカは、その時の政策や選挙などによって発給までにかかる期間が変わる傾向のある国です。留学が決まったらすぐに準備に取り掛かってくださいね!

大学院生活をめいっぱい味わおう!

こうしてアメリカでの大学院生活が始まります。

合格を手にするまでに頑張ってきた努力はすでにあなたの大きな力になっています。今後、慣れない環境と英語での授業は、歯痒かったり悔しかったりするかもしれませんが、「うちの学生に欲しい」と思われたから合格したのだと自信をもって、充実の2年間を送って頂きたいと思います!

後悔のない進学準備。綿密に進めよう!

ここまで、時系列での大学院留学準備を解説してきましたが、留学生は100人いたら100通りでもあります。

あなたが大学院への進学を志しているのであれば、きっと甘い考えはとっくに捨て去り、しっかりとした準備と対策を練ることの覚悟は持っておられることでしょう。

成績や語学力はもちろんのこと、どんな学外活動をしておくか、どの大学と併願するのが有効か、学校ごとに適した志望動機を然るべき説得力をもって書き上げるための対策や、誰にどのように推薦状を依頼するかの検討…などなど、やるべきことを時系列に整理していく必要があります

チャンスを自分のものにできるよう資料を収集し、必要に応じて専門家のアドバイスを得ながら受験対策を講じていきましょう!

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アメリカの大学院に行くには 出願までのスケジュール例を時系列で解説
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