「料理で世界を目指したい!」「星を取れる料理人になりたい」という人から、キャリアを積んでいる現役の方のステップアップまで、料理留学する人の理由はさまざま。
なかには、料理の勉強をしたことはないけれど家庭料理を習って自分の人生を豊かにしたい人、料理のアイデアを留学で持ち帰ってSNSなどを通じて自分の料理を広めたいという人もいるでしょう。
英語では料理専攻のことを「カリナリー・アーツ(Culinary Arts)」と言います。
その専攻名のとおり、料理は「アート=芸術」。各校はその誇りをもって、それぞれの個性を活かした料理教育を行っています。
多くの世界の料理学校では料理分野で学士号(大学卒業資格)や修士号(大学院資格)の学位もとることができます。
この記事では料理留学費用の目安から世界の名門料理学校、短期留学プログラムまで多彩にご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
料理留学の費用はいくら?国別目安
料理留学にかかる費用の目安をご紹介します。授業料、実習、滞在費、渡航費などを含む総費用で計算しました。
学校や期間、インターンシップの有無、為替の変動などによって異なりますが、まずは目安として参考にしてみてください!
フランス | 1週間:50万円~ 1年:300万円~ |
イタリア | 1週間:45万円~ 1年:200万円~ |
スイス | 1年間:600万円~ |
スペイン | 3か月:150万円~ 1年間:330万円~ |
アメリカ | 1か月:55万円~ 1年間:450万円 |
オーストラリア | 1か月:50万円~ 1年間:350万円~ |
料理留学の費用を抑えるには?
奨学金
すべての学校が奨学金制度を持っているわけではありませんが、ヨーロッパを中心に、留学生も対象となる奨学金制度が充実している学校があります。
アメリカでは留学生を対象とした奨学金制度が少ない傾向にあります。ただし、一部の私立の学校では留学生も適用となる奨学金を支給している場合がありますので、ぜひチェックしてみてください。
インターンシップ
実際の調理の現場で働けば実践経験を積めますし、同時に留学費用を節約できます。
ただし、国や学校によってはインターンシップが無給な場合もありますので、しっかり調べてから出願してくださいね。
ワーキングホリデー
日本で既に料理のキャリアがある人の場合は、学校へは行かずに飲食店で働くという方法もあります。ワーキングホリデー制度がある国(例:フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スペイン、イギリス他)で、自分で履歴書を提出し、スタッフとして働きます。
学生として授業を受ける立場と違い、自分自身が戦力になる必要があります。語学力が足りなければ仕事上のコミュニケーションに支障が出ますし、そもそも面接を通過できません。語学力が不足しているな…と思う人は、事前に語学学校に行くなどの準備期間を設けることも検討するといいでしょう。
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世界の名門料理学校:ヨーロッパ
カリナリー・アーツ・アカデミー(スイス)
名称 | Culinary Arts Academy |
所在地 | ブリーク ル・ブーヴェレ |
ウェブサイト | https://www.culinaryartsswitzerland.com/ |
世界で最も評判の高い料理教育機関のひとつで、世界64か国から学生が集まってきています。学生数は最大で300人と少数精鋭のため、入学難易度の高い学校です。
学生は伝統的な料理の基本から国際的な高級レストランの手法まで、国際的な料理のエキスパートになるためのトレーニングを受けられます。
リッツ・パリをはじめとする世界有数の料理の現場でのインターンシップのチャンスもあります。起業教育にも重点を置き、学生それぞれの将来のキャリアを支えています。
料理に特化した国際ビジネス修士号コースもあります。
ル・コルドン・ブルー(フランス、他各国)
名称 | Le Cordon Bleu |
所在地 | パリ(フランス)のほか、イギリス・スペイン・トルコ・ブラジル・カナダ・メキシコ・ペルー・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・中国・レバノン・インド・韓国・マレーシア・台湾・タイ・フィリピン |
ウェブサイト | https://www.cordonbleu.edu/ |
パリに本校を持つル・コルドン・ブルーといえばフランス料理の技術を守る名門校。フランス料理に興味がある人なら必ず耳にしたことがあるという有名校です。
ル・コルドン・ブルーのグラン・ディプロム(Le Grand Diplôme®)コースは、パティシエクラスとキュイジーヌクラスを組み合わせた、フランス料理の古典的技術を学べる総合プログラムです。
また、世界中のキャンパスで1~4日間のコースやワークショップも開講しています。
国籍に関係なく奨学金のチャンスもあり、世界中のシェフを目指す人たちが学べる環境を整えています。
アピシウス国際ホスピタリティスクール(イタリア)
名称 | Apicius International School of Hospitality |
所在地 | フィレンツェ |
ウェブサイト | https://apicius.it/ |
アピシウス国際ホスピタリティスクールは1997年に設立されたイタリア初の国際ホスピタリティ学校です。
フィレンツェ市内の3つのキャンパスがあり、講義・ワークショップ・セミナーなどを通じて料理・ワイン・ホスピタリティを専門的に学ぶことができます。
フード&ワイン学部では、製パン・製菓、調理学、栄養学、食品文化、食品・家庭・消費者科学、ワインと文化、ワインの専門知識などのコースを実施しています。
ホスピタリティ学部では、ホスピタリティ・ツーリズム・マネージメント、ホテル・宿泊マネージメント、レストラン・飲食マネージメント、スパ・マネージメントの授業が行われます。
フィレンツェ芸術大学の一部でもあり、ホスピタリティ・マネジメントとフード&ワイン学の学士号も取得できます。1年または2年間のサーティフィケート・キャリア・プログラムもあります。
ウェストミンスター・キングスウェイ・カレッジ(イギリス)
名称 | Westminster Kingsway College |
所在地 | ロンドン |
ウェブサイト | https://www.capitalccg.ac.uk/westking |
ウェストミンスター・キングスウェイ・カレッジはロンドン市内に4つのキャンパスがあります。1909年に設立され、料理とホスピタリティの分野で高く評価されています。ジェイミー・オリヴァーの母校です。
13歳から16歳の青少年を対象としたヤング・シェフ・アカデミーでは、将来シェフという仕事に興味を持っている若い世代を対象としたプログラムを開講。
一方で、プロ向けのプログラムも充実しています。グラン・エスコフィエ・ディプロマでは、パティスリー教育(パンとヴィエノワズリー、ペースト、タルト、パイとキッシュ、ホット&コールド・デザート)、または料理教育(パスタ、米、季節の野菜、肉、狩猟肉と家禽、魚介類、持続可能性)のいずれかを選択できます。
BHMS ビジネスホテルマネジメントスクール(スイス)
名称 | B.H.M.S. Business & Hotel Management School in Lucerne |
所在地 | ルツェルン |
ウェブサイト | https://www.bhms.ch/ |
ルツェルンにある料理学校、BHMS(ビジネス・ホテル・マネージメント・スクール)は、スイスのトップクラスの料理学校として有名です。
BHMSでは料理のディプロマほかさまざまな資格コースを開講しています。
1年間のディプロマ資格コースではヨーロッパ各国料理のテクニック、パティスリー、安全、栄養学といった実習を行います。
2年目は上級ディプロマ(Higher Diploma)資格コースです。高度なコールドキッチンの技術、創作、プレゼンテーションについてさらに深く掘り下げます。専用のショコラティエ・コースも含まれています。
3年目まで修了すると、学士号(大学卒業資格)を取得できます。料理の経験を積み重ねながら、実践的、リーダーシップ、ビジネススキルを磨くことができます。新商品開発、分子料理、技術の応用、チーム管理、フードサービス管理などのテーマも扱い、3年間の全課程を修了することで、独立開業に必要な専門知識を身につけることができます。
ガストロノミコム国際料理アカデミー(フランス)
名称 | Gastronomicom International Culinary Academy |
所在地 | アグド(南フランス) |
ウェブサイト | https://gastronomicom.fr/ |
初心者向けからプロフェッショナル向けまで、最短1日のワークショップから、1年間のインターンシップ付きコースまでさまざまな長さのプログラムを開講しています。
授業は原則として英語で行われます。そのため、海外からの留学生が参加しやすいのが特徴です。
料理に加えてフランス語の授業が含まれているコースもあり、フランス語に自信がない人でも語学力と料理のスキルを同時に上げていけるようなカリキュラムになっています。
パティシエ科には2014年のスイーツ世界チャンピオン、ヨハンナ・ル・パプ氏によるマスタークラスも。
短期ワークショップは料理、製菓、ワインなどのテーマで開講されています。現役シェフやパティシエが自己研鑽のために参加したり、ワインの知識をプラスしたい人が参加できるのが魅力です。
カリナリー・インスティテュート・バルセロナ(スペイン)
名称 | Culinary Institute of Barcelona, Escuela de Cocina |
所在地 | バルセロナ |
ウェブサイト | https://cib.education/ |
「レシピ通りに作る」という教育法を否定する独自の方法論を採用。革新的で、創造力があり、どのような状況でもどのような状況にも適応できるシェフを育てます。
授業はスペイン語で行われますが、資料は英語でも記載があります。また無料のスペイン語クラスも開講しています。
最短3か月のコースから3~4年かけて学ぶ長期コースまでさまざまなコースを開講。もっとも人気が高いのはグラン・シェフ・ディプロマ(20ヶ月)で、料理専門分野とマネージメント専門分野を修了し、学校と提携している100軒のレストランのうちの1軒で6ヶ月間のインターンシップが必須です。
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世界の名門料理学校:アメリカ
オーギュスト・エスコフィエ料理学校(アメリカ)
名称 | Auguste Escoffier School of Culinary Arts |
所在地 | コロラド州ボルダー テキサス州オースティン |
ウェブサイト | https://www.escoffier.edu/ |
近代フランス料理に革命を起こしたと言われるオーギュスト・エスコフィエの認定校です。料理とパティシエの教育が専門で、ディプロマや学士号がとれるプログラムがあります。
在学中と卒業後にキャリア・サービスを受けることができ、就職にも強いのが特徴です。
ボルダー校では、ファーム・トゥ・テーブル(農場から食卓へ)の哲学も学びます。地元の食材と持続可能な食を実現する力を養います。
カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(アメリカ、シンガポール)
名称 | Culinary Institute of America |
所在地 | ニューヨーク州ハイドパーク テキサス州サンアントニオ カリフォルニア州ナパ シンガポール |
ウェブサイト | https://www.ciachef.edu/ |
カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカは全米に3校、シンガポールにも国際キャンパスがあります。
米国内の3つのキャンパスすべてで準学士号が取得でき、ニューヨークのメイン・キャンパスでは学士号も取れます。
ナパ・バレーにあるカリフォルニア・キャンパスにはフード・ビジネス・スクールがあり、ワイン学も含めたレストラン経営をイチから学ぶことができます。
カリフォルニア・キャンパスとテキサス・キャンパスにも校内レストランがありますが、最大規模のレストランがあるのはニューヨーク・キャンパスです。イタリア料理、フランス料理、アメリカ料理のほか、サンドイッチ、スープ、焼き菓子などのカフェ・フードを専門とする4つのレストランを運営。学生は実地経験を積むことができます。
プロを目指す人向けの長期プログラムとは別に、愛好家でも参加できる数時間のものもあれば、数日間の料理とワインのプログラムもあります。
アンソニー・ボーデインの母校で、彼の名を冠した奨学金も授与しています。
インスティテュート・オブ・カリナリー・エデュケーション(アメリカ)
名称 | Institute of Culinary Education |
所在地 | ニューヨーク ロサンゼルス |
ウェブサイト | https://www.ice.edu/ |
インスティテュート・オブ・カリナリー・エデュケーションは、さまざまな受賞歴を持つ有名校です。
ニューヨーク・キャンパスには、教育機関としては初のビーントゥバー・チョコレート・ラボを備えているほか、屋内水耕栽培ハーブ園、野菜農場、タンドール、囲炉裏オーブン、縦型ロティサリーなどを備えた調理技術ラボ、ミクソロジーとワイン研究のための専用施設などがあります。
レクリエーション料理コースや生涯教育コースなど年間1,500のクラスを開講し、いろんな世代の人が料理に親しめるようなコースも充実しています。
ナショナル・ルイス大学ケンドール・カレッジ(アメリカ)
名称 | Kendall College at National Louis University |
所在地 | イリノイ州シカゴ |
ウェブサイト | https://nl.edu/kendall-college/ |
ケンドール・カレッジは、ナショナル・ルイス大学のなかの調理/ホスピタリティ学部です。
カリナリー・アート、製パン/製菓、ホスピタリティ・マネージメントの3つのプログラムで、料理のスキルだけでなくビジネス・マネージメントやコミュニケーション能力も身につけることができるようカリキュラムが組まれています。
ケンドール・カレッジのレストランは学生によって管理・運営されています。ミシュランにも推奨されているほか、レストラン雑誌でも高く評価されています。
カリナリー・アート準学士号(専門学校/短期大学卒資格)では、栄養学、厨房オペレーション、食品安全など、シェフやパン職人を目指す人たちが料理業界に入るために必要な知識を身につけるための幅広いコースを開講しています。
4年制の学士号コースで、最初の2年間で徹底した調理実習を行ったのち、後半2年間でビジネススキルをしっかり学びます。
3年次と4年次には、ラテン料理、南米料理、地中海料理、アジア料理、その他の世界料理の実習や、シカゴのレストランでのインターンシップを通じて実社会の経験も積みます。
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短期留学
上で紹介した料理学校のなかにも短期ワークショップを開催している学校が数校ありますが、それ以外にも世界には短期プログラムがたくさんあります。
いくつか例をご紹介しますね!(リンクからプラン詳細を見ることができます)
- 家庭料理からインターンまで!イタリア全土・料理留学(1週間~)
- イタリア・ジェラート留学プラン(1週間~1年)
- イタリア・シェフ養成+インターン(1か月~)
- イタリア家庭料理コース(8日間~)
- トスカーナでマンマ宅に泊まって料理を習う(1週間~)
- 【通訳付】イタリアバリスタ留学(2日間~)
- 【パリ】料理+フランス語レッスン(2週間~)
- 【オーストラリア】3つの資格取得が可能なバリスタコース(5週間~)
料理留学に興味がわいたら
ここでは、世界のさまざまな料理学校を紹介してきました。しかし、紹介しきれなかった学校のなかにも、様々な魅力を持ったコースがたくさんあります。
・料理留学についてもっと知ってみたい!
・自分に合う料理留学が知りたい!
・その場合どのくらいの費用がかかるんだろう?
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