留学中にアルバイトをしてみたいという方も多いのではないだろうか。私はそうだった。アイルランドに語学留学していた当時(2014年)、学生ビザで週20時間までの労働が許可されていたため、この機会にぜひ経験してみたかったのだ。
本記事では、まわりの友達の経験も含め、どんな活動をしてアルバイトができたのかまとめてみた。学生ビザでアルバイトが認められている国に渡航する方や、ワーキングホリデービザで渡航する方の一助にしてもらいたい。
アイルランドでは履歴書をCV(シーヴィー)といい、アピールできるように工夫して書く。
履歴書をおもに米国圏ではレジュメというが、アイルランドや英国圏ではCV(シーヴィー)という。語源はラテン語でCurriculum Vitaeの頭文字をとったもの。日本の履歴書のようにきちんとした形式はないが、いろいろな例やテンプレートがインターネットで検索できるので、参考にして書くとよいだろう。
Photo from Flickr Curriculum Vitae(Desi)
その際、英語レベルを書くことが必須だ。初めて書いたCVに、実際は初級(Beginner)レベルのところを初中級(Pre-intermediate)に盛って書いたつもりでいたところ、そのCVを見た友人から「ここはせめて中級(Intermediate)にしておくべき!)とアドバイスされた。
また、職種によってアピールポイントが違うことも頭に入れるべきだろう。たとえば、レストランスタッフに応募する場合と、オペア(住み込みベビーシッター)で応募する場合では雇用主にアピールすることが違う。いくつかパターンを作って保存しておくのも便利である。
CVのコピーやプリントアウトは学校でできることが多いし、先生にCVのチェックをしてもらうことも英語の勉強になるだろう。
アルバイトを探していることを周りに話し、CVは常に持ち歩く。
ダブリンシティでは、お店にたとえスタッフ募集の張り紙がしていなくても、働いてみたいお店があれば入っていきCVを渡すというやり方が普通だ。
また語学学校の掲示板にアルバイト募集がのっていることもあるが、競争率は高い。アルバイトを探していることを友達に広め、同じお店に空きがあるかどうか、また、お店の責任者に会わせてもらえるかを聞くことも必要だ。自分がアルバイトを探していることを広めておけば「今度友達がアルバイトを辞めるといっていたので、お店にいってみれば」といった情報がもらえることもある。
実際、友達の紹介というのは有効なことがある。ホテルの客室掃除をしていた友達は働いている人からの紹介以外は受け付けないといっていた。
友達がCVを持っていってくれるということもあるかもしれないし、何気なく歩いていた道すがら、スタッフ募集の張り紙を見つけるかもしれない。だから持ち歩くかばんの中にいつもコピーしたCVを入れておくと少なからず役立つのだ。
お店の責任者に会い直接CVを渡し、話をすること。
さて、友達がCVを持って行ってくれても、それだけでは期待は薄い。CVを働いているスタッフに渡しても、彼らがそのCVを必ず責任者に渡す保証はないからだ。捨ててしまったりする可能性のほうが高く、実際私が働いていたお店もCVを配りにくる人は大勢いたが、責任者と話をしたいという人はあまりいなかった。山積みになったCVを責任者が見るのは辞めてしまう人がでた時に見るくらい稀なのだと思われる。
だからこそ、自分でもう一度足を運び、責任者と話をすることはアルバイトを見つける大きなポイントになる。
もしお店の責任者がその時いなければ、いるころを見計らってもう一度お店に足を運ぼう。直接働きたい意思を面と向かって話すことは、会ってもいない人を採用することより可能性は高い。
最初は断られることのほうが多いかもしれない。でも悲観することはなく、だんだんと慣れてくるものである。なぜならダブリンシティでは誰もがそうやってアルバイトを探しているのだから。
経験がなくても「できる」とアピール。
スーパーマーケット、ホテルの掃除や語学学校のインターンなど、数ある仕事の中で、ダブリンシティで一番多いアルバイトは飲食店だろう。飲食での職歴がない方は、ぜひ「トライアル」を申し出てみてほしい。
飲食店での経験がない友達はCVを持っていき、ぜひトライアルをさせて欲しいと粘り、トライアルの後、見事採用された。トライアル期間は基本的にアルバイト代は出ないが、仕事をこなせるかのアピール期間なので、たとえ未経験でも働いてみたいという思いを責任者に見せ付ける絶好の時である。
またトライアルはそのお店の雰囲気や働いている人を知ることができる。自分がこれからここで続けていけるかどうか知るにはよい機会になるだろう。
採用が決まったらアルバイト代を再度確認。働きながら英語を学ぼう。
採用が決まったらぜひアルバイト代の確認をもう一度し、学校の授業に支障がないようにシフトを組んでもらうようにきちんと念を押すようにしたい。
アルバイト代は週払いが基本。アイルランドではチップの習慣は根強くはないが、それでもチップはどのように分けているのかも聞いてみるのも今後のやる気に繋がるものだ。
ダブリンシティにはいろいろな国の人がいて、食べ物の注文の仕方も人によって言い方はさまざまである。仕事で使う英語は実践しながら学ぶことができるし、仕事中は限られた特定の言葉を使うことが多いので一度覚えてしまえば、活用は広がるはずだ。実際私も、物の名前や言い方などとても勉強になった。
責任者やお店のオーナーに英語での対応で失敗をしたり、怒られたりすることも何度もあった。一方、一緒に仕事をしていたメンバーは多国籍で、皆似た思いをしているせいか団結力が強くなりとても雰囲気がいい職場だったと思う。
語学留学中に現地でアルバイトが可能かどうかは、滞在する国により、また、期間やビザの種類によっても違う。希望国の基準をきちんと調べたうえで、そんなチャンスがあるのならぜひトライしてみてもいいのではないだろうか。
文:ワグナー・マキ(アメリカ在住・JSIA飾り巻き寿司インストラクター)
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