リンカーン大学はニュージーランド南島にある国立大学です。ニュージーランド国内と世界60カ国から集まった約3500人の学生が在籍する、規模の小さなフレンドリーな大学です。
南島最大の都市クライストチャーチから30分ほどの距離にある小さな町、リンカーンにキャンパスを構えています。のんびりした郊外の風景とゆっくり流れる時間が特徴の学園街です。
1878年に設立された当初は農学部専門校として発足しました。農業がニュージーランドの重要な基盤になるにつれ、1990年に総合大学となりました。(写真は1878年の設立当初に建てられたアイビーホールです。)
その歴史から、現在もニュージーランドを代表する農学部のほか、ワイン醸造やマーケティング、アグリビジネス分野で人気があります。観光学部も世界トップ100に入る学部です。
伝説の名ラグビープレイヤーだったリッチー・マコウの母校としても有名です。
このページではリンカーン大学に興味がある人のために、大学の特徴や学部、学費、入学条件などをご紹介します。ぜひ参考にしてください!
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リンカーン大学の基本情報
設立年 | 1878年 |
形態 | 国立 |
難易度 | ★★★☆☆ |
合格率 | 65% |
学生数 Te Whare Wānaka o Aoraki Lincoln University Annual Report 2021 | 3,484人(2021年度) |
留学生数 | 約975人(約28%) |
人気の学部 | 農学・農業科学 園芸学 アグリビジネス・マーケティング 土地・不動産管理 ブドウ栽培 ワイン生産 ツーリズム スポーツ・レクリエーション学 環境学 |
学費例(年間:ニュージーランドドル) 費用検索はこちら International Fees :: Lincoln University | 31,100(学部課程:観光マネジメント) 34,500(学部課程:ブドウ栽培・醸造学) 47,000(修士課程:スポーツ・レクリエーション学) |
場所
リンカーン大学のキャンパスはクライストチャーチから車で約30分のリンカーンにあります。
リンカーンは人口約8000人の小さな街で、農業やワインが盛んな土地柄です。地元にはクラフトマーケットやファーマーズマーケットもあり、地元で採れた農産物が並びます。
リンカーン大学とリンカーン高校を擁する「学生街」としての顔も持っています。
卒業生
リンカーン大学はラグビー、政治、メディアなどさまざまな分野で活躍するリーダーや受賞者を輩出しています。
▼著名な卒業生の例
- リッチー・マコウ(元ラグビー選手/元オールブラックス)
- ロビー・ディーンズ(元パナソニック ワイルドナイツヘッドコーチ、他複数国のラグビー代表チームヘッドコーチ歴)
- トニー・ストリート(ニュージーランドのテレビ司会者/スポーツ解説者)
- マーク・イングリス(登山家)
- ドナルド・マキノン(第12代NZ副首相、NZ外務大臣。元英連邦事務総長)
- ハン・サイ・ポー(彫刻家)
- Alfred Jabu Anak Numpang(マレーシア・元インフラ開発・運輸大臣、都市開発大臣)
- アナベル・ラングバイン(料理家)
Lincoln University Living Heritage
「もっとも優れた小規模大学」世界17位
リンカーン大学の大きな特長のひとつが、その小さな規模感です。総学生数は約3500人で「世界でもっとも優れた小規模大学」の17位に選出されたこともあります。
学生とスタッフ(教師含む)の割合は13:3で、各学生に目が行き届く点も魅力のひとつです。世界大学ランキングでは学生の男女割合も「エクセレント」の評価を受けています。
「気軽に質問をしたり、助け合えるような大学に行きたい」「友達を早くつくりたい」と思っている人にとっては心強いポイントですね。
ホスピタリティ学部で世界100位代
「観光・レジャー学部」ではQS世界大学ランキング(2022)で101-150位の評価を受けています。
農業・森林学で世界100位
農学校として設立された歴史もあって、リンカーン大学の農学部は高い評価を受けています。農学専攻・森林学専攻は、世界のトップ100にランクインしています。
「未来の幸せを守り、世界に食糧を」が大学の使命
リンカーン大学では「Feed the World(世界に食糧を)」「Live Well(良く生きる)」「Protect the Future(未来を守る)」の3つが大学の使命であると公表しています。
そのことから、特にサステナビリティや気候変動に関連した研究の教育に力を入れています。
奨学金
リンカーン大学では留学生に対してもいくつかの奨学金制度を設けています。興味のある人は大学公式ページ内の「Scholarships」でチェックしてみてください。
リンカーン大学の学部
農業・園芸・ブドウ栽培
大学 | 大学院 |
農学 農業科学 商学(農学) 商学(園芸学) アグリビジネスとフードマーケティング 土地&不動産マネジメント ブドウ栽培・醸造学 商学(農学・会計専門職) | ▼GD、PDブドウ栽培・醸造学 園芸科学 農業科学 ▼修士(Taught) アグリビジネス・マネジメント 農業システム・マネジメント 精密農業 ワインとブドウ栽培 ▼修士(Research) 農業科学 園芸科学 商学(農学) |
経営学
大学 | 大学院 |
アグリビジネスとフードマーケティング 商学(農学) 商学(農学・会計専門) 商学(会計・ファイナンス) 商学(食料・資源経済学) 商学(グローバルビジネス) 商学(園芸学) 商学(ホテル・ツーリズム・マネジメント) 商学(個別専攻) 商学(マーケティング) 商学(サプライチェーンマネジメント) 商学(サステナビリティ) 土地&不動産マネジメント | ▼Cert、GD、PD 商学 ビジネスとサステナビリティ プロパティマネジメント バリュエーション ビジネスとサステナビリティ ▼修士(Taught) ビジネス(ファイナンス) ビジネス(グローバルマネジメント、マ ケティング) Fintechと投資運用 アグリビジネスにおけるマネジメント 農業システムにおけるマネジメント プロフェッショナル・アカウンティング(CPA) ▼修士(Research) 商学(農学) 商学・経営学 |
環境学
大学 | 大学院 |
環境マネジメント 科学(保全・生態学) 科学(環境科学) 環境政策と計画 商学(サステナビリティ) | ▼Cert、GD、PD リソーススタディ 環境マネジメント 水資源管理 ▼修士(Taught) 環境政策とマネジメント プランニング ペストマネジメント 国際的な自然保護活動 ▼修士(Research) 国際自然保護活動 天然資源管理・生態系工学 水資源管理 応用科学(環境マネジメント) |
食、ワイン、ビール
大学 | 大学院 |
アグリビジネス&フードマーケティング フードサイエンス専攻の理系 醸造学 ブドウ栽培・醸造学 | ▼Cert、GD、PD 醸造と発酵 ブドウ栽培・醸造学 ▼修士 ワインとブドウ栽培 フードイノベーション科学 |
造園学
大学 | 大学院 |
造園学 | ▼修士 造園学 |
土地・不動産と評価
大学 | 大学院 |
土地・不動産マネジメント(都市・農地) | ▼修士 不動産マネジメント 評価 |
サイエンス
大学 | 大学院 |
アグリサイエンス 科学(保全・生態学) 科学(環境科学) 科学(フードサイエンス) 科学(醸造学・発酵学) サイエンス(個別専攻) ブドウ栽培・醸造学 | ▼Cert、GD、PD 応用科学 醸造と発酵 農業科学 ▼修士(Taught) 国際自然保護活動 ペストマネジメント 精密農業 フードイノベーション科学 ワインとブドウ栽培 ▼修士(Research) 農学 園芸学 国際自然保護学 理学 |
スポーツ・レクリエーション
大学 | 大学院 |
スポーツ&レクリエーション | ▼Cert、GD、PD レクリエーション・マネジメント 公園・レクリエーション・ツーリズム ▼修士 スポーツ&レクリエーション・マネジメント |
観光学
大学 | 大学院 |
商学(ホテル・ツーリズム・マネジメント) ツーリズムマネジメント | ▼Cert、GD、PD ツーリズム・マネジメント 公園・レクリエーション・ツーリズム ▼修士(Taught) ツーリズム・マネジメント ▼修士(Research) 応用科学(公園・レクリエーション・ツーリズム) |
リンカーン大学の難易度
日本とニュージーランドの大学制度の違いと偏差値
ニュージーランドと日本の大学入試制度は少し異なります。日本では試験による偏差値方式ですが、ニュージーランドでは書類選考がメインです。
また、義務教育制度が異なっていることから、日本の高校を卒業した学生は一部をのぞいて大学入学前に「大学準備コース(ファウンデーションコース)」を受講します。ファウンデーションコースを修了することで大学への正式な入学資格が得られます。
詳しくは「ニュージーランドの大学は難しいの?偏差値やランキング、大学進学方法や受験システムを徹底解説! 」を参考にしてください。
ランキング
QS世界大学ランキング | 368位 |
THE世界大学ランキング | 401–500位 |
QS大学ランキング(NZ国内) | 7位 |
THE大学ランキング(NZ国内) | 4位 |
合格率
ビクトリア大学ウェリントンの合格率は公式には発表されていませんが、65%と推定されています。きちんと入学準備をして必要な手続きを踏むことで、合格の可能性は十分にあります。
リンカーン大学に留学するには?
日本とニュージーランドでは教育制度が異なります。そのため、日本の高校からニュージーランドの大学へ行くには、日本の高校卒業→ファウンデーションコース(約1年)→ニュージーランドの大学1年に入学(大学は3年間)、というルートが一般的です。
リンカーン大学を受験するには?
リンカーン大学に出願するには、IELTS総合6.0(全バンドで5.5以上)またはTOEFL ibt総合60(ライティングでは18以上)相当の英語力証明の提出が求められます。
英語力のほかには次の条件を満たしている必要があります。
- 平均B以上の高校の成績を修めている
- 大学で1年間の履修歴がある
- 短期大学で2年間の履修歴がある
もし、この基準に達していない場合には、ファウンデーションコースを受講しましょう。
Entry requirements :: Lincoln University
Overseas Undergraduate Entry Criteria :: Lincoln University
English Language Requirements :: Lincoln University
ファウンデーションコース
ニュージーランドではたくさんのファウンデーションコースが開講されています。どのファウンデーションコースからでもニュージーランドのすべての大学への進学資格が得られます。
リンカーン大学では「大学進学サティフィケイト(Certificate in University Studies)」と「大学進学ディプロマ(Diploma in University Studies)」というコースを設けて、大学へのスムーズな進学をサポートしています。
サティフィケイトコースは、高校での3年間の成績が平均2.5以上の学生のためのコースです。コース期間は約半年間です。入学にはIELTS総合5.0(全バンド5.0以上)またはTOEFL IBT総合35(ライティング14以上)の英語力が必要です。
このコースでは語学やライティング、授業の受け方などのほか、コミュニケーション、テクノロジー、数学、経済学、環境などに関するトピックを学びます。修了後はディプロマコースへ移行できます。
ディプロマコースには2学期(1年)と3学期(1.5年)の2つのコースがあります。いずれのコースも、修了すればリンカーン大学の2年次へ入学することができます。
なお、高校の成績によってはサティフィケイトコースを経ずにディプロマコースへ入学することもできます。
高校3年間での成績が3以上で、IELTS総合5.5(全バンド5.0以上)またはTOEFL IBT総合46(ライティング18以上)の英語力があれば1.5年のディプロマコースに入学できます。
高校での成績が3.5以上で、IELTS総合5.5(全バンド5.5以上)またはTOEFL IBT総合53(ライティング18以上)の英語力があれば1年のディプロマコースに入学できます。
高校での成績が高ければそのぶん早めに大学に編入できますので、リンカーン大学を志望している人は早いうちから成績をとっておくのが賢明ですね!
Overseas Undergraduate Entry Criteria :: Lincoln University
大学院課程
大学院では次の学位プログラムが開講されています。
- ポストグラデュエート・サティフィケイト(Postgraduate Certificate)
- ポストグラデュエート・ディプロマ(Postgraduate Diploma)
- 修士号(Master’s)
- 博士号(PhD)
大学院課程に入学するには、大学での平均B以上の成績のほか、IELTS総合6.5(全バンド6.0以上)、TOEFL IBT総合80(ライティング21、スピーキング18以上)の英語力が必要です。
グラデュエート・ディプロマ、グラデュエート・サーティフィケートの商学専攻についてはIELTS総合6.0(全バンド5.5以上)、またはTOEFL IBT総合60(ライティング18以上)です。
そのほか、コースごとに定める基準が求められる場合があります。Entry requirements から志望学部ごとに確認できますので、チェックしてみてください。
リンカーン大学の英語コース
リンカーン大学では進学を目指す人のための英語コースを開講しています。
大学を目指す人はアカデミック英語コース(4週間~)を、大学院を目指す人は「グラデュエート・サティフィケイト」(半年)をチェックしてみてください。
アカデミック英語コースでは、英語力のほかにノートのとり方やレポート提出の方法、発言の仕方なども学ぶことができます。
大学院向けのグラデュエート・サティフィケイトでは英語力のほかに各種選択科目を組み合わせた大学院進学専門のブリッジカリキュラムが開講されています。
入学基準まで英語力を伸ばしたい人や、海外の大学/大学院にスムーズに入学したい人はチェックしてみてください。
リンカーン大学への留学を実現しよう!
リンカーン大学はニュージーランドの国立大学で、ワイン学部や農学部、観光・レジャーなどの学部で高い評価を持っています。
マンモス大学とは異なり学生同士の距離が近く、教員やスタッフとも気軽に話せるリラックスした空気が特徴です。「人見知りしてしまうかも」「英語ができなくて心配」という不安を持っている留学生にとっては、安心な環境とも言えますね。
ファウンデーションコースや英語コースも充実していますので、安心して学業に取り組めるでしょう。
リンカーン大学への留学に関心がある人はこの記事を参考にして、ぜひ実現してくださいね!
(留学プレス編集部)