ワイカト大学(University of Waikato)はニュージーランド北島の街ハミルトンとタウランガにキャンパスを持つ国立大学です。ティーチャーズ・カレッジとして設立されたのち、1964年に大学となりました。
初めて産前産後休暇を取得した先進国の首相として知られるジャシンダ・アーダーン第40代ニュージーランド首相の母校としても有名です。
少人数制のクラスやインターンシップや実習を豊富に含むカリキュラムで留学生にも人気の大学です。芸術、心理学、社会科学、数学、教育、健康、ビジネス、言語・マスコミ、工学、経営などの分野で数多くのプログラムを提供しています。
ここではワイカト大学に興味がある人のために、大学の特徴や学部、学費、入学条件などをご紹介します。ぜひ参考にしてください!
ワイカト大学の基本情報
設立年 | 1964年 |
形態 | 国立 |
難易度 | ★★★☆☆ |
合格率 | 60-70% |
学生数 About Us: University of Waikato | 13,000人 |
留学生数 2021 Annual Report of the University of Waikato | 約1,727人(約21%) |
人気の学部 | 会計・財務 教育 英語と文学 コミュニケーション・メディア研究 地理学 ホスピタリティ&レジャー マネージメント 法学 哲学 社会学 |
学費例(年間) 費用検索はこちら International tuition costs: University of Waikato | 学部 NZ$35,420(心理学) NZ$32,725(コミュニケーション) 修士課程 NZ$34,190(カウンセリング) NZ$38,915(環境計画) |
場所
ワイカト大学のキャンパスはニュージーランド第4の都市ハミルトンと、第5の都市タウランガにあります。
ハミルトンは街を流れるワイカト川を中心に美しい自然にあふれる学園都市です。ここにワイカト大学の広大なメインキャンパスがあります。
ハミルトンはラグビーやボートといったスポーツが盛んな街。そのため、ラグビー留学生にとっての注目都市でもあります。
もう一つの拠点、タウランガは海がまぶしく美しい街です。海を眺めながら芝生に寝転んで勉強したり昼寝をしたり、また、ウォーターフロントのおしゃれなパブやカフェで友だちとおしゃべりしたり…海と緑が身近でリラックスできる街です。
ハミルトンの街
ワイカト大学の卒業生
ワイカト大学は、政治・スポーツ・実業界などさまざまな分野で活躍するリーダーや受賞者を輩出しています。
▼著名な卒業生の例
- ジャシンダ・アーダーン(第40代ニュージーランド首相)
- デイヴィッド・デリック・シクア(第9代ソロモン諸島首相)
- ウェイン・スミス(元オールブラックス監督)
- ヴィットリア・ショート(ASB銀行ニュージーランドCEO)
- ダン・アマン(米国クルーズ社CEO、元ジェネラルモーターズ社社長)
- ロブ・ワデル(ボート競技オリンピック金メダリスト、アメリカズカップ・ヨット選手)
- サンティアゴ・カニョン・バレンシア(チェリスト)
- エイドリアン・オア(ニュージーランド中央銀行RBNZ総裁)
- ジェリー・マテパライ(元ニュージーランド総督、元国防軍最高司令官)
- ジュディ・マクレガー(ニュージーランド初の雇用機会均等委員会委員)
- アーサー・グライムズ(元ニュージーランド中央銀行総裁)
- ステファニー・ミルロイ(マオリ土地裁判所判事、元ワイタンギ裁判所副議長)
- クレイグ・コックスヘッド(マオリランドコート判事、ニウエ最高裁判事)
History: University of Waikato
「陸上生態系の教育/研究」ランキングで世界4位
ワイカト大学は陸上生態系に関する教育や研究の成果において世界4位の評価を受けています(THE Impact Rankings 2022: life on land)
また、平和と正義に関する教育や研究成果を測る「Impact Rankings 2022: peace, justice and strong institutions」でも世界44位の評価を得ています。
気候変動に特化したプログラム
ワイカト大学では2022年に気候変動に特化した学士号プログラムを開講しました。気候変動は複雑でグローバルな問題で、ビジネスや生活のあり方を根本的に考え直していく必要があります。専門家の需要が高まっており、従来の教科の枠を超えた知識を身につけることができる将来有望な学位のひとつです。
Bachelor of Climate Change: University of Waikato
ワイカト大学の学部
アート Te Kura Toi, School of Arts | ▼言語、文学、文化 外国語+文化(中国語、日本語、スペイン語、フランス語) 言語学 英語 ライティング ▼パフォーミングアーツ ダンス 音楽 シアター ▼メディア・デザイン・コミュニケーション スクリーン&メディア研究 |
法学 Te Piringa, Faculty of Law | 法学 (LLB) |
心理学 Te Kura Whatu Oho Mauri, School of Psychology | 心理学 |
社会学 Te Kura Aronui, School of Social Sciences | 人類学 地理学 国際関係論・安全保障論 社会政策学 環境計画学 地理情報システム 哲学・倫理学 社会福祉学 ジェンダー・セクシュアリティ研究 歴史学 政治学・公共政策 社会学 |
健康 Te Huataki Waiora, School of Health | 健康学 スポーツ・ヒューマンパフォーマンス 看護学 |
工学 School of Engineering | 土木工学 化学・生物工学 電気・電子工学 環境工学 材料・プロセス工学 機械工学 メカトロニクス工学 ソフトウェア工学 |
計算・数理科学 School of Computing & Mathematical Sciences | コンピュータサイエンス ソフトウェア工学 コミュニケーションデザイン デザイン インダストリアルデザイン インターフェイスデザイン メディアデザイン データ解析 数学 統計学 |
サイエンス School of Science | 動物行動学 応用物理学 水産養殖 行動分析学 生物化学 生物科学 化学 気候変動 沿岸プロセス 地球科学 生態学・生物多様性 エレクトロニクス 環境科学 地質学 水文学 材料・加工 材料科学 分子・細胞生物学 物理学 心理学 科学 土壌科学 |
教育学 Te Kura Toi Tangata, School of Education | 成人教育 児童・ジュニア文学 気候変動 カウンセリング カウンセリング研究 デジタル学習 教育 教育と社会 教育リーダーシップ 人間発達科学研究科 言語・リテラシー教育 科学・技術・環境教育 STEM教育 教育(幼児期) 教育(マオリ) 教育(初等教育) 教育(中等教育) |
経営 Waikato Management School | 会計 アグリビジネス ビジネスアナリティクス デジタルビジネス 経済学 ファイナンス 人材管理 国際経営 リーダーシップ コミュニケーション マネジメントとサステイナビリティ マーケティング プロジェクトマネジメント パブリックリレーションズ 戦略的マネジメント サプライチェーンマネジメント ツーリズム&ホスピタリティマネジメント ツーリズムマネジメント |
マオリ・先住民研究学 Te Pua Wānanga ki te Ao – Faculty of Māori and Indigenous Studies | マオリ・先住民研究 開発学 マオリ語 ワイタンギ条約研究 太平洋・先住民研究 |
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ワイカト大学の難易度
University of Waikato, Hamilton, New Zealand (July 2016)
日本とニュージーランドの大学制度の違いと偏差値
ニュージーランドと日本の大学入試制度は少し異なります。日本では試験による偏差値方式ですが、ニュージーランドでは書類選考がメインです。
また、義務教育制度が異なっていることから、日本の高校を卒業した学生は一部をのぞいて大学入学前に「大学準備コース(ファウンデーションコース)」を受講します。ファウンデーションコースを修了することで大学への正式な入学資格が得られます。
詳しくは「ニュージーランドの大学は難しいの?偏差値やランキング、大学進学方法や受験システムを徹底解説! 」を参考にしてください。
ワイカト大学のランキング
QS世界大学ランキング | 331位 |
THE世界大学ランキング | 401–500位 |
QS大学ランキング(NZ国内) | 6位 |
THE大学ランキング(NZ国内) | 6位 |
合格率
ワイカト大学の合格率は公式には発表されていませんが、60%から70%と想定されています。きちんと入学準備をして必要な手続きを踏むことで、合格の可能性は十分にあります。
ワイカト大学に留学するには?
日本とニュージーランドでは教育制度が異なります。そのため、日本の高校からニュージーランドの大学へ行くには、日本の高校卒業→ファウンデーションコース(約1年)→ニュージーランドの大学1年に入学(大学は3年間)、というルートが一般的です。
ここではまず、一般的なルートであるファウンデーションコースから解説していきます。
ファウンデーションコース
ニュージーランドではたくさんのファウンデーションコースが開講されています。どのファウンデーションコースからでもニュージーランドのすべての大学への進学資格が得られます。
ワイカト大学でも9か月のコースと5か月の速習コースの2つのファウンデーションコースを開講しています。
両コースの共通科目と、様々な志望関連科目を選択して受講します。修了証を取得すると学部課程へ進学できます。
9か月のファウンデーションコース(Standard) | 入学にはIELTS 5.5 (ライティングで5.5、他全バンド5.0以上)、またはTOEFL iBT 46(ライティングで14)、あるいはDuolingo90のいずれかが必要です。高校2年次修了と3科目で評定平均3以上の成績が必要です。 |
5か月の速習(accelerated)ファウンデーションコース | 入学にはIELTS 5.5 (ライティングで5.5、他全バンド5.0以上)、またはTOEFL iBT 46(ライティングで18)、あるいはDuolingo90のいずれかが必要です。高校2年次修了と3科目で評定平均4以上の成績が必要です。 |
ワイカト大学へ直接入学する場合
IBディプロマを持っている人や以下のいずれかの条件を満たしている人は、ファウンデーションコースを経ずにワイカト大学に直接出願できます。
- 高校卒業資格と平均B以上の成績
- 大学1年次修了、または二年制大学卒業
- 以上を満たしたうえで下記いずれかの英語力証明を提出できること
IELTS | 6.0(全バンド5.5以上) ティーチング・教育学は7.0(全バンド7.0以上) 法学は6.5(全バンド6.0以上) 社会福祉は6.5(全バンド6.5以上) |
TOEFL iBT | 80(ライティング21以上) 法学は90(ライティング21以上) 社会福祉は85(ライティング22以上) |
PTE Academic | 50(communicative skills42以上) 法学は58(communicative skills50以上) |
付属英語学校 (University of Waikato College) | レベル7修了+Certificate of Attainment in Academic English (CAAE) programmeでB以上修了 法学はレベル8修了+Certificate of Attainment in Academic English (CAAE) programmeでB以上修了 |
インターナショナルディプロマ
1年間のオンラインプログラム「インターナショナルディプロマ(International Diplomas)」を経て進学する方法もあります。このプログラムを修了すると、ワイカト大学の2年次に編入することができます。
コースはビジネスとコンピュータサイエンスの2つがあります。1年間は日本で勉強でき、ニュージーランドでの大学留学期間は2年間となるため、留学費用を全体として大きく抑え、卒業までの時間を短縮することができます。
インターナショナルイヤーワン
インターナショナルイヤーワンという1年間のプログラムを経て進学する方法もあります。インターナショナルイヤーワンを修了すると、ワイカト大学の2年次に編入できます。インターナショナルイヤーワン+大学2年間のトータル3年間で卒業できます。
参考:University of Waikato International Year One – NCUK
大学院課程
大学院では次のような学位プログラムが開講されています。
- Graduate certificate (6か月)
- Graduate diploma (1年)
- Postgraduate Diploma(1年)
- 修士号(1.5~2年。論文+コースワーク、またはコースワークのみから選択)
- 修士号(論文、研究、創作活動中心)
ここでは例としてコースワークの修士号の入学要件についてご紹介します。各プログラムによって入学要件が異なりますので「Postgraduate entry requirements: University of Waikato」からチェックしてみてください。
例:修士号(Masters Degree)の入学要件
- 学士号と平均B/B+以上の成績
- 下記のいずれかの英語力スコア
IELTS | 6.5(各バンドで6.0以上) ※ティーチング&ラーニング修士号(Master of Teaching and Learning)志望者は7.0(全バンド7.0以上) |
TOEFL iBT | 90(ライティングで21以上) |
PTE Academic | 58(communicative skillsで50以上) |
付属英語学校 (University of Waikato College) | レベル8修了+ Certificate of Attainment in Academic (CAAE) programmeでB判定以上 |
英語力や成績に不安がある人で次のコースを志望している人は、付属の「Pre-Masters Diploma」を経て進学する方法もあります。ぜひチェックしてみてください。
- 応用ファイナンス
- ビジネス・マネジメント
- デジタルビジネス
- 情報技術
- 法律学
- 専門会計学
- サプライチェーンマネージメント
- 看護学
ワイカト大学英語コース
ワイカト大学には付属のカレッジ「ユニバーシティ・オブ・ワイカト・カレッジ(University of Waikato College)」があり、そこでは英語コースを開講しています。
大学進学を目指している人はもちろん、英語を学びたい一般の学生を対象とした一般英語コースを開講しています。
短期間(3週間)から受講できますので、休暇を利用した短期留学や大学での英語コースに興味がある人はチェックしてみてください。
ワイカト大学への留学を実現しよう!
ワイカト大学は留学生にも人気のあるニュージーランドの国立大学です。総学生数13,000人というアットホームな環境のなか、少人数制クラスと豊富なインターンシップ実習などで充実した留学生活を送ることができます。
ラグビーをはじめスポーツや自然に恵まれた地域で、落ち着いた大学生活を希望している人にピッタリです。気候変動に関する学位プログラムにも注目です。
英語力や成績に不安がある人でも、ファウンデーションコースやプレ・マスターズコースなどの準備コースから一歩一歩成績を積み上げていけば、合格率が大きく高まります。
ワイカト大学への留学に関心がある人はこの記事を参考にして、ぜひ実現してくださいね!
(留学プレス編集部)