音楽留学中に舞台経験を積もう!イタリアで探すコンサート出演のチャンス~>金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)

イタリア音楽留学生の多くが直面する問題の一つに、出演のチャンスになかなか恵まれないという点があります。本番の舞台を踏むことは良いプロモーションにもなりますし、日々の練習やレッスンだけでは得られない発見がたくさんあります。「小さいコンサートでもいいからできる限り本番の数をこなしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

イタリアでのコンサート出演は、意外と簡単に実現できます。集客のノルマも存在しません。その代りギャラが少ないことも多いのですが、勉強の一環として大いに役立ちます。

出演を重ねることで観客へのアピールの仕方が身についたり、それに伴って自信がつき過度な緊張はしなくなったり、大事なオーディションのリハーサル代わりになったりと、メリットがたくさんあります。

今回はそんなチャンスを探している音楽留学生へ向けて、イタリアでコンサートに出演するためにできることをご紹介します。

▼イタリア、コマッキオ

オペラ・サークル

イタリアの各都市には、オペラ愛好家たちが集うサークルがあります。通称チルコロ・リリコ(Circolo Lirico)と呼ばれるこのサークルでは、定期的にコンサートが催されます。週に一度のペースでコンサートを企画しているところも多いため、多数の出演者が必要になります。

公にオーディションなどは行われていない場合が多いのですが、履歴書をもって自ら売り込みに行き、「一度演奏を聴いてほしい」と交渉すれば、高い確率でオーディションしてもらえます。ある程度の実績と実力が備わっていれば、学生でもプロと同等の条件でコンサートに出演することが可能です。

社会センター等

イタリア語でチェントロ・ソチャーレ(Centro Sociale)と呼ばれる社会センターにもチャンスがあります。これらの場所では、クラシック音楽のコンサートに限らず、定期的に様々なイベントが催されています。

まずは月間スケジュールなどを貰いに行って、どのようなイベントがどのくらいの頻度で行われているのかリサーチしましょう。わずかでも音楽関係のイベントが組み込まれていればチャンスです。イベント企画担当の人と直接話すことができれば、出演交渉をしましょう。

自主開催

イタリアでクラシック音楽のコンサートを自主開催することは、あまり難しいことではありません。教会や芸術作品の展示スペース、語学コースなどをやっているカルチャーセンター、老人ホームなど、様々な場所で不定期にクラシック音楽のコンサートが開かれています。

必要なメンバーさえ揃っていれば、それぞれの施設の責任者にお願いしてそのようなスペースを借り、コンサートを自主開催することができます。

このようなコンサートの場合、入場は無料のケースがほとんどです。そのため、決まったギャラはもらえませんが、会場入り口付近に小さなカゴなどを設置し「Offerta Libera」と書いた紙を添えておけば、観客は自由意志で好きな額のお金を入れてくれます。教会などでは会場を借りるのに料金が発生することはないので、このカゴに入った分のお金がギャラになります。

▼イタリア、フェッラーラ

日本でプロとしての実績がある人でも、留学生としてイタリアへ渡るとどうしても「学生」として扱われてしまいます。留学先のクラスの発表会や学校のイベントに出演するだけでは、物足りなく感じることでしょう。

出演依頼が舞い込むのを待っているだけではなく、自ら積極的に動いてたくさんの有意義な経験を積めば、きっとより良い留学生活になるはずです。

文:金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)
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