海外での長期滞在は、一生に一度あるかないかの大きな決断!
せっかくの海外生活を充実させるだけでなく、できれば一生の仕事や未来のキャリアにつなげていきたいという人も多いことでしょう。
だからこそ、
「留学とワーキングホリデー、どんな違いがあるの?」
「どっちのほうが語学力が上がるの?」
「将来の仕事につながるのはどっち?」
「費用はどのくらいかかるの?」
…などなど、疑問や不安は尽きないものです。
この記事では、留学とワーホリの違いがひとめでわかるように様々な比較と実例を解説します。
なかでも留学やワーホリをただの経験で終わらせたくない人、将来の仕事につなげたいと思っている人にとっては後悔のない選択をしたいところ。
現地からのインタビューも交えて、リアルなお話をご紹介していきます。
ぜひ最後まで読んで、留学選びの参考にしてくださいね!
留学とワーホリの違い
留学とワーキングホリデーの違いをひとことで言い表すなら
・留学=「学校に在籍して将来のために学ぶ」ことを主目的にした方法
・ワーキングホリデー=「国際交流やアルバイトなどを含む幅広い体験」を主目的にした方法
というのがポイントです!
▼留学とワーキングホリデーの違い早見表
留学 | ワーキングホリデー | |
英語力アップ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
将来への役立度 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
ビザ | 学生ビザ(長期) ビザなし(短期) | ワーキングホリデービザ |
期間 | 1週間から数年 | 1年~最長3年 ※国によって異なる |
国 | 基本的にどこでも可 | ワーキングホリデー協定を締結している国(32か国) |
年齢 | 何歳でも | 18歳~30歳 ※アイスランドは26歳、シンガポールは25歳まで |
予算 | 期間、国、教育機関により50万円から1000万以上までさまざま ※国によって現地でアルバイト可 | 100万円~300万円 ※現地でアルバイト可 |
内容 | 学校に在籍。 一定以上の出席率が必要。 学校によっては学位・資格取得やインターンシップなども含まれ、修了後は将来のキャリアなどにもつながっていく。 | 期間内は基本的に自由。アルバイト、旅、通学などが主流。 ※国によって労働時間や通学期間などの制限あり。 例) カナダ=半年間語学学校に通学可能 ドイツ=制限なく学校に通え、就労時間上限もなし |
その後の進路 | ・学士/修士/MBAなど、さらに高い学位や専門分野を習得 ・日本で英語を使う仕事や外資系企業に就職 └例:コンサルティング、貿易事務、FinTechなど | ・日本で以前の職場に復帰 ・これまでと異なる業界や業種に挑戦 ・他の国のワーホリ |
ワーホリの特徴とメリット
ワーキングホリデーの一番のメリットは、なんといっても「自由」なこと!
渡航国を鉄道やバスで一周したり、その過程でアルバイトをしてお小遣いを稼ぐこともできます。
定められた範囲で学校に通うこともできれば、ダイビングのライセンスを取得したりバリスタの資格を得たり、シェフの経験を積んだり…と、やってみたかったことにどんどんチャレンジできます。
現地でどんなアルバイトに就けるかは、行った地域の求人状況によって異なります。しかし何よりもともとの語学力、そして日本でのキャリアと深く関係があります。
ここではカナダを例に、語学力や職歴と現地での採用事情をご紹介します!
ケース➀難易度高め(正社員)
英語レベル | ビジネスレベル (TOEIC目安:800点以上) 日常会話に加え、英語の専門用語が分かる |
学歴 | 4年大学卒業以上* |
職務経験 | 応募先の業界・業種で2~3年以上* *エントリーレベルの場合、高卒以上や職務経験1年から応募できるケースもあり。 |
ケース➁難易度中程度(ローカルの飲食店やショップ)
英語レベル | 英語4技能をまんべんなく使いこなせる。 |
学歴 | 高卒以上 |
職務経験 | 1年以上の経験。未経験OKの仕事もあり。 |
ケース➂難易度低め(日本食レストランや日系のショップ)
英語レベル | 日常会話会話に困らないレベル* *英語での日常会話が難しいと接客ではなく裏方系の業務に回されることも。 |
学歴 | 高卒以上 |
職務経験 | 未経験者OKもあり。 アルバイトの経験があると良し |
留学の特徴とメリット
まずはざっと、留学のメリットを一覧で見てみましょう!
留学のメリット一覧表 |
・資格や学位が取れる ・将来の仕事につながる ・高い語学力がつく ・履歴書に学校名や学位を書ける ・海外就職への道が開ける ・留学生向けの就職イベントに参加し、大手/有望企業との面接につなげられる |
留学は学位や資格が取れる
留学(とりわけカレッジや専門学校、大学などで学ぶ場合)の一番のメリットは資格や学位を取得できることです。さらには勉強した分野に限らず、将来の仕事につなげるための実力や高い語学力を身につけられることです。
履歴書に書ける
学校名や学位を履歴書に明記でき、応募先企業にひとめでアピールすることができます。現地に残って海外就職につなげる人もいます。
留学生対象の就職イベントで内定のチャンスも!
学校が主催するジョブフェアで人事担当者にコンタクトできるだけでなく、「ボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)」に代表されるようなマンモス級の海外留学生向けジョブイベントにエントリーすることも可能!
ジョブイベントに出展している日系/外資系企業の採用担当者は将来有望な留学生採用に積極的で、その場で面接を受け、即内定を得る留学生も少なくありません。
留学から就職に繋げたボスキャリの実例について、経験者の黒澤さん(ボスキャリ→就職→現在カナダのカレッジに転職)に教えてもらいました!
海外の短大と大学に進学して、ボスキャリで就職活動にチャレンジしました。結果的にはイベント開催期間の3日間で内定をいただいて就職活動を成功させることができました。(もちろん事前に入念な準備が必要です!)
日本語以外の言語力はもちろん、海外で得たユニークな経験や視点、そして留学生のサバイバル力を欲しがる企業がたくさんいます。留学経験を活かして、日本に帰国しなくてもできる就職活動の一つです。
語学留学とワーホリ、どっちがいい?
「語学力を伸ばしたい!」という人の場合、語学留学とワーキングホリデーで迷っている人も多いですよね。
いずれの方法も現地でどのような暮らし方をするかによる個人差はあります。
ここでは目安として、オーストラリアに1年間の語学留学と1年間のワーキングホリデーをした場合を例に比較してみましょう。!」
(カナダやニュージーランドなどの英語圏の国も類似点が多くありますのでぜひ参考にしてみてください!)
語学留学 | ワーホリ | |
費用 | 290~400万円 ※週20時間までならアルバイト可能 | 280~350万円 ※現地でのアルバイト、通学、旅のおこづかい状況により上下します。 |
語学力 | 初中級からスタートした人なら中級・中上級レベルへ 中級からスタートした人なら上級レベルへ (専門科目を選択したり、カレッジ入学、資格取得、インターンシップなども可能に) | 過ごし方により異なります。 英語を多用するアルバイト先や日本人以外の人とのルームシェアなどを通じて会話力を上げていくことも可能です。 |
向いている人 | ・専門の講師について効率よく学びたい ・英語試験や専門科目もとりたい ・クラスメートを通じて友人関係を広げたい | ・何にも縛られず自分の予定で動きたい ・学校に通うか通わないかは自分で決めたい ・定住せずいろんな場所に移動したい ・友だちは自力で作れる |
カレッジ/大学留学とワーホリ、どっちがいい?
「海外での経験を将来の仕事に活かしたい!」と考えている人の場合は、語学留学よりもカレッジや大学への留学が有望な選択肢になります。語学力以外の専門分野でスキルアップできるし、資格や学位も手に入り、履歴書にも書けます。
特にワーホリの人気国カナダでは、最近カレッジ留学とワーホリとで悩む人が増えているんだそう。
「カレッジ留学なんてハードルが高いのでは…?」
「ワーホリだけだと仕事につながらないの?」
などの心配や疑問がある人のために、先ほどボスキャリのお話をしてくれた黒澤さんにお話を聞いてみました!
カナダのカレッジで多くの日本人留学生の進路相談にのっている黒澤さんによると、目標が「体験」なのか「キャリア」なのかで選択肢を賢く選ぶことが大切なんだとか。
カレッジとワーホリ、どっちを選ぶかで悩んでいる人って多いんですか?
とおーーっても、多いですよ!
特に、海外経験をその先のキャリアに活かしたい人ほど、悩んでいるみたいですね。
最近あった具体的な相談を教えてもらえますか?
日本で社会人経験があり、今後は新しい業界にチャレンジしたいという方から相談がありました。
キャリアチェンジの希望ですね!
そうです、そうです!
実は私も最初はワーホリでカナダに来た経験者です。
その実体験から考えても、ワーホリでキャリアチェンジを実現するのは正直難しい面があります。
これまでの実績がないと難しい、ということですか?
はい。
英語力のレベルにもよりますが、ワーホリの場合は日本での職歴をカナダでの仕事に活かしたい人のほうが可能性があります。
まったく畑違いの分野となると…(汗)
雇用するカナダ人からしたら、未経験の外国人は採用しづらいというわけですか…
そうなんですよ。
なので、この相談者さんはキャリアチェンジが一番のゴールだったので、ワーホリではなくカレッジ留学を選びました。
特にカナダでは、カナダ政府規定の学校を卒業すると「ポスグラ」と呼ばれる就労ビザを申請できて、卒業後3年間カナダで働けるというメリットもあるんです。(※注1)
海外就職につながっていくってことですか?
そうです。
ポスグラの場合、オープンワークパーミットと言って業界や業種関係なく働くことができます(※注2)。
正社員でもアルバイトでもいいんですよ。
ワーホリよりもビザの有効期間が長いため仕事探しに少し余裕を持てますね。
3年間カナダで働いたあとは現地就職してそのまま残ってもいいし、カナダでの職歴を武器にして日本での転職に活かしてもいいということですね。
そうです。そもそもカナダ留学生はワーホリじゃなく学生ビザであっても、政府規定の条件を満たしてさえいれば在学中からアルバイトできるんですよ。
留学と並行してアルバイトができるんですね!
はい。
カナダの最低時給は州によって違うのですが、バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州で$16.75、トロントがあるオンタリオ州で$15.50です。(※2023年8月時点)
日本の時給とくらべるとずっと高いんですね。
留学生は学期中は週に20時間まで働くことができますよ。
なので、たとえばブリティッシュコロンビア州なら月に約$1,340、オンタリオ州なら$1,240程度の収入を得ることができます。
留学費用や生活費の補助になるんです。
アルバイトを通じて、英語力も伸びそうですよね。
アルバイト先の同僚やお客さんは英語話者が多いため、アルバイト先で英語力を伸ばすことができます。
日本人が多いアルバイトで日本語を使っていたら英語力は伸びません!
アルバイトも重要な職務経験の一つととらえたほうがいいと思います。特にポスグラでカナダでの就職先を見つけるのであれば、職務経験はかなり大事!
ただ収入を得るためだけのアルバイトとは考えず、目指すキャリアに必要なスキルや間接的な経験を得られるバイトができると良いですね。
一方で、ワーホリを選ぶのはどんな方々ですか?
最近相談があったのは社会人の方なんですが、学生時代に留学に行きたかったけど断念しあらためて海外で語学力を伸ばしたいという方でした。
この方は、メインの目的が海外生活の体験だったので、結局ワーホリを選びました。
カレッジ留学とワーホリを選ぶうえで、大事にしたほうがいいことってなんですか?
なんの目的で海外に行くのかをしっかり見極めておくことだと思います。ワーホリでも日常会話力を上げることはできますし、積極性や自立心を養うことはできます。
一方で将来の仕事につなげたいと思うのであれば、意思疎通が問題なくできるくらいの英語レベルは必須。
ワーホリや短期の語学留学だと、みなさんが想像している英語レベルにはなかなか到達しづらいのが現状です。
(※注1)カナダ政府が指定する条件を満たしていない場合はポスグラの期間が短くなる、あるいは取得できない可能性があります。
(※注2)正規な会社や業種である範囲内。水商売水商売、暴力団や営業免許を持っていない会社などでは働けません。
今後/将来、役に立つのはどっち?
この記事ではここまで、留学とワーホリで迷っている人に向けて、いろんな比較や実例をご紹介してきました。
どの方法を選ぶかは、重要な選択。なかでも一番キモとなるのは、自分の目的に合うかどうか。そんな面が見えてきたのではないでしょうか。
日常会話力や海外生活経験を積むことがメインの目的なら、自由度の高いワーホリで思う存分羽を伸ばしてみる。
一方で、英語を使う仕事や外資系のキャリアを目指す場合は、高い英語力とコミュニケーション力が求められます。日常会話以上の英語力を鍛えられるカレッジや大学留学のほうが適しています。
自分の将来につながる大切な選択になります。ぜひこの記事を参考にして、有意義な留学を実現してくださいね!
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