100カ国旅した僕がフィジーに移住した8つの理由 ~永崎 裕麻(在フィジー語学学校マネージャー)

「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」なるものがあります。毎年、英誌エコノミストの調査部門(Economist Intelligence Unit)が発表しています。2012年版では、僕の故郷である大阪が世界12位(=アジア1位)と大健闘しました。

『住みやすい国ランキングの「主観版」を作りたい』これが世界一周をした理由の一つです。オセアニア、中南米、北米、中東、アフリカ、ヨーロッパ、アジア・・・。転々と旅を続けるうちに、僕が住んでみたいと思う国の条件(要素)が徐々に明確になっていきました。まとめると、以下の8つです。
 

1.国民の陽気さ

フィジー移住
Photo by yuma nagasaki
  
人は環境の影響をすごく受けます。写真は、フィジーのビーチにて。ポジティブな人に囲まれてると自分もポジティブになりやすいし、逆もしかり。
 
町で人とすれ違う時、目と目が合ったら、お互いが笑顔になる。こんな単純なことですが、すがすがしいって感じます。
 
僕が大阪出身というのもあるかもしれませんが、笑いの絶えない明るい空気感の中で生活していたい欲望がDNAに刻まれています。
 

2.治安の良さ

フィジー移住
Photo by yuma nagasaki

日本の治安は世界トップクラス。だから、日本人は危険に対する探知能力が低い。警戒心も緩い。平和ボケしてるってバカにされながら、世界中で犯罪のターゲットになっています。
 
一般的に危険とされる地域(中南米やアフリカなど)を旅する時は、かなりの神経を使います。町を歩く時、常に周囲に目を配り、頻繁に背後を振り返ります。夜の外出はさらに神経を尖らせる必要があります。
 
エクアドルで突然、発砲音が鳴り響いた時は、近くのインターネットカフェに避難して、そこで3時間軟禁状態になりました。コスタリカと南アフリカでは現地の若者らに、モロッコではタクシードライバーらに絡まれました。
 
※写真は、ハンガリーでデモに巻き込まれた時のもの。なぜかデモの先頭に立ってしまい、機動隊と対峙しています・・・。
 
治安が良い地域だと、そういうストレスがかなり軽減されます。日本から他国に拠点を移す場合、治安は確実に劣化してしまいますが、その落差をなるべく小さくしたいものです。
 

3.温暖な気候

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Photo by yuma nagasaki
 
僕は「夏」が好きです。メンタルがポジティブになります。外出したくなったり、友達らと一緒に騒ぎたくなったり、気分が開放的になったりします。
 
夏は着ているものが、Tシャツ、短パン、サンダルなので、露出が多い。だから、人と人との間の「物理的な障害」が少なく、人との距離が詰めやすく感じます。
 
夏になったら「アバンチュール」って言葉が飛び交うのも、そのせいかもしれません。
 
※写真は、カナダのヌーディスト・ビーチです。
 
逆に、冬が苦手です。寒い日の朝、布団から出るのがかなり億劫になり、頑張って布団を出た後も行動意欲が小さくなります。実際、風邪やインフルエンザなどの病気にもなりやすいので、行動が制限されます。
 
なので、世界一周中はできるだけ夏の環境にいられるように、北半球が冬のときは南半球を旅して、南半球が冬のときは北半球を旅することを心がけていました。
 
昔、大橋巨泉さんが11月から4月中旬までをオーストラリアとニュージーランドで、4月中旬から5月末頃までを桜咲く日本で、6月から9月中旬までをカナダのバンクーバーで、そして9月中旬から10月末頃までを紅葉の日本で過ごす、という「ひまわり生活」しているのを知り、「この人、天才やん!」って思いました。
 

4.英語通用度の高さ

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Photo by yuma nagasaki
 
当たり前ですが、言葉が通じないより、通じたほうが楽しめます。スペイン語圏の中南米だと、英語はほぼ通用しません。陽気なラテン系の人たちが、楽しそうにいろいろ話しかけてくれますが、その内容はまったくわかりません。
 
すごく申し訳ない気持ちになりますし、もったいない気持ちにもなります。だから、旅の途中、スペイン語学校で2か月ほど勉強してみました。
 
その甲斐あって、だいぶ意思疎通が取れるようにはなりました。が、中高と勉強してきた英語と比べると、コミュニケーションのレベルは低かったです。
 
韓国に行った時は韓国語の学校に通い、中国に行った時は中国語の学校に通ってみましたが、やはり同じことが言えます。
 
※写真は、韓国語学校のクラスメートたちです。
 
英語はやはり便利です。新しい言語を学ぶよりも、英語がそもそも通用する国で英語を磨いていきたいと思いました。
 

5.物価の安さ

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Photo by yuma nagasaki
 
僕はかなりの不精者です。なるべく面倒なことはしたくありません。食費が安い国だと、外食率を上げて、自炊率を下げられます。なので、食材の買い出しや料理、後片付けをする手間を減らせます。
 
交通費が安い国だと、タクシーを迷わず使えるので、バス停や駅まで行く必要がないし、目的地までのルートを調べる必要もありません。
 
人件費の安い国だと、掃除や洗濯などの家事を家政婦さんに任せちゃうこともできます。物価の安い国だと、「立地が良くて広い家に住む」「毎日足つぼマッサージを受ける」「休日は旅行に行って、日本では絶対泊まれないような高級ホテルに泊まる」などの贅沢も味わえます。
 
※写真は、フィジーの五つ星ホテル(インターコンチネンタル)のビーチ・スパです。
 

6.日本人移住者がある程度いること

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Photo by yuma nagasaki
 
旅中、いろんな日本人と知り合り、助け合い、励まし合ってきました。同じ文化圏の同胞とは、共感し合える部分が多いので、無条件に楽しい時間を過ごしやすい。
 
※写真は、エチオピアを一緒に縦断した仲間と。
 
「外国にいる日本人」って、その国ではもちろん「外人」です。マイノリティの外人同士、苦労や不便を感じることも似てます。そこで自然に助け合うようになり、結束も強くなっていきます。
 
日本人がある程度住んでいるエリアでは、日本人を対象にした店(日本食レストラン、日本食材店、美容院、旅行・不動産関連の店など)があったり、日本人向けのフリーペーパーが発行されていたり、「日本人会」「xx県人会」などのコミュニティがあったりします。すると、日本人向けの雇用が生まれたり、いろいろ便利なことが多いんです。
 

7.海が近くにあること

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僕は海が好きです。海を見てボケーっとしてるだけで、癒され、力がみなぎってきます。脳が勝手に作った制約に縛られている自分に気づいたり、「もっともっと自分は自由になれる」って教えてくれます。
 
世界一周の決断も、国外移住の決断も、海を眺めている時にしました。そんなパワーの源泉的な海が僕の近くにあるってことは、レッドブルを家の冷蔵庫満杯に常に保冷しているようなもの。いつでもエネルギーを補充できる安心感があります。
 

8.自分の常識を壊してくれること

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僕は飽き性です。だから、自分の常識を壊してくれるような刺激を常に求めています。
 
※写真は、洪水でもボディー・サーフィンを楽しむフィジー人

ペルーの長距離バス内でのビンゴ大会。景品は「車内で歌う権利」でした。「ビンゴの景品はモノ」という僕の常識が壊れました。
 
アーティストたちが勝手に独立宣言した芸術共和国(ウジュピス共和国)に行ってきました。「国を作ることはできない」という僕の常識が壊れました。
 
僕のしょーもない常識が破壊される瞬間、快感をおぼえます。
 

最後に

これら8つの条件をバランスよく満たしている国が、フィジーでした。フィジーは常夏だし、治安もいい。国民の9割以上が英語を話せるし、物価も安い。
 
国民は底抜けに明るく、日本人も500人ほど居住してる。家から車で一時間も行けば、世界に誇るクリア・ブルーの海もある。
 
借金してまで物乞いに寄付する人がいたり、オレオレ詐欺にわざとひっかかる人がいたり、個室トイレに入ってたら隣の個室から知らない人が話しかけてきたり、僕の常識を日々破壊してくれる。
 
自分版「世界住みやすい国ランキング」の一位はフィジー!ってことで、2007年、フィジーに移住しました。フィジーは、飽き性の僕が8年住んでも飽きていない奥深い国です。
 
海外移住を検討されている皆様は、移住先に自分が何を求めるのかを明確にしてみてもいいかもしれませんね。
 
文:永崎 裕麻(在フィジー語学学校マネージャー)
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【提供元:TABIPPO.NET】
 

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