アメリカの大学に行くには?入試や偏差値の仕組み、大学選びや留学費用を徹底解説!

「アメリカの大学に留学したいけれど、入試はどのように行われるんだろう?」
「自分の学力で合格範囲内の大学はどう判断すればいいんだろう?」

そんな風に思っている人も多いでしょう。

日本の大学受験は一発勝負の試験結果で偏差値を割り出すことができるため、ある程度の合格予測が可能です。

一方、アメリカの大学受験は試験の点数で合否を決めるわけではありません。合否は書類審査によって総合的な判断で決まります。日本の大学受験勉強や一発試験が苦手な人にとっては、むしろアメリカの大学受験は有利に働く場合が多くあります。

最初に知っておきたいのが、アメリカの大学受験で合格を手に入れる方法はひとつではないことです。自分に向いている方法で合格を目指すのが、アメリカ大学進学のキモです。日本の高偏差値大学に手が届かない人でも、アメリカの有名な州立大学を卒業することもじゅうぶん可能です。

この記事では、アメリカの大学受験の仕組みと合格までのステップをお伝えします。合わせて、志望大学をどうやって選んだらいいのか、留学費用についても、お届けしていきます。

ぜひ参考にして、志望大学への合格を手に入れてください!

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アメリカの大学受験に向いている人とは?

高校の成績が良い人

アメリカの大学受験で重視されるのが最終学歴(高校)での成績です。高校での成績が80%以上を修めている人であれば、多くの有名私立・州立大学の出願基準を満たします。足りない英語力を語学学校などで伸ばして、積極的に志望大学へ願書を出しましょう。

高校の成績が平均値の人

高校での成績が平均60%-70%くらいの人や科目によって成績にばらつきがある人の場合、次の2つの方法があります。

  1. 中堅レベルの私立/州立大学に出願する
  2. 二年制大学へ入学して2年間で成績を上げ、より高いレベルの州立大学3年次に編入する

①の方法から他の大学3年次へ編入することもできます。

アメリカでは大学間の転校・編入は日本とくらべてずっと自由です。編入システムをどんどん使って、トップ大学への合格を手に入れましょう。

高校での成績が低めの人

これまでの成績が悪かったとしても、二年制大学での二年間で挽回すれば、四年制大学への編入ができます。まず二年制大学へ入学して二年間で成績を上げ、州立大学の3年次へ編入する方法がおすすめです。何回でもやり直しがきくアメリカの良さをぜひ活用してください。

アメリカの大学受験の仕組みと対策

アメリカの大学入試合格への勉強計画

アメリカ大学の出願書類

アメリカの大学の選考方法は、一発試験ではなく書類提出です。出願者は次の書類を用意して提出し、大学はその中身で審査します。

どの大学でも必要な書類
・最終学歴の成績証明書(GPA)
・最終学歴の卒業(見込み)証明書
・英語力スコア
・銀行残高証明書
大学、または特定の学部によって求められる書類
・エッセイ(小論文)
・推薦状
・作品(芸術系学部など)
・面接(一部の医学系学部など)
・SATまたはACT
・GRE、GMAT、LSAT、MCATなど(大学院課程)

このうち、最終学歴の卒業証明書や銀行の残高証明書は合否の判定基準というよりは、最低ラインをクリアしていればよいと考えてください。一部の大学では出身高校の難易度を考慮に入れることがありますが、これは自力でどうにかできることではありません。できる対策にしっかり時間をとっていきましょう。

もっとも重視されるのはGPA

大学の入学審査官の多くが、もっとも重視しているのはGPAだと語っています。つまり、一発勝負で良い点を取れるかどうかより、常に勤勉に学んできた結果のほうを重視しているわけです。

アメリカでの大学進学を目指すなら、高校ではできるだけ総合的に良い成績をとっておくのが大切です。美術や音楽、体育といった受験と関わりがない科目も平均値として計算されます。

なかには、志望の専攻と関係の深い科目でとりわけ高い成績を修めていることを求める大学もあります。たとえば理系専攻を志望しているなら、数学や科学ではできるだけ高い成績を修めておくのがおすすめです。

自分のGPAを割り出したい場合はWES(World Education Services)の計算ツールを使ってみてください。WESでは留学生の出身国の成績をアメリカ方式に換算してくれます。

なお、大学はそれぞれ独自の換算方法を用いて計算するため、必ずしもWESの結果が出願大学側が計算したGPAと一致するとは限りません。しかし、最近ではWESに評価を一任している大学も増えてきていますので、もっとも目安としやすいGPAが得られるはずです。

英語力スコアは足切りライン

英語力スコアは大学側が求める最低基準点を上回っていれば出願資格があります。

英語力スコアはアメリカ大学入試においてはGPAほど大きな比重は占めません。しかし、きわめて高いスコアを持っている人に大きなアドバンテージを与える大学もなかにはあります。また、足切りラインとなったときに、参考にされるケースもあります。

TOEFL(r)もIELTSも、受験すればするほどコツをつかんでいけますし対策も立てられます。受験料も安くありませんし、長時間の試験で疲れるのは確かです。それでも、アメリカ大学入試を決めたら、懲りずに何回でも受験していきましょう。

エッセイで勝負

もしあまり成績がふるわなかった人でも今から自力で努力できることのひとつがエッセイ(小論文)です。もし志望大学にエッセイが課されているのなら、ここで挽回をはかりましょう。

エッセイは「Statement of Purpose」と呼ばれ、その大学への希望動機を述べるものが一般的です。

どんなに熱い想いを持っていたとしても、情熱とやる気だけではエッセイは低評価となります。定型的な書き方構造がありますので、しっかりと専門家に指導をしてもらいながら作成することを強くおすすめします。自己満足で書くことは避けてください。

「英会話学校の先生や英語ネイティブの友人にみてもらったから大丈夫」という人がときどきいますが、これは失敗につながる典型例です。英語を母国語をする人であっても、大学進学のプロではない人に良いエッセイ指導はできません。

実際に、GPAが低かったのに素晴らしいエッセイによって合格を勝ち取った例はいくらでもあります。これまでの成績に自信がない人ほど、エッセイ提出が必要な大学を選ぶといいでしょう。

成績も英語力もない!でも編入ルートでチャンスをつかめる

「高校の成績がふるわず、英語力もなかなか上がらない」そんな人は2年制大学から4年制大学への編入というルートを使いましょう。

このルートではまず、2年制大学(コミュニティカレッジ)にまず入学し、2年間授業を受けます。ほとんどのコミュニティカレッジは4年制大学よりも英語力基準もGPA基準も低めに設定されています。著しく高校の成績が悪いケースを除き、英語力スコアさえクリアすればほぼ100%入学できます。

2年制大学でできるだけ良い成績を獲得していきます。そして、その成績を4年制大学に出願、3年次に入学(編入)します。

この方法は州立大学を目指す人に特に有効です。なかでも、州立大学と同じ州内のコミュニティカレッジは密接な関係にあり、留学生だけでなく米国学生も編入をうまく活用して名門の4年制州立大学への合格を勝ち取っています。

志望の州立大学で希望する専攻に合わせて、コミュニティカレッジでの履修科目も決めるのがポイントです。編入目的でコミュニティカレッジに入学する人は、最初に編入担当カウンセラーに履修科目と取るべき成績目安をしっかり指導してもらいましょう。

カリフォルニア州内の大学への編入に強いオレンジコーストカレッジの記事を留学生が紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

英語力だけが足りないなら「条件付き入学」

成績をはじめ入学要件をすべてクリアしているけれど、英語力だけが足りないという人には「条件付き入学」という方法があります。

条件付き入学制度では英語力以外のすべての出願書類を提出して審査をしてもらい、まず仮合格をもらいます。英語力が足りるまでは入学は保留され、英語力が上がった時点で正式な入学が許可されるという仕組みです。

条件付き入学で合格をもらった人は多くの場合、大学が指定する英語学校で語学授業を受講することを求められます。その語学学校で上級レベルのクラス(または大学が指定するレベルのクラス)に到達し修了すれば、TOEFL(r)やIELTSスコアの代わりとして認められます。

トップのエリート校ではこの制度は採用していませんが、それ以外の多くの大学が条件付き入学を取り入れています。英語力以外の成績は基準をクリアしているという人は、ぜひ活用してください。

条件付き入学とは?英語力が足りない留学生でも大学の合格をもらえる内定制度を活用しよう!」という記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

大学の偏差値ってどう判断するの?

アメリカの大学

点数による足切り方式ではないアメリカには偏差値制度がありません。そんなアメリカで偏差値の代わりに大学のレベル指標とするのが次の項目です。

  • 大学ランキング
  • 合格者の平均成績情報
  • 競争倍率(合格率)
  • 英語力基準
  • 合格者のSAT/ACTテストスコア情報

大学ランキング

難易度の目安として最初に見たいのが大学ランキングです。主な大学ランキングには次のものがあります。

世界ランキングアメリカ国内ランキング
Times Higher Education(THE)
Quacquarelli Symonds(QS)
U.S. News Best Colleges

また、留学生としては実際に大学に通っている学生や卒業生の意見が気になるものです。世界大学ランキングに全米学生調査の結果をプラスしたランキングを次の記事でわかりやすくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

最終学歴の成績(GPA)

トップ大学の多くは公式サイトで最低どのくらいのGPAが必要か、合格者の平均GPAはどのくらいかを公表しています。公表していない大学であれば、NICHEなどの大学紹介サイトで合格者のGPA目安を見ることができます。

自分の成績と照らし合わせれば合格圏内かどうかを知ることができます。

競争倍率(合格率)

難関大学の多くは公式サイトで合格率を公表しています。公表されていない場合は、NICHEなどでも見ることができます。

ただし、倍率だけで必ずしも臆する必要はありません。

合格率は学部によって異なります。また、通常公表されている合格率は米国内の学生と合わせた数字となっています。米国学生と留学生とは同じ合格率ではありません。留学生のほうが難しい場合もあれば、易しい場合もあります。

あくまでも目安としてとどめ、一喜一憂することなく自分にできる対策をしていきましょう。

英語力

アメリカの大学に留学生が出願する際は、英語力の証明が必要です。大学入学後に授業をしっかり理解できるかどうか、授業でよいパフォーマンスが発揮できるかどうかを見るためのものですが、一般的に難関大学になればなるほど高いスコアが要求されます。

SAT/ACTなどの共通テスト

SATとACTはアメリカの高校生(大学進学を希望する人すべて)が受験する共通テストの一種です。

大学進学の能力を測る標準テストで、アメリカ人学生が大学を受験する際はSATもしくはACTのスコアを提出します。そのため、合格者の平均SATやACTスコアを見れば、その大学の難易度が見えてきます。

大学の公式サイトやNICHEなどを見れば合格者の最多スコア範囲が分かりますので参考にしてみましょう。

なお、留学生にSATやACTスコア提出を義務付けている大学はほんの一部で、ほとんどの大学では提出不要です。あくまでも、難易度を見る目安として考えておけばいいでしょう。

アメリカの大学、志望校はどうやって選ぶ?

いざアメリカの大学に留学しようと思っても、あまりにも数が多くて困ってしまうという方もいるでしょう。

ここでは、出願大学を選ぶためのノウハウをご紹介していきます。

専攻で選ぶ

世界有数の大学数を誇るアメリカ。学部や専攻の数もバラエティ豊かです。

途中で専攻を変えるのも可能なので、途中で興味の方向が変わったとしても大丈夫です。

人気の学部はたくさんありますが、その一例をご紹介しますね。

心理学、サイエンス、医療、建築、国際関係、開発、航空宇宙工学、環境、ジェンダー学、スポーツ学、ジャーナリズム、ビジネス、演劇、ファッション、アート、デザイン、医学、法律、政治行政、経済学、メディア学、コミュニケーション学、老年学、etc.

また「いまは何を勉強したいか決まっていない」という人にはリベラルアーツという学部があります。リベラルアーツでは高く幅広い教養を持つ人を育成し、総合的にスキルの高い人材を生み出すのがゴール。アメリカではこのリベラルアーツという考え方をとても重要視しています。

リベラルアーツや専攻・副専攻、授業の進め方などについて「アメリカ大学の仕組みとは?日本の大学との違いや授業のとり方、何年で卒業できるかなど教育システムを詳しく解説!」のページで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

また、特に人気の高い学部について詳しくご紹介した記事もあります。「学部・専攻で選ぶ」から参考にしてくださいね。

やりたいことで選ぶ

・チアリーダーのメンバーになりたい
・水泳チームに入って五輪を目指したい
・学生起業したい
・ディベート技術を磨きたい

こんな風に、アメリカの大学でやってみたいことがある人もたくさんいるでしょう。

アメリカにはいろんな特色を持つ大学があります。たとえば、フロリダ州立大学には本格的な「学生サーカス」があり、卒業後はサーカスやエンターテインメントの世界へ進む人がたくさん入学します。

インディアナ大学にはアメリカ最大級の劇場「ミュージカル・アート・センター」があって、毎年1,000回以上の公演が行われています。

バスケをやりたい人なら、マイケル・ジョーダンの母校ノースカロライナ大学チャペルヒル校に興味がわくかもしれませんね。

▼日本語で大学ガイドを読めます!

卒業後の仕事で選ぶ

・国連をはじめ国際機関で働きたい
・ファッションジャーナリストになりたい
・政治家になりたい
こんな風に、卒業後に描いているキャリアがある人は、その方面に多くの卒業生を生み出している大学を選んだり、学生時代にインターンシップできる環境がある大学を選ぶのがおすすめです。

たとえば、政治の世界を目指す人ならジョージワシントン大学は国務長官や議員を多数輩出している大学で場所もワシントンDCにあり、インターンで関われる可能性もあります。ホテル業界を目指している人なら、ヒューストン大学のようにキャンパス内にヒルトンホテルを持っていて学生が勤務している環境も魅力的かもしれませんね。

▼日本語で大学ガイドを読めます!

生活スタイルで選ぶ

・小規模でアットホームな大学がいい
・サーフィンができるところがいい
・大好きなMLBチームの本拠地がいい

せっかくアメリカ留学するのなら、生活も満喫しなければ!

国土面積が広大なアメリカは西海岸・東海岸・中西部・南部…と地域によって気温も文化も発音も大きな差があります。

「寒いのが苦手なのに五大湖周辺に留学してしまい、耐え切れずに転校した」なんて笑えない話も実際にあります。

大学時代は長いです。「住めば都」なんて安易に考えずに、大学がある環境もしっかり調べてから出願するのがおすすめです!

アメリカの大学留学について

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アメリカの大学留学費用について

州立大学と私立大学

近年、学費が高くなっているアメリカ。アメリカの大学での留学生用の平均年間学費は、私立大学では平均約42,000ドル、州立大学では平均24,000ドルとなっています。

これはあくまでも平均です。場所(都市部か郊外か)、ランキング(レベルの高い大学ほど学費が高い傾向)によって異なるので、最終的には大学それぞれの学費をみてから学校選びをしていくことになります。

奨学金

トップランクの大学ほど学費が高くなるという全体の傾向がありますが、一方でトップランクの大学に行くほど奨学金が取りやすいという面もあります。

特に日本の財団などが実施している奨学金制度では、大学指定の場合もあります。また、トップランクの大学の場合は卒業生のキャリアも高く、寄付金が集まりやすいため、大学が実施する奨学金プログラムも充実しているケースがあります。

一度に全額払うわけではない

確かにアメリカの大学学費は他国と比較すると高い傾向にあります。しかし、一度にまとめて支払うわけではありません。

授業料は学期ごとの支払いができますし、生活費については一か月ごとに日本から送金を受け取るのが一般的です。

また、留学生に限らず、アメリカの大学生はよく勉強します。日本と比較しても、さほど遊びに行ったり外食をする機会は多くありません。特に郊外や田舎の大学では遊ぶ場所も少なく、月々にかかる交遊費は日本の大学生よりも控えめになる傾向にあります。

全米平均よりも安い大学や奨学金情報

アメリカの大学の学費や奨学金については「【アメリカの大学】学費のことがゼロからわかる!留学4年間の総費用、高い理由と節約テクニックを解説」で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

また、全米平均よりも学費が安めに設定されている大学を「学費が安めのアメリカ大学、穴場27校を厳選!一覧と各校の特徴をご紹介」でご紹介していますので、興味がある人は見てみてください。

アメリカの大学に行くには情報集中と自分にあった計画がポイント!

アメリカの大学入試は一発テストではなく書類審査です。高校の成績が重視されますが、もしあまりふるわなかった人でも編入ルートを使えば再度チャンスが生まれます。

英語力は留学生にとって必ずクリアすべき課題です。これも一朝一夕に伸びるわけではないので、必要な人は条件付き入学制度も活用して合格を勝ち取っていきましょう。

アメリカの4年制大学は2500校以上あります。個性もさまざまです。偏差値のように数字で単純化したスケールはわかりやすいと言えばわかりやすいですが、アメリカの大学ではそれ以外の要素も大学選択の基準にしていくのがおすすめです。

留学費用も大事なポイント。やりたい内容とかかる費用の両面が実現可能な大学を見つけられれば、心配なく学業に専念できます。

ぜひ自分に合う大学を見つけて、充実の大学生活を送ってください。

(留学プレス編集部)

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