教育の質が高く、世界各国から学生が集まるカナダ。多様性を重んじていて、留学生の受け入れ体制も充実しています。
そんなカナダに特有の学校が「カレッジ」です。カナダの教育制度では高校までが義務教育ですが、高校を卒業すると一般的に四年制大学か二年制のカレッジへ進学する人に分かれます。
カレッジは留学先としても多くの魅力を持っています。リーズナブルな学費や入学しやすい選考条件、幅広い専攻、卒業後のキャリアなど、知っておきたいメリットがたくさんあります。
ここではカナダのカレッジについて、詳しくお伝えしていきます!特に、カナダの四年制大学を卒業したい学生の方、仕事につながる留学をしたい社会人の方などは、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!
カナダのカレッジは二年制
カナダのカレッジ期間は基本的に2年間です。とはいえ、その中身はとても柔軟。
半年から1年でとれる短期の資格コースを行っていたり、逆に大学卒業資格の学士号がとれる3年以上のコースを開講しているカレッジもあります。
また、カレッジの多くは公立(州立)ですが、私立の学校もあります。
カナダのカレッジの役割
カナダのカレッジには、主に次の2つの役割があります。
・四年制大学の3年次に編入できる「編入プログラム」
・二年間で実践的な職業スキルを身につける「職業プログラム」
それぞれを解説していきましょう!
四年制大学への編入
カナダでは高校卒業後に四年制大学に1年次から進学する人もいますが、カレッジで2年間勉強をしてから3年次に編入するスタイルもポピュラーです。
四年制大学への編入をしたい学生のために、カナダのカレッジには編入を目指すための専門カリキュラムがあります。
たとえば、志望する四年制大学のコンピュータサイエンス学部が最終目標だとしたら、その大学への編入実績が高いカレッジで理系編入プログラムの1-2年次を受講します。
そこで一定以上の単位と成績をおさめれば大学3年次に編入できますので、3-4年次を受講して卒業します。
編入プログラムを経由すると学費面でも入学難易度の面でも有利なメリットがあるんですよ!詳しくはページ後半でもご紹介しますね。
仕事に直結する実践教育
カレッジのもうひとつの役割は「職業訓練」です。いろんな職業に対応した多彩な専攻があり、そして実践的なカリキュラムを持っているのが特徴です。
カナダのカレッジでは卒業後すぐに即戦力として活躍できる人材を生み出しています。そのため、カリキュラムにはインターンシップや実習が豊富に含まれています。
カナダには「コープ(Coop)」という有給インターンシップ制度があります。この制度、授業の一貫として働く経験をしながら報酬も得られるという画期的なシステム!
カレッジの多くはコープ制度を取り入れているため、留学生にとっては実践経験を積みながら留学費用を補足できるというメリットもあります。
専門学校とは違うの?
カナダのカレッジは日本や諸外国の専門学校と少し似ています。また、カナダにもカレッジとは別に専門学校もあります。
カレッジと専門学校の違いは、その専攻の多彩さです。カレッジでは社会に必要なあらゆる職業に対応したさまざまな資格取得コースを行っています。
地元企業とのつながりが密接なのも特徴のひとつです。第一線で活躍している現場の人たちが講師として呼ばれたり、企業内で実習する機会や就職の機会も豊富です。
カナダのカレッジのメリット
入学条件が低め
カナダのカレッジの入学選考は、テストではなく書類選考で行われます。留学生の場合は卒業した(またはこれから卒業する予定)の高校の成績と、英語力で判断されます。
四年制大学とくらべると、カレッジの入学条件はかなり有利です。
四年制大学 | カレッジ | |
英語力 | TOEFL ibt90以上 トップランクの名門では100以上というところも。 | TOEFL iBT 80以上 |
高校の成績 | かなり重視。 GPA3.0-3.5以上を求めるところも。 | さほど重視していません。 提出はしてもらうけれど、ほとんど気にしていないというカレッジも。 |
カナダの四年制大学では高校での成績がかなり重視されます。そのため、高校時代の成績が全般的に良い人であれば問題ないのですが、誰もがいい成績をとってきたわけではないはず!
たとえば、特定の科目では高い成績をとってきたけれど、苦手科目(あるいは嫌いな科目)には身が入らなかったという人もいます。授業以外のことに熱中してきた人もいるでしょうし、学校にあまり通えなかったという人もいるでしょう。
そんな人に広く門戸を開くのがカレッジです。
学歴や経済状況に関わらず教育のチャンスを広げるのがカナダのカレッジの役割のひとつでもあるのです。
学費が安い
カナダのカレッジの学費は、四年制大学にくらべるとかなり安いです。
公立か私立か、都市部か郊外かによっても異なりますが、カレッジの1年間の学費は約170万円から300万円ほどです。
一方、四年制大学の場合は1年間で最低でも250万円から、高ければ500万円以上かかる場合もあります。
これを2年間で計算すると、少なくとも160万以上の差があることになります。四年制大学に最初から行かずに最初の2年間をカレッジで勉強すれば、かなりの留学費用が節約できることになります。
就職に強い
カナダのカレッジは、卒業後に即戦力となる優秀なキャリアパーソンを生み出すことを目的にしています。
カリキュラムは実践的というだけでなく、国家資格を含むさまざまなライセンス取得コースを行っています。
就職に関するサポートも充実しています。キャリアセンターでは現役で活躍している人たちを招いたワークショップを開いたり、ジョブイベントを開催したりしています。
また、専門のキャリアカウンセラーとの面談や、履歴書作成/面談などのサポートも行っています。
卒業後はカナダで働けるチャンスも
「海外で就職したい!」という人は多いのですが、一番のハードルはビザです。外国人の就労ビザ取得は難しく、せっかく実力があるのにビザが取れずに泣く泣く諦める人も少なくありません。
カナダでも就労ビザ取得は簡単ではありませんが、カレッジを卒業することでその問題を解決することができます。
カナダのカレッジを卒業すると、最長で3年間カナダで働けるビザを申請できます。そのビザのことを「ポストグラデュエートワークパーミット(Post-Graduate Work Permit)」といい、略してポスグラともいいます。
似たような制度がアメリカにもあるのですが、カナダよりも期間が短いうえに、専攻科目と同じ業種/職種への就職ということが決められています。その点、カナダのポスグラは、専攻した学部と関係なく、自由に業界と職種を選んで就職することができます。
ただし、どのカレッジでもポスグラ申請できるわけではありません、カナダ政府からポスグラ申請が可能と認定を受けているカレッジのみとなりますので、カレッジ選びからしっかり調べておくことが大切です。
四年制大学を最短で卒業できる
1~2年次をカレッジで、3~4年次を四年制大学で学ぶ「編入」ルートにはいろんなメリットがありますが、なかでもトータルの留学期間を短くできるのが大きな魅力です。
このページ前半でもご紹介しましたが、四年制大学に入学するにはかなり高い英語力が求められます。最低でもTOEFL iBTで90以上、なかには100以上を求める大学もあります。
この語学力基準をクリアするために、多くの留学生は語学学校に通います。しかし、ハイスコアになればなるほど語学学校で基準点をクリアするのはかなり厳しくなります。英語で英語の授業を受けるのではなく、英語で専門科目の授業を受けていくほうが英語力向上には近道になるからです。
加えて、カレッジのクラスメートたちは留学生だけではありません。ローカルのカナダ人がたくさんいます。語学学校時代と比べて友人たちとの会話も、授業のスピードも、すべてがネイティブレベルになります。英語力の伸びも格段に違ってきます。
それに、カレッジでは単位もどんどんとっていくことができます。四年制大学になかなか入れずにもんもんと語学学校に通い続けるよりも、カレッジで編入のための単位をとっていくほうが、編入への近道となります。
少人数クラスで慣れてから四年制大学に行ける
カナダの四年制大学では、大教室での講義と少人数制のクラスを、そしてさらに一部の大学ではイギリス式のチュートリアル方式(講師や大学院生1人と学生1~3人で深く議論するスタイル)を組み合わせた授業が行われています。
日本の高校での学習環境から、いきなりカナダの四年制大学の授業についていくのが不安という方もいるでしょう。特に200人規模の大教室講義では、自分が理解していようといまいとハイスピードで進んでしまいます。
入学したばかりで友人がまだできていないうちは誰に相談していいかもわからず、留学の最初でつまづいてしまいかねません。
カレッジの多くは比較的少人数のクラスがメインの授業スタイルです。クラス全員に目が行き届く範囲で授業が進み、クラスメートとの距離も近いため、徐々にカナダでの授業スタイルに慣れていくことができます。
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バンクーバーにある人気のカレッジです。カレッジにしては珍しく、奨学金制度もあるのが嬉しいですね。ぜひチェックしてみましょう!
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→カナダカレッジ進学留学→現地就職したい人必見。カナダ公立カレッジ留学ガイド
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プリンスエドワード島にあるホーランドカレッジ(Holland College)についての留学生レポートです。小さな街に留学してみたい人、必見!
カナダのカレッジ・人気の専攻
カレッジには多彩な専攻科目があります。一部をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
美術 アニメーション 演劇 メイクアップアーティスト ゲームアニメーション グラフィックデザイン Eスポーツ エステティシャン スパ療法 ファッションアート ファッションビジネス ファッション研究 フラワーデザイン イラストレーション 音楽制作 作曲 | 放送 メディア制作 イベント・メディア制作 イベントマネージメント ジャーナリズム 映画・テレビ スポーツ、エンターテインメント、イベントマーケティング |
幼児教育 乳幼児のメンタルヘルス 非営利団体 労働安全と予防 老年学 行動心理学 児童発達 移民学 ソーシャル・サービス・ワーカー フィットネス・健康 キネシオロジー 犯罪学 政治 | 経理・財務 資産管理 ブランド・マネジメント ビジネス 保険 国際ビジネス マーケティング ファイナンシャル・プランニング 人事 経営 購買・供給管理 アントレプレナーシップ イノベーション 広告 ホスピタリティ 金融サービス コンプライアンス管理 国際輸送と税関 法務 観光学 サプライチェーン・マネジメント ソーシャルメディア 広報 不動産簿記 |
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多くの魅力を持っているカナダのカレッジ留学。リーズナブルな学費や入学しやすい選考条件、幅広い専攻、海外就職のチャンスにつながることなど留学生にとっては知っておきたい情報をお伝えしました。
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