ニュージーランドと日本、両政府により認定されているラグビーの専門留学プログラムがあるのをご存じでしょうか。
そのプログラムの名前は『ゲームオン イングリッシュ(Game On English)』。ラグビー強豪国ニュージーランドでのラグビー修行を通じて、日本のラグビー選手の強化と国際スポーツ人材の育成を目指したプログラムです。このプログラムは2014年7月7日、安倍総理大臣とニュージーランドのキー元首相によって、政府の公式教育プログラムとして宣言されました。
『ゲームオン イングリッシュ』が行われている5か所の留学地のうち、本記事ではオークランドでの留学模様をお届けします。
▲オークランドで『ゲームオン イングリッシュ』が実施されているのはイーデン・パーク。ニュージーランド最大のスタジアムであり、オールブラックスの国際試合も行なわれます。数々の伝説がこのスタジアムで生まれてきました。
(c) Tourism New Zealand
名コーチをずらりと揃えた指導体制
『ゲームオン イングリッシュ』の最大の魅力は、世界に名だたるスーパーコーチに指導を受けられること。オークランドでは、元オールブラックスのキャプテン、アンディー・ダルトン氏が最高責任者を務めるほか、元オールブラックスのアント・ストローン氏、日本のリコー社元コーチのパウル・フィーニー氏、ヤマハ元コーチのワイサケ・ソトゥトゥ氏などが名を連ねます。
▼元オールブラックスのアント・ストローン氏とラグビー留学中の新潟県・北越高校2年(当時)の粟生田樹宏(あおだ みきひろ)さん。
▼「将来は日本代表としてプレーできる選手になりたい」と話す粟生田樹宏さん。インタビューの模様が「ぜんぜん内向きじゃない日本の若者たち【ニュージーランド編】」に掲載されています。ぜひご覧ください。
強くなるために必要な要素とは?
『ゲームオン イングリッシュ』で学べるのは、ニュージーランドラグビーの強さの根本。次の7つの要素を総合的に学ぶことに大きな意義があると言います。
▼『ゲームオン イングリッシュ』で学ぶ7つの要素
●規律
●戦術
●スキル
●栄養学
●精神的姿勢
●ストレングス&コンディショニング
●ラグビーを楽しむこと
▼『ゲームオン イングリッシュ』の基本は4週間サイクル。これはある2週間のスケジュール例です。ちなみに、冒頭に登場した粟生田さんは、学業との兼ね合いで2週間での参加です。
※スケジュールは一例です。現地の都合や天候、また参加時期や期間により異なる場合があります。
※出典:ゲームオン イングリッシュ パンフレット(JTBニュージーランド)
▼イーデン・パーク内のトレーニング施設。
▼施設の壁には、歴代の選手たちが残したサインがあります。
▼更衣室
▼教室の壁には「Aim High(=高みを目指せ)」の文字が。
▼これも授業のあとでしょうか。「Belief(信念)」「Leadership(リーダーシップ)」「Unity(結束)」「Excellence(卓越)」を列記した図が残されていました。
▼翌日はオークランド・ブルーズ VS ハイランダーズの試合が行われるとのこと。フィールドでは準備練習が行われていました。
なお、このスタジアムでは『ゲームオン イングリッシュ』に参加する日本人留学生ばかりでなく、ニュージーランド国内の学生や他国からのラグビー留学生も受け入れています。ブルーズ VS ハイランダーズの試合準備は、イベントマネジメントの授業の一環として国内の学生たちの手により行われるのだとか。
『ゲームオン イングリッシュ』が育成するのは国際的に認められるスポーツ人材。取材時に日本から参加していたのは男子選手だけでしたが、トレーニング中の女子選手の姿も見られました。
『ゲームオン・イングリッシュ』から新しい日本代表が生まれる日は、そう遠くないのかもしれません。
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取材協力:
ニュージーランド大使館 エデュケーション・ニュージーランド
ニュージーランド航空