今日は、単純にして深いこちらのテーマ「海外生活をなぜすべきなのか」について検証してみたいと思います。
海外生活ができる人、できない人の基準とは?
私は留学関連の仕事をしている身ではありますが、「誰でも海外へ行けばいい!」派ではありません。 判断基準は、下記の公式に自分を当てはめてもらい、「ゼロ」 にならない人かどうか、ということです。「ゼロ」になる人には海外生活の時期を延ばすようアドバイスしたり、時には海外行きを考え直すようお話することもあるほどです。
その公式とは、
「海外へ行きたい!というエモーション」 × 「お金」 x 「時間」 x 「家族の理解」
です。
お気づきでしょうか。上記の公式は、それぞれの項目の「足し算」ではなく、「掛け算」というところがミソです。つまり、「掛け算」のため、それぞれの項目に一つでも「ゼロ」があると、合計は「ゼロ」になってしまい、海外には行かないほうがいい、ということになります。これは私が留学事業に携わるようになってからの24年間に1万人以上の留学生、海外生活経験者を見てきた経験則から導き出したゴールデン法則と言えるでしょう。
海外生活は自分を成長させる絶好の場!
話が逸れましたので戻します。「海外生活をなぜすべきなのか」 でしたね。
それは一言でいえば、
その答えは一言に集約できます。「海外(留学)生活は、時としてあなたの人生を変えてしまうほどの“最強の手段”となるから」です。
根拠は2つあります。
一つ目は、海外生活をすると、思い通りにならない、ままならないことが多いこと。
二つ目は、文化や価値観の違う様々な国々の人達とオフラインで交流でき、世界中に人のネットワークを構築するチャンスが広がるから。
現在、留学を含め海外生活をしている人達は、間違いなく、思い通りにならない、ままならない体験をしているはずです。ここまで読みながら「思い通りにならないなんて不便だな・・・」 と引いてしまう人もいるかもしれませんが、ひとまず最後までお付き合いください。
海外生活では当然、 言葉ばかりでなく、生活習慣、価値観、常識が全く違う世界に飛び込んでいます 。思い通りになるはずがありません。
でも、人が一番成長できる時はどんな時でしょうか?
そうです。思い通りにならない、ままならない体験をしているときではありませんか?つまり、海外生活とは効率よく自分を成長させるものなのです。 人は凄いもので、どんなストレスフルな環境であっても徐々に慣れてきます。つまり、その環境に適応していこうという能力が、おのずと開発されていくのですね。
海外生活をすることによって、環境適応力やストレス対応力、その他実に様々な能力が磨かれる、あるいは開発されることになるのです。
次に、二つ目の根拠「世界中に人のネットワークが広がること」についてです。
海外生活者の多くは、渡航当初の一定期間、現地の語学学校に通います。仮にイギリスのロンドン市内の語学学校に通うとします。そこには、フランス、イタリア、ドイツ、北欧などヨーロッパからの生徒や、ブラジル、アルゼンチンなど南米、中国、韓国、タイなどアジア、サウジアラビアなど中東などさまざまな国々から集まります。(他の国、都市の語学学校でもほぼ同じ状況です)
つまり、ロンドンに滞在するだけでも世界的な人的ネットワークを作るチャンスが広がるのです。海外で作った人脈はたいへん貴重な財産になるでしょう。また、人は人を通じて磨かれますから、様々な価値観の異なる人達と触れ合うことにより、人間的にも大きく成長ができるわけですね。視野も広がるでしょう。
私がこれまでサポートしてきた留学帰国生にヒヤリングしたところ、海外生活中にビジネスパートナーと出会ったり、生涯の親友と呼べる人との出会いがあったり、あるいは、フィアンセとの出会いがあったり、海外生活での出会いを通じ、様々なドラマが生まれ、またその後の人生を変えてしまうほどの「劇的な出会い」を経験している人はたくさんいるのです。
たとえば、ニュージーランドへ留学したラグビー好きの男性は、たまたまお世話になったシェアハウスのオーナーがラグビーで世界的な強豪チームのオールブラックスの有名選手と友人で、その選手を紹介してもらい食事を共にしたり、交流を深めることができたんだとか。これはほんの一例ですが、海外生活中には常識では考えられない「出会い」を経験している人がたくさんいるのです。
そういう意味においても、人的な交流も海外生活の魅力の一つと言えるでしょう。
『出会いを大切にする人は、出会いからも大切にされる。つまり、いい出会いに恵まれる』
これまで多くの留学生を見てきて、これは真実だと思います。
いかがでしょうか?ここに挙げたたった2つの根拠だけでも、海外生活をすべき理由は明らかではないでしょうか。
ご参考までに、海外体験者アンケート調査(有効回答数1583件)によると、回答者の7割以上が「習得できた」と自覚している能力・資質を以下のデータで挙げておきましょう。
【出典】 「海外就業体験が若年者の職業能力開発・キャリア形成に及ぼす影響に関する調査研究」(平成25年度厚生労働省委託 JAOS海外留学協議会調べ)
もし海外へ行けるチャンスがあるのでしたら、是非、チャレンジしてみてください。きっと新しい自分、これまでに気付かなかった自分との出会いや発見があることをあなたにお約束します。
文:本橋幸夫(留学・キャリアコンサルタント)
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