オーストラリアの大学は何年制?日本人留学生の進学対策と編入、偏差値や難易度を解説!

日本とオーストラリアの大学では教育制度が異なります。日本の大学は四年制ですがオーストラリアの大学は三年制です。そのため、日本人留学生がオーストラリアの大学に進学留学するには独自のルートがあります。

また、日本では偏差値で大学の難易度が予測できるところ、オーストラリアでは偏差値というシステム自体がありません。とはいえ、オーストラリアの大学に正規留学したい人にとって、難易度は絶対に知っておきたいものです。自分の学力で合格圏内なのはどの大学なのか、どのくらいの数の大学に出願をしたらいいのか、滑り止めはどこにしたらいいのか、などを決めるのに、偏差値に代わる目安が必要です。

この記事では、オーストラリアの大学に正規留学をしたい人のためにオーストラリアの入試制度と偏差値(難易度)目安について解説します

さらに、オーストラリアの大学で合格を勝ち取りたい人のための入学条件についてもお伝えします。

当日の点数で足切りされてしまう日本の大学入試と違って、オーストラリアの大学入試ルートはひとつではありません。先述した教育制度の違いをうまく利用して入試対策をたてれば、名門大学への合格はじゅうぶん現実的です。

むしろ、日本の項偏差値大学が厳しいと感じている人にとって、オーストラリアの大学入試はチャンスとも言えます。

ぜひ参考にして、志望大学への合格を手に入れてください!

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偏差値の代わりとなる目安

オーストラリアで大学偏差値の代わりの目安となるものは?

日本の大学入試は一発勝負の試験結果で、点数が出ます。その点数を元に偏差値が決められ、ある程度の合格率を割り出すことができます。

一方、オーストラリアの大学入試は試験の点数では合否を決めていません。偏差値の代わりに「大学ランキング」「最終学歴の成績」「競争倍率」「英語力」などが難易度の目安となります。

大学ランキング

まず最初に目安にしたいのが大学ランキングです。特に有名なのがTimes Higher Education(THE)とQuacquarelli Symonds(QS)が毎年発表している「世界大学ランキング」です。

ランキングは大学の研究成果や学生満足度、多様性、施設などさまざまな指標を元に決められています。

参考までに最近の大学ランキング(オーストラリア国内トップ10)をご紹介します。

QS 2022THE 2022
1位オーストラリア国立大学メルボルン大学
2位メルボルン大学オーストラリア国立大学
3位シドニー大学クイーンズランド大学
4位ニューサウスウェールズ大学モナッシュ大学
5位クイーンズランド大学シドニー大学
6位モナッシュ大学ニューサウスウェールズ大学
7位西オーストラリア大学アデレード大学
8位アデレード大学西オーストラリア大学
9位シドニー工科大学シドニー工科大学
10位ウーロンゴン大学キャンベラ大学

TOP校の証「Group of Eight」

オーストラリアの大学で知っておきたいキーワードのひとつが「グループ・オブ・エイト(Group of Eight)」です。

歴史と実績があり、オーストラリアの大学教育を引っ張る名門8大学のことを指します。

▼Group of Eightの大学

  • オーストラリア国立大学
  • シドニー大学
  • ニューサウスウェールズ大学
  • メルボルン大学
  • モナッシュ大学
  • クイーンズランド大学
  • 西オーストラリア大学
  • アデレード大学

Group of Eightの大学はいずれも入学難易度が高い傾向にあります。

最終学歴の成績

最終学歴の成績は、合格率を測る重要な目安です。オーストラリア大学入試でもっとも重視されているのがこの成績といっても過言ではないでしょう。

成績の基準はWeighted Average Mark (WAM) やGrade Point Average(GPA)などが用いられます。大学によってどちらの方法を採用するかが分かれています。

WAMは100点を満点としてパーセンテージで表記する成績評価法です。一方、GPAは日本の成績評価方法に近く、「4段階評価」や「7段階評価」でポイントで表されます。

大学の公式サイトでは、WAMとGPAのどちらを採用しているか、GPAの場合は何段階評価なのか、出願に必要な成績目安はどのくらいかを公表しています。

成績は合否判定の大きな材料のひとつではありますが、仮に高校での成績が極めて低かった場合でも、後述する「編入」等のルートを活用すれば大学への進学はじゅうぶん可能です

この点については一発試験で合否が決まる日本の入試制度と比べると、再チャレンジや挽回ができるのがオーストラリア大学進学の魅力とも言えるでしょう。

英語力

留学生の出願には英語力スコアの提出が必要です。大学が定めるIELTSスコアやTOEFL(r)スコアを調べましょう。DuolingoやPTEといった試験も認めている大学もあります。

本来、英語力スコアは大学の授業についていける最低限の英語力を証明するためのものです。しかし、当然ながらレベルの高い大学になればなるほど学生の論文やディスカッションの質も高く、おのずと高い英語力も必要となります。

そのため、レベルの高い大学では規定の英語力スコアを高く設定する傾向にあります。

倍率(合格率)

合格率も目安のひとつとなる指標です。大学によっては公式サイトで合格率を公表しています。

公表されている合格率は多くの場合、オーストラリア学生も入ったパーセンテージとなっています。

合格率は学部によって異なりますし、むしろ留学生の基本は英語力と成績をしっかり提出することです。合格率の高さや低さに一喜一憂するよりも、成績と英語力に集中して対策を行うことが重要です。

オーストラリアの大学合格に向けた計画のヒント

オーストラリアの大学合格に向けた計画のヒント

何よりも成績にこだわろう

オーストラリアの大学入試でもっとも重要視されるのは成績です。オーストラリアでの大学正規留学を目指すなら、高校で良い成績をとっておくことが大切です。

なかには、志望の専攻と関係の深い科目での成績を重視する大学もあります。たとえば理系学部では数学や科学の成績が重視されるケースもあります。

なお、学部によっては別途、作品提出などが必要になる場合もあります。

英語力は足切りライン

英語力はオーストラリアの大学入試においては成績ほど大きな比重は占めません。しかし、きわめて高いスコアを持っている人に有利な点を与える大学もあります。また、足切りラインとなったときに、参考にされるケースもあります。

オーストラリアの大学入試で最も古くから活用されているIELTSは、受験すればするほどコツをつかんでいけますし対策も立てられます。何度も受験して、良いスコアを目指しましょう。

成績も英語力もない人が合格を勝ち取るには?

成績も英語力もない人が合格を勝ち取るには?

日本人留学生の強み:大学制度の違いを上手に活用しよう

成績や英語力に自信がない人でも、オーストラリアの大学留学であれば挽回のチャンスがあります。その秘密はオーストラリアの大学制度にあります。

オーストラリアの大学は何年制?

日本の大学は4年制ですが、オーストラリアの大学は3年制です。

オーストラリアの高校では日本の大学1~2年にあたる「一般教養課程」までを修了しています。そのため、日本の高校卒業資格では、まだオーストラリアの高校在学中と同じとみなされるのです。

大学入学前の「準備課程」でギャップを埋める

日本の高校卒業生はオーストラリアの大学に出願する前にこのギャップを埋めるための準備課程を履修する必要があります。つまり、高校卒業時に必要なのは大学入学のための成績や英語力ではなく、この準備課程に入学できるだけの成績と英語力があればいいのです。

高校時代に足りなかった成績や英語力を、この準備課程で埋め合わせすることができるというのがオーストラリア大学留学のメリットです。

準備課程の選択肢は主に

  • ファウンデーションコース
  • 公立専門学校TAFE(または私立専門学校)
  • ディプロマコース

の3つがあります。

ファウンデーションコースから合格を狙う

ファウンデーションコースは留学生用にカスタマイズされた大学進学準備課程です。コースは基本的に1年ですが、入学時の英語力や成績によって8か月~15か月まで幅があります。

ファウンデーションコースにはメリットがたくさんあります。

  • 入学難易度が低め
  • 留学生用に作られているので徐々に慣れていける
  • 大学3年と合わせて合計4年で卒業できる
  • 大学付属のファウンデーションコースならその大学進学に有利
  • クラス規模が小さめで留学生に心強い

特に、志望の大学が決まっている人ならば、付属または提携のファウンデーションコースを選ぶのがおすすめです。そのファウンデーションコースでどれくらいの成績をとれば志望大学に合格できるかの基準が明確なので、その成績を目指してファウンデーションコース課程をがんばれば高い確率で志望大学への進学ができるからです。

TAFE(または私立専門学校)から編入

オーストラリアの公立専門学校であるTAFEを経て大学に進学するというルートもあります。TAFEはそれ自体が専門学校なので、大学進学したい人だけでなくTAFE卒業後すぐに仕事をしたい地元学生も多く在籍しています。

学部やコースによって期間は一部異なりますが、高校卒業→TAFEで2年学ぶ→大学2年次へ編入、というのが基本ルートです。

TAFEにはファウンデーションコースと共通したメリットのほか、また違ったメリットもあります。

  • 入学難易度が低め
  • 学費が安め
  • TAFE2年+大学2年の合計4年で卒業できる
  • クラス規模が小さめで安心
  • 学生の9割は地元学生のため英語力が鍛えられる
  • TAFE卒業そのもので国際的に通用する資格が得られる

TAFEについてくわしく知りたい方は「TAFE(テイフ)とは?学費や入学条件を総合解説」の記事も参考にしてください。(なお、一部の私立専門学校もTAFEと同じく大学2年次等への編入ができます。)

成績優秀者や英語力が高い人用のルート

成績優秀者や英語力が高い人用のルート

直接入学できる大学もある

前項で日本とオーストラリアの大学制度の違いを説明し、日本の高校卒業生は直接大学には入学できないと解説しましたが、実は成績優秀者のみ例外があります。

一部の大学ではファウンデーションコースなどの準備課程をスキップして直接出願することを認めている大学もあるのです。

この場合「高校卒業→大学3年間で卒業」となるため、最短期間で卒業することができます。そのぶん日本で進学した人よりも一年早く大学を卒業することができ、一年分の留学費用も浮くというメリットがあります。

ただし、直接入学が可能な大学は限られていること、ランキング上位の大学は直接入学を認めないケースが多いことを念頭に置いておいてください。

また、IBディプロマ(国際バカロレア資格)を持っている人の場合は直接出願することができます。

ディプロマコースを活用する

高校の成績が優秀で英語力が高い人には「ディプロマコース」という選択肢があります。一般教養課程をスキップするような形で、オーストラリアの大学1年次に相当する授業を履修します。修了後は大学2年次に編入できます。

ディプロマコースのメリットは直接入学と同じく大学卒業までが早いという点です。直接入学は最初から現地学生と同じカリキュラムをこなさなければなりませんが、ディプロマコースは留学生が徐々に慣れていけるというメリットもあります。

オーストラリアの一部の大学にのみあるコースなので、志望の大学にディプロマコースがあり、かつ高い成績を持っている人は検討してみてください。

IELTSやTOEFL(r)を免除してもらうには?

IELTSやTOEFL(r)を免除してもらうには?

ここまでにご紹介したどの課程に入るにしても、英語力の証明が必要です。IELTSやTOEFL(r)などを受けてスコアを取得しなければなりませんが、このスコアが免除になる方法があります。

志望しているコースや課程に付属の、または提携の語学学校に通い、そこで一定のクラスまで進級すると、多くの場合スコア提出が免除となるのです。

多くの留学生にとって、日本での学習だけで所定のIELTSスコアをクリアするのは大変なことです。そのため、多かれ少なかれ現地で語学学校に通う選択は一般的となっていますが、志望のコースが決まっているのであれば付属や提携の語学学校がないかどうか情報収集してみることをおすすめします。

しっかり計画してオーストラリアの大学合格を勝ち取ろう!

オーストラリアの大学入試は一発試験ではなく書類審査です。最終学歴の成績が重視されるので、高校はしっかり勉強しておきましょう。

仮に高校での成績があまり振るわなかった人でも、編入やファウンデーションコースでギャップを埋められるケースがありますのでそこで挽回してみてください。

オーストラリアの大学は個性豊かです。偏差値や難易度だけでなく、その歴史、国際性、研究内容、キャンパスの特徴なども検討して志望大学を決めていけば、充実した楽しい留学生活が待っています。

ぜひ自分に合う大学を見つけて、充実の大学生活を送ってください!

(留学プレス編集部)

シドニー大学
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