「サッカーを仕事にしてみたい」
「国際的な立場でサッカーに携わりたい」
そんな方に向けて、ここでは「FIFAで働く」という進路についてご紹介していきます!
FIFA(国際サッカー連盟)は、FIFAワールドカップをはじめとする世界最高峰の大会を運営する国際スポーツ組織。
大会運営のほかに、マーケティングや法務、IT、広報など幅広い職種があります。
世界中から多様な人材を採用しているFIFA。実際にFIFAで働くためにはどのような学歴やスキルが必要なのでしょうか?
この記事では、FIFAで働くための代表的なルートとして知られる「FIFAマスター」についてお伝えするとともに、FIFAマスター以外の就職ルートについてもわかりやすく紹介します。
どのような方法があるのか、そして何を身に付ければいいのか、一緒に見ていきましょう!
FIFAにはどんな仕事があるの?
FIFAには大会運営やマーケティング、法務、ITなど、さまざまな専門職のスタッフがいて、世界中のサッカーを支えています。
FIFAの働き方には、大きく分けて「フルタイムポジション(正規職員)」と「コントラクトポジション(契約・プロジェクトベース)」があります。長期的に組織の中核として働くキャリアと、特定の大会やプロジェクトに関わる専門職的な仕事が機能し合って、世界最大級のスポーツ組織が成り立っています。
スポーツマネジメント・大会運営
FIFAワールドカップや各年代別世界大会、女子ワールドカップなどの企画・運営に携わります。大会スケジュールの調整、開催国との連携、競技運営、スポンサー対応など、プロジェクトマネジメント能力が求められます。
マーケティング・スポンサーシップ
FIFAのスポンサー企業との契約や広告・プロモーション戦略を担当します。世界的なブランドと協力しながら、大会の価値を高める仕事です。
メディア・広報・デジタルコンテンツ
試合映像やSNS、公式ウェブサイト、プレスリリースなどを通じて、世界中のファンへ情報を発信します。デジタルマーケティングやSNSが欠かせない昨今、重要な役割をになっています。
法務・ガバナンス
FIFAでは各国協会との契約、選手移籍に関する規則、知的財産権、コンプライアンスなど、多くの法務業務があります。スポーツ法を専門とする人材も活躍しています。
財務・経営管理
大会運営には莫大な資金が動くため、予算管理や会計、監査などを担当する専門職も欠かせません。経営学や会計学に優れたスキルを持つ人材が中心となって活躍しています。
IT・データ分析
近年のFIFAでは、デジタル技術の活用が急速に進んでいます。大会システムの開発・運用、サイバーセキュリティ、データ分析など、IT分野の専門家の需要も高まっています。
大規模大会ではシステム構築や分析支援などを外部専門家が担ったり共同で担当するケースも多くなっています。
人事・教育・サステナビリティ
職員の採用や人材育成に加え、多様性の推進や環境・社会課題への取り組みを担当する部門もあります。FIFAはスポーツを通じた社会貢献にも力を入れており、サステナビリティ分野の専門家も活躍しています。

必要なのは「サッカー経験」とは限らない
このようにFIFAでは、サッカー経験の有無よりも、自身の専門分野で高い知識やスキルを持っていることも大切です。
求人情報に記載されている応募条件には、各ポジションに見合うような背景や学位(経営学、スポーツマネジメント、法学、国際関係学、マーケティング、IT、コミュニケーションなど)が記載されています。
「サッカーが好き」という気持ちに加えて、自分の専門性を磨くことが、FIFAで働くための第一歩になると言えるでしょう。
FIFAで働くには?王道ルート「FIFAマスター」
FIFAで働きたい人がぜひ知っておきたいのが、スポーツビジネス分野で世界で最も知られている教育プログラムのひとつ「FIFA Master(FIFAマスター)」です。
これは、CIES(スポーツ研究国際センター)と複数の大学が共同で運営する国際大学院プログラム。
スポーツマネジメント分野におけるトップレベルの人材育成コースとして知られています。
このプログラムからFIFAやUEFA、IOC(国際オリンピック委員会)などの国際スポーツ組織へ就職する人が多数生まれています。なかでも、5割以上の人がサッカー業界に従事しています。
元日本代表キャプテンで日本サッカー協会会長の宮本恒靖さん、元なでしこジャパンで日本女子プロサッカーリーグ理事の大滝麻未さん、元韓国代表キャプテンでアジアサッカー連盟プロサッカー委員会委員長のパク・チソンさんなどがFIFAマスターを修了しています。
FIFAで働きたい人にとってFIFAマスターは代表的な進学ルートのひとつとして検討したいプログラムと言えます。
FIFAマスターのカリキュラムとは?
FIFAマスターは、イギリス・イタリア・スイスの3カ国を巡りながらスポーツビジネスを学ぶ1年間のプログラムです。
以下の3つの大学が共同で実施しています。
- デ・モントフォート大学(イギリス:スポーツ社会学・人文学)
- SDAボッコーニ・スクール・オブ・マネジメント(イタリア:スポーツマネジメント)
- ヌーシャテル大学(スイス:スポーツ法)
スポーツを多角的に、かつ横断的に学ぶカリキュラムになっていて、座学だけでなく国際スポーツ機関や業界関係者とのネットワーク構築も重視。実務に直結した内容が特徴です。
FIFAマスターは「FIFAで働くための必須ルート」なの?
結論から言うと、FIFAマスターは必須というわけではありません。通常の大学・大学院を経てキャリアを積んだ人や、スポーツ業界以外から転職してきた人もたくさんいます。
とはいえ、FIFAマスターはスポーツビジネスに特化した高度な専門教育。国際機関やスポーツ団体への強いネットワークがあり、卒業生のコネクションも豊富なことから、非常に強力なルートのひとつとされています。
FIFAマスターに入学する条件
FIFAマスターには世界中から志望者が出願しており、競争率も高めです。学歴だけでなく、英語力や国際性、将来のキャリアビジョンなどが総合的に評価されます。
以下が、FIFAマスターが公式に発表している出願条件です。
- 四年制大学卒業(分野問わず)
- 英語力:TOEFL iBT 100点以上、またはIELTS 7.0点以上(あるいは同等の英語力を証明できること)
- 職務経歴(社会人経験)があること
- 国際的な視野(マインドセット)を持っていること
- スポーツへの積極的な関わりや関心を示せること(単に競技者・ファンとしてだけでなく、スポーツの運営やマネジメントにおいて)
- 成功への強い意欲と決意を持っていること
- 柔軟性があり、プログラムの困難な課題にも対応できること
- 幅広い一般教養と文化的リテラシーを持っていること
- グループで協働できること(グループワークは本プログラムの中核をなす重要な要素)
- 任意提出:GMATまたはGREのスコア
FIFAマスターの費用
年間費用
FIFAマスターの年間学費は25,000スイスフラン(2026年度)です。
この費用には授業料、教材費、各国内で実施される様々な現地視察(フィールドワーク)の費用が含まれています。
この学費とは別に、生活費、食費、現地での交通費などのために、少なくとも別途20,000スイスフランを見込んでおく必要があります。
奨学金
FIFAマスタープログラムでは優秀な成績、または経済的に必要と判断されるケースを考慮して、複数の奨学金制度を実施しています。
| フル・スカラシップ(2枠) | 受講料と生活費の両方をカバー。すべての志願者が応募可能。 |
| 受講料のみ(4枠) | すべての志願者が応募可能。 |
| FIFA/CIES国際大学ネットワーク・フルスカラシップ(2枠) | 過去に「FIFA/CIESスポーツマネジメント国際プログラム」のいずれかを修了した志願者のみが対象 |
より多くの志願者を支援できるよう、奨学金が分割して授与される場合もあります。そのため、FIFAマスターではフル・スカラシップを受給できる可能性は低いということを公言しています。
これらの奨学金制度には毎年多くの申請があります。そのため、日本政府や財団が実施している奨学金制度もあわせて検討し、複数の奨学金にチャレンジすることも大切です。
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FIFAマスターの難易度
FIFAマスターは、スポーツマネジメント分野では世界トップクラスの大学院プログラム。毎年世界中から多くの応募者が集まり、入学のハードルは決して低くありません。
しかし、合否は学歴や英語力だけで決まるわけではありません。「将来どのような形でスポーツ界に貢献したいのか」という明確なビジョンが重視されています。
さまざまな地域・ジャンルから応募がある
FIFAマスターには毎年さまざまな国・地域から応募があります。また、スポーツマネジメントだけでなく、経営学、法学、国際関係学、ジャーナリズムなど、多様な専門分野を学んできた学生が集まります。
スポーツ団体や企業で実務経験を積んだ社会人も多く応募します。
少人数教育だからこそ選考は厳しい
FIFAマスターは一人ひとりに対して質の高い教育が行き渡るよう、少人数制を徹底しています。
その点も、倍率の高さの要因になっていますが、だからこそ入学できれば、大きく成長できるカリキュラムと教授陣やクラスメートとの強い絆ができていきます。
英語力だけでは合格できない
授業はすべて英語で行われるため英語力は不可欠。しかし、それ以上に重要なのは語学力よりもその中身です。
「なぜFIFAマスターで学びたいのか」
「卒業後にどのようなキャリアを目指しているのか」
こういった自分のなかのビジョンや熱意を、出願書類を通して論理的に伝えられることが大切です。
日本人でも十分に挑戦できる
日本人の修了生もこれまでに誕生しています。
代表的な卒業生として、先ほど宮本恒靖さんや大滝麻未さんなど一流のサッカー選手という経歴を持つ方々をご紹介しましたが、スポーツ業界での経験がないと合格できないわけではありません。
リーガエスパニョーラの現地取材やTV制作に携わってきた辻翔子さんや、一般のビジネスパーソン枠からFIFAマスターに挑戦した阿地波槙さんなどもFIFAマスターの修了生です。
世界中に広がる人脈が魅力
FIFAマスターを卒業することの大きな財産が、その卒業生ネットワーク。唯一無二の大きな武器になります。
宮本さんもインタビューで語っていますが、国際会議や他国のサッカー協会・スポーツ組織との仕事の際、相手方にFIFAマスターの同窓生がいると、ビジネスや交渉が非常にスムーズに進むそうです。
FIFAマスターを卒業することで、世界のスポーツ界と日本を繋ぐ重要な外交官としての役割を果たすことになるのです。
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FIFAマスター以外のルートは?
FIFAで活躍している人すべてがFIFAマスター修了生というわけではありません。さまざまな大学や大学院で専門知識を身につけ、スポーツ業界だけでなく多様な業界で経験を積んでから、FIFAでのキャリアに就いている人も数多くいます。
ここでは、FIFAマスター以外の代表的な進学ルートをご紹介します!
海外大学でスポーツマネジメントを学ぶ
スポーツマネジメントとは、大会運営やスポーツマーケティング、スポンサーシップ、スポーツファイナンス、スポーツビジネスなどを体系的に学ぶ学部です。
ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアにはスポーツビジネスに強い大学が数多くあり、インターンシップやスポーツ団体との連携プログラムが充実している点も魅力です。
率直に言って、FIFAマスターを目指すよりも、海外大学や大学院でスポーツマネジメント学部に進むほうがずっと間口が広いのが現状です。
スポーツマネジメント(Sports Management)やスポーツビジネス(Sports Business)といった専攻は、スポーツ業界での組織運営やマーケティング、イベント企画、ファイナンス管理など、多岐にわたるスキルを学べる学問です[…]
海外大学や大学院で専門性を高める
海外の大学や大学院で経営学や人材管理、会計学、法律、マーケティングなどを学ぶ方法もあります。
イギリスのリバプール大学のようにサッカー業界に特化したMBA(経営学修士)を持つ大学や、スペインのレアル・マドリード大学院のようにクラブが直接運営する大学院もあります。
そのほか、教育やダイバーシティ、医療や健康科学なども重要な領域です。
\リバプール大学や海外大学について知りたい!/
企業で経験を積む
FIFAでは即戦力となる専門人材を採用するケースも多いため、企業や団体での実務経験を持っていると有利と言えます。スポーツマーケティング会社やイベント運営会社、スポーツテクノロジー企業などでの実績も有力なキャリアルートです。
スポーツイベントの企画・運営やスポンサーシップ、デジタルマーケティングなどの実務経験も、選考にプラスになる可能性があります。
ほかにも、たとえばFIFAスタッフの滞在先を確保する責任者ポジションでは「大学卒業資格+ホスピタリティ業界経験」が、AIイノベーション職では「大学卒業資格+AI関連経歴3年以上」といった具合に、高い専門性とその分野でのキャリアが問われます。
各国サッカー協会やプロクラブでキャリアを築く
各国・地域のサッカー協会やプロクラブで経験を積み、その後FIFAへステップアップするケースもあります。
大会運営や競技普及、マーケティング、国際業務など、FIFAと共通する業務を経験することで、国際スポーツ組織へのキャリアにつながる可能性があります。
自分に合ったルートを選ぶことが大切!
FIFAで働く方法は一つではありません。FIFAでは各種大会の開催地などに合わせた求人も多いため、常にFIFAの求人情報をチェックし続けることが重要です。
FIFAへの道は、一人ひとり異なります。
英語力や論理的思考力、プレゼンテーション力といったスキルに、あなたの情熱と意志を掛け合わせること。
そこに高い専門分野が加わることで、いざ求人が出たときにすぐに応募できる態勢が整います。
まずは、あなたの強みを活かせる専門分野を見つけていきましょう。あなたの適性や目標への最適なルート、留学の専門家たちが一緒にプランニングします。
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