なぜ映画業界を目指す人はチャップマン大学を選ぶのか?ハリウッドにつながる実践教育と留学情報 

「ハリウッドで働きたい!」
「いつか自分の映画を世界に届けたい!」
「映画業界に進みたい!」

そんな目標を持つ人たちが世界中から集まっているのが、「ドッジ・カレッジ(Dodge College of Film and Media Arts)」。カリフォルニア州にあるチャップマン大学(Chapman University)の映画学部にあたります。

映画業界誌『The Hollywood Reporter』の映画学校ランキングでは5年連続全米4位。

映画制作をはじめ、脚本、プロデュース、アニメーション&VFXなどを学べるほか、第一線の映画人から直接学ぶ機会や、ハリウッドと密接な関係を持つ実践教育でも知られています。

なぜ映画を目指す人たちはチャップマン大学を選ぶのでしょうか?

この記事では、ドッジ・カレッジならではの学び、そして映画業界とのつながりから、コース、入学難易度、日本からの出願方法、学費・奨学金まで紹介します。

「映画を仕事に」を夢で終わらせたくない!そんな方はぜひ最後までお読みください。

目次

なぜ映画を学ぶならチャップマン大学なの? 

アメリカには映画学で有名な大学がいくつかあります。たとえば南カリフォルニア大学(USC)やUCLA、ニューヨーク大学(NYU)などを思い浮かべる人も多いかもしれません。

そのなかで、映画・テレビ業界から高い評価を集めているのが、映画学の名門校チャップマン大学。カリフォルニア州内のオレンジという閑静な大学都市にあり、エンターテインメント業界につながる多彩なプログラムを開講しています。

全米トップクラスの映画学校

ドッジ・カレッジは、アメリカでもっとも高い評価を受けている映画学校のひとつです。

映画・エンターテインメント業界誌『The Hollywood Reporter』による映画学校ランキングでは、2021年から5年連続で全米4位に選出されています。

チャップマン大学の魅力はランキングだけではありません。

ドッジ・カレッジが重視しているのは、映画について「知る」こと以上に、実際につくりながら学ぶことです。

「大学の映画学部」というより、映画スタジオに近い環境

キャンパスの施設にも実践重視の方針が表れています。

「マリオン・ノット・スタジオ」というスタジオ施設は約76,000平方フィート(約7,060㎡)。一般的な大学の教室棟ではなく、実際の映画・テレビ制作スタジオを再現することを目的として設計されています。

サウンドステージ、撮影スタジオ、フォーリーステージ、セットデザイン施設、編集室、ミキシングスタジオ、500席のシアターなどが揃い、学生は24時間利用できます。

映画制作を「授業として体験する」というより、大学にいる間から実際の制作現場に近い環境で作品をつくる。ここがドッジ・カレッジの大きな特徴です。

ハリウッドとの距離が近い

そして、チャップマン大学を語るうえで外せないのが、世界最大級の映画産業が集まるハリウッドと同じロサンゼルス圏に位置していることです。

「ハリウッドに近い」というのは、単に地理的な話だけではありません。

ドッジ・カレッジでは映画業界で活躍するプロフェッショナルから学ぶ機会を多く設けています。

キャリアセンターではインターンシップや卒業後の就職も応援。ハリウッドで活躍する第一線の映画人も講師として名を連ねています。

実際のキャリアにつなげる

チャップマン大学の強みは、映画について学ぶだけでなく、「映画を学ぶ → 映画をつくる → 業界と接する → キャリアへつなげる」という流れを、学生時代から経験できることです。

映画を研究対象として、歴史や理論を中心に学ぶ大学もあるなか、ドッジ・カレッジは映画を将来の仕事としてとらえた、実践的な教育に力を入れています。

では、学生たちは実際にどのような経験をするのでしょうか。次は「教室からハリウッドへ」つながるドッジ・カレッジの実践教育を見ていきましょう。

「教室からハリウッドへ」ドッジ・カレッジの実践教育

ドッジ・カレッジの大きな特徴は、学生のうちから映画業界に近い環境で、実際に作り、人と出会い、経験を積めることです。

映画の世界では、大学の成績や学位だけでキャリアが決まるわけではありません。どんな作品をつくってきたのか、どんな現場を経験したのか、そして業界との接点をどれだけ築けるのかも重要になります。

ドッジ・カレッジでは、こうした映画業界ならではのキャリア形成を意識した教育が行われています。

それを大学が理念として表しているのが

・テクノロジー
・メンターシップ
・実社会での経験

の3点です。

学生の映画制作に大学が資金を出す

映画制作を学ぶには、カメラや編集設備があるだけでは十分ではありません。実際に作品をつくるには、セット、衣装、機材、スタッフなどさまざまな費用がかかります。

ドッジ・カレッジでは学生の作品制作そのものを教育の重要な部分と位置づけています。そのため、学生の映画自主制作にも資金を投入しています。

2025年の大学発表によると、学部生のプロジェクトには15,000ドル、大学院生の卒業制作には20,000ドルを提供しています。

また、バーチャルプロダクションにも力を入れています。「ドント・ファミリー・イノベーション・ハブ」という新しい施設には、大型LEDスクリーンやプロ仕様のサウンドステージなどを導入。

ハリウッドの映画制作でも使われる高機能型グラフィックエンジン「アンリアル・エンジン」を活用した授業も行われています。

ハリウッドの第一線で活躍する映画人から学ぶ

もう一つ、ドッジ・カレッジならではの魅力が「マスタークラス」です。

これまでに、アンソニー・ホプキンス、ダニエル・クレイグ、セレーナ・ゴメスなど、映画・エンターテインメント業界の第一線で活躍する人々が講師として登壇しています。

重要なのは、このマスタークラスが単に有名俳優の講演を聞くイベントではないということ。

映画制作や演技、キャリアについて、実際に業界で仕事をしてきた人たちが経験を直に届け、学生も積極的に質問をぶつけます。

映画のつくり方を教科書だけで学ぶのではなく、実際に映画をつくっている人の思考や仕事の進め方に触れられる。それがドッジ・カレッジならではの「ハリウッドに近い教育環境」です。

インターンシップから映画業界への入口をつくる

映画業界を目指す学生にとっては、インターンシップも重要な経験になります。

ドッジ・カレッジのキャリアセンターでは、学生のインターンシップや卒業後の就職をサポート。Amazon MGMや大手タレントエージェンシーWMEをはじめ、映画やテレビをはじめとする映画・映像業界への高い就職支援実績があります。

口コミサイト「Reddit」では、ドッジ・カレッジでアニメーションを学び、卒業後にテレビ脚本家になったという卒業生が、自身の経験を詳しく投稿。

この卒業生によると、チャップマン大学のネットワークを通じて、卒業前に大手アニメーションスタジオでプロダクション・アシスタントの仕事を獲得し、4年次には授業を続けながらフルタイムで働いていたといいます。

また、卒業後すぐプロダクション・アシスタントの仕事を得た知人の多くが、インターンシップをきっかけに仕事につなげていたとも振り返っています。

もちろん、一人の卒業生の経験をすべての学生に当てはめることはできません。それでも、映画業界を目指す学生にとって、大学在学中から現場との接点をつくることの重要性がよくわかるエピソードです。

「チャップマンに入ればハリウッドへ行ける」わけではない

一方で、この卒業生は興味深い指摘もしています。

大学の名前以上に重要なのは、本人の努力、人脈づくり、そして作品の質だというのです。ドッジ・カレッジはネットワークを築くためのチャンスが豊富にあるけれども、学校が自動的にキャリアをつくってくれるわけではない、とも述べています。

これは、チャップマン大学への映画留学を考えるうえで、持っておくべき心構えとも言えます。

チャップマン大学映画学部で学べるコースは?

学部課程には、監督や撮影、編集を目指す人のための映画・テレビ制作をはじめ、脚本、プロデュース、アニメーション&VFX、演技、映画研究、エンターテインメント・マーケティングなど、映画・メディア業界のさまざまな仕事につながる専攻があります。

映画・テレビ制作

映画監督、撮影監督、編集、音響、プロダクションデザインなど、実際の映画制作に携わりたい人に向いているコースです。

最初の2年間で映画制作全般について学び、その後は

・監督・ディレクション
・撮影
・編集
・音響
・美術・プロダクションデザイン

のいずれかを専門として選びます。

授業では実際に数多くの作品を制作し、最終的には卒業制作にも取り組みます。監督志望者はもちろん「撮影を仕事にしたい」「編集や音響のプロになりたい」といった人にも向いているコースです。

脚本

映画やテレビドラマの脚本家を目指す人のためのコースです。

キャラクターの作り方、ストーリー構成、台詞の書き方などを学びながら、短編映画から長編映画、テレビシリーズまでさまざまな形式の脚本を書きます。

卒業までに少なくとも2本の長編脚本を制作し、自分の作品をポートフォリオとして残すことができます。

また、映画制作やプロデュースなどを学ぶ他コースの学生と協働できるのも、映画学校の中で脚本を学ぶメリットです。

クリエイティブ・プロデュース

映画やテレビ番組のプロデューサーを目指す人に向いているコースです。

プロデューサーの仕事は、作品の企画だけではありません。脚本企画、資金調達、予算管理、スタッフ編成、マーケティング、配給、さらにはエンターテインメント法まで、一本の作品を世に送り出すための幅広い仕事を担います。

ドッジ・カレッジではこうしたビジネス面を学ぶだけでなく、映画制作を学ぶ学生たちとチームを組んで実際に作品をプロデュースします。

最終学年には映画やテレビパイロット版の制作にも取り組みます。

アニメーション&VFX

アニメーション、CG、VFXなどの映像表現を学びたい人向けのコースです。

2Dアニメーション、3Dアニメーション、ビジュアル・エフェクト(VFX)の分野があり、キャラクター制作からデジタル技術を使った映像表現まで学びます。

実写映画を制作する学生たちと協働してVFXを担当したり、LEDウォールやモーションキャプチャーを利用したバーチャルプロダクションに取り組む機会もあります。

ディズニー、ドリームワークス、ピクサーなどのスタジオへ就職している卒業生もいます。

スクリーン・アクティング

映画やテレビ、デジタルメディアなど、カメラの前で演じる俳優を目指す人のためのコースもあります。

映像作品に必要な演技のテクニックや、カメラを意識したパフォーマンスを実践的に学びます。

学生の自主作品に実際に出演しながら経験を積むこともできます。

映画・メディア研究

映画を「つくる」ことだけでなく、映画を研究・分析する側から学ぶこともできます。

このコースは、映画史、映画理論、映像表現、現代のメディア文化などを研究するプログラムで、映画批評、映画史研究、研究などにつながる専攻です。

理論だけを扱うわけではなく、映像エッセイや短編映画などを実際に制作しながらメディアについて考える授業も取り入れられています。

映画以外のメディア分野を学べるコースも

このほか、ジャーナリスト、ドキュメンタリー制作者、スポーツメディアを目指す人のための「ドキュメンタリー・スポーツメディア・ジャーナリズム」もあります。

また、広告・PR、エンターテインメントマーケティングなどに興味がある人には「PR・広告・エンターテインメントマーケティング」の課程もあります。

チャップマン大学映画学部の難易度

チャップマン大学映画学部は、映画を学べる大学のなかでも入学難易度の高い映画学校です。

日本の大学のような「偏差値」はありませんが、大学が公表している合格率を見ると、その難易度がわかります。

特に人気の高い映画・テレビ制作(Film and Television Production)では、1年次入学の合格率はわずか8%。編入でも10%です。

一方、その他のプログラムでは30~40%となっており、専攻によって難易度にはかなり差があります。

映画・テレビ制作コースは合格率8%

映画・テレビ制作コースはドッジ・カレッジのなかでも人気の高いコースのひとつ。成績水準は高く、大学が公表している入学者の平均GPAは3.92です。

「ストーリーを伝える力」が見られる

ドッジ・カレッジの出願者は「クリエイティブ・サプリメント」という作品提出が必要ですが、映画・テレビ制作コースの場合には映像作品やライティング作品などが必要となります。

指定されたテーマに沿った2分未満の映像作品課題の例としては、セリフやナレーションなどを使わず「難しい決断を迫られた人物」を映像だけで描くこと、といったものがあります。

大学側は、豪華な機材を使えるかどうかではなく、ライティング作品ではストーリーテリング能力、映像作品では映像によって魅力的なストーリーを伝える能力を評価すると公表しています。

つまり「映画をどれだけ知っているか」ではなく、「あなたならどんな物語を伝えられるのか」が選考の重要なポイントになるわけです。

学生時代から映画を撮っていないと不利?

ここは、これからチャップマン大学を目指す人にとって気になるところでしょう。

ドッジ・カレッジは志願者の独創的なストーリーテリング能力や、興味のある分野で創作活動を続けていることを重視すると公表しています。

その意味では、出願直前になって初めて作品を準備するというより、日頃から短編映像を撮る、脚本を書く、写真を撮る、学校行事や自主制作に参加するなど、自分なりの創作経験を積み重ねておくことが大切です。

プロ並みの作品をつくる必要はありません。重要なのは、その作品を通じて「自分は何を伝えたいのか」「どんな表現をしたいのか」を見つけていくことです。

日本からドッジ・カレッジ留学を目指すには?

チャップマン大学学部課程へ出願する

高校生が大学学部課程に留学するには、次の提出物を準備していきます。

願書大学共通窓口からのオンライン出願書のほかに、大学が用意している質問書も提出します。
高校の成績証明書
学校レポート
 
高校のカウンセラーまたは学校担当者から提出
推薦状教員からの最低1通が必要。最大2通まで審査対象となり、志望者のクリエイティブな能力について評価できる人から追加の推薦状を任意で提出可能。
英語力テストのスコアTOEFL 4.5以上
IELTS 6.5以上
Duolingo English Test 120以上
SAT/ACT任意。ただし、SAT Evidence-Based Reading and Writing 600以上、またはACT EnglishとReadingの両方で24以上があれば英語力スコア提出は免除される。
クリエイティブ・サプリメント
志望する専攻ごとに指定された作品を提出。

大学生・社会人なら修士課程へ

日本の大学に在学している人や、社会人として働いている人の場合は、大学院課程を目指すのがいいでしょう。

ドッジ・カレッジには、映画制作だけでも複数の修士課程を開講しています。

▼代表的なプログラム

映像制作
映像・テレビ制作
脚本
プロダクション・デザイン
音響
脚本/プロデュース(テレビ)
映像・メディア学

▼大学院出願に必要な主な提出物

志望理由書
履歴書
推薦状
いずれかの英語力スコア(TOEFL 5.5以上、IELTS 7.5以上、PTE 76以上、Duolingo 135以上)
大学の成績証明書
クリエイティブ・サプリメント(作品)※コースにより内容が異なります

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チャップマン大学への映画留学、費用はどのくらい?

チャップマン大学は私立大学のため、留学費用は決して安くありません。しかし、留学生向けに奨学金や援助の制度も実施していますので、よく読んで計画的に準備していきましょう。

学部課程の留学費用

学部課程の場合、2026-27年度の授業料は年間69,990ドルです。

留学生の場合は、これに寮・食費、健康保険、教材費、交通費などが加わります。大学が公表している留学生の年間費用は次のとおりです。

授業料$69,990
寮・食費$18,900
健康保険$2,365
教材費$1,600
個人の支出・交通費目安$3,400
合計$96,255

なお、ドッジ・カレッジでは履修する授業によって1科目75~300ドル程度の追加費用がかかるほか、映画制作科目では作品制作に伴う費用が別途必要になる場合があります。

大学院(修士課程)の学費

大学院はプログラムによって学費が異なります。

▼代表的なプログラムの年間授業料(2026-27年度)

  • 映像制作:52,828ドル
  • 映像・プロダクション:56,036ドル
  • 脚本:56,036ドル
  • 映像・メディア学:30,870ドル

Graduate Admission︱International Tuition and Costs | Chapman University

奨学金

アメリカの大学では留学生は奨学金制度の対象外となることも多いのですが、チャップマン大学では留学生が対象となる奨学金制度も実施しています。

1年次入学の留学生向けには成績・実績に応じて支給される年間最大42,000ドルの奨学金や、家庭の経済状況に応じて支給される年間最大15,000ドルの学資援助もあります。

大学院の場合も実績・能力をもとにした奨学金の選考対象になります。選考は出願内容に沿って審査されます。

チャップマン大学では「Need-aware(ニード・アウェア)」の方針を採用しています。簡単にいえば、入学審査の際に学力や活動実績などだけでなく、大学の費用をどの程度負担できるかという家庭の経済状況も考慮される仕組みです。

そのため、多額の学資援助が必要な学生の場合には、それが入学審査に影響する可能性があります。

学費・奨学金制度は年度によって変更されます。出願時には必ず最新情報を入手して、計画的に準備していきましょう。

International Costs and Financial Aid | Chapman University
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