こんにちは。留学・キャリアコンサルタントの本橋幸夫です。
今回は、「英語の上達をより早めるために、留学をすべきか、国内の英会話スクールに通うべきか、どちらが良いでしょうか?」というご質問についてのお話を、2回にわけてしたいと思います。
海外で3年暮らしても英語が話せない?
では、はじめましょう。
最初に、このコラムを読んでくださっているすべての方にお伝えしたいことがあります。
それは、実際に、2年や3年くらい海外生活をしても、ほとんど英語(あるいは、留学国の言語)を話せない人もいる、という事実を、まずは知って欲しいのです。
英語の上達をより早く実現させたいという方に対して「英語を早く上達させたいのであれば、留学しなさい!」という言い方は、私は無責任だと考えています。これまで多くの相談を受けてきましたが、一度もそう言ったことはありません。その理由は、多くの留学生の実態を見てきているからです。
英語の上達のスピードにはもっと大切なことがあるのです。それが次の二つ。
本人が、どれくらい強く、英語を上達させたいと『本気』で考えているか、という意志や決意の強さ。
英語を学ぶ上での明確な目的があるか。
この二つが、直接的に語学上達のスピードに影響します。
語学の上達に時間がかかってしまう人の共通点
確かに留学すれば、24時間が外国語の環境になるわけですから、語学上達のための圧倒的に有利な環境が手に入ります。そんななか、語学の上達に時間がかかってしまう人がいるのはどうしてでしょうか。
実は、留学しても語学の上達に時間がかかってしまう人には共通点があるんです。それは、「留学したら」自動的に英語が話せるようになる、あるいは、話せるようにしてもらえる、と思い込んでいる人達です。“妄想”を抱いているのです。国内の英会話スクール通学者のなかにも同じ傾向を持つ人がいます。
「留学が」あるいは、「英会話スクールが」英語を話せるようにしてくれる、といったように、主体が自分以外に向いてしまっている人たち。その姿勢を持っているかぎりは、何年留学しようとも、英会話スクールに通おうとも、残念ながら英語を自在に使えるようにはなれないでしょう。
拙著「語学留学指南」(ナカニシヤ出版)で詳しく述べておりますが、私は、語学習得は、スポーツの上達と一緒だと考えています。得意・不得意ということではありません。
たとえば、テニスが上手くなりたいとしましょう。その場合、どんなにテニスコートの設備が整っていようとも、すばらしいコーチが付いていようとも、あるいは、一流メーカーのテニス用具が揃っていても、その場にいるだけでは決してテニスは上手くなりませんよね。
上手くなるには、自分で自主トレーニングをして体力をつけたり、コーチからアドバイスされたことを実践で生かせるように毎日練習を積まなければなりません。また、コーチのアドバイス以外にも自分で考えた練習メニューも当然、必要ですね。
語学習得も一緒です。授業で学んだこと、インプットしたものを、どんどん学校以外でもアウトプットする機会を増やしたり、話す練習を積まなければ語学は上達しないのです。また、普段から、レッスン以外にも、何気なく見たり、聞いたりした事の中から英語上達に結びつけて考える癖をつけることも必要でしょう。
言語を習得するには、とても地道な努力が必要です。留学であっても、国内の英会話スクールであっても一緒です。
>>(後編)留学と国内の英会話スクール、上達が早いのはどっち?
▼文中で参照された本
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文:本橋幸夫(留学・キャリアコンサルタント)
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